天に輝くは黄金の北極星   作:帝月

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更新ッ!

仕事が地獄ダダダダダダッ!

毎日毎日フル残業にしなくても良いじゃない!?

そんなこんなで更新death!

何気に今回やりたかった事をやれて満足!


『燃ゆるは『始まりの火』輝くは『希望の光』』

天を突かんばかりの巨大な異形の化け物がその巨大を震わせる。

 

対峙するは古今東西に名を轟かせる英雄達。

 

神秘が薄れ、科学が発達した現代にて行われているのは、まさに神話の戦いの再現。

 

「でやぁあああああっ!」

 

裂帛の気合いの下振るわれる聖剣が化け物が生やす無数の触手を切り落とし、

 

「A〜LaLa LaLa LaLa LaLaAAAAッ!」

 

神牛が引く雷纏いし戦車が幾つもの大木の如き触手を貫き、踏み潰し、引き千切りながら蹂躙し、

 

「フッ!」

 

極太の触手を足場に駆け抜け、紅と黄の魔槍によって幾つもの穴が穿たれ切り裂かれていく。

 

「ふむ…やはりあれ程に巨大であれば、そう容易く伐採も出来んか」

 

空から冷静に状況を見つめるは英雄達の王、我らがギルガメッシュ。

 

戦況を見下ろしながらも、宝物庫より覗かせた魔仗及び砲撃宝具によって不気味に蠢く触手を撃ち貫く。

 

英雄王の宝物庫より繰り出される砲撃は強力で、大木の如き触手を意図も容易く貫き大穴を開けるも…

 

「何という再生力!?」

 

その巨大に見合った凄まじい再生力によって穿たれた穴は塞がれ、落とされた触手の断面から新たな触手が生やされる。

 

「気持ち悪い…」

 

「なんなのよ…アレ…もう…生物の範疇を超えてるわよ!」

 

巨大な化け物の醜悪さ、そして規格外の再生力に子供達は恐れ慄く。

 

「クッ!」

 

そんな子供達とは対照的に『天翔ける王の御座』(ヴィマーナ)の船上にてランスロットが悔しそうに奥歯を噛み締める。

 

「ギルガメッシュ王よ! どうか私を行かせて下さい!」

 

現状遠距離攻撃の手段の無いランスロットでは、船上から攻撃を行う事が出来ず、子供達の護衛をしている以上船から離れられないのを理解しているものの…

 

心情と役割を理解しつつもランスロットの心は二律背反に陥り、己の心と役割とで葛藤する。

 

「ふむ…まぁ待て…」

 

「何故です!?」

 

ランスロットが己の心の内を叫ぼうとしたその時、

 

突如闇の雲海を突き破って二騎の戦闘機が現れ、そのうちの一機が化け物へと突撃して行く。

 

「アレは!」

 

現れた鉄の鳥は勇敢にも未知の化け物へと勇み迫るも、その金属の羽は無惨にも触手に貫かれ、複数の触手によって絡め取られる。

 

「@☆$%#*〆ッ!?」

 

恐怖のあまりか、最早言葉にならない叫び声を上げて取り込まれ様としたその時、

 

「やれやれ…全くもって見苦しい生き物よ」

 

端正な顔をめんどくさそうに歪ませながら、宝物庫から複数の魔仗を出現させると同時に幾つもの光を打ち込み、戦闘機を束縛する触手を消し飛ばす。

 

拘束から解放された鉄の鳥は、その身を半壊させながら墜ちつつも正気を取り戻した操縦者がコックピットから射出され川辺へと不時着する姿が見える。

 

「おい駄犬、丁度良い物があるであろう?」

 

そう言ってもう一機の戦闘機を指差すギルガメッシュ。

 

その行動を理解したランスロットは…

 

「感謝します! ギルガメッシュ王ッ!」

 

『天翔ける王の御座』(ヴィマーナ)からタイミングを見計らって飛び降りる!

