体調…戻ってくれえ…!
「ふん!」
「よっ…と…!」
レイガストと弧月がぶつかりあい、お互いの刀身が削れて、まるで火花のように極小のトリオンの粒が周りに飛び散る。
「やっぱり、歴が違うだけあって、先輩強いですね…刃を直に交えるだけでも、C級とは文字通り訳も違うってわかります」
「まあ、こちとら新人王なんでな…そんじょそこらのC級隊員に負けるわけにはいかないさ」
「これでも本気じゃないんですよね?トリガーひとつしか使えないわけですし」
「まあ、そうなるな」
相手は、ボーダーに入る前から色々と縁のある後輩の烏丸京介だ。
彼は、まだC級隊員の身だが、こうして今模擬戦の形式で刃を交えている。
本来なら、C級隊員と正隊員とのランク戦は禁止されているが、ある条件付きでならやる事ができる。前に京介にボーダーに暇な時来たら色々教えてやる…と言ったことを覚えているだろうか。
今日、丁度京介がオフだったので、ボーダーでの給与制度やら、トリオン兵についてやら色々教えて居た時に、ランク戦の話になって“先輩…というよりも正隊員と一回戦って見たいです”と、急に言われて今こうして刃を交えることになっている。
「はっ!」
向こうが振りかぶってこちらに斬りかかってくる。姿勢は中々に様になっており、C級隊員にしては結構鋭い一撃を放ってきている。昔弧月を使って居た僕よりもセンスがあるように感じた。
「中々に速いな!その調子ならすぐC級なら抜け出せるぞ!」
「軽々と受けながら言わないでくださいよ」
言葉を交わしながら、刃も交えさせる。
硬い攻撃手用トリガー同士の勝負なら、基本的に本人の技術と地力が勝敗を決定づけるため、入ったばかりで、毎日鍛錬をしている訳ではないであろう京介が、正隊員の僕に勝つのはかなり難しい話だ。
キャリアは数ヶ月しか違わない…と思うかもしれないが、その数ヶ月がスポーツやら勉強、果ては戦闘まで様々な分野で大きな影響を及ぼす。数ヶ月のキャリアの差というのは、シビアな戦いの世界では中々に大きいものだ。
「はあっ!!」
「遅いっ!」
「ぐっ!?」
大きく振りかぶった京介の、ガラ空きになっている腹にレイガストを差し込む。
向こうは対応できずに大きく腹に傷が出来る。
「ブレードトリガー同士で戦う時は動きは最小限にしな。トリガーっていうのは、ノーガードならどんなに威力が低かろうと大ダメージを負わせれるもんだ。振りかぶってでかい一撃を狙うのも大事だけど、ずっとそうやってると消費する体力とも見合わんし、隙晒すだけで今みたいになるぞ」
「成る程…とはいえ、少なくない授業料をもらいましたね…」
「弱点を狙うのも大事だけど、体をじわじわ削って、相手のトリオンを消費させていくっていうのも割と
そう言って、僕はレイガストでの最短距離での刺突攻撃を行う。スラスターとかがない分威力は控えめだが、少しでも擦れるだけでダメージが与えられてしまうのがトリオン体というものだ。
「ぐっ!?」
「おっ?」
向こうは無理矢理弧月を差し込んで防いでくる。
あからさまに弱点狙いで、わかりやすかったというのもあるが、これを防げるとは、やっぱり京介はかなり才能がある。
だが、この状況は、本来なら受けではなく回避に回った方が良かった。なぜなら…
(レイガストには、スコーピオンに比べれば弱いなんていうレベルではないが…変形機能があるからなあ…!)
