ダンジョン・フラグメント   作:トラロック

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27 アイズとベル

 一八階層への出口から見慣れないモンスターの姿が見えた。

 攻撃理由はただそれだけだった。

 金髪金目の少女冒険者アイズ・ヴァレンシュタインと山吹色の長髪の森妖精(エルフ)レフィーヤ・ウィリディスが向かった筈なのにモンスターが出てくるのは仕留めそこなったが他の冒険者に気を取られたか。

 外で待機していた王族(ハイエルフ)のリヴェリア・リヨス・アールヴは迎撃のための魔法を準備した。

 余計な小細工を必要としない単純な攻撃手段を使う。

 まず最初の攻撃でモンスターを吹き飛ばしたが原形を留めていた。ならば、と次の魔法を行使する。

 

「いつもと勝手が違うからか、手応えが分からんな」

「出入り口は見事に吹き飛んでおるがな」

 

 【ロキ・ファミリア】の幹部の一人、ドワーフのガレス・ランドロックが素直な感想を述べる。

 彼らは深層攻略においての足掛かりを構築する先遣隊だった。

 一度の探索ではなく何度か地上と往復する為に下位の団員達の指導も兼ねていた。

 そんな彼らに追随するのは【アストレア・ファミリア】、【ミディール・ファミリア】と異邦人のマーレ・ベロ・フィオーレ。それと何人かの他の協力者だ。

 大所帯の為に陣地構築で数日程滞在することになった。

 この階層は冒険者が勝手に住まいとして使っているが冒険者ギルドはこのことについて黙認している。特に罰則も無い。――事件性が無ければ口は出さない。

 

「【剣姫】ちゃんが向かったのにモンスターが無事ってことは相当強かったのかしら?」

 

 赤髪の女性冒険者アリーゼ・ローヴェルが煙を上げる出入り口を見てそう言った。

 そこに異邦人代表のマーレが歩み寄る。

 今回大きな仕事になるので彼はとても頑張っていた。何より至高の御方の為になる事は全てにおいて優先される。

 

「……あ、あの、出入り口を吹き飛ばしちゃいましたけど、いいんですか?」

「時間が経てば修復されるでしょうから」

「……いつも思いますが……。ダンジョンって不思議ですね。自動修復機能があるなんて……」

(でも、鉱物資源を持ち帰っても何の反応も見せない。このダンジョンのどこかに頭脳を担当する何かがある可能性が……)

 

 マーレは防衛の観点から出入り口の調査に向かった。そこで待機していたリヴェリア達に様子を窺う。

 彼女は見慣れない大型モンスターが現われた為に迎撃したと答えた。

 

(……一応、確認しようかな。……お姉ちゃんが色々とモンスターを持ち込んだみたいだから、それかなって思ったけど……)

 

 通信の魔法で確認を取れば案の定、懸念が当たった。しかも上位個体だった事にマーレをして驚いた。

 いくら姉でも勝手に持ち込むわけはなく、至高の御方の命によるものである事は明白だが理由を聞くべきか迷うところ。

 

(やっぱり『戦乙女の蜘蛛女(アラクネ・ワルキューレ)』……。九体全部じゃなくて良かった。……倒されてもいい個体じゃないと僕、困るんだけどな)

 

 もし、()()()()戦乙女の蜘蛛女(アラクネ・ワルキューレ)を持ってきていたら【ロキ・ファミリア】どころかオラリオと敵対する事になるかもしれない。それはマーレとしても避けたいところだった。

 あと、倒されてもいい個体であれば何の憂いも無い。

 

 
 

 

 他のモンスターの脅威が無い事を確認してからマーレは階層主の部屋に突入した。

 すると【剣姫】を含めた冒険者とズタボロになって動かないモンスターを確認する。

 白髪の少年冒険者ベル・クラネルを見つけたマーレはつい身構えた。以前、攻撃してきた敵にそっくりだったから。

 彼の視点では結構いい武具を装備していたが今のベルは粗末そのもの。ちょっと殴れば死んでしまいそうな印象を受けた。

 

(……それよりモンスターは……瀕死、ですね。【九魔姫(ナイン・ヘル)】の攻撃には耐えられなかったみたい。……()()弱体化しているとはいえ、ここまでやられるとは……)

 

 怒りより感心した。

 戦乙女の蜘蛛女(アラクネ・ワルキューレ)は確かにマーレ達側のモンスターだ。それを討伐されれば怒りが湧いてもおかしくない。――けれども、オラリオに持ち込むにあたってそういった懸念は想定内であった。

 仲間意識が無いわけではない。彼にとって大事なのは至高の御方であり、使役するモンスターは単なる使い捨ての駒だ。姉と違って愛着あるモンスターは数えるほどしか居らず。その中に戦乙女の蜘蛛女(アラクネ・ワルキューレ)は含まれていない、わけではない。