 

「えっ!? 大丈夫なの!?」

 

「ウソっ!? ここ空の上よ!?」

 

突然の凶行に慌てる子供達だが、

 

「案ずるな、アヤツも英雄。 この程度大した事では無い」

 

件のランスロットは高速で飛行する戦闘機の真上に降り立ち、己の宝具である『騎士は徒手にて死せず』(ナイト・オブ・オーナー)を発動させる。

 

その両手に掴んだ物を己の制御下へ置くその宝具によって、戦闘機は一気に黒へと染まり、

 

「ひああああああああっ!?」

 

戦闘機の制御権を奪い取ると同時に、己の理解の及ばない現状に発狂し叫ぶパイロットをコックピットの脱出装置を強制的に起動させ、暫しの間空の旅を味わってもらう事となる。*1

 

「王よ! 今このランスロットが参ります!」

 

制御下に置いた戦闘機の武装とスペックを理解したランスロットが、その黒に染まった鉄の鳥を操り化け物へと飛んでいく。

 

鉄の鳥は炎を吐き出し、空を飛び、速さは音速を超え爆音と共に無数の弾丸を撒き散らして行く。

 

「ランスロット卿!?」

 

ランスロットの援護射撃によって、己に迫りつつある触手が退けられていくのを確認したセイバーが歓喜の声を上げる。

 

 

英雄達が前線にて戦う中、野次馬達が続々と集まり、中には呑気に写真を撮ろうとしている者達がいる中、

 

 

「へへ…凄え…凄ェよ…マジ凄えよ…ザマァ見ろ」

 

唖然とする民衆を見下ろすのは、

 

「へへへ…」

 

醜悪なる肉塊に取り込まれた半死半生の雨生 龍之介であった。

 

「お前ら今日までずっと…損してきたんだぜ…」

 

「悔しいだろ? 情けねぇだろ?」

 

「常識の枠の外には…どれだけ面白可笑しい世界が待ち受けているか…お前達は予想もしなかった…試してみようとさえ思わなかった…」

 

「けど…俺は…わかってた…」

 

「だから普通じゃやらない事をやらかして…毎日サプライズを探し求めて…血眼になって…走り回って来た」

 

「そうして…」

 

「やっと見つけたのさ…探し求めていた…玉手箱を…」

 

「そうだろ…旦那ぁ…」

 

徐々に弱々しくなる心音に同調するかの様に、途切れ途切れに言葉が紡がれ…生命の終わりを感じさせる。

 

「えぇ…リュウノスケ…」

 

そんな己のマスターを愛おしそうに抱きしめ、まるで宝物を扱うかの様に優しく抱くキャスター…ジル・ド・レェ。

 

「貴方に私の全てを持って最高のCooLをお見せ致しますよ…我が『友』にして唯一の理解者よ!」

 

狂気的な笑顔を浮かべながら、呼び出した海魔に更なる魔力を供給し暴走させる。

 

「さぁ! 私達の最高のCooLを愚かな下々に! そしてのうのうと踏ん反り返っている天上の神々に見せつけてやりましょう!『螺湮城教本』(プレラーティーズ・スペルブック)ッ!!」

 

もとより明日の事など考えてはおらず、消える事が確定しているのならばこの世に己の足跡を残してやると意気込み最期の足掻きと全ての札を切ったのだ。

 

魔導書の表紙に貼り付けられた人の顔らしきパーツが叫ぶ! それはまるでキャスターに呼応するかの様に叫びを上げると同時にキャスターの背後に巨大な魔法陣を描き『繋がってはならない場所』へと繋げてしまう。

 

『螺湮城教本』《プレラーティーズ・スペルブック》はクトゥルフ神話におけるルルイエ異本と同質の物であり、招き寄せるは…

 

「フハハハハッ! サァッ!☆¥×%バレ#$€ナザイ〆☆ッ!」

 

狂気の存在、その凄まじい狂気に触れたキャスターは元より狂っていた精神をさらに狂わせ最後の理性の箍を外す。

 

召喚者の意思を受けた化け物が暴れ出そうとしたその時!

