ダンジョン・フラグメント   作:トラロック

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12 異界復讐譚

 少年は力を得て調子に乗った。

 えてして冒険者はそういうものであり、別段彼だけが異常だったわけではない。

 数度の『昇格(ランクアップ)』により大幅に増強される力というのは人を危険な思考へと駆り立てる。

 弱者を見ると無性に苛立ったり、見下したり、価値の無い存在(もの)として視界に入れる事すら無くなってしまう。

 彼の場合は娯楽だろうか。

 殺戮が大好きな女性冒険者のように、自らを傷つけても他者を害したい加虐趣味に走ったり。悪徳こそ自らの理念と(のたま)ったり。

 もし、育ちが違えば――信念が違えば、彼は道を踏み外す事は無かったかもしれない。

 短期間で強くなった彼は英雄候補の一人として名を馳せ、自惚れ、気が付けば周りは敵だらけ。

 かつての理解者はいつの間にか離れ、近づく者は利益目的。

 成長が増長を生む。彼の【ステイタス】はそれを成す悪循環に蝕まれていた。

 かつて憧れの人であった【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインは彼自身の手によって戦う力を削がれ、見るも無残な姿に変えられた。はっきり言えば止めようとして失敗し、敗北を喫した。

 ただ、皆殺しに走るような殺戮者ではなかったが少なくない死者を出したのは事実だ。

 もう止めようがない。であれば突き進むしかない。

 最初こそ彼はまともだったが、いつの頃からか悪い方に変わってしまった。

 

(……【フレイヤ・ファミリア】に敗北したあたりから? それとも私が大勢の異端者(ゼノス)を殺してしまったから?)

 

 それも原因の一つだろう。

 知性ある竜女(ヴィーヴル)を討伐したあたりから彼の様子は変わった。

 それから幾度となくぶつかり、そのたびに彼は強くなって――そして、勝てなくなった。

 自らの必殺を彼は持ち前の【ステイタス】と強烈な技でアイズの腕ごと粉砕した。

 死ななかったのは間に戦友であるレフィーヤ・ウィリディスが割り込んだお陰だ。

 

(……戦う術を失った私は……、これからどうすれば……)

 

 隻眼の黒竜はおそらく白髪の少年ベル・クラネルか、他の英雄候補が討伐するかもしれない。アイズはもう敵の前に立てないし、資格を失った。

 仲間を失った。

 【ファミリア】こそ追放されていないが、無能な眷族を主神がいつまでも置いておくとは思えない。

 人の優しさがとても痛い。

 救いを求めるように自室の机に乗せてある物体に短くなった腕を伸ばす。

 彼の必殺によって斬断されたレフィーヤの成れの果て――首だけになった森妖精(エルフ)の亡骸。その表情は敵を殺さんばかりの憤怒を形作っていた。

 今は不甲斐ないアイズに対する怒りを表しているよう。

 それと、腐らないのは防腐処置が施されているから。

 

(……ごめん、なさい。負けてごめんなさい。殺せなくてごめんなさい。生きていてごめんなさい。復讐できなくて……ごめんなさい。助けられてなく……)

 

 もう何度も謝罪の言葉を口にした事か。今は譫言(うわごと)の呟くようになってしまった。

 生きるのが辛くて自害しようと思ってもレフィーヤの顔はそれを許してくれない、気がして出来なかった。

 毎日、罪を悔いる。食事も殆ど取れなくなった。生きている事が辛い。

 そんな生活をどれほど続けていただろうか、日付や季節の移り変わりが分からなくなった頃、部屋の中に大きな煙の渦が発生した。

 

 
 

 

 失意のアイズの目の前に現れたのは死んだはずの戦友レフィーヤだった。ただ、彼女もどこか自分と同じくズタボロだった。

 痛々しい姿とも言える。

 自分の知る戦友より大人びており、背も高い。

 長かった山吹色の髪の毛は襟首辺りまでしか無い。

 他の相違点と言えば眼帯を付けていること。自分と同じく義手と義足を付けている。

 森妖精(エルフ)の特徴である横長の耳は片方が半分の長さだった。

 そして、女性らしさの欠片も無く、見えている肌の多くが痛々しい傷跡や火傷に見舞われていた。

 まるで――

 

 アイズと同じ状態のよう。

 

 咄嗟に武器を取ろうとしたが、掴む手が無い事を思い出し苦笑する。

 まだ戦う気概が残っていたのかと呆れてしまった。もう戦う事は無いと思っていたのに――

 

「……アイズ、さん?」

 

 聞き覚えのある声色。すぐにレフィーヤのものだと理解した。まだ彼女の声を覚えていた事に嬉しさがこみ上げる。

 ただ、どのようにして現れたのか分からないが、なんと声をかけたものか、とアイズは悩む。

 涙はとうに枯れた筈だ。風呂に最後に入った日は思い出せない。

 