「はあっ!!」
「なっ!?」
今までは弧月とレイガストがぶつかって、鍔迫り合いをして力同士の戦いをして居た…のだが、急にレイガストの刃を変形させて、元々京介への刃が届かない“壁”となっていた弧月をすり抜けさせることで、京介本体に再度大きな傷を負わせる。
『トリオン漏出過多』
向こうは五体満足でどこも欠損して居ないが、さっき与えた傷から漏れ出たものも含め、今僕が与えたダメージで、ほとんどのトリオンが漏れ出てしまったのだろう。トリオン漏出過多判定で、僕に勝利の判定が下った。
「悪いな京介、先輩として格好悪いところは見せられないんだわ」
◆◇◆◇
「先輩…割と大人気ないんですね。後輩相手に搦め手ですか」
「いやいやいや!搦め手も立派な実力のうちの一つだから!て言うか、これ僕のメイン戦術なんだよ!レイガストと弧月じゃあ、どう考えても攻撃性能が違うからこういう手も使わないといけないんだよ!」
ブースに戻ると、再開早々意地悪な言葉をふっかけられてしまい、慌てて否定する…いや、これ否定できてねえな。
でも、これガチなんだよな…搦め手がメイン戦術なのは、恥ずかしいしみっともなく感じてしまうかもしれないが、本当だ。何せ、前から散々話していると思うが、レイガストと言う武器は、防御性能に力を割いている分攻撃性能が他のトリガーに比べて何せ低いので、他の攻撃手用のトリガーと張り合うには、こう言う不意をつくような戦術が必要となってしまうのだ。
「第一、お前普通に弧月単体じゃあ強いもん。あのまま正面から戦っていたら、割と危なかったしな」
「そうですか?にしては随分余裕だったように見えますけど」
「ん〜まあ、そりゃ多少はな…普通に油断していたらでかいのもらって居たかもしれないしな…普通にセンスあるよお前」
「そう言われると嬉しいですね」
ちょっと烏丸が嬉しそうな顔をする。まあ、上手いとか、強いとか褒められて嬉しくない人間なんてそうそう居ないだろうしな…このまま、B級にさっさと上がって一緒に防衛任務でもしてえなあ…色々京介とは気も合うし、やりやすそうだからなあ…ただ、一個気に食わない点がある。
(きゃあぁぁぁ!!!から!から!烏丸君が笑顔になったああ!!!)
(カッコ良すぎるってえ…あんな笑顔見せられたら私…もう…///」
(だめえ…あふん)
(ちょ!?花幡ちゃん!?顔真っ赤にしてこんなところで限界化して倒れないでえええ!!)
「…さっきから周りが随分と騒がしいですね…何かあったんですかね?」
「……………気にしなくていいと思う」
「え…でも、なんか人倒れたりしてますし…」
「いや、多分マジで気にしなくていい。こう言うのは僕らが行ってもおじゃま虫なだけ。ああ言うタイプはしばらくすれば治る」
「そう言うものなんですか?いやでも、なんで…」
………………………………お前のせいだよ。
さっきから、彼の周りでC級隊員がバッタバッタ倒れたり、限界化して顔を真っ赤っかにしてランク戦ブースからとんでもない勢いで出て行ったりしている。主に女子だが、数名男子も顔を赤くしているように見える。
なんでこんなことが起きているのかというと、こいつ、顔が無茶苦茶良いのだ。要は死ぬほどモテる。しかも、内面は真面目だし、長男だからなのか、割と世話焼きで面倒見もいいやつだし、所々お茶目さもある…まあ、モテないはずないよなって言う。
この状況を見ればわかると思うが、人が倒れてしまうレベルでこいつはモテているのだ。
現実の人物に限界化してぶっ倒れるとかマジで初めて見たよ。アニメとか漫画の描写だけなんじゃねえかって思っていたし。
限界化してぶっ倒れている女の子に、その限界化の対象である烏丸が近づいて直々に看病するとかマジでトドメ刺しかねないから行かないであげて…マジで。
無論、ここまでモテてるやつを見ると、殺意は湧き出てくる…のだが、京介は面倒をよく見ていた仲の良い後輩なので、他の奴に比べればモテていてもそこまでムカつかないし、殺意もそんなに湧き出てこない。て言うよりかは…
(ねえ、あの烏丸君の横に立っている……白髪の男って誰?)
(あー…あのキモそう……ジジイみたいな……奴?確か神田とかなんだか忘れたけど、そう言う感じの苗字の正隊員だったと思うよ?確か、前期の新人王らしいよ?)
(ふーん…烏丸君の近くに居ないで欲しいなぁ…あんな奴いたら……烏丸君が霞んじゃう…トリガーについて色々習っているのかな?あんな奴に習わなくてももっといい人いるだろうに…)
(ねー…なんなのかな、あいつ……烏丸君独り占めして…でも、烏丸君はあの程度の奴が居ても全然霞まないよ。むしろ………イケメンが際立つ)
………辛い。
さっきからポツポツと影口が聞こえる…なんだよ、僕だって好きでこんな髪色になったんじゃねえんだよ…てか、今まで何回か思ったけど、なんでそんなに髪色非難してくんだよ。世の中色々な髪色髪型あっていいじゃないか…て言うか、独り占めってなんだ独り占めって。別に京介はモノじゃねえだろうが…話すだけでもダメなの?ねえ、ねえ!
