減った後のラッキーナンバー   作:転亡

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なーんかダラダラと締まりのない話になってしまった。
化学の期末テストの平均が30点台ってマ......?(45点)


意識外でのかくれんぼ

「おにーちゃん、来週の日曜買い物行こうよ」

 

「は?」

 

休日のお昼過ぎ。適当にリビングでダラダラしていた時に突然妹から誘いを受けた。いつもなら一人で行くだろうになぜ今回は誘ってきた?

 

「ダメ?」

 

「いやその前になんで俺?」

 

「荷物持ち」

 

今まで自分で抱えて帰ってきてたくせにその言い分は無理あるだろ。

なーんか怪しいな。何が目的だ?

 

「本音は?」

 

「......いやホントだよ。今回はサイナちゃんの服も選ぶからちょっと多くなるだろうな、ってことで」

 

アイツの服も選ぶのか、つーかそういやこの前母さんがサイナのための普段着を選んで来いって瑠美にお金渡してたな。

 

「わかった、来週の日曜な」

 

「ちゃんと予定空けといてよ!」

 

俺は瑠美からの念押しに適当に相槌を打ちながら再び携帯で動画を見始めた。本当にこの盾使い凄いな。あぁ、また槍使いがミンチに......。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

そして当日。予め瑠美に指定されていた服に着替えると先に指定された場所に行った。

 

「こんな明らかに高級品も取り扱ってそうな場所で買い物してるのかあいつ......」

 

待ち合わせ場所は全国的にみても大きい部類に入るであろう商業施設、の前の広場。明らかに待ち合わせ場所として多用されていそうな像が建っているそこで俺は二人を待っていた。

そして到着して10分程経った頃、

 

「お待たせ―。サイナちゃんに合うサイズの服がなかなか無かったや」

 

そう言って瑠美が来た。

 

「おうお疲れ。体のサイズが違うからしょうがない、な......」

 

そう労いの言葉をかけながら瑠美の方を見ると、そこにはいつもと違うサイナの姿があった。

髪はあいつの外出時の定番となりつつある黒色に染めてあり、髪は纏めずゲーム内と同じようにロングにしてある。

服は灰色のセーターの上から紺色のノーカラーコートを着ていた。下には......確かサーキュラースカートだったか、色はクリームイエローで上下の色の明度の対照さが互いを引き立てていた。

 

「あの......」

 

「え?」

 

「似合って、ます、か?」

 

恐る恐るといった感じで聞いてくるサイナ。いや答えは決まってるがいざ言うとなると少し気恥ずかしいな......。

 

 

「......おう。似合ってるし、その、き、綺麗だぞ」

 

「そ、そうでしょうね!なにせワタシのスペックは全てにおいて優秀そのものですから!」

 

そこで顔を赤らめるなよ!!ドヤるんならちゃんとドヤれ、こっちまで恥ずかしくなるだろが!!つーかこいつヒューマノイドだよな?一応ロボットだよな?なんで顔を赤らめるとかできるんだよ、ユートピアの科学力どうなってんだよ。

 

「おーい二人とも。イチャイチャしてないで早く行くよ?」

 

「瑠美さん!!」

 

「してねーよ!!」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ここのレディース用の服屋は私のお気に入りなの。永遠様からもお勧めしてもらったし安心して買い物できるんだ!」

 

「な、なるほど......」

 

チラッ(疑心と不安を込めた目でこちらを見るサイナ)

コクリ(問題ないとうなずく俺)

 

あの鉛筆......もとい天音永遠のおすすめというのは、奴の本性しか知らないサイナにとっては不安にしかならないだろう。ちなみにペンシルゴン=天音永遠というのは先に教えておいた。そのときのサイナの顔は筆舌に尽くし難かった。驚愕とも疑念とも不安ともとれる......本当に凄い顔だった。

 

「で、どの服を着せるかは選んでるのか?」

 

「んー、あらかじめ大雑把に検討はつけたけど細かいことは現物を見て選ぶつもりだったから。やっぱりどんな服があるかわかんないしね」

 

なるほど、確かに瑠美の言うとおりだ。ゲームでも大体のチャートは立てるが基本はぶっつけ本番がほとんどだ。最初からやることを決めているならそれだけすればいいが、レアエネミー、レアアイテム、理不尽エンカ、鬼畜バグ......人生(ゲーム)とは常に未知にあふれている。おのれ乱数の女神め。