 

「来たれ! 我が軍勢達よッ!『王の軍勢』ッ!!(アイオニオン・ヘタイロイ)

 

熱風が吹き荒れ世界を隔てる境界線を生み出し、巨大海魔を取り込み、何処までも続く砂漠地帯が展開される。

 

「えっ!?」

 

「消えた!?」

 

「な、何が!?」

 

突然の巨大海魔の消失に驚く野次馬達だが、

 

「皆さーんッ! 此処は現在幻覚作用のあるガスが充満して危険です!」

 

「我々が先導しますので避難して下さーい!!」

 

突如現れた複数の人影達が野次馬を先導し避難を促す。

 

無論この人影達は分身したアサシン達であり、先程の巨大海魔をある意味型月名物のガス災害として扱い避難指示をだす。

 

その際に催眠系魔術なども併用しスムーズに事を運んでいる。

 

一種のパニック状態の上で催眠系や誘導系魔術の併用を受けた野次馬達は、所詮はただの一般人故に、この尋常ざらる状況も相まって笑先にと避難を開始する。

 

「やれやれ…やっと来おったか…」

 

「遅くなり申し訳ありませぬ。 英雄王…」

 

出遅れたアサシン達にため息を漏らしていれば、アサシン達のまとめ役たるアサ子が『天翔ける王の御座』(ヴィマーナ)の船上へと現れ、ギルガメッシュの前に跪き頭を垂れる。

 

「良い…征服王が固有結界にてあの汚物を閉じ込めておる内に避難を終わらせよ」

 

「御意。 現在半数以上を既に避難完了させております故、あと数分あれば全て避難させれます」

 

船上にてアサシンと情報交換をしている間地上では、

 

「どうする? ライダーが固有結界にあの化け物を閉じ込めたから時間稼ぎは出来たけど、その間に僕達はどう行動すれば良い?」

 

「そうね…王さまには何か考えがある様だけど…」

 

マスター2人が話し合っていたその時、

 

「キャッ!?」 

 

突如アイリスフィールから電子音が鳴り響く。

 

「わっ! わっ! えぇと、あの…これどうするのかしら?」

 

慌てながらスカートのポケットから小型無線機(携帯)*2を取り出すも、

 

「わわわわ!?」

 

使い方がわからないのか、慌てふためきながらお手玉の様に機械を上下させる。

 

「………」

 

それを見兼ねたウェイバーがアイリスフィールから機械を奪い取り、

 

「もしもし?」

 

アイリスフィールの代わりに出る。

 

「アイリか?」

 

「いや…僕はじゃなくて…」

 

「そうか? ライダーのマスターだな。 丁度良いお前にも話がある」

 

「誰だアンタは!?」

 

電話口の相手、衛宮切嗣に話しかけられた事で動揺するウェイバーをよそに、

 

「そんな事は良い、キャスターを消したのはお前のサーヴァントの仕業だな?」

 

淡々と要件を告げる。

 

「そうだけど…」

 

「なら質問だ。 ライダーの固有結界…アレは解除した時に中身を狙った場所に落とせるか?」

 

「ある程度…精々100mかそこいらの範囲だとは思うが可能な筈だ…外に再出現させる時の主導権はライダーにあるだろうから」

 

「後で僕がタイミングを見計らって信号弾を打ち上げる…その真下でキャスターを解放しろ、出来るな?」

 

「…出来る…と思う…たぶん」

 

「もう一つ、その場にいるランサーに言ってやれ。 セイバーの左手には対城宝具があるとな…」

 

「はぁ?」

 

切嗣の言っている事が理解出来ないウェイバーが首を傾げ、

 

電話先の切嗣がこれ以上喋る事は無いと電話を切る。

 

切嗣の台詞を聞いたウェイバーがジッとランサーを見る。

 

「どうかしたのか?」

 

それを不思議そうに問うランサー。

 

「それが…アンタに言伝があった…『セイバーの左手は対城宝具』だとか何とか…」

 

切嗣言伝…それは暗にセイバーの左手につけられた『呪いの傷』を解けと言う事である。

 