「なあ、京介…ここ、騒がしいから一回出ない?ジュースでも奢るから、いろいろ話してやるよ」
「え?本当ですか?じゃあ、お言葉に甘えて」
少しだけ出てくる殺意と、影口による心へのダメージによって、そろそろ心が限界に近づいてきたので、京介に出るように促す。普通にここから離れようなんて言ったら変に思われるだろうからな…モノで釣る形になってしまったが、正直僕の精神を考えればもうなりふり構って居られなかった。
すごい不謹慎なこと言うけど、彼は節約とか家の都合で心掛けているので、こう言う奢りとか、無料といった言葉に弱いのだ。
◆◇◆◇
「えっと…トリガー
一先ず、ランク戦ブースから離れて、自動販売機が置いてある場所にまで来た。多分、ここまでくれば取り巻きの女の子たちも来ないだろう。そして、トリオン体の実装を解除して、元の肉体に戻った僕は、飲み物を買おうと上着のポケットから財布を取り出す。
「先輩、結構暖かそうなジャケット着てるんですね…しかも結構高そうだな…先輩、自分にお金使えたんですね、てっきり、貯金とか全部家族に回しているもんだって思って居ましたよ」
「何言ってんだお前…これ親父が元々来てたやつのお下がりだよ。こんなのに金使うぐらいだったら、お前の言う通り家族に金使うわ」
「そう言う優しいところは、やっぱりボーダーに入っても変わってないですね」
「何言ってんだ、お前もだろ」
飲み物を選んでいると、京介が僕の上着に興味を持ったようだ。
僕のジャケットは、ちょっと良いところの少しお高めなジャケットだ。親父が買ったので、明確な値段がわからないのだが、ネットとかで検索すると、額はやっぱりお高めらしい。
彼もウチも、家計にめちゃくちゃ余裕がある訳ではないので、よく家族のお下がりの服とか、安く買える古着とかを着てばっかりなので、なんかこう言う高めの服とは基本無縁だ。
なので、彼にとってちょっと珍しく感じて興味が出たのだろう。
「やっぱ、そういうの憧れるのか?この年齢になってくると」
そう言って、買ったジュースを京介に向けて放り投げる。
「いや…そう言う訳じゃないんですけど…やっぱりかっこいいなとは思っちゃうんで」
京介が無事に受け取ったのを確認して、僕も買ったコーンポタージュを開ける。
こういう寒い時期に、コンポタとかお汁粉といった暖かい飲み物は最強だ。冷え切った体に、食堂や喉からどんどん熱が伝わって、じわじわとあったまっていくあの感覚もたまらないもんだ。
…え?“烏丸にも今寒い時期だって言うのならジュースとかじゃなくて同じ暖かいの買ってやれ”って?さっきジュース奢るっつっちゃったからこれでいいんだよこれで。
「にしても、なんか違和感すごいですね…先輩って、いつも古着のジャケット着て居ましたよね…今日結構寒いのに、なんでそんな、いつものジャケットより薄いの着てきたんですか?」
「ん?まあ、色々あるんだよ」
自販機付近の椅子に腰掛けながら京介の質問に答える。
「オシャレとかに先輩興味あるって、なんか意外ですね」
「ちげえよ。今日この後初めて会う人に、いい印象抱いてもらうように高いの着てきてるだけだっつーの」
「女の子ですか?ついに先輩にも春が…」
「来ねえよ。残念ながら防衛任務でこの後ご一緒させてもらう年上の男の人さ…はあ、出会いが欲しい」
「来ないって断言するのか…」
若干引かれているのはなんでだろうか。だって事実じゃん。迅さんからもお墨付きもらっちゃったしさぁ…確定している未来ではないとはいえ…
まあ、その話は僕が悲しくなるだけだから置いておいて、防衛任務のことについて話そう。なんとなく今の発言でわかるだろうが、この後、京介に色々教えた後に僕は防衛任務の予定がある。
防衛任務は、基本的に一人で行うのではなく、誰かと一緒になって行うモノだ。一人だけだと不足の事態に対応することも出来ないし、強大な近界民に立ち向かうことも難しくなる。大事なのは背中を預ける仲間との“信頼”だ。仲間間で信頼があれば、連携や援護もうまくいきやすいし、仕事もスムーズにこなせる。その信頼を作るには、色々なことをしなくてはいけない。
それは、例を挙げればお互いを知るべく話したり、遊んだり、何か同じことをしたり…まあ、色々あるだろうが、その信頼を作る作業というのは、会った瞬間からもう始まっている。
人は、お互いの内面を知らないなら、まず第一印象…即ち、見た目や雰囲気でまず人を判断する。第一印象が最悪なら、そう言う“信頼”も見た目や雰囲気からの偏見が入り混じるせいで、作るのが難しくなってしまうだろう。