 

「おにーちゃーん」

 

いかんいかん、思考がトリップしてた。今日はサイナの服を選びに来たんだったな。

 

「とりあえずお兄ちゃんは服選び終わるまで待機ね」

 

「おい」

 

「当たり前でしょ。お兄ちゃんのセンスとか信用できないし」

 

じゃあなんで俺は呼ばれたんだよ。

 

「荷物持ち」

 

「しれっと人の思考読むのやめてくれねーかな......」

 

「ま、そういうことで」

 

そういうと瑠美は店の中へ去っていこうとした。

が、

 

「あの、」

 

「え?」

 

「楽郎さんにも評価をしていただきたいというか......」

 

「......え?」

 

んん?どういうことだ?自慢じゃないが俺はそこまでファッションセンスがあるわけではない。なにせ家にいるときは大体ジャージ族だからだ。俺の評価など気にしても仕方がないと思うのだが。

 

「なぜに俺?」

 

「それはその、いろいろな人からの評価をもらっておいたほうがいいと思いまして」

 

多分独裁体制(瑠美の意見が全て)になると思うんだが......。

 

「いやぁ、悪いけど瑠美から待機してろって言われたから」

 

「そう、ですか」

 

そうして少し落ち込みつつも瑠美と一緒に店に入ろうとしたサイナだったが

 

「あー、うん。サイナちゃんがいいなら構わないけど」

 

「は?」

 

おいおい、手のひらくるっくる過ぎるだろモーターでも仕組んでんのか?

 

「それに一人でいさせるのはかわいそうだし退屈させるのも悪いしね!」

 

「そ、そうですよね!せっかく来てもらったんですから退屈させては悪いですね!」

 

お前ら詐欺師向いてるよ。サイナのわかりやす過ぎる棒読みさえ何とかなればだけど。

 

「わかったわかった。ただ本当に期待とかするなよ」

 

こうして三人で入店する。正直レディース用の店に入るのが結構引けるのでやめておきたかったが......しゃーない腹くくるか。気分はラスボスダンジョン!!

 

「......カップル」

 

「瑠美さん!?」

 

俺には聞き取れなかったがぼそりと呟いた瑠美に反応するサイナを見て何か波乱が起きそうな予感がした。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

えー、こちら陽務楽郎。現在時刻は午前11:40、もうすぐお昼時でございます。なお入店時刻は大体午前11:05で試着した服は30着から先は数えていないものとする。

確かに一店舗にしては結構な量の服があったが流石に長すぎでは......?

 

「瑠美?そろそろ決めたほうがいいんじゃないか?」

 

「ファッションにおいて妥協は禁忌とされているんだよお兄ちゃん」

 

「いや、あの時間......」

 

「まだ一時間もたってないよ」

 

勘弁してくれぇ!!こちとら腹が減りすぎて辛いんだが?!食ってからでいいだろ!!

 

「サイナも何とか言ってくんね?」

 

「目標を妥協しないのは楽郎さんと同じでは?」

 

「そういうこと。わかるでしょ?」

 

「四面楚歌じゃねぇか」

 

「あと二方向空いてるから大丈夫だよ」

 

うるせー現状に対して言ってるんだよ。

だが悔しいことに俺も妥協をあまりしない人種だ。故にこいつらが言っていることを否定できない......!

 

「とはいえ確かにお昼時ですし、そろそろ決めたほうがいいかもしれませんね」

 

おっとこれは?

 

「確かに少しおなかすいてきたかな。レストランとか混んでたら嫌だしぼちぼち選ぶかぁ」

 

よし!ナイスサイナ!ようやく腹が満たされ――――

 

「じゃああと六着くらい試着したらご飯にしようか!」

 

上げて下げるのはだめだろうがクソゲーかよ―――――――――っっ!!!!!

