いやあ…戦闘回はやっぱり長くなる…投稿期間が空いてしまう…!待たせてほんまに申し訳ない!
今回は、オリキャラ対オリキャラですが、新しい不遇トリガーと、新戦術が出てきます!お楽しみに…!
ランク戦ブースの個室から出ると、満足げな表情の朝宮さんが現れた。
「神立さん…ものすごい試合でしたね…特に後半から物凄い勢いでしたね…カゲさんのサイドエフェクトを封じてあそこまで立ち回るとは…正直、驚きです」
「封じるも何も…ほとんど博打だったんですけどね…それに、朝宮さんが話してくれなきゃ負けていたのはこっちでしたし」
「まあ、良いじゃないですか…あのままだと公平性も何もなかった訳ですし」
そう、軽く談笑していると、別の個室から影浦先輩が出てきて、怒号が飛んできた。
「ふざけてんじゃねえぞ!ホノ!テメエ!男と男の正々堂々真剣勝負の戦いに勝手に水を刺しやがって…!」
「あら?カゲさん、お疲れ様です…にしても、別に良いでしょう?私が教えたからあんなに歯応えのある戦いになったでしょうに…」
「ぐっ…」
「そもそも、情報も不公平なのに、正々堂々なんて言っても良いものなんですかね〜…要は、昔の恩を利用して、勝負を仕掛けたのに飽き足らず、敗北の屈辱を与えるであろうにも関わらず、自分の快楽のためだけに相手の事情を考えずに勝利を求め、自分の情報をひた隠しにして卑怯に戦ったということでしょう…?ひっどい話ですね〜…」
「テメエ…んなこと俺が逐一考えてるって思ってんのか…!」
「ん〜…でも、事実ですよね?」
いや言い方…捉え方によってはそうだけど…言い方…しかも、全然本質は違うし…
そして、そのままワーワーギャーギャー目の前で口喧嘩しているが、正直、なんというか仲が良さそうに見えた。まあ、昔からの付き合いがどうとか言ってたし、ああやって喧嘩しているけど、まあ“喧嘩するほど仲がいい”というやつだろう…
…なんつうか…こうハブられて会話に混じり込めない時ってどうすればいいんだろう…学校でもそうだが、基本奇数グループとかになると僕が弾き出されてハブられたりすること多いし…下手に話しかけると空気読めないやつって思われそうだし…まあ、いいや、思考を変えよう…
喧嘩と言えば…小南は、迅さんはああ言っていたけど、僕と昔よくこう喧嘩したりしていたことを覚えてくれているのだろうか。
「ていうか!テメエはまずどうやって武治の部屋に入ったんだ!鍵が空いていたとしても警報がなるはずだろ…!普通に不法侵入じゃねえか…!」
「ああ…それはまあ、私の
「なに堂々と犯罪行為して平然としているんだテメエ!ていうか、まず俺にギャーギャー言うよりそのことを武治にまず謝れテメーは!」
「あらら…それは本当にその通りですね…すみません、神立さん…勝手に…急に部屋に入ってしまって…しかも驚かせてしまって…」
「え…ああ…いや、全然気にしていないので!」
(あっ…そういえば…)
朝宮さんが部屋に入った時からずっと思っていた…僕に影浦先輩のサイドエフェクトについて話に来た時に、自分の体質がどうとか言っていたが…あの言い方的に、やっぱりこの人もサイドエフェクト持ちだったのか…!
「あ、影浦さん、
「ああん!?勝手に勝負を邪魔したと思えば勝手に会話をt…「神立さん、この後私と付き合ってもらっていいですか?」…」
…え?今なんて言った?つ…付き合う!?ええ!?つ…付き合うって…まさか…!そういう…!?か…影浦先輩…まさか…これって…そういうことですか!?幼馴染…奪うってことすか!?