「本当なのかセイバー?」

 

「………」

 

ランサーの問いに対して無言で頷く事で肯定の意を返す。

 

「それはキャスターの…あの化け物を一撃で仕留め得るモノなのか?」

 

「可能だろう…だが…ランサー…我が剣の重さは誇りの重さだ。 貴方と戦った結果の傷は誉れであっても決して枷ではない…この左手の代替に『ディルムッド・オディナ』の助成を得るならそれこそが万軍に値する」

 

セイバーはその高潔な精神から、己の宝具の発動を阻害するランサーの魔槍による傷を誇りであると言い放つ。

 

「…なぁ…セイバー…俺はあのキャスターが赦せない…奴は諸人の絶望を是とし恐怖の伝播を悦とする者…騎士の誓いに懸けてアレは看過できぬ『悪』だ! 今勝たねばならないのはセイバーか? ランサーか? 否! どちらでも無い!」

 

この時のランサーは覚悟を決めた漢の貌を見せる!

 

「ここで勝利すべきは我らが奉じた『騎士の道』そうだろう? 英霊アルトリアよ」

 

「ランサーッ!? それは! 駄目だ!!」

 

ランサーがこれから行う事を瞬時に理解したセイバーが止めようとするも、

 

バギンッ!っという槍の折れる音と共に呪いの元凶たる黄の魔槍が二つに折れる。

 

「我が勝利の悲願を騎士王の一刀に託す…頼んだぞセイバー」

 

「請け合おう…ランサーッ! 今こそ我が剣に勝利を誓う!」

 

魔槍の呪縛から解放されたセイバーが剣を掲げたその時、今まで剣を隠す為の鞘となっていた高密度の風が解かれ、圧縮されていた風が解放された事で周囲に一陣の風が舞い踊り、その黄金に輝く刀身を露わにする。

 

「あれが…アーサー王伝説の…」

 

イギリス人であるウェイバーからすれば、それは馴染み深く一度は憧れる存在。

 

「勝てるわ!」

 

勝利を確信するも…

 

「それだけでは足りんぞ雑種共」

 

突如威厳ある声が響き全員の視線を釘付けにする。

 

「英雄王!?」

 

気づけば、いつの間にか『天翔ける王の御座』(ヴィマーナ)の高度が下げられており、それだけでなく気配を感じさせる事も無く現れていた英雄王の姿に驚愕する。

 

「あのデカブツだけならそれで良かったが、あの外道…どうやら完全に門を開き異界の存在を呼びおったわ」

 

「それは…ライダーっ!?」

 

英雄王の言葉の意味を問おうとしたウェイバーであったが、突如辺り一体に衝撃音が響く。

 

固有結界にて巨大海魔を抑えていた征服王の限界が近い合図であった。

 

「ウソだろ!」

 

ウェイバーが叫んだその時、1人の戦士が現れウェイバーの前に跪く。

 

「ヘタイロイが1人ミトリネス。 王の耳に成り変わり馳せ参じてございます!」

 

「これから合図を待って指定された場所にあの化け物を放り出せる様に結界を解いてほしい! できるよな?」

 

「可能ですが、事は一刻を争います…既に結界内の我らが軍勢はあの海魔を足止めし続ける事が叶いそうになく…」

 

ウェイバーの問いに答える戦士であるが、既に限界が近くこれ以上の時間の猶予がない事を伝えてくる。

 

「わかっている! わかっているんだ!」

 

「先も言うた通りだ、あの外道共が余計な事をしでかした…あのデカブツを消し飛ばすには確かに騎士王の聖剣が必要だが…あの外道の悪足掻きにはソレだけでは足りん」

 

「ならばどうするのですか英雄王っ!?」

 

多大な犠牲を払ったのにも関わらず、火力不足と言われたセイバーが苛立ち混じりに英雄王に問い詰めると、

 

「フン…故に…我も貴様に協力してやる故に合わせよ」

 

徐に宝物庫を開き、その黄金の波紋の先から取り出されるのは…一本の刃無き剣…

 