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

昼はでカフェ食べることにした。瑠美はクラブサンドとスコーン、俺とサイナはパスタにした。俺はカルボナーラ、サイナは期間限定メニューの和風スパゲッティを食べた。

なお俺は追加でフォカッチャにコーヒー(ブラック)とヨーグルト、さらにサンドイッチを頼んだ。

 

「お兄ちゃん本当にそんな量食べれるの?」

 

「カロリーが足りないんだよ、欲を言えばカフェインもな」

 

「このようなカフェでエナジードリンクは扱っていないと思いますが」

 

「だからコーヒーで代用してんだろ」

 

「コーヒーに一回謝ったほうがいいよ」

 

うるせーライオットブラッドとそこら辺のカフェイン飲料を一緒にするな不敬だぞ。

 

「ちなみにこの後はどうするんだ?」

 

さっきの店でもう上下それぞれ十着は買ったがまだ服を買うつもりだろうか。

 

「そうだねぇ......なにか娯楽系のお店に行く?」

 

「例えば?」

 

「ミュージックショップとか、本屋とか、ゲームはお兄ちゃんがクソゲー漁りに行くからあれだけど......あとは映画?」

 

別にいいだろクソゲー漁り。お前だってさっき同じことしてたじゃねーか。それはそうとミュージックか......。ミュージック......音楽、「μ(ミュー)」ジック......音楽(子守唄&デスメタル)......。

 

「ケ゜フッ」

 

「え、どうしたの急に......」

 

「ナンデモナイヨ。ムカシヲオモイダシタダケダヨ」

 

「そ、そう......」

 

そう、今となっては懐かしい思い出......

 

(つい最近サイナに膝枕をしてもらいさらに子守唄を三曲連続で聞いた思い出(黒歴史)

 

「おぐふっ」

 

「えぇ......?」

 

まずい......俺の中で音楽に関する思い出がほぼ黒色のものしかない......。

 

「とりあえずミュージックショップは無しで。行くなら二人で行ってきてくれ、発作が起きる」

 

「CDで発作......?」

 

「気にしなくていいよサイナちゃん。お兄ちゃんの生態は普通の人間より違うから」

 

サラッと人を異常者呼ばわりするなよ。おいそこ、なに「確かに」みたいな目で見てんだ仮にも俺は契約者だぞ、そんな目で見てんじゃねーよ。

 

「サイナちゃんはどこ行きたい?」

 

「映画、ですかね。見たことは一度もないので」

 

あー、そういやこいつ家でも映画とか見てなかったな。ロボットの癖に人より健康的な生活送ってるもんこいつ。こういった点でも機械に追い抜かれるとか本格的に人間の立場が危ういのでは?

 

「そっか。じゃあ何があってるか調べてみるよ」

 

「いいのですか?」

 

「いいよいいよ。それに見た映画のおかげで新しいアイデアが浮かぶかもしれないし」

 

地味に二回戦(服選び)が確定しましたね。腹括るかぁ......。

 

「どんなのがいいと思う?」

 

「退屈しないのはアクション系だろ」

 

「確かに、フィクション系とかは?あとファンタジーとか」

 

「こいつの出身的につまらないのでは?」

 

「あー、」

 

そもそもがゲーム(ファンタジー)の住民のサイナに非現実系の映画はたいして面白くないだろう。ならば人間味のある映画のほうがいいに決まっている。そう考えるとアクション系もつまらないか?

 

「これとかどう?」

 

そう言って瑠美が見せてきたのはねっとでわだいになっているシリーズ化しているスパイ映画の最新作だった。

確かにこれなら初めて映画見る人でも楽しめるだろう。シリーズではあるが全てのストーリーが完全につながっているわけではないのでそこも大丈夫だと思った。

だがここでストップがかかる。

 

「この「sentence for lived」という映画は一体?」

 

「「......」」

 

黙り込む俺と瑠美。それもそうだろう、この映画はラブロマンスというジャンルに入る作品だ。別にラブロマンスを進めること自体はいい。クソノベルゲーにありがちな退屈なものでもなくコメディとかも混ざったりしているらしいので普通に楽しめるだろう。

問題は二つ。

まず兄妹でこういう映画を見に行くのにとてつもない抵抗感があるということ。

そして内容。

ある意味この作品はサイナに刺さるといっても過言ではない作品だ。

その内容は「女子高生の主人公とそれが愛読している小説の中から出てきたキャラクターがトラブルだらけの日常を送っていくうちに惹かれあっていくものの、存在が異なるためにそんなことができるのかと葛藤してしまう」といったもの。

