このアカウント、一年以上前に作ってさほど使っていなかったせいで、ルーキー扱いされてないからルーキーランキングに載らないの悲しい…この小説って、ルーキーランキングだとどれくらいの順位になるんですかね?何を持って順位を判断するのか、小説今回初めて書くし、ランキングも今まで見たことないからわからねえ…総評価数ってやつで判断するんですかね?
あの防衛任務は、結局、東隊がバンダーを一掃して終わった。
正直言って、全員やっぱり強かった。ていうかなんか次元が違う気がした。あんなに苦戦したバンダーを、隊長である“東春秋”さんが、遠距離からのスナイパーライフルによる一撃で沈めたり、砲撃も隊員の“二宮匡貴”さんや“加古望”さんが、集中シールドを貼ったり、弾トリガーをぶつけて相殺させるとかいう変態技とかしてて、さすが“A級一位”…といった感じだった。
正隊員にも、一応階級というものは存在する。大まかに分けると、“A級”と“B級”に区分される。訓練生…いや、ここは“C級”隊員と言った方がわかりやすいか…から上がったら、まず“B級”隊員となり、隊を組んで“B級ランク戦”というものを勝ち抜くことによって、精鋭である“A級”の称号が与えられる。
“B級ランク戦”というのは、年3回で行われる大規模な隊同士での模擬戦のようなものだ。ただ、その感覚は、ゲームに近い。B級…というか、A級も含めてだが、隊は、逐一順位分けされており、さっき言った“A級一位”の一位の部分も、その順位付けを表しているものだ。で、そのB級ランク戦の成績がいい順に1位、2位…と順位付けされていくのだが、これはA級も同じで、隊同士の戦いで成績がいい順に番付されていく。
つまり、東隊の“A級一位”というのは、精鋭の中でも一番目に強い隊…とかいうやばい称号なのだ。
で、まあそんなやばい隊が僕らを助けてくれたわけだが、後日、開発室に呼び出されて、あのトリオン兵と戦った感想とか、違和感とか色々聞かされることになった。何せ、イレギュラーモールモッドと近接戦繰り広げたのは僕だけだ。呼び出されても何らおかしくはなかった。で、今でも解析が進められているらしく、詳しいことがわかったら知らせてくれるらしい。
「あー…お茶うんま…」
で、そんな僕は、開発室から事情聴取を受けた後、ボーダー基地内にある食堂にて、僕は昼食をとっていた。
貴重な午前の時間が開発室で潰れてしまったよもう…にしても、あのトリオン兵、本当にいきなり現れておかしい雰囲気を纏っていた。だが、それを、射程とか武器の問題があるとは言えあっさりどうにかしてしまった東隊を見ると、なんか凹む。
あれを当たり前に討伐できてA級か…と考えると、A級ってやっぱすげえんだなあってなる。そして、自分の強さと比較してどこか凹んでしまう。東隊には僕と同じ前衛寄りの戦い方をする“三輪秀次”という同い年の子がいたのだが、動きのキレが、他の弧月使いの子と比べるとやっぱり結構違った。正直、武器の差とかそういうのなしに、地力とかそういうのから違うんだろうなって思っている。
ただ、余計に凹むのは、彼が同い年ということだ。
テレビとかでもあるでしょ?ニュースとかに出るような…なんか、“子供起業家”とか、“スポーツで金メダル取りました!”って子が、自分より年下だったりすると、なんか自分と比べてすげえな。ってなってしまい、凹むやつ。で、同い年だともっと辛くなるやつ。あれに近い。え?“器が小さい”って?小さくて悪かったな!