そしてその時暗闇の空に一条の流れ星…否ッ! 衛宮切嗣が発射した信号弾が輝く。

 

「あれだ! あの光の真下!」

 

「御意ッ!!」

 

ウェイバーの声に反応した戦士が消えた次の瞬間、

 

空間が歪み、ゴゴゴゴゴッ!っという轟音と共に再び巨大な化け物が現れる。

 

その姿は先程よりもさらに醜悪さを増しており、正にこの世に存在してはならない存在と言えよう。

 

そして…

 

「アイ!」

 

「はいっ!?」

 

ギルガメッシュの唐突な呼び声に驚きながらアイは直様反応を返す。

 

「命令だ! 我のために『歌え!』」

 

「うん!」

 

ギルガメッシュの命令に嬉しそうにアイが声を上げる。

 

そしてそれと同時に開かれた宝物庫から再び、自動演奏人形(オート・マタ)達も現れあっという間にステージが出来上がる。

 

そして少女は歌う、ただ1人の王の勝利のために。

 

心を 全部 焼き尽くすような 絶望の隣で いつだって

君は すべて とかすように 笑いかけてくれてた

 

掻き消された声

届かない言葉

また 躓きそうになる度に

何度も しがみついた

 

少女が歌うと、その身体から光が放たれる。

 

「「「綺麗…」」」

 

その姿に3人の少女達が目を奪われる。

 

「これは!」

 

気づけばギルガメッシュだけでは無く、セイバーの身体にも光が宿り、大量の魔力が生み出されている事に驚く。

 

「フハハハハッ! 良い! 良いぞ! ならばその働きに相応しい成果を見せてやらねばな!」

 

宝物庫より取り出された『煌炎剣』(リットゥ)の刃無き刀身に炎が灯る。

 

白く 白く 真白な未来が

たった ひとつ 僕達の希望

今の僕には 闇雲な このきもち しかないけど

正解なんて ひとつじゃない

僕だけの明日を探してる ずっと

 

歌の前奏が終わり中盤へと進む中、

 

「さぁ…目覚めよ『煌炎剣』(リットゥ)!」

 

炎の剣を振り翳し、天に向かって伸ばせば巨大な火柱が上がる。

 

「輝ける彼の剣こそは過去・現在・未来を通じ戦場に散ってゆく全ての兵たちが今際の際に懐く、哀しくも尊き夢その意志を誇りと掲げその信義を貫けと糾し今常勝の王は高らかに手にとる奇跡の真名を謳う其は…」

 

英雄王の行動に合わせて騎士王もまた己の剣たる『約束された勝利の剣』(エクスカリバー)を頭上へと掲げる。

 

 

凍てつく空に 鈍る感覚

それでも 手を伸ばして

 

後悔にさえも

辿り着けぬまま

あきらめてしまったなら

きっと 必ず 後悔する

 

白く 白く 降り積もる理想に

僕の足跡 刻んでいくよ

今の僕には 闇雲な このきもち しかないけど

正解なんて ひとつじゃない

僕だけの明日を探してる ずっと

 

曲の中盤が終わり、

 

2人の王の掲げる剣が輝きを増す。

 

「ここに束ねるは星の息吹…輝ける命の奔流…」

 

騎士王の剣に希望の光が集まり、光の剣へと姿を変える。

 

そして英雄王は唄う。

 

原初を照らす! 火は生死を分け

 

光が始まりを告げる!

 

世界に差異を齎すは我が

 

煌炎剣

 

天上を焼き尽くす原初の炎

 

焦がせ! 焦がせ! 那由多の果てまでも!

 

全ての始まりとは

 

燃ゆる炎の祝福よ!

 

その身を薪と成し燃え盛るが良い!

 

 

『煌炎剣』(リットゥ)の刀身から吹き上がる火が色を変える、赤から紅そして臨界点を超え『光』へと変わる

 

黄金の光の柱と白き光の二柱が天を貫かんと立ち並ぶ。

 

「「ッ!!」」

 

そして本能的な恐怖を感じたのか、それを阻まんと化け物がその巨大な触手を王達へと振るうその瞬間!

