博麗大結界が壊れたあの日から~東京project~   作:冬希

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今日も幻想郷に平穏な日々が…

流れなかった。

博麗大結界がついに壊れ、この世から幻想郷がなくなってしまった。

現実世界に飛ばされたみんな

能力は使えない。

スペカもただの紙と化す。

そんな彼女たちの奮闘記のはじまり。



キャラクター
旧作~神霊廟



1節 現代世界に飛ばされて
1話 現実世界に飛ばされて


目が覚めた。

 

いつもならベッドにいるはずである。

だが、少女が目を開け、見たその風景は、いつもの天井ではなく、緑が映えた木々の葉っぱと、その間から差す木漏れ日であった

 

…ここは、どこだろう。

 

白黒の元魔法少女 霧雨魔理沙は目覚める

 

日はでている。が、それも木々で遮られ、幾分の光は届いているので、森の見た感じの大きさは分かった。

 

「ここは…うっ、空気が…汚いなあ」

魔理沙は少し嫌な顔をする。

が、その顔はすぐに歪んだ。

魔理沙の目には、見覚えのある青い少女が映っている。

 

「あ、魔理沙じゃないかなにやっているのだ」

 

元超妖怪弾頭、河城にとりである。

 

「おい、ここはどこなんだ!?」

魔理沙は慌てた様子で聞いた。

「キノコの生えていない森は私でもみたことがないぜ」

魔理沙は呆れも交えてつぶやく

それとは逆に、にとりは笑った。

「な、何がおかしいんだ」

「良かったあ、いつもの魔理沙で」

にとりはここに来て初めて笑みを浮かべる。

「は?」

「現実世界に飛ばされて、みんな記憶まで飛ばされてないか不安で不安で…」

これが彼女の一番の懸念材料であった。

魔理沙はあとあと面倒くさくなることを察知したのか、

「そんなことよりまずはここを脱出しようぜ」

と切り返した。

「うん。そうだね」

にとりは少々残念そうな笑みを浮かべる。

 

脱出といっても、要塞とかではなく、小さな森である。

森を抜けるとそこには大都会が広がっていた。

幻想郷ではいっさいみたことのない、車と車が行き交う風景が見えた。

そのそれぞれが固有の色、形をしている。

その光景がまた、魔理沙に疑問符を浮かばせる。

「お…おい…なんだよこれ…」

「あれはねー、“くるま”と言われる乗り物なんだ。種類たくさんあるでしょ?あれも、それぞれ“くるま”を作るところがたくさんあるからなんだ」

にとりは少々自慢げに話す。

魔理沙も、今ほどにとりと一緒にいて良かったと思った瞬間はなかった。

にとりは発明家でもあり、機械の詳しさは幻想郷でもトップレベルである。

そこに、一人の少女が歩いてきた。

「おう、魔理沙じゃないか。あたいだよあたい。」

幻想郷の元三途の川の船頭、小野塚小町である。

彼女も三途の川に流れつく現実世界のものをいくつか見ているからなかなか詳しい。

「いやね、参ったねえ~」

小町のどこかおばさんっぽい口調もいつもどおりだ。

そして唐突にこう切り返す。

その顔は珍しく真剣味を帯びる。

「あたいの推測だけど、幻想郷のみんなはおそらくこの周辺にいるね」

小町は言いきった

「何故そういいきれる?」

魔理沙は聞き返す。

「私の勘さ…」

なんとも適当な答えである。

まあたしかに、広範囲で散らばったとなら、そう簡単に仲間とあえる訳がない

そう感じたのか、魔理沙、にとりは少々納得した。

 

そして、魔理沙はもう一つの疑問を繰り出す

「そういえば、いつもの鎌がないが…」

彼女のシンボルである鎌である

昔に仙人やら光の三妖精やらを脅かした例のあれである。

「あれ持って歩いてたらさ、なんかみんなあたいから離れていっちゃって…」

東京の街中であんなでかい鎌持ち歩いてたらそりゃあそうなるであろう。

魔理沙、にとりは思った。

 

すると、にとりが口を開く。

「私たちがここに飛ばされたのはおそらく…

 

博麗大結界が壊れたんだ」

今度はにとりが真剣な顔をする。

あのとき、「こちとら商売なんだ!」とかかんとか言ってた時並みに真剣な目つきである。

「博麗大結界が壊れた?」

魔理沙はリピートした。

「ああ。あの博麗大結界は、作られてかなりの時がたつ。それに、数々の異変もあった。そして、今さっき、何かのはずみで壊れてしまったのさ」

何かを語るように言った。

幻想郷の発明家だろうと、あのスキマ妖怪より結界のことは知るわけがない。

が、幻想郷は博麗大結界で外の世界から隔たられただけの世界。

当然、その隔たりが無くなれば外の世界と合体してしまう。

それで、吹っ飛ばされた。

とにとりは踏んだ

 

「それ、もう戻れないってことなのか…」

魔理沙は青ざめた顔をする。

「それはわからない。いま、おそらく紫さんと博麗の巫女がそれを修理していると思う」

これは確信はない。

そうであって欲しいという気持ちの方がむしろ勝っていた

「じゃああたいらが戻るのは…」

小町まで青ざめて聞いた。

「私もあの結界のことは詳しくはわからない。 月単位かもしれないし、長いと10年とかはかかってしまうかもしれない」

この言葉でさらに青ざめる。

もう、戻れないかもしれない…

その気持ちがよぎった。

「じゃあ、私たちはどうやって生きてけばいいんだ?」

これが問題である。

当然生きていないと戻れない。

 

が、無情にも、彼らには幾分のお金しかない。

 

ただ小町は三途の川で拾っていたお金を集めていた。

本人は投げ銭のつもりで集めていたが、もう使えないとなっては意味がない。

「ああ。これは現実世界のお金さ。」小町はほいっとポケットから小銭を出す

にとりもそれは本当のお金だとわかった。

何に使うつもりだったのか、お札もいくらかあった。

「とりあえず、住む場所を決めないとな…」

 

魔理沙は思いだしたかの様に言った。

人間が生きていく上で必要な三原則。

衣 食 住。

このうち3つをすべて揃えないともたない。

そう危機感を背負い、三人は住む場所を求め、あてもなく歩き出した。

 

 

 

 

「あれはなんだ…?あの赤いの」

魔理沙は道路の上にあるものを指差す。

「あれは信号機と呼ばれるものさ。あれで車を止めて、その道路を横断しようとしていた人を横断させたり、その道を横断する車を通すのさ」

にとりの説明はすこし拙いが、伝われば良い。

早速、その道を横断してみた。

「ひやあ、なんかおっかないねえ」

「安心しな。車は動かないから。それに、他の人も横断しているだろ?」

そこにはふたりほど横断していた。

三人は小道に入り、住む家を探した。

…出来れば日が出ているうちに。

そう願いつつ、彼女は足をとめた。

 

「これは…マンションと呼ばれるものだね」

マンション?二人は声を合わせる。

「ああ。空きあります とのことだから住めるかもしれない」

 

と、にとりは遠慮せずに入っていった。

 

 




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