「ああもう!こういう時は飯だ!飯!飯食おう!飯食って忘れよう!」
僕は、注文していた
そんな時だった。
「隣、座ってもいいかい?」
「え?どうぞ!ズズズ…」
僕は、無我夢中でうどんを啜っていたので、話しかけてきた相手に見向きもせずに応答してしまった。まあ、どうせ昼時だし、混んでいるから会いている席がないんだろうなって思いながら。
「君だよね?例のトリオン兵に唯一近接戦を仕掛けた子って」
「ん?」
え?例のトリオン兵?まさか、あのモールモッドとバンダーのことか?なんでそれ知ってるんだ?確か、諏訪隊と東隊と僕に、戒厳令が敷かれて、詳しいことがわかって、上層部が公表するまで誰にも言ってはいけないと言われていたはずなんだが…でもどこかで聞いたことある声だな…そう思って、箸を置いて、顔を上げた時だった。そこには、驚くべき人物が座っていた。
「お、腹は膨れたかい?神立君」
「は、え…?え?…ええ!?あ…ああ、東さん!?」
そこには、僕らを助けてくれたと言っても過言ではない、黒髪のロン毛が特徴的な東隊の隊長。“東春秋”さんがそこにいた。僕は、正直腰を抜かすほど驚いた。理由は二つある。
一つは、A級一位とかいうレジェンド級の隊員が、わざわざB級に上がったばかりの新入りの僕に会いにきてくれたということ、そしてもう一つが
(やべええええ!!!!!僕!今何した!?明らかに年上の人、しかも迷惑かけちゃった人にうどん啜りながら受け答えするとかいうクソ失礼なことやったよな!?やばいやばいやばいやばい!!)
死ぬほど失礼な態度で受け答えしてしまったことに気づいてしまったからだ。しかも、した相手はある意味で考えれば命の恩人。一番倫理的にしてはいけない人だということも。
◆◇◆◇
「はっはっは!別にそんなの気にしてないよ。むしろ、こっちが食事中に邪魔してすまないなって思っているさ」
「はあ…とはいえ…」
瞬時に謝ったのだが、東さんは笑いながら許してくれた。寺島さんの時とかも思ったけど、ボーダーって優しい人…てか、性格がいい人多くない?こっちがなんかやらかした時、逆に相手が優しすぎてすごく申し訳なくなるんだけど…
「まあ、お互い暗い話はよそう。俺が君に会いにきたのは、さっきも言った通り、例のトリオン兵…特にモールモッドについてだ」
「ああ…はいぃ…」
やばい、萎縮しちゃってる。安心しろ!僕!多分相手はいい人だ!いつもの調子を取り戻せぇ!
「東さんがわざわざ会いにきてくれなくても、呼んでくれたらこっちから出向いたのに…」
「神立君の電話番号も知らないのに、どうやって呼び出すんだ?ボーダー基地内の放送で呼び出すか?流石に俺如きじゃ放送で隊員を呼び出す権利なんてないさ…それに、来たのは個人的な事情だし、呼び出したら悪目立ちするだろうしな…例のトリオン兵のことが間接的とはいえ他の隊員にも知られてしまうかもしれないしな…」
…おっしゃる通りです。あかん、また恥ずかしくなってきた。自爆した。
「で、まあ話を聞きたいのは、その例のトリオン兵に関してなんだ。ちょっと個人的に引っかかることがあってだな…ちょっとそれについて聞きたかったんだ」
「はあ…まあ、お答えできる範囲で答えます」
「そう言ってもらえるとありがたい。とは言え、ここだと他の人に聞かれてもおかしくない。もしこの後時間が空いているならついてきて欲しい。一旦ウチの作戦室に案内するよ」
◆◇◆◇
「にしても、何で僕の名前を知っているんです?ただの新入りなのに…」
東隊の作戦室に向かう途中に、僕は気になったので話しかける。
不遇武器でヒャッハーしていること以外特に有名でもないはずなので、名前が知られていることが気になったのだ。
え?“何でお前がそもそも東さんとか二宮さんの名前知っているんだ”って?彼ら有名人だから、正隊員だけが見れる名簿みたいなの見たりすれば、上位ランカーの人の名前載ってるのよ…それでわかる。
「ああ、それは開発室の人に聞いたんだ。例のトリオン兵に関して色々君も事情聴取されただろう?その時に聞いたんだ」
「ああ…成る程…」
ちなみに、さっきから言っている“例のトリオン兵”とは、あの例のクソ強かった、先日に戦ったトリオン兵のことだ。外でイレギュラーのトリオン兵とか言って周りに聞かれて知られてしまうと、訓練生とかがパニックになって外に漏洩してマスコミや世論が騒いだりすると不味いので、ぼかして言ってもらっているだけだ。近界民というのはあれでも日常生活を脅かす脅威だ。新種で得体の知れないやつが出たなんて言われたら世論も多少騒いでしまう。