僕は、そうならないようにするべく、なるべく人と初めて会う時は、第一印象をしっかりするようにしている。髪の毛もちゃんと綺麗にして、毛とかも忘れずに剃って清潔感を上げるのは勿論、服装にもしっかり気を遣う。
今回のジャケットは、見た目と値段はいいモノで、多分僕に結構似合っている…と思う。似合っていないダサい服を着てくると、変な印象を抱かれてもおかしくないからな…この青と黒を基調としたジャケットは、親父の形見のうちの一つなので、いつもクローゼットに大事に保管しておいているのだが、こう言う時にだけ使わせてもらっている。
「ま、いつかこういうジャケットが余裕で買えるようになるくらい、お金を稼げれば家族にもう少し贅沢させれるんだろうなあ…」
「ですね…って、先輩、自分だけ暖かいコンポタとかズルくないですか?」
「いいじゃん別に…言い方酷いけど、奢っているんだから文句言うなよ…それ、結構うまいんだって」
そう言って、軽く京介がジュースを口にすると、すごい勢いで飲み始めた。
相当美味かったんだろうな。僕もそれお気に入りなんだよね〜
◆◇◆◇
「…で、どう?ボーダーで本格的に働く気になった?」
「そうですね…一先ず、B級に上がったら、隊を作りたいですね…早くA級に上がりたいです」
「やっぱ、固定給狙い?」
「勿論。それがあるだけで家計もだいぶ楽になるでしょうし」
A級隊員は、防衛任務の歩合制の給料に加え、ある程度の固定給が貰えるのだ。即ち、中学生という身分から、社会人クラスの金を稼ぐことができるようになるということ…僕らにとっては、めちゃくちゃ美味しい話には違いなかった。
まあ、僕は今の所、歩合制で十分稼いでいるので無理に目指す気はないけども…それよりかは、適度に人脈を広げたいって思っている…ていうか、そうするように祖父母から言われた。“家のこととかはいいから、お前はもっと友達とか作って青春を謳歌しなさい”って、言ってくれた時はすごい申し訳ない気持ちになった。今でも申し訳なく思っている。だって青春謳歌できて居ないし。
と、まあそう軽く数分談笑して居た時だった。
「あ、もうそろそろ防衛任務の時間だな…」
僕は、付けた腕時計を眺めながら、腰を持ち上げる。
「じゃ、僕そろそろ行かないとだから…」
「了解です。俺はもう少しランク戦してポイント稼いで来ますね…」
…今思ったけど、お前、多分女の子のC級隊員と戦ったら、ほとんどの人が対面した瞬間恥じらいで自滅しそうなんだよな…で、そのままポイント荒稼ぎとか出来そう…いや、こういうこと考えるのはやめよう。なんか縁起悪そうだし。
「僕が教えたことちょっと活かせば、京介なら今日中にでもB級に上がれると思うぞ?まあ、頑張れよ」
そう言って、僕は振り向いて手を上げる。
「じゃ、また今度、できれば防衛任務の時に会おうぜ」
「はい。次会う時はお互いB級ということで…って、ん?え?ちょ…っぷぷ」
いやあ…割と自信家だなあコイツも…って、最後のなんだ?今なんか笑わなかったか?君?
僕は、慌てて京介の方に振り返る。
「え?何?なんかあった?」
「いや…その…先輩…
上着、色変わってますよ?」
…はい?
僕は慌てて上着を脱いで、背中の部分を見る…そこには…
「なんじゃこりゃああああああ!!!!!!???????」
青黒メインだったはずの上着が、真っ黄色に染まっていた。しかも、めちゃくちゃまだらに。
「ええ!?え?なに?何があったの!?」
「ちなみにっすけど、お尻も黄色に染まって居ますよ」
「ファッ!?」
上着だけでなく、ズボンの尻の部分も変わったと言うのか…!?
背面だけこんなに綺麗に色が変わっている…と言うことは…!
「椅子か!?椅子に何が…」
慌てて、今さっきまで座っていた椅子を見ると、黄色い粉がべっとりいっぱいくっついていた。
「な…何これ!?なんの粉!?何で気がつかなかったんだ!?」
「ぺろ…これ、味的に多分“きな粉”っすね」
…kinako?
「なんでそんなもんが椅子にあんの!?てか、お前よく得体の知れない粉の前に口に入れるって選択肢取れたな!?」
「いや…なんか、色と雰囲気的にきな粉かなって思って舐めたら案の定ってだけですよ」
「それでもすげえよ!?よく舐めれるな!?てか、そんなことよりも何で気がつかなかったんだ…」
「話しながらだったんで、普通に気がついてなかっただけじゃないですか…?俺も気がついてませんでしたし…まあ、こんなやばい量のきな粉気がつかないなんてあるんすね、お互い」
畜生…他人事とはいえ、ヤケに冷静な京介がなんかムカつく…いや、何に対してむかついてんだ僕。重要なのはこっちだろ…!