「こちらのアイズさんは私と似たような人生なんですね」

 

 彼女は机の上に置かれた怒りの形相のレフィーヤの首を見て、憐みの様な眼差しを向けた。

 普通であれば驚くところだ。かつての彼女は人の死の近くに居る様な存在ではなかった。

 レフィーヤにも親友と呼べる友達が居り、その者と決別するまでは――明るい笑顔の似合う森妖精(エルフ)だった。

 

「……喋るのが難しいのであれば頷きだけで結構です。……それで貴女は【ロキ・ファミリア】の眷族ですか? 今も、という意味で」

「………」

 

 アイズは首肯した。

 その後、ゆっくりとした語り掛けてレフィーヤは質問してきた。

 時に分からない質問も混じっていたが、大体は答えられた、とアイズはぼんやりと思った。

 生きているレフィーヤもまた白髪の少年と戦い、返り討ちに遭ったらしい。向こうではアイズが殺されているとか。

 そして、それを証明するように彼女は持っていた荷物からアイズの怒りや絶望に満ちた生首を取り出す。

 自分の顔が目の前にある。気持ち悪さが蘇る。言い知れない怒りが湧く。

 

「お揃いですね」

 

 小さく呻くアイズとは対照的にレフィーヤは苦笑していた。

 ちなみに首だけにしたのは持ち運ぶためで、身体は既に埋葬済みである、と言った。

 レフィーヤの居る世界では【ロキ・ファミリア】の半数以上が死に絶えたらしく、アイズの他に王族(ハイエルフ)のリヴェリア・リヨス・アールヴの首も取り出して見せた。

 自分(レフィーヤ)を庇って殺されてしまったという。

 

「……私、復讐したいんです。あいつを殺したい。それでアイズさん。私と一緒に行きませんか? 旅のお供として」

「………」

「もしかして喋れなくなりました? ……本当に辛かったんですね。私は……貴女の絶望は()()知りませんが戦う意欲だけは残っています。こうしてあいつに嫌がらせをする為に……。復讐というのはあわよくばって意味ですよ。普通に戦いを挑んでも勝てないですから」

 

 喋らないアイズの代わりにレフィーヤは水を得た魚の様に一方的に喋り続けた。

 お互いの世界で誰が死に、生きているのかのやり取りを質問形式で聞き取る。

 その上で諸悪の根源が誰か、改めてすり合わせた。

 

「私は行きますよ。……もう帰る場所は無くなりました。決別したんです。……皆と……。生きる意味を復讐に置き換えて……」

 

 見た目は元気そうだがレフィーヤの肉体は色々とガタが来ているらしい。

 復讐の為に酷使した肉体が限界を迎え、尚且つ別の世界に行くために【ステイタス】を犠牲にしたので冒険者としての恩恵が間もなく切れるという。

 立っている事も喋っている事も実はけっこう辛くて痩せ我慢なんですよ、と明るい振舞おうとしていた。

 彼女の顔色が見る見る蒼くなっている事をアイズは気付いた。

 喋っていないと意識が保てないのではないか、という風に。

 

 
 

 

 黙って見ていればレフィーヤはおそらくこと切れる。自分の部屋に二人分の死体が転がる。

 それを黙って見ている事しかできないかつての【剣姫】は嗚咽を漏らし、掴むことが出来なくなった腕を前に伸ばそうとした。

 復讐については自分も考えなかったわけではない。だが、戦う手段を奪われ、隠居生活を余儀なくされて随分と時が過ぎた。

 おそらく今更戦いに行ったところでまともに身体は動かない。鍛練を(おこた)ってどれだけ過ぎたのかも分からないのに。

 このまま腐って死ぬだけの人生だ。それを甘受していた矢先に生きているレフィーヤが手を伸ばしてきた。

 その手を取れば楽になれる。

 

(……ごめんなさい。戦えない私で……)

 

 この時のアイズは既に答えを出していた。

 復讐とは言わず、この絶望に満ちた世界から消えてしまいたいと。

 弱くなった自分はもう【ロキ・ファミリア】には不要だ。たとえ皆に居てもいいと言われても――自分はそれを認める事が出来ない。

 元より誰かに連れ出してほしかった。

 自分を救ってくれる英雄に。

 彼は英雄ではなく敵となった。もう、縋る者は誰も居ない。

 

「……ごめんなさい。次の世界に行くだけで限界なんです。……私の体力とか魔力的に……。それでも構いませんか?」

 

 レフィーヤの悪魔の囁きのような言葉にアイズは頷いた。

 もう少しまともであったならば、どうしてレフィーヤがここに来たのか、ちゃんと聞いていた筈だ。

 しかし、レフィーヤ側もアイズの生きている姿が見られただけで満足してしまった。淡い希望を抱いてしまった。

 そして、もういい。このまま朽ちてしまおう、と。

 復讐が虚しい事は理解している。それでもそれに縋らなければ生きる活力になり得なかった。生き残った仲間達から生きてくれ、と言われて惰性的に生きてみたものの実際には無為な生活が続くだけだった。