 このモンスターがもし古くから存在する個体であれば大事に使う。それに大事なものを見知らぬ土地にいきなり放ったりしない。

 

(……討伐れるのはいいのですが、情報を持ち帰らせるわけには……いかないよね。様子見というわけでもなさそうだし……)

 

 それに――と思考の海に沈みそうになったが即座に意識を現実に戻す。

 冒険者達への公開はマーレにまだ許可されていない。ならば証拠隠滅か、というとそうでもない。

 既に戦闘が(おこな)われた。彼らに箝口令を敷くのは悪手。

 

(必要な部分以外は彼らに……。現地に馴染む、というのは難しいな)

魔法抵抗突破最強化(ペネトレートマキシマイズマジック)()火の実(ファイア・シーズ)

(ルプスレギナに現場からの退避を命令、します)

 

 えい、と少し気の抜けた掛け声とともに魔法が付与された木の実をモンスターに投げつける。その速度は尋常ではなかった。

 ベルを含めて誰もが何もできない内にモンスターの下半身部分にぶつかる。

 強靭な肉体を誇る戦乙女の蜘蛛女(アラクネ・ワルキューレ)の肉体ではあるが上位者たるマーレにかかれば柔らかい肉と大して変わらない。

 プスという小さな音がベル達に届いた。そして、すぐ後に大爆発を起こした。

 現場が騒然となる中、マーレはマイペースに駆け出し、壁に叩きつけられたモンスターの残骸の下にたどり着く。

 虫の息ではあるがまだ生存していたモンスターの首を何のためらいも無くナイフで切り落とし、鎧は腕力で破壊し、胸を切開して心臓を抜き出す。そして、保存する為の魔法をかける。

 それらは持ってきた容器に入れて残りは放置する事にした。

 砕け散った下半身に回収すべきものは無いので、マーレはそのまま引き下がる。

 この間、数分と経っていない。

 現場の様子を見に来た【ロキ・ファミリア】の団長フィン・ディムナに簡単な顛末を話し、死体はどうしますかと尋ねた。

 

「……君からすれば証拠隠滅の対象だと思ったのだけど……」

「ぼ、僕は仕事をしたまでです」

 

 多くを語らずマーレは警備の仕事に戻って行った。入れ違いになるようにレフィーヤ達がフィンの下にやってきた。

 ベル・クラネルを含めて被害は軽微で済み、最後のマーレの攻撃を除けばおかしな報告はなかった。いや、一度は皆で討伐したモンスターが復活した原因が不明なまま。

 一番事情を知っていそうなマーレが口を噤んでいるので、一先ず彼らを手近なテントに案内し、休ませる事にした。

 

 
 

 

 モンスターについてはヘイズ・ベルベットとレフィーヤが分かる範囲で説明し、ベルとアイズがどう戦ったのかは本人達に簡単にだが聞いておいた。

 他にも誘拐された冒険者が居る様な気がするのだが――その点については後日確認する事にした。

 まずは気分を変えて一八階層に到達した冒険者を讃えよう、と。

 

「一八階層到達おめでとう。正体不明のモンスターと交戦し、よく無事でいてくれた」

「ありがとうございます」

 

 名前は知っているが直接会うのは初めてになる白髪の少年ベル・クラネル。

 彼の目から見ても普通の少年だ。そんな(ベル)がここしばらくアイズの悪夢の原因だなど信じられない。

 直接鍛練した当人でさえ戸惑っていた相手だが、こちらの彼は特に問題は無いと彼女自身が証言した。そうでなければ不安など覚える筈がない。

 

(僕はあのアルフィアの関係者という事が気になるけど)

 

 暗黒期の直接的な原因は一柱の神だ。アルフィア達はその誘いに乗っただけで家族まで責めようとは思っていない。

 一部は気にするかもしれないが――

 それと同胞であるリリルカ・アーデに顔を向ける。

 ここ最近躍進している冒険者であり、小人族(パルゥム)だ。気にしないわけには行かない。

 

「泊まっていくなら僕達のテントを一つ貸そう。今の僕達は陣地構築に忙しくてね。手伝ってくれたら食事も出すよ」

「僕は構いませんが……。仲間と相談していいですか?」

「いいとも」

 

 簡単な挨拶を終えてモンスターについて別の場所でアイズとレフィーヤに聞く事にした。その間、ベル達には監視を付けるが自由にしてくれて構わないと伝えておく。

 フィンが去った後、仲間内で労ってから今後の方針を話し合う事にした。

 目標階層に到達した今、下層を目指さず地上に戻るのがベルの意見だ。それに反対する者はシル一人だけ。もっと潜らないんですか、と。

 

「危険な目に遭ったばかりでしょう」

「それが冒険というものですよ」

「……シル・フローヴァの意見は無視した方がいい気がしますね」

「……ヘイズさんは意地悪です」

(攫われたばかりでしょうに)