「まあ、君のことは実は一方的に何だけど知っていたんだけどね。入隊式の時に、仮想トリオン兵と戦闘訓練して、何秒で倒せたか競い合っただろう?あの時に機材担当をしていたんだ」
「ええ?そうだったんですか?」
入隊式には、ある一つのイベントがある。それは、仮想トリオン兵と模擬戦をして何秒で倒せたかどうかを競い合うというものだ。僕は、そこで“2秒”という記録で弧月でだけどバムスターを倒したことで、最短撃破記録の保持者になっている。無論、2秒以下で倒せる正隊員なんて、普通にボーダー内には居る。
「あの時は、すごい新人が現れたもんだって驚いたよ。ウチの秀次くらい素早い剣術だったからね…今思ったけど、何か剣術とか昔やっていたのかい?」
「え…?ああ、昔道場に数ヶ月くらい親に言われて通わされていたくらいですかね…」
「それであの速さは普通にすごいな」
普通に嬉しい。さっき三輪の強さと自分の強さを比較して凹んでいたので、三輪を誰よりも見ているであろう隊長さん…しかも、A級1位の隊長さんにそう言ってもらえると、心も洗われる。
そんなこんなで話しながら歩いていると、目的地についた。
「ここだ。他の隊員はいないから自由にしてもらって構わないよ。そこのソファとか、勝手に座ってくれていいから」
「ほえ…ここが…」
東さんがお茶を入れてくると言って、部屋の奥に行ってしまった。
いろんな隊の人と任務をこなしている身だが、誰かの作戦室に入るというのは初めてのことだった。
中に入ってみれば、結構片付いており、掃除もされていて、いくつか私物が置いてあって生活感があったが、特に別段変なものもない部屋だった。一先ず、ソファに座る。
「急に誘って本当にすまないな…とりあえず、これでも飲んでゆっくりしてくれ」
「あっ…どうもご丁寧に…ありがとうございます…」
頭を軽く下げて、湯呑みを受け取る。
割と熱いな…もしかして、僕を呼ぶ前提で作戦室を出た時にはもう茶葉とかセットして作ってたのか…?いや、考えすぎか
「…えっと、で、イレギュラートリオン兵のことですよね」
「そうだ。個人的にいくつか気になることがあってな…聞きたいことがあるから答えて欲しいんだ」
猫舌なので、舌を引っ込めつつ無理矢理口につけて、お茶を少し飲んだ後、イレギュラートリオン兵の事を口に出したら、早速本題に入ってくれるようだった。
「まず、神立君はあのトリオン兵…特にモールモッドと戦って何を感じた?」
「えーっと…」
「ゆっくりで良い。何せ、あのイレギュラーなモールモッドと近接戦をして、一番長く実質的に戦ったのは君だからね…純粋な君の感想を聞きたいんだ」
あのトリオン兵…まず思い当たることと言えば、“賢かった”ということだ。遠距離攻撃役のバンダーを囲うように陣形を取って守ったり、フェイントを入れてきて、こちらの隙を誘ってきたりなど、普通のトリオン兵とは考えられないほど知能的だった。だが、気になったのが、僕がエスクードでモールモッドを一匹ある意味で串刺しにした時だ。
串刺しにされていないもう一匹のモールモッドが止まっていたのだ。
次に思いつくことといえば、やっぱり“性能が良かった”ということもあるな。
振り回す鎌の速さが、普通のモールモッドに比べても速かった。そのせいで、体感威力も高かった。普通に動き回るスピードもおかしかったし、撃ち出す弾の威力が、普通のバンダーに比べて色々おかしかった。
だが、やっぱり、賢かったというイメージの方が強い。でも、ただ賢いというのはなんか違う…こう、何というか…
「“意思”…“意思”があるように感じました…」
「意思…かい?」
「はい…」
何というか、ただ賢いだけなら、もっと動きが違ったと思う。今考えてみれば、僕がモールモッドを盾にして立ち回ることでバンダーが砲撃できないようにした時には、ただの賢い冷徹な人工知能が搭載されていた場合、モールモッドごと僕を撃ち殺しに砲撃を撃ってきてもおかしくなかったと思う。それに、さっき言ったエスクードの串刺しの時の反応もそうだ。