「…何変な感情突き刺してんだテメー…普通にバトル誘ってるだけだろ」
「え?むしろそれ以外何があるんです?」
…まあ、だと思った。でも、ちょっと夢くらい見てもいいじゃ無いですか…ねえ…。まあ、普通に考えてその言い方的にその“付き合う”じゃねえし…ていうか、朝宮さん。その言い方、もし日頃から使っているのなら僕みたいな負け組に変な期待抱かせますよ…
「急にすみませんね…ただ、なんか楽しそうなカゲさん見たあとだと、こっちもなんか興奮してしまって…」
「いや…まあ、このあと時間空いているんで、別にいいんですけど…」
「ありがとうございます…!また迷惑をかける形になってしまいましたが、やっぱり神立さんと戦うのは面白そうですので…あまり見ないトリガーも使っていますし、あの防御を崩すのは楽しそうです!」
「ちなみに、コイツもコイツで、結構強いぜ?」
…ああ、この人もバトルジャンキーなんだなあ…なんだろう、ボーダーってバトル大好き人間多くないか?まあ、僕もなんだけど。ていうか、女子と戦うこと自体が結構久しぶりな気がする…にしても、影浦先輩がそういうってことは、なかなかに強いのだろうな…
ていうか、どこまで知られていないんだ、うちの子たちは…エスクードもレイガストもさあ…
「…っておい待て、今考えれば、今日は本来テメーとバトる予定だっただろ…まずやるなら俺とやってからだろ」
「えー…でも、カゲさん、今の戦闘で疲れたんじゃ無いですか?休んだ方がいいですよ?」
「テメー、それいうなら武治も疲れてんだろ。このバトルジャンキー女が!」
「あなたの方がバトルジャンキーでしょうに…ていうか、カゲさんは、今さっき初めての体質なしのまともな戦闘したわけですし、普通に疲れているんじゃ無いですか?初めての感覚に追いついていない…みたいな。それに、向こうから了承も既にいただいてますので」
「…チッ…」
どうやら、図星らしい…まあ、僕が感情を殺して戦いだしてから、明らかに影浦先輩がすごい楽しそうにしだしたので、ああいう、体質の絡みがない戦いが初めてだったのだろう。
そして、やけに興奮していたし、インファイトとかの濃さもものすごかったので、トリオン体だから直接的な疲労は感じないだろうが、まあアドレナリン放出後みたいな感じで疲れてしまっているように側から見ても感じ取れた。
「僕も、朝宮さんと戦いたかったのでちょうど良かったです。なんか、急に背後から気配感じさせずに話しかけれるくらい気配消しがうまい朝宮さんと戦ったら、面白そうですし」
「あー…と、言いましても、一対一で、一定の距離で向かい合ってスタートの個人ランク戦では、それあまり意味ないんですけどね…この体質、調整が難しいので」
「体質ってことは、やっぱり朝宮さんもサイドエフェクト持っているんですか?」
「ええ、まあ、その言い方的になんとなく気がついていたようですね」
…大方、気配を消すのに役立つサイドエフェクトなんだろうな…さっきの話し方的に、トリオン反応を完治するレーダーをくぐり抜けて僕の部屋に入ってきたということは、自分のトリオン反応をも消せるみたいだし…すごいな、レーダーから反応消せるバッグワームいらねえじゃん。
「あん?お前俺のサイドエフェクトについては話したのに自分のやつは話してなかったのかよ」
「まあそうですね…ゆっくり話す時間もなかったですし…あ、流石に私のことについて知らないまま戦うのは、さっきまで神立さんの戦い方を見ていた私とではフェアじゃ無いので、サイドエフェクトについて話させていただきますと…」
「あ、いや、いいです、話さなくて」
僕は、自分のこと…まあ、サイドエフェクトに関して話そうとする朝宮さんを止めた。
「え…?」
「いや、なんとなくですけど朝宮さんのサイドエフェクトに関しては予想がつきますし、初見の相手に予測を立てながら戦うのも楽しいので、話さないで欲しいんですよ…」
「でも…それだと公平性が…」
「いいんですよそういうの、普通の戦場での戦いなら、知らない相手と戦うなんてザラですし」
あのトリオン兵との戦いともそうだ…戦場では、全く知らない相手が自分に襲いかかってくるのが当たり前だ…そういうのにも慣れておくためにも、今回は断らせていただきたい。正直言えば、影浦先輩との戦いも、あまり情報はもらいたくなかった。
「なるほど…お気持ちはまあわかるのですが…まあ、なんというか、こっちとしては模擬戦ですしいいのではと思ってしまって、やっぱり気になるので話したいのですが…」