 別の世界への往来は彼女の世界に居る者から譲ってもらった。試作品程度で用が無ければ破壊してくれ、と言われたものだ。

 譲渡における条件は使用感の報告のみ。もし、生きて元の世界に帰る気になったら、で構わないと。

 ついでに別の世界に渡った時に体調が悪化しないように、と首飾りをいくつか貰った。

 

「この首飾りは別の世界に渡った時にすぐに身体を現地に適応させる効果があるそうです。だから、行った先が毒で満たされていた場合であってもちゃんと対応できるみたいですよ」

 

 アイズは抵抗せずに首飾りを付けてもらった。

 もし、レフィーヤが万全であれば数多(あまた)の世界を渡るところだが、残念ながらアイテムの効果は六つの世界まで。自分の住んで居た世界を含めれば五つだ。

 帰る気があれば帰れる。ただし、膨大な魔力を失っている今は次の世界に行くだけで限界だろう、と。

 傷心のアイズを道ずれにしようとしている自覚はあるが、このまま腐らせるのも可哀そうだ。

 

(……このまま一人で死ぬのは可哀想。いや、辛いだろう。私ですらそう思うのだから……。でも、彼女が嫌がれば私は一人で朽ちてもいいや)

(……レフィーヤが生きている。……一緒に行った方がいい? ……もう誰も頼れない。弱い私は……誰にも頼れないし、その資格が無い)

 

 二人の世界には白い髪の少年が居る。

 彼はとても強く、英雄としてきっと『隻眼の黒竜』を討ち果たし、人々の希望となる。

 光りがあれば闇が出来るようにひっそりと英雄に慣れなかった者は人知れず人生を終える。例え誰かの記憶に残ろうと本人は何も残したくない気持ちで満たされる。

 復讐にかられた自分の事など――

 そんな言い訳を胸に秘めた二人の女性は無力で非力ながら世界に復讐する。

 ただ、後の歴史書に復讐者として記される事は無く、安否不明のまま捜索願を出されたが数百年経っても痕跡一つ見つかる事は無かった。

 レフィーヤがアイズを連れだす時に部屋に火を放ち、机の上にあった頭部も持ち去ったので遺体の痕跡が何も残らなかった。――レフィーヤも自分の部屋に火を放っておいたので似たような状況になっていると思われる。

 確たる証拠はただ一つ――

 焼かれた部屋にアイズが住んで居た、ということのみ。それ以外は何もかも消えてしまった。

 これは少女達の紡いだ神聖譚(オラトリア)の末路。

 名にも残さず、歴史からも消え去り、親しい者に虚しさだけを残した。

 これは【異界復讐譚(メメント・モリ)】の序章に過ぎない。

 正規の歴史に刻まれないが『記録(クロニクル)』には多くが載っている。それを閲覧する資格を有している者が居るとすれば混沌(カオス)(クロノス)運命(テュケー)を司る神、または――異界を渡るすべを持つ者だろう。

 

 
 

 

 浅層で牛頭人(ミノタウロス)と遭遇し、意識を失った彼は何者かに本拠(ホーム)に運ばれた後、少年は目が覚めた。

 怪我は既に治療され、生きている事を再確認した後、盛大に息を吸い込んで吐き出す。

 普段よりも深い階層に挑んだ。もちろん、充分警戒していた。勝てなければ逃げればいいと思って失敗し、瀕死なってしまった。

 気絶した少年を誰が運んでいったのか、主神である女神ヘスティアは口を尖らせたまま答えない。

 多大な心配をかけた事をまず謝罪する。

 

「ボクは危ない事はしないでくれよ、と言ったのに……」

「……ごめんなさい、神様」

 

 苦笑を浮かべるも自分が悪いことは認めている。

 彼らが居るのは人通り少ない場所にひっそりと佇む教会の地下。空調と生活排水の工事が済んでるので住む分には過ごしやすい。

 地上は二人の修道女(シスター)が管理している。

 

(ボクの眷族になって一週間も経たないうちに……。でも、無事でよかった)

 

 迷宮都市(オラリオ)に来た当初は簡単に【ファミリア】が作れると思っていた。そして、眷族も簡単に集まると思っていた。

 現実は甘くなく、声をかけても無視したり【ファミリア】の方向性について答えろ、とお気楽な神には厳しい意見が多数寄せられた。

 元々が自堕落な性格だったために知り合いの女神のところに居候していたが、追い出されてしまった。

 薄情者め、と言ってみたものの一向働かないヘスティアが全面的に悪いので一睨みされては黙るしかない。

 その女神(ヘファイストス)の伝手で教会の地下を自身の本拠(ホーム)と定めた。

 地上階は日中、たまに祈りを捧げる者が訪れる以外は閑散としていた。

 神が地上に降りた為に祈りを捧げる行為も随分と廃れていたが、全く居ないわけではない。

 二人の修道女(シスター)は掃除以外は瞑想したり、訪れる者に助言、または懺悔を受け持つ。少年達についてはあまり口出ししない。

 