やばいのは…外行きの…しかも親父の形見にきな粉がくっついたことだ…!
「どうすんだよ…!これから初対面の先輩に会いにいくって言うのに…」
「トリオン体で行けばいいんじゃないですか?」
「いやあ…わかりやすいように、お互い生身で会おうってもう連絡しちゃっているんだよ…僕のトリオン体の服、他のB級隊員も来ているような服でわかりにくいからさ…」
「ああ…そういう…まあ、それはおいておいて、どの道それを着ていくにしても、問題のきな粉は背面にしかない訳だし、どうにかなるんじゃないですか?」
「なんねえよ!見られたらどうすんだよ!尻真っ黄色に染まってるとか、めちゃくちゃ恥ずいじゃねえか!!しかも、着替え持ってねえから帰りこれで帰んなきゃ行けねえんだぞ!?僕!!……帰る時トリオン体を使うにしても、基本防衛任務以外で、屋外でのトリオン体の換装は禁止されているし…!」
なんでよりによって…トリオン体になっていればこんなことにはならなかったのに…!ていうか、なんできな粉がこんなところにあるんだよ…!ジュースこぼれてるとか、そう言うのじゃなくて、なんでよりによってこういう…!粉っていう服についたら落ちにくいもの代表のうちの一つのきな粉が…!服についたら落ちにくいきな粉が…!
「そんな…青黒メインのジャケットにきな粉の黄色は目立つって…落ちなかったらどうしよう…!」
「この程度なら全然落ちそうですけど…」
そう言って、京介が叩いてくれるが、見事にきな粉が落ちない。目の錯覚かもしれないが、逆に薄くはなるも広がって、なんかもっと目立つようになってしまった気がする…
「…落ちないっすね…ご愁傷様です」
「………京介、服貸してくれない?」
「無理です。ランク戦したら俺も帰らないと行けないですし。上着なしじゃ死にます」
「…ズボンは?」
「無理に決まっているでしょう…」
「…水かけたら落ちるかな?」
「落ちるかもですけど、そしたらお漏らしした後みたいになるでしょうね」
「…どうすればいいと思う?」
「…青と黒に、いい感じで黄色のアクセントが加わって、俺はかっこいいと思いますよ。先輩。男見せてください」
「いやあああああああああああ!!」
なんで一番大事な時に!大事なもんがこうなるんだああああああ!!!!!!!!!
◆◇◆◇
おまけ
ある女子の会話。
「ねえ、あの烏丸君の横に立っている(結構かっこいい)白髪の男って誰?」
「あー…あのキモそう(に見えるけど、形がちょっと特徴的なこと以外かっこいい)ジジイみたいな(髪色した)奴?確か神田とかなんだか忘れたけど、そう言う感じの苗字の正隊員だったと思うよ?確か、前期の新人王らしいよ?」
「ふーん(そんなにすごい人なんだ…でも、推しを遠くから鑑賞したいから)烏丸君の近くに居ないで欲しいなぁ…あんな奴いたら(あいつも結構顔イケてるせいでほんの少しだけ)烏丸君が霞んじゃう…トリガーについて色々習っているのかな?あんな奴に習わなくてももっといい人いるだろうに…」
「ねー…なんなのかな、あいつ(男同士なのに)烏丸君独り占めして…でも、烏丸君はあの程度の奴が居ても全然霞まないよ。むしろ(他にもカッコイイ奴がいることで、よりむしろ)イケメンが際立つ」
「あー!それはある!そう考えるとあのコンビ、すっごい尊いかも!」
「ていうか、私たちこんな会話してるけど、烏丸君のなんなんだろうね」
「ん?未来の嫁と、その見学人。勿論私が嫁ね」
「は…?え…?」
(無関係なのに嫁とか言っててこっわ…)
とりまるもてすぎ案件…そして主人公…お前、嘘だよな…?
にしてもきな粉かあ…誰のせいであんなところにきな粉なんかあったんだろうなあ…きな粉餅でも食って居たのかなあ…?
感想、評価お待ちしています!マジで感想遠慮なく送ってくれていいです!送ってくれるたび作者が飛び跳ねて喜びます!
イコさんもうボーダー入っている設定にしていい?
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賛成!
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んー、もうちょい後に入隊してんじゃね?
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勝手にせい。あんたに従う