「成る程…普通に“賢い”とかそういうのじゃなくて、“意思”…感情を持って何かを思考する能力が相手にあった…ということかい?」
「まあ、そうなりますね…」
モールモッドと戦っていた時、僕が追い詰められたのは、後半になってからだった。正直、前半は攻撃も防げていたし、隙をあえて自ら晒して誘い込むような危険な動きができるほど余裕があった。
「何というか…向こうがこっちの動きを学習してきたような…」
「…成る程な」
「…言語化が難しいんですけど、人工知能の“賢い”じゃなくて、人間とか動物がもつ“賢い”に近いんですよ…」
本当に言語化が難しい。ああ、語彙力がないって本当に厳しい。
数学はできるのに、現代文や古文が弱いところがここで出ちゃってるよ…もう。
「…ありがとう、それが聞けただけで割と十分だ」
「…はい?」
え?これでおわり?もっと質問されるもんなんだと思っていた…
「正直に言おう…俺も君と同じ感想を抱いていた」
「え?」
バンダーと戦っただけだから、何とも言えないけどね…と、彼は付け足した。
「正直、その回答が聞けただけでもすごいありがたい。あのバンダー、こちらに狙撃手…まあ、バンダーと同じくらいの距離から射撃できる奴がいると分かった瞬間、優先的にこちらを狙ってくるようになったんだ…まるで、“一番自分を倒しかねない厄介な相手だから、先に排除したい”っていう感じでな」
…確かにそうだ。トリオン兵は、基本最初に補足した奴を優先的に狙う。途中から標的を変えるのはほとんどありえないのだ。普通に考えれば、初めに捕捉されたのは僕…というか、僕らだし、まともな射程が無い諏訪隊と、僕を狙った方が簡単に仕留めれるので撃って来てもおかしくない。
なのに、東さん…というか、まともな射程持ちの攻撃ができると判断した東隊にすぐさま警戒対象を変えて砲撃を集中させて来たのだという。
「他にも、俺らに向けたでかい砲撃を、望が弾トリガーを横から当てて射線をずらさせて回避した時も、それに対応するかのように細かい砲撃を数発行う形にして来たり、射撃を避けるように頭部を低く下げて近づこうとしてきたりなんかもした…まあ、他にも色々ある」
「…その砲撃が細かくなるやつ、僕もやられましたね…」
あれ、東さん達も同じ被害に遭っていたのか…あの時はレイガストとエスクードに本当に救われた。なんで不人気なんだよあいつら。本当に便利なのに…ていうか待てよ…?弱っていた…?あ!?待って!?僕東さんに助けてもらったこと謝っていない!!
「あの…東さん…話の腰折るようで申し訳ないんですけど…」
「ん?どうしたんだい?」
「その…助けていただきありがとうございました…マジで助かりました…」
僕は頭を下げる。
「…ああ…そのことか…その感謝は、頭を下げてもらった手前申し訳ないけど、正直お礼は不必要だよ」
「はい…?」
「別に俺らは助けようと思った訳じゃない。結果的に助けたのと同じような状況に見えてしまっているだけだ。ベイルアウトを使えばいつでも逃げれる状況だったからね…助けるも何も自力で脱出できる状況だったということだ。どちらかといえば街に被害が出ないように立ち回った君にお礼を言わないといけない。もし誰かにお礼を言いたいのなら、君と最後まで戦ってくれた諏訪達にお礼を言ったほうがいい」
…また自爆した。恥ずかしい…そういえば、ベイルアウトの存在忘れとった…さっきまでちゃんと覚えてたのに…また見当違いなこと言ってしまった…
「でも、わざわざお礼を言ってくれてありがとうな。そう言ってもらえるだけでも嬉しくないと言ったら嘘になる」
「ああ…いや…」
「一先ず話を戻してもいいか?急かすようで本当に申し訳ないが、ウチの隊員が帰ってくる前に他にも色々聞きたいんだ」
「あ、はい」
「それで、まあ君にわざわざトリオン兵のことを聞きに来たことは、モールモッドが、バンダーと同じように“意思”を持っているように感じたかどうかを聞きたかったからだ。モールモッドと一番長く近くで戦ったのは報告を見るに、紛れもなく君だからね」
まあ、確かにそうだ。諏訪さんは作戦状後方に控えてもらったし、ボコボコにされかけたとは言え近接戦を仕掛けたのは僕だけしかいないからな…僕に聞きにくるのも当然だった。
そして数分後…
「ありがとう。今日はひとまず終いにしよう」
「え?もう終わりですか?」
十分くらいしか時間たっていないはずだよ…?