 

 軽くため息をついた後、誰一人欠ける事なく到達できたことにまずは安心する。さすがにあんなモンスターは想定外です、と。

 ヘイズをして初めて見る相手だった。もし、攻勢に出られていたら全滅もあった。

 そして、そんなモンスターをレベル2になりたてのベルが倒したのも驚きだった。アイズ達の支援があったとしても。ヘイズをして感心した。

 

 
 

 

 少し時間が経ち、ベルは仲間達に【ロキ・ファミリア】の手伝いをするか聞いてからフィンの下に向かった。すると途中で待ち構えていた褐色肌の女戦士(アマゾネス)の女性に睨まれた。

 彼女はティオネ・ヒリュテ。レベル5の冒険者。

 

「あんたがベル・クラネルね。顔と名前は覚えたわ。手伝いたいならここにある資材を運んで頂戴。それと報告はちゃんとするように。タダ働きさせるつもりは無いから」

「はい」

「うちのアイズと一緒に戦ったそうね。未知のモンスターに引けを取らないなんて、今時の(オス)にしては度胸もあるようだし、これからも頑張りなさい」

 

 そう言って彼女は立ち去った。

 お礼を述べる間もなく居なくなったが続いて同じく女戦士(アマゾネス)の女性が近づいてきた。こちらは笑顔で優しそうな印象を受けた。

 ティオネの妹のティオナ・ヒリュテ。レベルも同じ。

 

「ティオネに睨まれていたようだけど気にしないでね。いつもあんな感じだから」

「そ、そうですか」

「そういえば、君。【疾風】と【絶死絶命】とアイズの三人から稽古をつけてもらってるって本当?」

「は、はい。お世話になっています」

「アイズと【疾風】はともかく、【絶死絶命】によく受け入れられたね。女ばっかり弟子にしてたから驚いたよ」

「女好きだと思われているのね、私」

 

 音も無く近くに【絶死絶命】アンティリーネが現われ、二人は驚いた。

 近くに寄って来た、というより唐突に存在が現われたとしかベル達には思えなかった。

 

「た、隊長。居たんですか」

「居たわよ。今回は私も参加しているからね。……それにしてもベル・クラネル。ここまでよく来たわね。頑張っているようで、鍛えた私も鼻が高いわ」

「ありがとうございます」

「弟子は目についたのが偶々(たまたま)女だっただけ。あと、私が気に入るかどうか、よ」

「へ~。誰でも良いわけじゃないんだ」

 

 アンティリーネはわりと表情が変わる方だが声は平坦な場合が多い。

 左右で黒と白にはっきりと分かれた髪の毛は何度見ても不思議だな、と。

 背はそれほど高くなくベルより少し大きい程度。身体つきも華奢なのに誰よりも強い、というのが信じられない。

 

「それより……。貴方も深層探索に行くの?」

「い、行きませんよ。僕にはまだ早いですし」

 

 慌てて弁明するとアンティリーネは安心したように微笑んだ。

 無謀と冒険心をはき違えちゃ駄目よ、と言って彼女は立ち去って行った。代わりに森妖精(エルフ)のリュー・リオンと【アストレア・ファミリア】の上位陣がやってきた。

 

「クラネルさん達もここまで来たんですね」

「はい。お陰様で」

「私達が居ない間も独自に鍛練を続けて下さい。日々の積み重ねは……」

「リオン、固い。ここはもう少し優しくしないと」

 

 赤髪の女性冒険者アリーゼが横から口を出してきた。

 他の団員達はヘイズとシルの姿を見つけて驚いていた。特にシルの存在は他の冒険者にとって相当意外だったらしい。

 

 
 

 

 リュー達と他愛も無い話しをした後、ベル達は本格的に【ロキ・ファミリア】の手伝いに入った。

 未知のモンスターについてベル達はどのような出会いだったかだけ聞かれた後は深く詮索されず、様々な冒険者に労われた。

 一八階層の天井は広大な水晶がびっしりと生えている。時間経過とともに明度が上下し、今の時間帯が分かるようになっている。

 元よりタンジョンはどこか明るく真っ暗という事は無い。

 

「仕事も一段落着きましたし、『宿場街(リヴィラ)』を見学しましょう」

 

 そうリリルカが提案した。

 ここまで来た冒険者は大体『宿場街(リヴィラ)』に訪れ、冒険者らしい洗礼を受ける。その一つは物価の高さだ。

 何事も交渉事は存在し、地上に持ち帰れないような物品の売買も(おこな)われている。

 価格を除けば違法な商品の取り扱いは無い。――表向きは、と付くのかもしれないが。

 もし、違法な商品の売買があれば調査を受けてしまう。ここはまだギルドの監視が届く階層でもある。

 

「稼ぎは良くないので見るだけになると思いますが……」

「そんなに高いの?」

 