「へっ、じゃあ、お前が武治に勝手に俺のサイドエフェクトについて話したのは、こいつにとって嫌なことだったって訳だな…さっき俺が言った通り、テメーは邪魔しただけってこった」
「ぐぐ…それは…」
「そういう意味じゃあオマエは迷惑かけた訳だから、そのお詫びとして今回は言わねえで武治のやり方に乗ってやらねえとじゃねえか?」
「うう…まあ、そうですね…今回は私よりもカゲさんの方が正しいです」
そう言って、ちょっと不満げな顔だが朝宮さんは納得してくれたようだ。
さっきのお返しと言わんばかりに影浦先輩が言い返して、こっちの要望を通してくれた…!まあ、影浦先輩、さっきの戦いをある意味で邪魔された仕返しをしてやるくらいしか考えてないのかもしれんが。
にしても…朝宮さんってどのくらい強いんだろう…見たところ、なんか、雰囲気だけ見ると、すごい弱そうに見えるけど…ただまあ、さっき、影浦先輩がああ言っていたからには、なかなか強いと見て間違いなさそうだ。
「私は314番に入りますので…トリガー
「じゃあ、僕はさっきと同じ番号に入りますね…」
そう言って、朝宮さんがトリオン体に換装する。ていうか、そういえばこの人、私服だし換装していなかったのか…って、待って?え?僕は、思わず彼女の“胸のマーク”に目を奪われてしまった。
「先輩…もしかして、ソロじゃなくて、どこかの隊に入っていたんですか…?」
「そうですよ?そのこともさっき言おうと思いましたけど、神立さんにさっきああ言われてしまったからには、言わないほうがいいかなと…」
おいおいおい…!そうは言ったけど、これがあるなら話は変わってくるぞ…!?
彼女の胸には、盾状の“エンブレム”があった。
これは普通の正隊員にはまず与えられない、“精鋭”にのみ与えられる称号のようなものだった。
エンブレムが指し示すことは、その隊員が“A級隊員”であることを示すということ…なぜならば、エンブレムとは、“A級隊員”にのみ与えられる独自の隊のレリーフであるから…すなわち、彼女は…!
「それは…A級5位“沢村隊”の…!」
「あら…知っていたんですか?一応、これでも神立さんやカゲさんよりも、ボーダーに関しては先輩なんですよ?」
情報に関してをどうこう断った後に、とんでも無い事実が発覚した。朝宮さんは、まさかのA級隊員…要は精鋭ってことだろ…!?
…情報はいらないと大口叩いた後だが、顔の血の気が引いてきた。
(あれ、これ結構まずいかもしれない…情報貰っといた方が良かったかも…)
少なくとも、今回のランク戦も一筋縄ではいかないことを示していた。
◆◇◆◇
『ルールはどうしたいとかありますか?』
「えーと…じゃあ、とりあえず3本先取でどうですか?」
『ふむ…まあ、もう少し戦いたいですけど…まあ、今回は譲ります。色々私も迷惑かけた身ですし』
そうして、ルールは3本先取勝負になった。いやー…どうすっかな…いや、A級隊員には何回か戦って勝ったことあるけど、それ相性とかそういうのもあるから…なんともなあ…
そんなことを考えていると、転送が開始されて、仮想空間に転送される。
『個人ランク戦 3本先取勝負 開始』
そして、色々考える時間も満足に得られないまま戦闘が始まった…向こうは、弧月を装備している。近距離戦主体なのだろうか…
(…まあ、一先ず受けに入って、相手の出方を見るか…)
さて…相手の様子を伺うが、弧月に向こうは手をかけただけで、間合いを詰めてくることもない…どういうことだ?…攻撃手用トリガーを持っているのに、近距離戦に持ち込んでこないということは…何かしらリーチを持った攻撃を持っているってことの証拠だ。
ならスラスターで詰めて…と、考えた時だった。
「参ります…」
彼女がそう呟くと、彼女の横にキューブが現れた。
なるほど…向こうは弾トリガーを持っているようだな…しかも、キューブということは、射手スタイル…武器を見るに、射手と攻撃手を掛け合わせたタイプの“
“
まあ、話を戻そう。射手トリガーは基本的に、射出の際に分割して放つ時に隙ができる…スラスターで狙うなら絶好の機会だ…!
「スラスター…‥」
「では…
「起…え?」
と、思ってスラスターでとっこもうと思ったのだが、なんと向こうは分割せずに弾トリガーを放ってきた…!しかも撃ったのはこっちに向けてではなく…
(地面に…撃っただと…!?)
地面に瞬時に向けて彼女はメテオラを爆発させた…まずい…!これだと煙幕で周りが見えなくなってしまう…!弾トリガー持ち相手にそれは避けたい…!出水との戦いの時みたいに射程の暴力の不意打ちを狙われちまう!