そう、一部分だけではあるがサイナとその男子の状況が似ているのだ。

 

「あー、サイナ。この映画ははじめてみるひとにとっちゃ割と辛いことが含まれてたりするんだよ。だから別のにしないか?」

 

「見たことがあるのですか?」

 

「そうそう、一緒に見に行ったんだ」

 

ナイスアシストだ妹よ。これであきらめるといいんだが。

 

「成る程。二人で見に行ったと。ワタシを除け者にして......そうですか......」

 

しまった、地雷踏んだ。下手な誤魔化しは逆にまずかったか。

 

「まぁいいでしょう、ならば先ほどのの作品を見ましょうか」

 

助かった。あの映画をこの二人で見るとかいろいろ気まずくなりかねないから断固拒否だ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こうして前述のスパイ映画を見ることになった。チケットの購入を瑠美が、俺とサイナは映画でのおやつを買いに行った。

列に並びながら待機スペースの宣伝用スクリーンに流れてきたラブコメ映画の宣伝を見てふと考える。

 

恋人と映画を見るってどんな感じなんだろう、と。

 

ギャルゲーでもヒロインと映画を見るイベントがある作品はある。だが大抵は映画の内容は見ずにスキップされることがほとんどだ。

今では動画配信サービスを使えば家で映画を見ることができるようになった以上、映画館に足を運ぶことなどほとんどなくなってしまったし行ったとしても一人だけの場合がほとんどだった。ましてや妹以外の異性と一緒に行くことなど今まで一度もなかった。

今、俺の横には一人の少女がいる。いくつもの死線を共に潜り抜け、精神的にも助け合った機械の少女。

別にこいつとは恋人とかそんな大層な関係ではない。ただの(形式上は)契約者(主人)征服人形(従者)という関係だ。それがこっち側(現実世界)に来たことで家族のような関係になっただけ。頭に浮かんだ疑問には全くもって関係がないのだ。

 

それならこの胸の高鳴りは一体何だ?

 

「楽郎さん?」

 

「え?......あ、悪い。ぼーっとしてた。えーっと?」

 

「何を頼むのか聞かれたんですよ、楽郎さん」

 

「あぁ、俺はポップコーンのバター醤油で。ドリンクはエナジードリンクで」

 

「わかりました。そちらの方はどうしますか?」

 

「ワタシはポップコーンのキャラメル味で。ドリンクはジンジャーエールで。それとさっきの注文を全て今の注文の内容と同じにしてください」

 

ちょっと待て。

 

「サイ......美依奈さん?何をしてるんですか?」

 

「ワタシを仲間はずれにした罰です。甘んじて受けてください」

 

そういうとサイナはプイッとそっぽを向いてしまった。ちくしょう、こういう仕草すらかわいいと思えてしまう。

つーか、いらん嘘ついた俺が悪いのか。報いとは必ず降りかかってくる......身をもって学びました。

 

「甘味×甘味にしなかっただけありがたいと思ってくださいね」

 

「へいへい」

 

正直キャラメルポップコーンとジンジャーエールも甘味×甘味と思うが、それを言うと藪蛇になりそうなので黙っておく。

 

「急きましょうか楽郎さん。瑠美さんが待ってます」

 

「あぁ」

 

前からせかしてくる少女に応えながら俺はこいつと一緒に見る映画を少し楽しみにするのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

最初は、何を目にしたのか理解できなかった。

休日の息抜きにどこかに羽を伸ばしに行こうと思って来た商業施設。

面白そうな本を買ったり、服を買ったり、一人でも楽しかった。

そして映画も外せないと思い、館内のシアターに寄った時に彼の姿を見つけた。

こんなチャンスはない。休日にこんなところで会えたのだから、あわよくば一緒に―――

そんなことを考えていた。

が、

 

「――えっ」

 

その真横に人が、彼の親戚の美依奈さんが隣に並んでいた。




なお楽郎が気に入ったのは、白ワンピース、ベージュのダッフルコート、インテリジェンスグラス(黒縁の四角眼鏡)(サイナ命名)、青いフード付きパーカーに黒のラインが入ったハーフパンツのセットなど。
え?刺激が足りない?





チャイナドレスってのが次回あってぇ......。
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