「はぁ…」
今日は何回ため息を吐いただろうか。他の人達は中学生活を大いに楽しんでいるというのに、俺は毎日が憂鬱で仕方なかった。
「…」
今は放課後で、グラウンドでは運動部がトレーニング等を行っている。随分と元気がいいものだ。俺にも分けてもらいたいくらいだ。
「さてと…」
このまま教室にいても何の意味もないので、俺はとっとと下校することにした。
「あっ。おい、春谷w」
すると突然、教室の隅から声を掛けられた。その声は俺の聞きたくない声だった。
「何…?」
「お前どうせ暇だろ?こっち来いよ」
「え、いや帰る…」
「いいから来いよ!」
「いや、だから帰るんだって…」
何故こうもコイツは人の話を聞かないんだか。ほんと自分勝手だ。
「言うこと聞けよ!人の誘いを断るとか酷ぇな!」
「時には断ることも必要だと思うけど…」
「あ?うるせぇな!お前殺すぞ?!」
はぁ…またお決まりの感じになったなぁ…。これがなければ俺も楽しい中学生活を送れたと思うのに。
「うわ、また始まったよw アイツもこりねぇなw」
今俺に殴りかかろうとしているヤツと一緒にいた奴らがニヤつきながら俺たちを眺めていた。ほんとに趣味が悪い。
「オラよ!」
「ぐっ…!」
ガタタタッ
俺は胸を勢いよく押され後ろにあった机にぶつかりながら倒れ込む。
「へっ、ザッコ!」
苛つきながら俺は立ち上がり、反撃したい気持ちもあるが、足早にその場を立ち去ることにした。
「アイツ逃げてやんの!w」
教室からは数人の嫌な笑い声が聞こえるがそれを無視して、目を潤せながら走って下校するのだった。
「なんで俺はいつもこうなんだ…!」
この日の夜、俺はある夢を見た。
「わたしはね!いーーーっぱいレースでいっちゃくとれるようになるんだ!」
「それじゃあ、ぼくがトレーナーになって、いっしょにいっちゃくをとれるようにするよ!」
「ほんと!?やったー!やくそくだよ?!」
「うん!」
昔、仲の良かったウマ娘の子と離れ離れになってしまう前に約束した淡い夢。語り合っていた時のその子の笑顔は今でも忘れないくらい、眩しくて、とても温かいものだった。
でも…
振り返ると、俺を笑いながら囲んでくる男たちがいた。俺は萎縮してしゃがみ込むと、そいつらは俺を軽く蹴ってくる。何度も、何度も何度も何度も何度も。聞きたくない嫌な笑い声を出しながら、俺を蹴り続けた…。
「っ…!」
気付くと朝になっていた。いや、時計を見たらもう昼に近かった。休日で良かったと思いながら、俺はなんとなくテレビを点ける。すると、つい最近行われたウマ娘のレースが流れていた。
「レースねぇ…」
―次は、注目のウマ娘を紹介します!今回紹介するのは、ハルウララさんです!―
「…えっ?!」
俺はその名前を聞いてかなりビックリした。何故なら、夢で見たばかりのウマ娘がテレビで紹介されていたからだ。
―今までのレースで優勝経験はありませんが、走っている姿から勇気を貰えると、話題のウマ娘なのです!―
「そっか…ウララはずっと頑張っているのか…。それに比べて俺は…」
テレビで仲の良かった子が紹介されているのはとても嬉しかった。…けど正直、ウララが走っている姿を見るのは少し辛かった。ウララはこんなにも夢に向かって頑張ってるのに、俺は他人に夢をバカにされただけで諦めてしまった愚か者であることに気付かされるからだ。
「まぁ、年齢的にトレーナーにはまだなれないし、最初から無理な話だよな…」
俺は無理矢理そう納得させることにして、テレビを消し、再びベッドに横になる。
「ごめん、ウララ…」
―トレセン学園 栗東寮―
「キングちゃん、ただいまー!」
元気よく同室のウララさんが部屋に入ってくる。
「おかえりなさい、ウララさん。レースお疲れ様。」
「ありがとう!でも、また今日も一着取れなかったけど、次こそは一着になるようにまた頑張るよー!」
「無理しない程度にね?」
「うん!」
ウララさんはいつも元気で明るくて、ちょっと頑張り過ぎてしまうところもあるけれど、めげずに努力するとても素晴らしいウマ娘だ。そして、そんな彼女を見て、明るくなって、また頑張ろうという気持ちにさせてくれる不思議なウマ娘でもある。
「んー?あれ!?」
「ど、どうかしたの?」
いきなり彼女が大声を出して驚いたので、何事かと思い事情を聴く。
「大切なお守りがないの!」
「お守り?」
「うん!いつもバッグに付けてたお守りが今見たらなくなってて…!」