「エスクード!」
煙幕を瞬時に晴らさせるために、エスクードを高速で大量に出現させる。この速さで生やせば、向こうが隠れられる隙も生まれないはずだ…なんて考えていたのだが。
(っ…いない…!動きが早えな…!)
メテオラによる煙幕を晴らすも、そこには朝宮さんはいなかった…向こうもA級の精鋭だし…やはり手早いな…それに、気配を消すサイドエフェクトを持っているのなら、あの一瞬の煙幕でもどうにか隠れることができるのだろう…
これだと、向こうが出てくるまで何もできないな…とりあえず防御体制を整えて、周りを観察するしかないな…
こういうのは、無闇矢鱈に周りにエスクードを生やせばいい…そして、上を見て、弾が飛んでこないか観察すればいい…
「エスクード!」
エスクードの耐久力があれば、初撃は対応できる。そして、それが周りに生えていれば、どこから弾トリガーが飛んできてもどうにかなるはずだ…
周りに僕を覆うように壁を生やした。レイガストとシールドを構えて、完全なる防御体制に入る。
これは、出水との度重なるランク戦にて考えた戦法だった。無論、新人王獲得争いの後も、よくランク戦しているので、エスクードを使用した戦術は現在進行形で考えていっているのだ。
そうして、不意打ちを警戒して周りを観察していた瞬間だった。
ドオオオォォォンン!!
(横だな…!)
横からエスクードの倒れる音がする…きっと、さっき使っていたメテオラで爆発させたのだろう…壁は射線も切れるし邪魔だろうからな…よし、これで向こうは不意打ちも失敗したし、場所がわかったぞ…!場所が分かったからにはこっちのもんだ…残っている壁を引っ込めて視界を開けさせる…流石に、壁が残ったままならスラスターで突っ込めないしな…
ちなみに、今までやっていなかったと思うが、壁を引っ込める…というのは、エスクードに元からついている機能だ。
なんとこのトリガー一度生やした後でも、トリオンを多少消費するが地面に引っ込めて、壁を消失させることができるのだ…!
まあ、話を戻そう…また煙幕が発生してしまっているが、この先に先輩がいると考えて間違いない…そう思って突っ込もうとした時だった。
(え?)
「かかりましたね…!!」
朝宮さんの声が後ろから聞こえ、体が、後ろに大きく引っ張られる…慌てて後ろを見ると、そこには朝宮さんと…
(なんだあれは…!?なんだあのトリガー!?)
彼女が手に持っているのは、弧月…なのだが、鍔の形が何かおかしい。鍔から…いや、刀身から“ワイヤー”が伸びている…上に大きく弧月を振り上げており、刀身からこちらに向けて“ワイヤー”が伸びている…で、そのワイヤーは、視界に捉えられる範囲だと、僕の首根っこまで伸びている!?そして…あれは“リール”か?…あれは…まるで…!
(つ…
そう思った瞬間、両足が離れて僕の体が大きく朝宮さんに向けて引き寄せられる…!背中の襟部分がすごい勢いで後方に引っ張られて、その反動で体が大きく引っ張られている…!?これは…なんだ?何かに引っ掛けられているのか!?
…何かが僕の襟部分に引っかかって、ワイヤーで引っ張っているんだな!?完全に釣り竿じゃねえか!!
僕の予想が正しければ、僕は、まるで釣られる魚のように、針を引っ掛けられて引き寄せられているということになる。
(やばい…足がつかない!?とばされるっ!?)
慌てて体勢を整えようとするが、あまりに慣れていない、この誰かに遠方から引っ張られているというこの状況に、頭で理解できても体が追いつかない。スラスターで無理やり脱出を試みようとする…が。努力虚しく、糸の力に抗えずに大きく彼女の方へと引き寄せられてしまう。
ざっと目視で10数m…攻撃手の間合いとしてはちょっぴり遠い…しかも、体勢が悪すぎてスラスターさえ使えねえ…!
「終わりですね…」
「なっ!?」
どうにかしてレイガストを構えた瞬間、彼女の左手に、弧月とは違う別のものが握られているのを僕の目は捉えた…それは“
(まずい…!)
この間合いまで引き寄せられちまったら…!あの銃が…
慌ててシールドと、レイガストの盾モードを展開しようとするが…
ドドドドドド!!