この後特に予定ないからまだ話し続けてもよかったのに…って、あれか。東隊の他のメンバーが帰ってくる時間とか、そういうことか。
「もうそろそろウチの隊員達がランク戦を終えて帰ってくる時間だからな。さっきも言った通り個人的な事情だしあまり聞かれたくてな…急に誘って急に追い出す形になってしまうが…」
「あ、いや全然。それは気にしていないので…それじゃあ、皆さんが帰って来る前に失礼しますね…お茶おいしかったです!では!」
「ああ、また今度、開発室に呼ばれた後にでも話そう」
そう言葉を交わした後、僕は立ち上がってドアに向かう。
にしても…東さんともあろう人が何であのトリオン兵のことをあんなに気にするんだ…?“意思”がどうこうとかここまで気にする必要あるのか…?
普通に考えて僕にわざわざ聞きにくる程確認したかった事項なのだろうか…意思を持っているように感じる…普通とは違うトリオン兵なのは確かだ…だが、ここまで聞きにくるものだろうか…一体どうしてそこまで気にするのだろうか…まあ、考えすぎか。取り敢えず開発室からまた召集が掛かった時にでも詳しく聞いてみよう…僕は、そう思って部屋を出ようとする。
「…あれ?どうした?神立?」
「…扉、どうやって開けるか教えてもらっていいですか?」
本日4度目の恥ずかしい瞬間を作ってしまった。
◆◇◆◇
神立が出て行った後の作戦室に、一人の男がいた。
「…神立武治か…」
自分の隊の秀次と同い年にして、前期の新人ではトップクラスの技能を持った青年。イレギュラーのモールモッド二匹をB級に上がりたての新人にも関わらず撃退した男。東は、彼のことについて考えていた。
(何というか、面白いやつだったな…)
特段気にしてもないことを無礼だと言って謝ったり、わざわざ感謝を述べてくれたりと丁寧な部分もあって、トリオン兵に関する考察から考えて、新人にしては洞察力や思考力、感受性もかなり高い。だが、ミスをしたらものすごく恥ずかしそうにしたりなど、揶揄うと面白そうだ。それに、レイガストとかの、使い手が少ないトリガーに異常に執着してこだわる謎の一面を持ち、それはそれでしっかり高い実力を持っている。
(…今の東隊が解散したら、ああいう面白そうなやつに戦術を教えたりしたら化けそうだな…)
東隊は、戦術面を若手の優秀な隊員に鍛えるべく、本部長の命令によって作られた部隊であり、今の隊員には教えられることは少なくなって来たので、そろそろ解散させて独立させようかと彼は考えていた。
またその後に若手を鍛えたいと思っていたので、現世代の14歳の中では優秀な若手の彼を教えるのも面白そうだと思っていた。だが、一つ彼が気になる点があった。
(何だろうな…あれはまるで秀次と同じ…どこかに“強い感情”を秘めている…)
自隊の三輪秀次は、ネイバーに姉を殺されたという過去を持つため、ネイバーに異常なほどの復讐心を持っている。昔はまるで狂犬と称せる程誰も近づけないような存在だった。最近じゃ大分丸くなったが、今でもその復讐心は健在で、ネイバーに関することだと今でも容赦が全くなくなる。その三輪を育てた人間だからこそ、その三輪とどこか似たような何かを彼は神立に感じていた…
(新人隊員なのに、新型のトリオン兵にあそこまで突っ込んでいけるのは、ある意味“異常”だ…それこそ、秀次のような強い復讐心でも無い限り…)
だが、彼には、三輪のような復讐心があるようには思えなかった。
(いや、今はそれより、一先ずあのトリオン兵のことだな…)
今回、 “意思”を持ったトリオン兵に関して、彼は気にかかる点があった。彼に突然押しかけてまで確認したかったのは、“モールモッド”に違和感がなかったかどうか、意思があるように感じたかどうかを忘れないように聞くためだ。イレギュラーなトリオン兵との戦闘など、鮮明に覚えていてもおかしくない。が、その時に感じた感情や違和感というのは、時間が過ぎるにつれ少しずつでも忘れていってしまうのが人間。彼が戦った時に感じた感想を…違和感を忘れないうちに聞きたかったのだ。
(モールモッドにも意思があるとなれば…もしや、あの“国”が来るのか…?)