「眷族になってすぐに居なくなってしまうのは悲しい」

「……はい」

「上の怖い修道女(シスター)からも言われているだろう? 身の程を弁えろって。君にも言い分があるかもしれないけれどさ」

 

 確かに少年にも言い分がある。まさか、浅層で牛頭人(ミノタウロス)と出会うとは思っていなかった。

 これからギルドに向かって担当アドバイザーである女性職員に報告に行かなければならない。おそらく怒られる。でも、行かなければ――

 少年は至って真面目な眷族であり冒険者だから。

 

 
 

 

 数日後、オラリオで冒険者になった白髪の少年は死にかけたものの臆せずダンジョンに挑み続けている。さすがに牛頭人(ミノタウロス)に挑むのはまだ早いと自覚している。

 ヘスティアはモンスターに恐れをなして冒険者をやめるのではないかと危惧した。

 多くの冒険者はダンジョンに夢を抱きながら死にかけたり死んだりして諦める事が多々ある。

 二人の修道女(シスター)も心配こそすれ、危ないからやめろ、とは言わなかった。

 

(世間の荒波にもまれなければ冒険者は前に進めない)

(……今日は何を作ろうかしら?)

 

 灰髪の修道女(シスター)は少年の背中を。

 白髪の修道女(シスター)は昼食や晩御飯の献立について考えていた。

 冒険者として彼に出来る事はあまりない。それは少年の為にならないからだ。こればかりはどうしようもない。

 神から与えられた【ステイタス】を伸ばせるかどうかは当人次第だ。

 次の日はヘスティアと少年は仕事で出掛け、教会は()()静かになった。

 

「リアもダンジョンに行くのか?」

「あの子の邪魔にならないようにしますよ、もちろん」

 

 ダンジョン探索用の荷物を背負う白髪の修道女(シスター)はびっくりしながら答えた。

 毎日ではないがダンジョンに潜ってモンスターを倒す。採掘などはせずにただただ戦うだけ。

 元々身体が弱かった事もあり――今でもそうなのだが――健康の為に冒険者として挑んでいる。

 回復魔法を扱えるので姉である灰色の髪の修道女(シスター)は呆れつつも咎めない。

 生きているなら挑戦すべきだ。いくら愛すべき妹だとしても。

 もう子供ではない。

 それに一人で探索するわけではなく、何人か供を連れているらしい。誰と一緒なのかは教えてもらえなかったがギルドの紹介を受けています、とだけ答えていた。

 妹がいなくなり、ヘスティアも嫌々ながら働きに出かけると灰髪の修道女(シスター)だけが残る。

 見た目こそ修道女(シスター)風だが本業は冒険者だ。勝手に彼女達を修道女(シスター)だと勘違いしているだけに過ぎない。

 

(……妹が健康でいれば私はこうも落ち着いていられる。英雄などに夢を見ずに……)

 

 【ファミリア】が壊滅し、生きる屍となった自分に声を掛けてきた邪神が居た。

 もう一度その手の誘いがあればきっと手は取らない。妹が健在であるうちは。

 彼女が切望するのはささやかな希望。それだけあれば充分だった。

 

(……『昇格(ランクアップ)』出来るかどうか聞くのを忘れていたな)

 

 無理に強くなる必要はないが妹や白髪の少年を守るためなら今一度強さに拘るのも悪くは無いのかな、と。

 どの道、黒竜に一人で挑むのは難しい。それだけ敵は強大だと身に染みて理解している。

 正面にある大きな色ガラスに顔を向け、両の目蓋を開く。

 

「……祝福の禍根、生誕の呪い。半身喰らいし我が身の原罪。……其は過ぎ去りし夢の泡沫(うたかた)。……天を恨み、地を砕き、血の海こそが私の戦場。……贖いは無く、禊を拒絶する。……凄惨なりや、取り巻く雑音。汝の名は希望。呪いに塗れた魔王の旋律」

 

 胸を押し潰すほどの絶望。それを糧に生きてきた彼女の悔恨。

 両手を広げて唱和する。

 祝詞ではなく世界を唾棄する呪歌を。

 

「……私に修道女(シスター)は勤まらんな。冒険者は何処まで行っても冒険者だ。……ならばそうあるべきだな」

 

 口に出して言ってみれば自分でも納得するほどの本音だった。

 内に秘めたままだと燻るだけだった。

 誰かに聞いて欲しい。それだけで人は救われる、らしい。

 