「なっ…!」
『戦闘体活動限界』
体に6個の大きな風穴が空いた…展開はどうやら間に合わなかったようだ…蜂の巣にされた僕の体は、戦闘不能と判断され、最初の戦いは、僕の敗北にて終わることになった…
◆◇◆◇
ちょっと待ってくれ!あの一瞬で何が起きたんだ!?
状況……状況を整理しよう…まずは壁が爆破された方向ではなく、その逆の方向である僕の背後に彼女がいたこと…
あれは、おそらく、“置き弾”で炸裂弾を設置しておいて、時間差で起動して壁を爆破させることで、爆破させた方向に僕の気を引いたんだろう…本当は僕の背後にいることを悟らせないように…畜生、完全に気がつかなかった。なんつー気配の消し方だよ。
そして、最後の方で撃ってきた、あの“
普通の拳銃型トリガーは、自動式拳銃型の形状をしており、射程を利用して遠方からじわじわ削るやり方を主軸に戦うのだが、“
これだけだとめちゃくちゃ弱い欠陥銃なのだが、“
まあ、簡潔に言えば、射程と装弾数を切り詰めて威力と弾速を強化したピーキーなトリガーだってことだ。
で、そんなモノが向けられたわけなので、慌ててシールドを貼ろうとしたのだが、向こうの弾速にこっちのシールド展開が間に合わずに蜂の巣にされてしまったということだ。
いや、たとえシールドを貼れても、あの間合いならば、弾丸をぶち込まれてシールドを破られて、そのまま蜂の巣コースだったかもしれない。それくらい、あの銃の火力は高く、警戒しなくてはならないモノだった…
くそ…射手用トリガーしか使ってこないだろうと考えていたら、まさかの銃手用トリガーも使用してくるとは…これは、警戒できていなかった僕のミスだ。
そして、あの引っ張られたトリガー…釣り竿のように見えたが、なんだあれは…
今この、二戦目開始の合図が降る前のこの時間に、朝宮さんの様子を伺い、武器の様子を観察して、トリガーの仕組みを看破しようとするが、外から見るだけじゃあわからんな…鍔の形が、よくよく見れば特徴的だってことくらいしかわからん。
「…これは、独り言なのですが…このトリガーは、A級隊員がもつ改造特権を使用して作らせた、ちょっと特殊な弧月です」
…独り言…なあ…多分、さっき僕が情報の提供を拒んだからそんな言い方しているんだろうが…さっき一丁前にいらないと言ってしまったが、聞くことにしよう。向こうもA級だし、勝つにはもうなりふり構っていられないな…
ちなみに、A級隊員の改造特権…というのは、文字通りA級隊員にのみ許されたトリガーを改造する権利だ。基本、ボーダーのトリガーは、汎用性と継戦能力を重視しているため、基本的にその性能は共通しているのだが、独自の発想により他者と異なる変則的な扱い方をする隊員もいる。
影浦先輩の鞭状スコーピオンや、僕の重量増加レイガストなどは、まさに発想の産物だ…で、その発想を生かすために、A級隊員は開発室に頼んで自分のトリガーを改造することができるのだ。一応、B級隊員も改造自体はできるっちゃできるのだが、色を変えたり、ちょっと装備を増やしたりとか、A級に比べればそう大層な改造はできないようになっている。
「この弧月には、鍔部分に“スパイダー”の巻き取り機能を搭載しています…まあ、言ってしまえば擬似的な釣り竿の“リール”です」
“スパイダー”…確か、これもあまり人気のない“不遇”トリガーだったはずだ…このトリガーは、目標にワイヤーを射出するトリガーで、移動やトラップ等の戦闘補助を主な目的としての運用を想定されている…まさか、彼女も不遇トリガー使いだったとは。
だが、これは明らかに想定されている使い方とは違うものだった。
「“スパイダー”で出現させたワイヤーを、片端を改造した弧月のリールに接続、片端に“スコーピオン”を変形させて作ったフックをくっつければ…」
…釣り竿型トリガーの完成ってわけか。
なるほど、大体わかった。要は、弧月の刀身部分を“竿”として、鍔を“リール”に、スパイダーを“釣り糸”に、重量が全くないスコーピオンを“釣り針”にすることで、相手に針を指して、糸で引き寄せて戦うことが出来るトリガーが完成するってことか…