 ベルの疑問にシルを除き、ヘイズを含めて頷いた。

 立て替えたりはしませんよ、と彼女(ヘイズ)は言った。

 基本的に地上から運んできたものとダンジョンで得られた鉱物資源やドロップアイテムが並ぶ。

 危険を伴うので値段が高いのは必然だとか。

 それと宿もある。

 建物の多くは階層の中央にある巨大な木の側に造られ、ほぼ木造だ。

 ここはどこかからやってきたモンスター達に幾度も滅ぼされ――暗黒期では辺り一帯が焼き払われ、ここ最近も何者かの魔法によって甚大な被害を被ったばかり――その度に立て直しが繰り返された。その数、三〇〇を超える。

 リヴィラは冒険者達の憩いの場として作った冒険者の名前から付けられた。

 『宿場街(リヴィラ)』の物価の高さを避ける者は壁際や森の奥に独自の拠点を作る。ただし、防衛は自己責任となっているが基本的に陣地構築は自由だ。

 水浴び場もあり、最低限度の生活環境は整っている。

 

「ここで永住を希望する方が居ないのは地上に神様が居る為です。ギルドの規則でダンジョンに神が入る事を固く禁じられています」

「そうなんだ」

「昔はそういう制限は無かったそうですが……」

「ダンジョンは神を敵視している、と言われています。なので神様がダンジョンに入るといつも以上に殺意高めの状況が生まれるそうです」

 

 天界の規則(ルール)になっていないのは侵入を制限していないからだ。

 今もこっそりと侵入する神がおり、ギルドでも全てを取り締まる事は出来ない。精々、注意喚起くらい。

 堅苦しい話しを終えてベルを含めてヴェルフ、ランテ、シル、リリルカとヘイズは商店巡りを開始した。

 そしてすぐに物価の高さに小さな悲鳴をあげる。

 

 
 

 

 周りを多くの冒険者に取り囲まれていたお陰か、ベル達は安全に一泊する床が出来た。

 薄明りの時間帯に目が覚め、テントから出ると既に行動していた冒険者を見つける。

 彼らの半数はこの辺りの探索に従事し、残りは深層に向けて出発する。一部は陣地構築を続けるらしい。

 水場を求めて歩いていると女性冒険者が壁を作っている現場に到着した。

 

「使用中です」

「分かりました」

 

 水辺は壁から流れる滝が水源となっている。それらは下方に流れていく。

 水浴びする時は女性の用が済んでから。

 そして、よく覗かれるので彼女達は不審者に目を光らせていた。――ベルもその辺りを良しらなかったので、機会が違えば彼女達に捕まっていた可能性がある。

 ちなみに男子用は無い。女性陣が終わるのを待つのみ。

 下流の川にも一応見張りの冒険者が居り、使用済みの水を使ったり飲んだりするような変態が居ないか見張っている。

 ベルは仕方なく近くの広場で待つことになった。そこに全身びしょ濡れのリューが現れる。

 いつもはロングブーツを穿いているが今は色白の裸足になっていた。それ以外はいつもの緑色の外套を纏った格好だった。

 

「リューさん!? どうしてそんな恰好で?」

「訓練の一環です。……みっともない姿で申し訳ない」

「……そんなことはありません」

 

 人前でこの格好は無いですね、と言いながら魔法を唱える。すると水浸しだった衣服から煙が発生し、次の瞬間には乾いた状態になった。

 魔法についてあまり知識が無いベルは様々な現象を前にして素直に感動した。

 

「それよりクラネルさんはどうしてここに?」

「顔を洗おうかと思って」

 

 そう言うと何処からともなく大きな(たらい)を出し、そこにポットで水を注ぐ。

 ついさっきまで荷物を持っていなかったのに何処から出したんだ、と疑問を抱く。

 さあどうぞ、と言われたので素直に使わせてもらう事にした。ベルが顔を洗う時はリューも少し離れた場所でモンスターが来ないか警戒してくれた。

 水場が女性冒険者に占有されている事をリューも気付いたようで何度か頷いた。

 

「こういう場合を想定し、昨日のうちに水を汲んでおくといいですよ」

「分かりました」

「私は気の利いた事は言えませんが……。ここより下はもっと過酷です。それと物資の充実は必須です」

「はい」

 

 優し気な口調でベルにここより下の階層への対策を教えてくれた。そうしているうちに水場が男性にも開放される事となった。

 拠点に戻ると仲間達が全員起きており、それぞれ荷物の点検を(おこな)っていた。

 冒険者歴で言えばベルが一番の新参者。まだまだ分からないことがたくさんある。

 

「ベル様。これからどうしますか? 少し下の階層の様子を見るか、帰還するか。もう一泊するか」

「皆の疲れが取れてから帰還しようかと思ってるんだけど……」

代表(リーダー)が決めた事を尊重する」

「クラネル君が決めたらいい」

 