(絶対悪はもはやどうでもいいが、あの子のために出来る事はなんだろうか。リアが目をかけている内は……何も出来そうにないな)

 

 であれば、と彼女は長椅子に座り瞑想する。

 様々な経験を積まない限り何も始まりはしない。しかし、一石を投じるには時期尚早――

 以前のように限りある時間に追われるでもない。

 そう。今の自分には余裕がある。

 

 
 

 

 異常事態(イレギュラー)な事態こそあったが白髪の少年の冒険は順調だった。

 浅層のモンスターに怯えず、剣を振るい、回避と防御もこなせる。

 戦闘回数を増やす毎に気持ちに余裕が生まれる。

 【ヘスティア・ファミリア】の眷族であり暫定ではあるが団長の少年の名はベル・クラネルという。

 灰髪の修道女(シスター)――アルフィア・クラネルと早々に合流したが過度な干渉はしないと明言され、共にダンジョンに行くことを拒まれた。代わりに白髪の修道女(シスター)――メーテリア・クラネルがこっそりと気に掛けているがベルは気づいていない。

 【経験値(エクセリア)】を順調に稼ぐには大人が過度に干渉しては意味が無い。それゆえに彼の行動――可能な限り――にも干渉しないようにしている。

 彼も大人に甘えるような行動に出ず、ダンジョン探索に誘う素振りは見せない。ただ、主神ヘスティアは彼の身を案じて遠くからでもいいから見守ってほしいとアルフィア達に言ってきたが断った。――メーテリアは了承した。

 妹の好きにさせるつもりであったのでため息を一つ付いただけで反論は述べず、夕飯の買い出しに出かけると【アストレア・ファミレア】に囲まれた。

 

「……つい包囲しちゃったけれど、ここで戦うのは不味そうね」

 

 団長アリーゼ・ローヴェルも買い出しに来ていた為に食材を抱えていた。

 下位の団員の為に料理を振舞う予定だったが、どうしようかと悩む。

 アルフィアも買い出しのようだし、休戦を申し出ると素直に従った。

 

「【ガネーシャ・ファミリア】から聞いているものと思っていたが……」

「きっと『フィリア祭』で大忙しなのよ」

「……ああ、もうそんな時期か……」

 

 アルフィアが黄昏ている内にアリーゼは団員達に武器を収めるように命令する。さすがに街中での戦闘は被害が大きいので。

 都市防衛の観点から言えば見逃せない相手だが、話しぶりでは問題ないらしい。であれば無駄な戦闘になる可能性が高いと判断。

 

(普通に買い物してるし)

「団長。この人、【静寂】なのですよね?」

 

 十代の女性冒険者が恐る恐るアリーゼに尋ねた。

 都市を脅かす闇派閥(イヴィルス)の幹部――という認識だったが厳密には彼らを利用していただけで闇派閥(イヴィルス)そのものというわけではなかった。

 アルフィアは純然たる冒険者にして英雄候補の一角。夢破れた為にアリーゼ達の敵として立ちはだかった。

 

「そうなんだけど……。どうやって復活したのかしら?」

「人知の及ばぬ力だ。私でも説明は出来ん」

(……あ、普通に答えた)

「ついでに聞くけど、……夕飯を作りに来たのは見て分かったわ。……それ以外で貴女は……何の目的というか、その……」

 

 買い物帰りの主婦にしか見えない事にアリーゼは酷く違和感を覚える。それも嫌なものではなく微笑ましい感じだ。

 以前の彼女はもっと覇気があり、近づき難い印象があった。

 

「私の目的は今も昔も変わらん。英雄となれ。お前達は勝者だ。……で、そんなお前達は少しは強くなったのか?」

「ええ、お陰様でね。といってもまだ【猛者(おうじゃ)】には程遠いけれど……」

 

 位階魔法を得て五年以上が経つが【ステイタス】の伸びは微増だ。

 都市防衛や団員達の鍛練を交えていたが爆発的な上昇は見られない。

 これについて主神アストレアも焦らないで、とは言っていた。

 位階魔法を得た事で【経験値(エクセリア)】の取得量が極端に少なくなった、というわけではないらしい。――逆に増え過ぎた、という事も無い。

 

 
 

 

 街中ということもあり、アルフィアを見逃す形となったアリーゼは本拠(ホーム)である『星屑の庭』で仲間達に簡単ながら報告する。

 古参のメンバーは頭を押さえ、新人は殺気を募らせる。

 正義の使徒とはいえ私怨がないわけではない。

 暗黒期で大切な友人、親を失った者が居る。ただ、全員が憎しみを持っているわけではない。

 

「……【ガネーシャ・ファミリア】に確認が取れた。確かにアルフィアをオラリオに入れた事は間違いないそうだ」

「大破壊の事件は聞かないし、拠点にしている場所も明らかになっている」

「……【ヘスティア・ファミリア】……。最近できた派閥だそうで」

 