 

「やらせはせん! やらせはせんぞぉッ!」

 

黒い戦闘機を巧みに操り、機関銃の掃射とミサイルを妨害しようとしている触手に打ち当て王達を護る狂戦士の姿が見える。

 

「ランスロット卿ッ!」

 

「騎士王よ! 今が好奇! 遅れるなよ!」

 

 

生まれてきた意味

めぐり逢えた理由

運命が 今 つながる

 

白く 白く 真白な未来が

たった ひとつ 僕達の希望

いつか この手で 僕らの願いを叶えよう

 

白く 白く 降り積もる理想に

今日も 足跡 刻んでいくよ

今の僕には 闇雲な このきもち しかないけど

正解なんて ひとつじゃない

僕だけの明日を探してる ずっと

 

 

少女の歌が終わるその時、

 

「我に合わせろよ騎士王ッ!」

 

「貴方こそ私に合わせて下さい英雄王ッ!」

 

お互いが軽口をたたきながらも息を合わせ…

 

『約束された勝利の剣』(エクスカリバー)

×

『世界燃やす原初の火』(エヌマ・エリシュ)

 

 

白き光を放つ黄金の王と黄金の光を放つ白銀の王。

 

2つの剣から放たれる光が互いに交差しながら一直線に突き進む!

 

黄金の斬撃が巨大な化け物の触手を切り倒しながら進み、白き光が化け物を焼き浄め、そして黄金と白の光が化け物を呑み込む!

 

「おぉ…オ…」

 

化け物の体内に取り込まれたキャスターの目を黄金と白の光が焼く。

 

 

私はこの光を知っている…遠い昔に見た光

 

私はその輝きを追って…1人の騎士として戦場を馳せた

 

ランスで成し遂げられたシャルル王の戴冠式…大聖堂のステンドグラスから差し込んで来たあの光…

 

救国の英雄として参列した私を…そして…ジャンヌをアルス・ノヴァの奏べとともに包み込んでいた白く輝く歓喜の祝福…

 

ああ…間違い無くこの光だ

 

 

二つの光が化け物の体を焼き、浄化していく。

 

輝きに焼かれながらもキャスターは思いを馳せる。

 

 

結末が恥辱と憎悪に染められ、どんなに貶められたとしても…あの日の記憶…過ぎし日の栄光だけは私の胸の内に刻まれていた…

 

如何なる神にも運命も…もはや穢されない…あの光だけは…

 

 

キャスターの目から涙が零れ落ちる…

 

肉体は光と炎に焼かれ、熱さに包まれ、走馬灯が脳裏をはしる。

 

 

私は何を惑っていた?

 

何を見失っていた?

 

ただ顧みて認めれば…それだけで良かったのでは…

 

 

己の愚かさを振り返るキャスターの目に飛び込んで来たのは…

 

「ジャンヌ…」

 

美しい金髪を靡かせる、聖銀の戦装束に身を包む聖なる乙女の姿。

 

それは幻影か…己の都合の良い妄想か…

 

己が目に映るのは…かつて己が最も愛し、尊敬し、希望を見出したこの世で最も愛おしい存在…

 

そんな彼女が私に手を伸ばしてくれる…

 

私は彼女の手を取ろうとした…その時…

 

「旦那ぁ…」

 

己の腕の中に抱く『友』の姿を見て思い直す…

 

「あぁ…ジャンヌ…我が愛しき聖処女…私は貴女の手を取る事は出来ませぬ…私が犯した我が罪はあまりにも重い…そして…この地で出来た我が友を独りには出来ない…」

 

お優しい貴女なら地獄まで着いて来てくれるかもしれませんが…

 

「地獄へ行くのは私達だけで十分です」

 

キャスターはマスターである龍之介を強く抱きしめ、差し伸ばされた手を優しく振り払う。

 

その時の彼女(ジャンヌ)の表情は優しく微笑みながらも困った様な、微笑みを浮かべていた様に見えた。

 