正直、なんだそのふざけたトリガーは…と、思うかもしれないが、割と理に叶っている。おそらく、彼女の戦い方は、釣り竿により、相手にスコーピオンのフックを突き刺し、相手を自分にとって有利な間合いに引き寄せて、回転式拳銃の高火力の弾丸を叩き込むスタイルだ。
ワイヤーを利用したフックでの敵の引き寄せは、おそらく、相当に長い。多分、影浦先輩の鞭状スコーピオンより長い…ていうか、下手な射手よりも長い気がする。
その射程の長い引き寄せ攻撃を利用して、回転式拳銃が当たる間合いにまで引き寄せて、相手を蜂の巣にする…ということだろう。回転式拳銃の弱点を見事にカバーしている。こちらから回転式拳銃を当てるために近づくのではなく、相手に近寄ってきてもらう…という戦闘スタイルを見事に作ったわけだ。
…なんだその戦い方…普通に思いつくもんじゃない…
「ちなみになんですけど、これ、相手を引き寄せて戦うっていうスタイルだけじゃなくて…」
『第二戦、開始』
「こういう戦い方もできるんですっ!」
そう彼女が言った瞬間だった。瞬時に釣り竿トリガーを形成した後、思いっきり彼女が弧月を振り下ろし、釣り針がキャストされ、こちらに向けてスコーピオンのフックが飛んでくる!
「おわっとお!?」
えっぐい不意打ちが飛んできた。めちゃくちゃ速いスコーピオンの刃が、戦闘開始と同時にこちらに向けて、糸によるしなりをつけて襲いかかって来た。レイガストでなんとか防ぐものの…
「針から目を外しちゃ危ないですよ?」
「後ろっ!?」
弾いたと思ったら、張り切った糸が戻る反動を利用して、今度は背後からスコーピオンが強襲してきた。普通の攻撃用トリガーと違って、糸を使った振り回し攻撃なため…
(軌道が…読めん…!)
なんとか弾いて持ち堪えるも、正直詰め寄る隙がない…!鞭とか、蛇腹剣とかそういうものとはまた全然違う、予測不能な糸のしなりによる強襲攻撃が、僕の体を襲い、的確に傷をつけていく…!
(やらせるかっ…!)
こういう時は、釣り糸のワイヤーを切るのが一番だ。ワイヤーを斬れば、再度釣り竿を生成するのに隙ができるはず…そう思って、レイガストを振り回すのだが。
(クッソ…動きが早くて、斬撃が追いつかん…!)
「ヒット」
「なっ!?」
釣り針が、文字通りのヒットアンドアウェイで糸自体も回避されるため、レイガストが届かない…そして、レイガストの攻撃後の後隙を的確に襲ってくる…その攻撃の包囲網に、耐え切ることができず、再度スコーピオンの針がトリオン体に突き刺さる…今度は…
(右腕か…!)
「一本!!」
レイガストを握っていた腕に釣り針状ののスコーピオンが突き刺さり、そのままさっきと同じように、糸を利用して引き寄せられる…!だが…今度は体勢がそんなに崩れていないぞ…!これならいける…!
(お返しだ…!)
「スラスター起動!」
溢れ出る推進力とともに、今度はこっちから近づいていく…
僕は、糸に引っ張られた後、二戦目開始の前に、状況を分析していたときに、一個向こうの弱点を見抜いていた。
それは釣り竿が出ている間は回転式拳銃が使用できないということだ。
トリガーを使用できるのは、一度に同時に二つまで…今腕に突き刺さっているスコーピオンと、竿とリール部分の弧月で、もうその二枠は埋まっているので、回転式拳銃を使うには、一度どっちかの実装を解除しなければならないのだ。
ちなみにだが、スパイダーは、一度出せば枠を潰さなくてもそのまま使うことができる。
本来なら、相手が慣性の法則にしたがって、釣り竿がなくてもそのまま勢いで引き寄せられてしまうくらいに力強く引っ張り寄せた後、針状態にしているスコーピオンを解除して回転式拳銃に持ち替えて相手を蜂の巣にするのだろう…が、逆にこっちから近づきさえすれば、相手が拳銃に持ち替える前に強襲できるというわけだ…!
「ぐっ…速いですね…!」
「チッ…」
スラスターで突っ込むも、竿にしていた弧月で受け止められてしまった。弧月は、めちゃくちゃ硬いので、スラスター斬りでもスコーピオンのように刃こぼれして破壊されることはない…相手を大きくのけぞらせて体勢を崩させることはできたものの、正直まだ不利だ…いや、どっちかといえば、距離を離させてしまったのでもっと不利になったかもしれない…!