 団員は一名。白髪の少年で駆け出し。

 それをもって【アストレア・ファミリア】総出で襲い掛かれば正義もクソも無い、というのが小人族(パルゥム)のライラの意見だ。

 団長は苦笑しながら意見を聞き、同席しているアストレアも苦笑していた。

 

「ヘスティアは天界時代の友神(ゆうじん)で知らない仲ではないわ。闇派閥(イヴィルス)につくとは思えないわね」

「アルフィアと一緒に住んでるんじゃなかったか?」

「……えーと、報告では教会は【ヘファイストス・ファミリア】預かりになっていて、それをアルフィアが賃貸契約で借り受けているそうです。ヘスティア様は行き場が無くて仮住まいさせてもらっている、とのことです。……あ、ヘファイストス様のたっての願いで、です」

 

 報告書を新人団員が読みながら答えた。

 複数の【ファミリア】が関わっているが、どれも闇派閥(イヴィルス)ではないことは確かだ。

 それとヘスティアの交友関係が広い事もアストレアは認めている。

 聞いていてライラ達が思ったのは――

 

 女神ヘスティアって何なんだ。

 

 複数の神々が関わる事は珍しくないが下界に降りたての神が助力を得ている上に【静寂】とも知り合いという所が訳が分からない。

 暗黒期を知る者が聞けば闇派閥(イヴィルス)を疑うな、という方が無理だ。例えアストレアがかの女神は無害だと言い張っても。

 

「その女神さまは本拠(ホーム)に引っ込んでんのか?」

「朝から昼にかけて冒険者通りでジャガ丸くんの露店販売をしています」

(……あ、なんか見た事ある)

(可愛い(おさな)神が店員しているっていう……)

(今日見たかもしれねえ)

 

 それぞれ思い浮かべるのは黒髪の子供のような背丈しかない女神の姿だった。

 印象としては明るく元気を貰えるような笑顔。

 会った事のある団員はそれぞれ頷いていた。

 

「団長としての勘で言えば……、白。明るく元気な女神様だったわ」

 

 見慣れない店員だと思っていたら女神だった事にアリーゼは驚いたものの雰囲気からも悪い印象は受けなかった。それゆえに白と明言した。

 あくまで印象だ。当てになるかは分からない。神は油断のならない存在なのは彼女も理解している。

 

 
 

 

 アリーゼ達に疑われているヘスティアは夕方、アルフィアお手製の夕食に舌鼓を打っていた。

 自分で作れ、と当初は言ったもののメーテリアが食事くらいはこちらで提供しましょう、と言ったので妹の言葉に折れた。もちろん、不満げな表情で。

 普段は姉妹二人だけで質素な食事をし、ベル達には自給自足するように言いつけてある。

 彼は幼いころに村で一人暮らしをするため、村民たちに協力してもらい料理の手ほどきを受けていたので、作れなくはない。

 暗黒期の残滓がまだ燻っているようだがベルの冒険に支障が出ているわけではない。これから出てくるようになるかもしれない。

 

(英雄に困難はつきものだ。それを乗り越えるのは並大抵の事ではない)

 

 多少、英雄願望があるベルは自身の弱さをある程度自覚している。ゆっくりとそうなればいいな、くらいの気持ちのようだが――

 冒険者は早めに挫折を味わい、悔しさを滲ませる方がいいと言うとベルは苦笑いした。

 仲間についても自分で見つけろ、と突っぱねた。

 

「お前の冒険だ。私達の顔色を窺うな。あと、ここにいる以上は敵同士だ」

「……敵は姉さんで私は味方よ」

「リアが甘やかすとベルはいつまでも強くなれないぞ」

 

 姉妹だが意見衝突はいつものこと。

 ベルが見る分には仲の良い姉妹に見える。

 アルフィアは敵だと(のたま)っているが冒険の厳しさを教えてくれる。メーテリアは常に優しく冒険者の心得はあまり話題に出さない。ただ、応援はしてくれる。

 急に現れた実の母にベルは今も戸惑っているが、これでいいのか迷う事がある。

 

(……今まで姿を見せた事が無いお母さん。今でも信じられないけれど……)

 

 思い切って尋ねると笑顔で死んでいたから、と答えた。

 アルフィアは蘇生魔法のお陰だ、と。

 ベルとしては生きて親に会えることは嬉しい筈だ。だが、素直に喜べない。

 蘇生魔法などという理解できない力が関わっている事に嫌悪感を抱く。だったら、と言いそうになったが飲み込んだ。その後、何を言うつもりだったのか――ベル自身怖くて考えられなくてしばらく眠れなくなった。

 ただ、自分を見捨てたわけではないようなので、それについては文句は無い。

 

「我を通したければ強くなれ。ここはそういうところだ」

「……はい」

 