彼は、ボーダーが、近界のトリガーのトリガーを回収して研究するべく遠征艇に乗って、近界へ“遠征”に行ったことがある。門の向こう側の世界で、彼はある“国”で戦闘を行ったことがあり、そこで奇妙な相手と仲間と共に戦った。
それこそ、まるで意思を持ったように動くモールモッドであった。
彼は、ある“国”が今自分たちの世界を狙って侵攻してくるのではないかと考えていた。その“ある国”は、意思のあるようにモールモッドを運用しており、遭遇した際は、あの時は自分が今に比べ、戦闘経験が浅かったり、状況が状況だったりと、まあ色々あったが、中々に苦戦を強いられたのを覚えていた。
しかし、意思があるトリオン兵を運用するのなら、その国が侵攻してくると断定することは不可能だった。なぜなら、あくまで彼が戦ったのは、バンダーであり、モールモッドではないからだ。意思があるように見えるバンダーと戦ったのは今回が初めてだった。意思のあるバンダーが現れたからといって、それが“その国”の襲来に繋がるとは断定できなかった。なので、彼は同じく現れたモールモッドと戦った神立に、あの時の自分と同じ感想を抱いたかどうかを聞いたのだ。
正直、諏訪隊は後方に最後の方まで控えていたし、まともにモールモッドと戦ったのは彼だけだったので、感想を聞くには必然的に彼しかいなかったのだ。
(しかし、あの国は確か…ボーダーの観測だと、もう消えてなくなった“国”だったはずだ…)
その“国”はある日ボーダーの観測装置から姿を消した。その“国”のトリオン兵がこちらに攻撃を仕掛けて来たのだとすれば、何かがおかしい。だが、回収されたモールモッドの残骸の雰囲気や、彼の考えや感想的に、あれはあの“国”のトリオン兵と見て間違いない。
あの国が攻めてくるとなれば、ボーダーもしっかり迎撃体制を整えなければ敗北を喫して、こちら側の世界が一年前と同じく侵攻されかねない。あの国はそれほどの武力と技術を持っていたはずだ。
ただ遠隔操作で誰かが操っていただけかも知れない、ただいつものよりはるかに強い人工知能を搭載させたトリオン兵だったのかも知れない…ただ、この違和感が本物だとするのなら…
「…確か、国の名前は…暗夜国家“ニュクス”だったか…」
彼は、どこか未来を危惧する気持ちになりながら、そう呟いた。
まあ、主人公にも色々過去はあるし、色々な感情を持ってボーダーにいます。その存在が明らかになった回です。あと、出て来た国は、完全にオリジナル国です。
-トリオン兵は“最初に捕捉した相手を狙う”とか書いてたけど、そんな描写あった?てかそんな頭悪い?
-いや…どっかでそうじゃない描写もあったような気もしますが…まあ、三年前だし、向こう側もトリオン兵生産技術が原作と比べて今では低いってことで…
-他の不遇トリガーいつ出るの?
-序章終了後に続々オリキャラと共に登場予定です。
感想、評価お待ちしています。来たら筆者が飛び跳ねて喜びます。
文字数今8000文字超えるくらいなのですが、序章が終わるあたりには少し減らすつもりです。大丈夫ですか?
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大丈夫!
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いや、変えない方が良い。
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何言ってんだ、むしろ増やせよ
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俺に質問をするな(どうでもいい)