(だが…ここまでくれば、もう詰めるだけ…!向こうに拳銃を抜かせる隙も与えず…斬って詰める…!)
そう考えた時だった。
背中に大きな衝撃が走った。
(なっ…!?)
『戦闘体活動限界』
「ふふ…釣り針だけ頑張って見ているのも良いですが、罠を貼られても知りませんよ…?」
そう彼女が呟いた瞬間、背中から大きな黒煙が立ち込める…これは…
…!クッソ…僕がスコーピオン釣り針の攻撃に耐えている間に、自分の周りに“置き弾”でもしていたのか…!完全に釣り針の対処に追われて全く朝宮さんの様子を見ていなかった…やられた…!完全に注意が向いていなかった…!
おそらく、僕が詰め寄って来た瞬間に、時間差射撃で、全く注視していなかった背後に向けて攻撃を行ったのだろう…
「ふふ…これでも、つい癖で、視界はいつも広くしているんです…私の前で、視界が狭いと痛い目見ますよ?」
これで2対0…釣り竿による予測困難な全方位攻撃と、引き寄せ攻撃。そして、置き弾による不意打ちに、近寄ったら高威力の回転式拳銃攻撃…やばい。まともな対策が思いつかぬまま、追い込まれてしまった。
朝宮さんの戦術は、イメージ的には、オーバー◯ォッチのロード◯ッグや、ガ◯ダムエボリューシ○ンのマラ◯イをイメージしてください。
要は、相手を引き寄せて有利な間合いに引き摺り込んだ後、近距離での回避困難な強力な攻撃をする攻撃手キラー戦術です。
そして、釣り竿キャストで遠距離攻撃も多少できる…という。まあ、オリキャラA級に恥じない性能しているんじゃないかな…って個人的には思います。
で、まあ不遇トリガー“回転式拳銃型トリガー”と“スパイダー”がこれにてようやく登場しました!
朝宮用“釣り竿トリガー”イメージ図
【挿絵表示】
で、この武器は、まとめると弧月を改良して、原作でも木虎がつけていたワイヤー巻き取り機能を弧月に搭載。そして、スパイダーを装着した後、片端にスコーピオンの針を取り付けることで完成です。スパイダーは一回出せばずっと存在し続けるので、実質弧月とスコーピオン起動してれば釣り竿になる。ということです
-弧月の刀身オフにすれば、弧月でトリガーの枠埋めなくても巻き取り機能使えるんじゃね?銃型トリガーみたいに、攻撃はできなくても鞘と持ち手は実体化できるんだから。
-独自設定で、巻き取り機能は、弧月の刀身を起動していないと使えないことにする予定です。
-沢村隊って何?
-本部長補佐の“沢村響子”さんが、現役時に作ったとされる独自設定のオリ部隊です。あの人、現役時代攻撃手だったので、時期的に考えて、あってもおかしくないなって思って作りました。メンバーは基本沢村さん意外オリキャラですね…そして、沢村さん以外全員不遇トリガー使用者(の予定)。
-ゾエさん出さんの?
-いや…出したいのは山々なんですけど
ゾエさん出すぞ!→とりあえず、間違いがないように情報サイトや原作を見返そう→“来馬先輩の影響を受けて菩薩ナイズが進んだ”…という表記を発見→あれ?じゃあ現時点じゃ性格違うってこと?→え?元の性格わからん→あれ…?でも、来馬先輩、入隊時期結構後だったよな…→ええ?性格どうしよう…出したいのに性格をどうすれば…
となったため、当面性格の方針が決まるまで出せないことを記載しておきます。ていうか、この朝宮とかいうオリキャラが生まれたのもその経緯によりますw
一応、争いを好まない穏健派ではあるらしいんですけど、どう差別化して書くかがなーって…
感想、評価お待ちしています。意見があれば遠慮なく言ってもらえれば嬉しいです!
あと、釣り竿トリガー、“マンティス”とか“乱反射(ピンボール)”みたいな固有の名前考えているんですけど、なんか案があったら欲しいです。
バイパーって不遇トリガーだと思う?
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他三つに比べて使い手少ないし、不遇!
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いやー…活躍はしてるから不遇じゃなくね?