 女神ヘスティアは彼らの側で夕食を食べていたが話しには加わらなかった。

 大事な話しに介入してうやむやにしないように、とアルフィアが睨みを利かせていた事もあるが親子水入らずの邪魔をする気にならなかったのは事実だ。――少し寂しさを覚えたが。

 蘇生魔法の存在はヘスティアも知らなかったが天界の規則(ルール)的には禁忌に相当する筈だ。だが、神の(ことわり)ではなく、異邦人のものとなれば迂闊に口出しが出来ない。

 神の目で彼女達を何度か観察したが問題がありそうな気配が無い。それは見事に世界を取り巻く概念に合致していると言わざるを得ない。つまり禁忌ではないと世界が認めた。そうなれば神が喚いても無駄である。

 

 
 

 

 冒険者となったベルはいきなり大きな出会いを果たしてしまったわけだがダンジョン探索は順調だ。――牛頭人(ミノタウロス)との出会い、という例外があったが。

 ギルドから支給された武具を用いて浅層に現れるモンスターを倒す。

 元々村にも出没していた相手なので戦えない事は無い。

 ヘスティアからもらった『神の恩恵(ファルナ)』により、より戦いやすくなった。

 【ステイタス】は微増のようで、極端に強くなってはいないらしい。

 『昇格(ランクアップ)』の条件は既に聞いているが、たどり着くのに早くて半年、または一年以上かかる。

 早く英雄になりたい、と思っても現実的には夢のまた夢。それは本人も自覚している。

 楽して英雄になれるならオラリオに居る冒険者の殆どが英雄だ。

 

「今日も頑張ったようですね。日に日に稼ぎが増えています」

 

 今日の討伐報告を担当アドバイザーの半森妖精(ハーフエルフ)のエイナ・チュールにすると誉められた。

 眼鏡をかけた年上の女性で、いつもの親身になって助言をくれる。

 冒険者になって色んなことを教わる。制度的に助言を貰う事は悪い事ではなく、冒険者ギルドに通う冒険者の殆どが利用している。

 魔石やドロップアイテムの買取もしてくれる。

 

「いよいよ、駆け出しにとっての難所に挑みますか? クラネル氏の【ステイタス】でもギリギリといったところですが……」

「そうですね。階を降りる毎に緊張してます」

 

 エイナは様々な冒険者のアドバイザーを兼任してきたが危ないからやめた方がいいとは職務上言えない。

 少年に過ぎないベルに対しても同様に。

 中には聞き分けのない者もおり、あっさりと命を落とす事も。

 担当冒険者が死ぬのはエイナにとって慣れないがダンジョンに挑む者の宿命として捉えている。

 自分にできる事は少しでも生き残る為の助言だ。目の前の少年は他の冒険者と違って勤勉で素直だった。ただ、やはりというか危なっかしい所がある。

 

「五階層より下は仲間がいた方がいいですよ。他派閥の荷物持ち(サポーター)を雇ったりするのも一つの手です」

「……荷物持ち(サポーター)ですか。やはり単独(ソロ)は難しいですか?」

「難しい、と思います。『能力値(アビリティ)』が増えたとしても挑むのはダンジョンです。油断は即、死に繋がります」

 

 他の冒険者の場合、調子に乗って助言を無視したりすることがある。

 多くの冒険者は何処か傲慢であったりお気楽であったり、慢心がすぎるきらいがあった。

 ベルも全く慢心しない素直な少年とは思わないが、熱心さは好感が持てる。――あまり冒険者に肩入れするのはアドバイザーとして褒められた事ではないけれど。

 

「ギルドから紹介する事もできますが……。今はどこもフィリア祭で大忙しでして」

「そうですね。街中が賑わっていますものね」

 

 通りの店は飾りつけで大忙し。

 住民と冒険者の姿がとても目立つ。

 ダンジョン以外に店の手伝いも出来なくはないがベルとしてはモンスターと戦って少しでも強くなりたい、という気持ちが強かった。

 子供のころから憧れて居る英雄になる為に。

 

(英雄と言っても物語の中の存在だけど……)

 

 あくまでも目標であって急ぐ理由は無い。ただなんとなく気が()いているだけ。

 その焦りが命取りになる事を先日の牛頭人(ミノタウロス)戦で思い知った。

 

「……地震?」

 

 資料を漁っていたエイナの他に冒険者の何人かが呟いた。

 ベルも足元が揺れる様な感覚に気付いて思わず身をかがめる。

 オラリオでは定期的に小さな揺れを観測する。ただ、ダンジョンの中だとあまり感じられない。

 天変地異ほどの地震は無いがそれに匹敵する衝撃は過去に何度かあった。その殆どが冒険者によって引き起こされたものだ。

 もし、故意であればギルドに報告が来るのも時間の問題だが、それが無ければただの自然現象で済ませる。

 