 シルを除けば(おおむ)ねベルが決めて良いということになった。彼女は帰る時にもモンスターと戦わせてほしいと言ってきた。

 体力に余裕があれば、という条件で許可した。

 これからしばらく一八階層を往復するように探索する事になる。今回は仲間が多いが次はヘイズ達が居ないかもしれないし、ヴェルフも都合よく一緒になってくれるとは限らない。ランテも今回限り、ということも充分あり得る。

 リリルカはどうなのか分からなかった。

 

「リリは正直、【ファミリア】を抜けようと思ってます。ソーマ様には恩がありますが……」

「じゃあ……」

「冒険者をやめるわけではありません。身の振り方を考える時間は欲しいですね」

 

 リリルカにも都合があるだろうから、と思って地上に戻ったらダンジョンの講義に時間を割いたり二人の母との時間を作ってみようか、と思った。

 目標階層に到達したことで今回の目的は果たした。次なる冒険に向けて実力をつけ、更なる下層を目指す。それがベルの当面の目標となった。

 

 
 

 

 少しの間、滞在した後に帰還する事にした。この時、アイズが少し稽古をしようと言ってきたので受ける事にした。

 ここしばらく会わなかったのは深層攻略の足掛かり作りで忙しかった為だ。だから、久しぶりと改めて彼に言った。

 ベルとアイズは階層主の部屋に向かう。この部屋に現れるモンスターは階層主であるゴライアスただ一体のみ。蜘蛛女(アラクネ)異常事態(イレギュラー)な存在で本来、ここには出てこない。

 二人だけで稽古させるのは何かと不安だ、という事でレフィーヤと猫人(キャットピープル)のアナキティ・オータムがアイズの付き添いとしてやってきた。

 ベルには回復師(ヒーラー)のヘイズが付き添い、リリルカ達は更に離れた場所で見守ることにした。

 

「……『昇格(ランクアップ)』おめでとう。魔法も発現したようだね」

「ありがとうございます」

「仲間を得たとしてもここまで来るのは大変だったと思う。これからもダンジョンに挑むのであれば私は助力を惜しまない」

(……あ、アイズさんが長台詞を……。あの人間(ヒューマン)に肩入れし過ぎじゃありません?)

(アイズの弟子って【静寂】の子だっけ? 印象的には好青年よね)

 

 平坦な地面に灰色の大壁。ちょっとした鍛練をするには打って付けの現場だ。

 アイズは愛剣(デスペレート)を構える。ただし、本気の切り合いではなく稽古である事を強調する。

 対するベルは黒い神のナイフを逆手に持って構えた。――弓はリリルカに預けてある。

 実力的にもアイズが本気を出せば数秒で終わってしまう。

 

(……悪夢の原因。けれど、ベルは悪い子とは思えない)

 

 真っ直ぐに見据える彼の姿に何の違和感も無く、ごく普通の冒険者にしか見えない。

 ベルが駆ける。アイズはしっかりと彼を補足する。

 本気の殺し合いではないとはいえ武器が当たれば怪我をする。彼女はそれを許容した上で相対する。当然、相手も怪我をするが――

 駆け出しのころよりも動きが格段に速くなった。アイズは少し驚きつつも冷静に捌く。

 速いけれど対人戦が上手くなったわけではない。

 

(……ベルは優しい。人を傷つける事を恐れている。けれど、それじゃあダメなんだよ)

 

 普段から無表情気味だったが更に表情を引き締め攻める手を速める。

 あえて彼の攻撃に合わせるように。カンカンと金属がぶつかり合う音が部屋に木霊(こだま)する。

 時折蹴りも入れる。

 レベル2に昇格(ランクアップ)してもまだアイズには届かない。それをベルはひしひしと実感する。

 動きが見えている、というより見せている。彼女はまだまだ早くなる。

 

(ベルは……もっと遠くに行ってしまうの? 私の……弟……)

 

 彼を家族だと思った時に『反抗期』という言葉が脳裏に浮かんだ。

 自分を必要としないと宣言するベルは確かに聞き分けのない弟に違いない。

 些細な行き違いから殺し合いに発展してしまったようだが、分かり合える機会はどこかにあった筈だ。

 

 
 

 

 打ち合うように戦い始めて数分が経過した。

 速度重視の戦闘の為に経過時間は僅かだが戦っている当人には結構長い体感時間になっているだろう。

 ベルは汗まみれ。対するアイズは冷静そのもの。

 

(彼に対する忌避感はなさそうね)

(……ベル・クラネルと【剣姫】。……ああ、こういう戦いはうちの【ファミリア】には無いな……。羨ましい)

(アイズさんは真剣に戦っている。なのにどこか手を抜いていらっしゃる?)