「さぁ…いきましょう…龍之介…」

 

私の視界は光に染まる…

 

 

双王の放った光の剣は、黄金の斬撃が巨大な化け物の体内にある魔法陣を破壊し、白き炎がその巨大な肉体を焼き浄め、トドメとばかりに魔法陣の中へと突き進み『向こう側の世界』から現れ様としていた存在を押し返し、焼き尽くし、二つの光が爆ぜ、巨大なる化け物を世界から完全消滅させる。

 

「綺麗…」

 

「眩しい…まるで…夜明けの空みたい」

 

「これがエクスカリバー…」

 

「王さまの剣…白く光って綺麗…」

 

その光景を見ていた者達が口々に感想を述べる中…

 

「フン…時代の民草の希望を一身に引き受けた故のあの威光…眩しいが故に痛々しい…あんなものを背負わされたのがただの夢見る小娘だったと知ってしまってはな…そんな娘が蝶よ花よと愛でられる事も無く…『理想』などと言う『呪い』に憑かれた果ての姿がアレとはな…痛ましくて見るに堪えぬわ」

 

征服王だけは騎士王の痛々しさと、年頃の少女が受けれたであろう体験を得られぬまま理想という名の呪いに取り憑かれた姿に憐れみを感じていた。

 

「まぁ…今宵は余も消耗し過ぎた…故に…」

 

征服王は戦車を走らせマスターの下へと向かう。

 

「さぁ坊主! 帰るとするぞ!」

 

「わわ!? ら、ライダーっ!?」

 

ウェイバーを抱き抱え、戦車の中へと放り込む。

 

「おい! 英雄王ッ! 今宵の余は些か消耗した故に! 貴様との決着は次に持ち越しだ! 我らの対決は即ち、世界の覇者を決する大一番となる事であろう!」

 

「喧しい奴よ…だがまぁ、構わぬ…逃亡を許すぞ征服王。どうせ何れ近い内に相対する事となるのだ、精々この現世を愉しむが良い」

 

「応ともっ! その時は存分に死会おうぞ!」

 

豪快に笑いながら征服王は轟音と共に戦車で空を駆け去っていく。

 

「真っこと喧しい奴よなぁ…だがまぁ『終わりも近い』…精々愉しむが良い…」

 

ギルガメッシュは空を駆ける征服王の戦車を見送り、後ろに振り返り…

 

「今宵の目的は果たした! もうこの様な場所に用は無い故に帰るぞ貴様ら!」

 

さっさと踵を返して帰る事を選択する。

 

「騎士王よ…お前の真の剣…見させてもらったぞ…お前と雌雄を決するその時のを楽しみにしている!」

 

そう言い残して、颯爽とランサーは帰って行く。

 

「私達も帰りましょうか」

 

「そうですね…」

 

「俺達も帰る…あっ!」

 

雁夜はこの時気づく…行きも帰りもこのままでは再びあの惨劇が繰り返される事に。

 

「俺と葵さんは英雄王の船に…っていねぇ!?」

 

空に浮いていたはずの『天翔ける王の御座』(ヴィマーナ)は既に無く、またランスロットが乗っていた戦闘機の姿も無く、残されているのは自分と葵…そしてセイバーとアイリスフィールの4人であった。

 

「疲れたから早く帰るわよー!」

 

「誰か! 誰か助けて下さい!」

 

その日2人揃って再び叫ぶ事となる。

 

そして夜中に叫びをあげながら恐ろしいスピードで走る、ベンツェという都市伝説が生まれたとか。

*1
パイロットは無事河岸までながされていきました

*2
この時代の携帯は無骨でデカイ




原作では絶対出来ない英雄王と騎士王の合体技を披露しました!

原作セイバーさんだったら死ぬほど嫌がりそうですね。

そしてやっとキャスター討伐完了!

次の更新も頑張りますので応援よろしくお願いします!

感想や高評価をいただけますと作者はまだ頑張れます!

おや?時臣の様子が…

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