「地政学的にもオラリオは安定していると言われていますが、全く揺れないってことはないようですね」

「……そうなんですか」

(……揺れはすぐに治まったけど、村に居た頃より大きかったな……)

 

 物が落ちるほどではなく、すぐに治まったようだが誰も彼もが地面を見つめていた。

 実際に起きると自然現象であっても怖いものだ。

 その後、荷物持ち(サポーター)については保留とし、本拠(ホーム)に帰還する事にした。

 帰り際、大通りで金髪金目の女性冒険者とばったり出くわした。

 

「……あっ」

 

 と、小さく呟く女性がベルに向かって大股で近づいてきたので慌てて逃げようとしてしまった。別に彼女に何かしたわけでもないし、初対面の筈だ、と混乱しそうになる頭で思い至る。

 顔は怒っていない。けれどもどこか切羽詰まったような感じだった。

 年の頃は(ベル)より少し年上。人間(ヒューマン)で、軽戦士(フェンサー)のようだった。

 一目見て綺麗だとベルは思った。

 

 
 

 

 すぐ近くまでやってきた金髪の女性冒険者はその、あのと言いながら両手を合わせつつ言いよどむ。

 ベルにとっては見覚えが無い人物だったが、とても綺麗で可愛いという印象を受けた。

 腰に細身の剣を()き、彼女も冒険者であることは理解した。

 オラリオに来てからまだ日が浅いベルは彼女が誰でどこの【ファミリア】なのか知らない。それでも他の冒険者に出会うのは何かしらの運命を感じた。

 思い悩む顔ではあるが他の女性達のように表情が豊かではなく、硬質的だ。伯母のアルフィアのように。

 

「……えーと」

「……あの」

 

 こちらから言葉を掛けようとしたら相手も喋った。それで会話が途切れてしまった。

 気まずい雰囲気になるも相手の女性はまだ何か言いたそうだった。

 人違いと言うわけでは無いようだ。

 

「……ごめんなさい」

 

 小さな声で女性は言った。

 その後、たどたどしく聞き取りにくいほど小さな声であったがダンジョンで牛頭人(ミノタウロス)に襲われたのは自分達のせいだと告白してきた。それゆえの謝罪で来た、と。

 ベルにとっては死にかけた一大事だが目の前の女性の事で頭から少し抜け落ちていた。

 自分は大丈夫だから謝らなくていいと言っても相手の態度は沈んだまま。

 

(……責任感の強い人なんだ。後、声が、というか喋り方が可愛い……)

「本当にごめんなさい。何かお詫びしないといけないって聞いているので……。えっと、どうしたらいいかな?」

「……僕に聞かれても……」

 

 謝罪を受け入れれば話しは終わりだ。

 見知らぬ女性冒険者にいきなり謝られてびっくりしたけれど、悪い人ではないようなので素直に受け入れる事が出来た。

 思わぬ出会いも大切な縁だ。ベルは良くも悪くも出会いを大切にする人間(ヒューマン)の男の子。

 英雄とは別に多くの女性と知り合いになる事は――死んだ祖父の影響もあり――夢でもあった。

 二つ返事でお願いします、とは言わなかったが――言いそうになった。

 

「僕はまだ駆け出しです。……貴女がよければ、ですけど……。僕に戦い方を教えてください」

「……戦い方? 対人戦? それともモンスターとの?」

「モンスターの方、ですね」

 

 基礎的な事はエイナから学んでいるが彼女は冒険者ではないので知識だけだ。実戦の先生は居ない。アルフィア達はオラリオに来てから全く戦闘訓練をしてくれないので、今まで我流で頑張ってきた。

 アルフィアの教育方針は実戦で学べ、というもの。メーテリアは虚弱なので戦闘訓練は難しいと言っていた。他に頼れる人はベルの中では居ない。

 

「一緒に……訓練する? まず、師匠に紹介して許可が出たらってことで……」

「師匠?」

「……うん。森妖精(エルフ)の師匠。ダンジョン攻略において色んなことを教わってきた。私は……人に教えるの、上手じゃないから師匠と一緒ならなんとかなるかも」

 

 ベルの印象では会話がたどたどしいところで人付き合いが苦手な人だと感じた。

 教えてもらえるならば目の前の女性でなくても構わない。そう伝えると女性冒険者は微笑んだ。

 思わずベルは見惚れた。

 歳の近い女性の笑顔を近くで見る事が無かったので。もちろん、アルフィア達やエイナも素敵な女性だと思っている。

 

「……【疾風】の『二つ名』を持つ冒険者」

 

 誇らしそうに金髪の女性冒険者は言った。

 剣技の実力では師匠を上回っているが尊敬の念は今も変わらない。その為、友人というより師弟関係だ。

 問題があるとすれば異性に対して師匠が頷いてくれるかどうか――

 

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