「……スキル、使ってもいいよ」

「はい」

 

 アイズの許可が降りた途端にベルの腕に光りの粒が発生した。それを見た彼女は思わず綺麗と思った。

 速度に変化はないが威力が上がった。

 剣に伝わる衝撃は間違いなく大きい。そして、確かに実力がついていると思えた。

 つい数か月前までただの少年だったベル・クラネルが冒険者として成長してきた。もうモンスターに怯える彼は居ない。

 

(……うん。君は凄いね。しっかりと戦えている)

(……【ステイタス】がかなり開いているとはいえ、ここまでの差があるのか。先に進んでいる人は皆すごい)

 

 感心していると無数の斬撃が飛んできた。

 これらはベルがギリギリ捌ける速度だ。そうアイズが仕向けているのが分かった。

 見た目が華奢でか弱い印象を与えるが彼女は第一級冒険者。技量は本物だ。

 

(戦っていると不安が無くなる。……彼は安全、とは言わないけれど……。不思議と安心する)

(長剣とナイフじゃあ長さ(リーチ)の差で分が悪い。でも、僕は……)

 

 ふとアルテミスから貸与された弓を思い出す。もし、その武器でアイズと対峙したら――距離を保つのはかなり難しいだろう、と。

 どちらにしても技量の高い冒険者相手では有利不利の差はいかようにも覆される。

 ベルもいずれそのような戦い方が出来るだろうか、と雑念が過る。

 

「………」

「………」

 

 どちらも言葉が無くなり、ただ武器を合わせる。いや、アイズ方が彼に合わせていた。

 そんな時、彼女の目の前に変化が生まれる。

 

 それは闇。それは呪い。それは死。それは復讐。それは悔恨。

 

 無数の負のオーラがベルから湧き出ていた。いや、より正確には彼の背後から。

 思わず息をのむ。剣がぶれる。相対したくない。

 今まで冷静さを保ってきたアイズがここにきて冷や汗をかき、ベルから飛び退った。

 

(……これは。……この現象は……、見た事がある)

 

 改めてベルを見るが彼に変化は無い。ただ、彼がナイフを振るうと――

 自分の身体が両断されるイメージが襲う。いや、それに匹敵する強力な斬撃が来て、自分はそれを避ける事が出来ない。

 それは正しく夢の中で見た『英雄の一撃』によく似ていた。

 

「そこまでにしておけ」

 

 部屋に玲瓏たる声色が響いた。

 硬い地面に靴の音が良く聞こえる。

 ベルが声の主に顔を向ければやはり、と納得する。

 現れたのは【静寂】のアルフィア・クラネル。

 普段から顔を合わせているがダンジョンの中だとまた違った迫力があった。いや、貫禄という方が正しいか。

 見物人の誰もが皆黙っている。それだけアルフィアという存在は特別なのだ、と。

 

「……貴女には見えないの?」

 

 自らを抱きしめつつアイズは孤高の女王に問うた。

 なにがだ、とアルフィアは問い返す。

 

「……ベルの……」

「うちの子に何かがある、という話しは聞いている。それの事か?」

「……そう」

 

 ベルが何か言いかけたがアルフィアは手で制して黙らせる。

 彼女は一歩踏み出せばアイズの剣が届く位置にまで歩み寄った。

 

()()()()には何もない、らしい。お前が見ているのは違うベルだ。いや、その世界といった方が正しいか」

「……世界?」

「世界というのは無数の可能性が寄り集まっているそうだ。原因は不明だが……。異邦人はそれらを並行世界や『多次元(プレイナー)』と呼んでいる。偶々(たまたま)、悪い分岐をお前が感じ取ってしまったのやもしれんな」

 

 少しの間、アイズは黙り、それからどうすればいいと尋ねた。

 悪夢に(うな)される日々は少なくなったとはいえ、まだ不安が払拭されたわけではない。

 自分にはまだやらなければならないことがたくさんあるのだから。

 

「……まあ、そうだな。迎え撃て。冒険者らしくな」

「ベルが相手でも?」

「そうだ。敵なのだろう? ここはオラリオでありダンジョンだ。……なら、やるべきことは一つだ」

(……このままだと僕が敵として討伐されそうな気がするんだけど……)

 

 物騒な話題でベルが手持無沙汰になっていると後ろ手で下がれ、とアルフィアからの指令が下った。

 よく分からないが従った方がいい、と思ったベルはゆっくりとヘイズ達の下に向かう。おそらくアルフィアは何かするつもりだ。そうとしか考えられない。

 数年ほど彼女の下で生活していたベルには分かる。身に染みた母アルフィアの恐ろしさを。

 

「だが、残念だ。こちらのベルはとても優しい子に育ってしまった。どこで育て方を間違えたのか」

(……優しく育つのが間違い!?)

