博麗大結界が壊れたあの日から~東京project~ 作:冬希
行くだけで長くなったので区切りました。
朝日が輝く時間。先ほどまでうす暗闇だった世界も今は真夏の太陽が照らしていた。
「さあ。着いたぜ」
そこには何人かの人に、しきりなく水が押し寄せては引き換えす。
幻想郷のみんながあこがれていたかもしれない世界。
そんな、大海原が視線の先に広がっていた。
「おー、これが海かぁ」
「いくよ、雛」
「服をひっぱらないで~」
三人は砂浜へ駆け出す
「うわっ、走りにくい」
「足が取られる…、あっ、靴に砂がはいってきた」
初めて見る海にテンションをあげて三人は走り回る
魔理沙たちは荷物を置き、シートを引く。
「ほんじゃまっ、早速着替えるか」
と服を脱ぎ捨てる
「ま、ま、魔理沙?あんた人が見てる前で生着替え…」
アリスは顔を赤らめるが…
「すると思ったのか?」
「なんなのよまったく…」
ちょっと期待は外れてしまったが、なんか助かった気もした。
「お~い、お前ら、先に水着になれー、濡れたら帰れないぜ」
魔理沙は服のまま海に入ろうとしていた三人を引き止める
「おっといけない、靴のまんまだったよ。着替えてこよう」
(テンションが高すぎると周りのことが見えなくなることぐらいわかっているが、まさか自分のことまで見失うなんて)
魔理沙はそう思った。
そんななか、ついに入水式である
魔理沙はギリギリ濡れない位置で突っ立っている。
別に黄昏ている訳ではない
ちょっとした恐怖心があった。
なんせ、泳げない。
万が一転んで波に呑まれたら…
そんな想像ばかりしてしまう。
「魔理沙、忘れもんだよ」
にとりは浮き輪を投げ渡す
「ああ、ありがとう」
4人がまだ水にも入っていないのに浮き輪を腰まであげ、そのまま波打ち際ギリギリでなにかにとりつかれたその姿は「モアイ像」を思い浮かべる
「…仕方ないわね。いくよアリス」
「ええ」
四人は黙ったまま波を追いかけて首を上下に振る。
その姿は「奇」そのものである
「せーのっ、」
聞こえたのは四人ではなく、二人の声。
「わ、わ、わっ!」
と、四人の情けない声が続く
「あんたたち、せっかく着替えたんだから入らないのはアレよ?」
アリスはバランスを崩し、土下座した四人をみる
「じゃあお前らはなんで入んないんだ?」
「日焼け止め塗ってから考えるわ」
パチュリーは眠そうに言う
「そこでようやく『考える』なんだな。で、結局それじゃあお前らは海に…何しにきたんだ?」
魔理沙は呆れじみて聞いた
「見に来たのよ。海を」
アリスが続けた
「…まあいいや、入りたくなったら入るってことだろ?」
「まあ、そういうことにしておくわ」
「じゃあ、いってくるぜ」
と、別れた。
魔理沙は波を飛び越え、三人に合流した
「ってかお前ら?なんですねぐらいまでしか水深ないのに浮き輪つけてんだ?」
「この先、深そうだよ?」
波の回転が砂を巻き上げているため、ある一線からは急激に水深が深くなる。
その一線をみつめたまま、先にいくことが出来ない。
「せっかく浮き輪持ってるのに」
魔理沙は歩きだした。
その一歩ごとに砂は水中を舞う。
その一線に魔理沙は達した。
「うわ!」
「お、おい大丈夫か?」
魔理沙にしては弱々しい、そんな声が聞こえ、三人は魔理沙のもとへ。
「わわっ!」
三人はそんな声をほぼ同時に上げた。
「なかなか深いな」
水深は一気に腰の辺りまでくる。
「へえ~」
というと、にとりはずかずか先へ進む。
そして、さらに…
「魔理沙、もってて!」
浮き輪を投げ渡す。
「おい、お前…?」
にとりは止まり、突然潜った
「にとり?なにしてんだ?」
十秒ほどたった。魔理沙は浮き輪を二個つけていた。
「ぶは!」
にとりは少し先にいた。
「にとり、泳げるのか?」
「ああ。水を操ることは出来ないが、それなりには泳げた」
にとりは自分が泳げるのを「河童だから」とか「水を操れるから」と思っていたが、泳いでくうちに自然と技量がつき、自然と泳げるようになっていた。
そうにとりは感じ、軽く泳いでみたのである
意を徹して小町に雛も来たが、にとりが泳げる事実を知って驚いていた。
「へえ~、おまえさん、泳げたんだ」
「まあ、未踏の渓谷に住んでるだけあったね」
「でも、水がちょっと汚いね」
というと、どこからかゴーグルを出し、装着した
「なんだそれは…」
「これ?ゴーグルっていうらしいんだ」
「私たち買ってないぜ?」
「もしかしてと思ってバイトが無い日にみんなの分買っておいたんだ。でも使うならもう少し経ってからがいいな」
にとりはバイトが無い日に、こう考えていた
「幻想郷では相当泳いだから、人間となってしまった今も、ひょっとしたら泳ぐ技術は引き継がれているかもしれない。それなら一度試してみる価値はあるな」
と感づいて、人数分ゴーグルを買っていた。
だが、ゴーグルを隠し持って、他のみんなと同じことをしたのには理由がある
それは、浮き輪さえあれば溺れる可能性はほぼないが、潜るには当然浮き輪を取る必要がある。
そのため、潜るにはそれなりのリスクが伴うのだ。
当然、こういうのには興味がある連中である。向こうで見せていたら絶対に「貸してくれ」という
そこで水に慣らしてから貸すというのを確実に成功させるため、あえて隠していた
「ああ。水に慣れろということだろ?」
にとりは深く頷いた。
にとりは泳げる
これも今決めました(笑)
まあ次回あたりで練習でしょうね。
では、お楽しみに。