ウララさんは泣きそうになりながらそう話してくれる。でも、こんなウララさんは初めて見た。それほど大切な物なのだろう。
「そのお守りを最後に見たのはいつですか?」
「えっと…トレーナーと競バ場から帰っているときはあったから…」
「そうなると、学園に着いてから無くした可能性が高いですわね。一緒に探しましょう。」
「いいの?」
「困ったときはお互い様ですわ。」
そう言うと、ウララさんはパァっと顔が笑顔になる。
「ありがとうキングちゃん!」
それからウララさんのお守りの捜索が始まった。落とし物として預けられていた物の中にはなかったので、手分けしてウララさんが寮まで通ってきた道を探すことにしたが…
「どこに行っちゃったんだろう…」
探し始めてから1時間ほどが経っても、ウララさんのお守りは依然として見つからないままだった。そして、時間が経つにつれてウララさんはどんどんと悲しそうな顔になっていく。
「どこかにあるはずですから、諦めずに探しましょう!」
「うん…本当にありがとう、キングちゃん…」
励ましになったかはわからないが、これ以上ウララさんに悲しんで欲しくなかったので、そう言って諦めずに探し続けようとしたその時…
「あれ?ウララにキングヘイローさん、ここで何してるの?」
「あ、トレーナー…!」
後ろからウララさんのトレーナーさんが声をかけてきた。
「えっ!どうしたのウララ?!」
トレーナーさんはウララさんが泣きそうになっているのに気づいて、心配そうにウララさんの傍へと駆けつけた。
「あのね、大切なお守りがなくなっちゃったの…」
「お守り…? あっ!もしかして、これのこと?」
そう言ってトレーナーさんがポケットから取り出したものを私たちに見せる。それは、夕日の光を反射して輝く、菱形でピンク色の綺麗な宝石のようなものだった。
「わー!これだよ!わたしのお守り!トレーナーありがとう!」
「あはは、それなら良かった。」
ウララさんはトレーナーさんに抱き着きながらお守りが見つかったことに大喜びしていた。
そんな中、私は一つ疑問に思うことがあった。
「それにしても、何故、トレーナーさんが持っていたのですか?」
「ああ、それはね、ついさっき偶々校舎付近を歩いていたら、これが落ちてるのに気づいたの。それと同時に、ウララがいつもバッグに付けてる物だってことを思い出して、今から栗東寮に行ってウララに届けるつもりだったんだよ。」
「そうでしたか。良かったですわね、ウララさん!」
「うん!キングちゃんも探すの手伝ってくれてありがとう!」
(うん、やはりウララさんの笑顔は何度見ても素敵ですわ。)
「見つかってほんとに良かったー!」
「ウララにとって一番大切なものなのね。いつもレース前に握りしめて1着になれるようにお願いしてるくらいだし。」
「うん!これはね、小学生の時にたー
(た、たー
「そ、その方とは仲が良かったのですか?」
「うん!小学生の時の一番の仲良しだったんだ♪」
「へ、へー…、そうでしたか…。」
まさか、ウララさんにそういう交友関係があったなんて知らなかったので、少し驚きだった。
「でね、たーくんと約束したの!わたし、いーーーっぱい一着取れるようになるって!そしたらね、たーくんが「ぼくはトレーナーになって一緒に一着取れるようにするよ」って言ってくれたの!でも、わたしと同い年だから、まだトレーナーにはなれないって気づいたときはすごく悲しかったけど、わたしはいっぱい一着取るって約束したから、これからもずっと頑張るんだ!」
「その方とは今も連絡を取り合っているのですか?」
「ううん。その約束をしたあとに、たーくんが引っ越しちゃって、それから連絡はずっと取れてないんだ…」
「あ…き、きっといつか、また会えますわ!だから、落ち込む必要はありませんわ!」
また、ウララさんはシュンとしてしまい、私は慌ててフォローをした。
「うん、そうだよね…!ありがう、キングちゃん!」
(やっぱりウララさんには、この眩しいくらいの笑顔がとても似合っているわ。)
はじめまして、マイドウです!
処女作になります!よろしくです!
以上!
セリフの前に誰のセリフかわかるように名前を入れた方がいいですか?
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入れた方がいい
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入れなくても大丈夫