(……ある意味、酷い)

(【静寂】の子育てっていったい……)

 

 嘆く仕草を見せるがアルフィア本人にとっては可愛い姪っ子であることに変わりが無いし、否定する気も無い。――少々の我がままな部分が気弱である事や優しい事だっただけだ。

 他のベル・クラネルが居たとしてもこの世界とは関係が無い。そう言い切れればいいのだが、こちらの世界に干渉してきたのであれば話しが変わってしまう。そのくらいは彼女も分かる。

 現に自分(アルフィア)がそうであるらしい。なにがどう違うのか、という細々(こまごま)としたものは教えられていないが、正史の道筋と違う事は復活時に伝えられた。

 だからといってこちらの歴史が間違っているとは言わない。

 

 
 

 

 蘇ったアルフィアは謎の存在()に特定の命令を受ける事は無かった。

 彼らの目的は冒険者の情報、または肉体そのもの。しかし、種族は人間(ヒューマン)だ。特別珍しいわけではない。

 必要な知識。必要な力を授けた彼らを真に理解できたかと問われれば否と答える。

 

(その中で多次元に関する事も聞いたのだが、現実味が無かった)

 

 彼ら、異邦人は並行世界こそ認知しているが干渉する気は無く、敵対者に関しても実のところ頭を痛めているという。

 重なり合う世界は無限に匹敵する。その全てを相手にするのは神でも嫌だと言うだろう、と。

 正しい歴史というものは存在しない。あくまで観測者としての視点で言っているだけ。

 異邦人達もここや並行世界の歴史についてあれこれ言うつもりは無いようだ。

 

(……正しい歴史に矯正する、という見方も出来るが……。あいつらの目的は自身の娯楽だ。その点では神々に似ていると言える)

 

 ただし、神を気取る気は無く、あくまで異邦人であり旅人の立場は変わらない、とか。

 いずれこの星に君臨しよう、などとは思っておらず、多少のお節介を焼くだけ。――後は当人達に聞くしか無いわけだが。

 

「お前が戸惑っている間に解決している事もあるだろう。それでも不安ならかかってこい」

 

 両の目蓋を開き優し気にアルフィアは言った。

 かつての敵が気遣ってくれる。それがアイズにとってとても気恥ずかしかった。

 アイズは剣を鞘に納め、大きく深呼吸する。

 戦意を消した彼女の様子にアルフィアは軽く息をついてからベルに武器を納めるように言い渡す。

 

 負の分水嶺。

 

 こちらのベルが辿り着かなかった道がある世界。

 彼の他にも道筋から外れてしまう者も居るだろう。たった一本でも可能性を見い出せばどうなるのか。

 ベルのすぐそば、近くて遠い場所から何かが飛んできた。

 

「……何だこれは」

 

 アイズに向かっていたようだが側にいたアルフィアによって掴まれるそれは炎の塊の様なものだった。

 ベルは慌てて飛び退いたが魔法は使っていないと主張する。

 何なのかよく見ようとした時、炎の勢いが上がった。その炎は弱々しい見た目とは裏腹に黒く不吉な気配を漂わせていた。

 

(……これは。まずい!)

 

 全身に緊張を走らせたアルフィアは回避行動を取るよりも先に感覚を優先させ、黒い炎を掴んでいた腕を手刀で断ち切る。

 レベル(ナイン)とはいえ『耐久』はそれほど高くない。だけれど、この場に居る冒険者で彼女を傷つけられる者は多くない。それに利き腕では無いので失敗が頭を過ったが杞憂だったようだ。

 斬り落とされた腕はすぐに燃え上がり骨も残さず消え去った。

 

「アルフィアお母さん!」

「……案ずるな」

 

 慌てて駆け寄るベルにアルフィアは強がりを見せるが顔は脂汗でいっぱいだった。

 アイズも思わず駆け寄ったがどうすればいいか分からず、レフィーヤ達に顔を向ける。

 他の者達も集まり出し、ヘイズが止血してください、と言葉を掛ける。

 

(立て続けに異変が起きるという事は……。向こう(多次元)の準備が整いつつあるということか)

 

 黒い炎にも覚えがあった。

 魔法の一覧によれば『獄炎(ヘルフレイム)』に似ていた。

 魔力系、信仰系どちらでも使える第七位階の魔法。

 

(位階魔法、なのか?)

 

 少なくともアイズが受ければただでは済まなかった。

 敵である筈だが思わず手が出てしまった。そのことについてはもはやどうでもいい。

 問題はどういう条件でベルから多次元、または並行世界から干渉してくるのか、だ。

 こんな事態はアルフィアの人生でも覚えがない。

 

「?」

(……なんだ、穴?)

 

 炎の残滓が空間に(わだかま)っているのが見えた。それはベルと共に移動していた。

 やはり彼を起点に攻撃を仕掛けているようだ。

 アルフィアはベルに弓を(つが)えろ、と低く、強めに命令する。彼はリリルカに弓を下さい、と言った。そこからは行動が早かった。

 誰にも疑問を呈させず、命令は速やかに実行される。

 リリルカから弓と矢を受け取りスキルを使用した。

 

「お前のすぐ近くに黒い穴が浮いている筈だ。そこを狙え」

「……穴」

「……ベルの顔の辺りから左横に人三人分」

 

 アイズが言葉を重ねる。

 ベルには穴が見えないようだ。細かな指示をアイズとアルフィアがかける。

 二人の説明は(つたな)いものの理解不能というわけではなかった。言われる通りに構えを調節する。

 

「そこだ」

「撃って」

「はい!」

 

 充分なチャージの後に矢が放たれる。するとベルの視界から矢は何かに吸い込まれるように消えて行った。

 次に魔法も撃て、と命令が来たので言われるまま目標と思しき場所に魔法を放つ。やはり途中で掻き消えた。

 この攻撃で他の者にも異変に気が付いた。

 

魔法抵抗突破最強化(ペネトレートマキシマイズマジック)()遅延爆発火球(ディレイ・ブラスト・ファイアボール)

 

 気を取り直したアルフィアが極大の火球を目標に投げ込んだ。

 本来ならば魔法を無効化させる【静寂の園(シレンティウム・エデン)】という魔法があるのだが位階魔法は概念が違うのか、無効化出来ない。――出来るものもあるが才能の大部分を失った為に殆どを打ち消せないでいた。特に第五位階以上が。

 無効化出来ないのはアルフィアの認識が足りないだけで実際には術者レベルの差などが関係している。ゆえに低い位階であっても条件によっては無効化出来ない事もありえる。

 つまり敵はレベル(ナイン)のアルフィアよりも強いという事になる。

 穴に吸い込まれて数秒後、炎熱が噴き出た。

 目標をちゃんと視認できていないのでどうなっているのかは分からない。

 

(……こちらのベルは敵になり得ないか。しかし、あの魔法がベルが使った、という証拠は無い。……であれば誰だ)

「ベルと穴が連動しているなら……動かない方がいいか。誰か、マーレを呼んでくれ」

「は、はい」

 

 レフィーヤが返事をして駆け出した。

 予想外の攻撃に思わず体力を失ったアルフィアはその場に座り込んだ。既に止血されているものの痛みは残っている。

 アイズも側に控えて大人しくしていた。その隣に褐色肌で赤毛の狼人(ウェアウルフ)の女性が座る。

 見た目は冒険者というより女給のような格好だ。

 

「?」

 

 アイズが首傾げると赤毛の女性はにこりと微笑んだ。

 ベルもアイズが見ている女性に気が付いた。

 今まで見た事が無い人物に首を傾げた後、初めて見る人物である事に気付いて驚く。

 

「やあやあ、初めましてっす。……私の事はあまり詮索しないでほしいっすけど、無理な話しっすよね」

(……こいつはメイドのルプスレギナ、だったか。……そうか、ずっと隠れていたのか)

 

 アルフィアは赤毛の女性ことルプスレギナに見覚えがあった。

 敵味方で言えば味方の方に傾く。それと彼女は信仰系の位階魔法を扱う。

 そのルプスレギナはベルの側にある穴に顔を向け、どうしたものかと思案する。

 

(……千年もの間、こんな現象は見た事も聞いた事も無いっす。神々の『神の力(アルカナム)』で出来る事っすかね? それならもっと前から何かが起きていた筈……)

 

 とはいえメイド風情に出来る事は殆ど無い。ルプスレギナは早々に面倒ごとを放棄した。その代わりアルフィアの治療を担当する。

 そそくさと彼女の腕に触れて『大治癒(ヒール)』と唱えて猛然と走り去った。

 誰もが唖然とした。唯一アルフィアだけは苦笑を見せる余裕があった。

 




付録:作中に登場した魔法 16

火の実(ファイア・シーズ)

系統:召喚術[創造][火炎]
位階:その他(森祭司(ドルイド))〈六〉
構成要素:音声、動作、物質(ドングリかヒイラギの実)
距離:接触
目標:ドングリ4つまで、あるいはヒイラギの実8つまで
持続時間:10分×術者レベルあるいは使用するまで
●備考●
 術者はドングリやヒイラギの実を投げたり爆弾にしたりすることができる。30(メドル)まで投げられる『火炎』ダメージを与えられる投擲武器、60(メドル)以内であれば合言葉によって起爆できる設置型爆弾にすることができる。。


獄炎(ヘルフレイム)

系統:力術[悪]
位階:魔力〈七〉、信仰〈七〉
構成要素:音声、動作、焦点/信仰(邪印または異端の書)
距離:近距離(約10m+2m×術者レベル×2)
目標:人型生物1体
効果:光線
●備考●
 術者の手から黒い炎が生まれ、それを発射する事が出来る。
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