再生が終了した状態で、デカデカと画面内にて存在を主張するピンク色のフォントを、星野アクアを含む、その場全員はぼんやりと眺めていた。
MEMちょが軽く意識を飛ばしたらしいあかねに必死に話しかけているのが聞こえるが、そっちに気持ちを向けている余裕はなかった。
改めて陳列された言い掛かりを眺めると……これは酷いとしか言いようがなかった。
「……取り敢えず、さっき有馬が言っていたことと、このふざけた見出しは、ただの風評被害だってことは明言しとくぞ」
画面横でみなみがうんうん! と猛烈に首を縦に振っているのを見ながら、アクアは全員に……特に有馬かなにははっきり聞こえるように宣言した。
『ほ、本当!?』
『うわぁ!? あかねが復活したぁ!』
『ごめんMEM少しだけ静かにして! アクアくん! デタラメなんだよね? これはかなちゃんの盛大な勘違いで……』
『ち、ちょっと待ちなさいよ! 勘違いなんかじゃないわよ! 確かに聞いたんだから! そこの淫……寿みなみが、不知火フリルと学校の中庭で会話していたのをね!』
『えっ、ウチが!?』
気絶から帰還したあかねの目線が、猛烈な勢いでアクアとかな、みなみを行き来する。
アクア本人はみなみとフリルの会話を知らないので答えようがない。するとみなみがおずおずと口を開いた。
『えっと……有馬さんが言ってるのは、一週間くらい前やろか? そこくらいなら、確かにフリルと噴水園でお昼ごはんは食べましたけど』
『そうね! そこよ! 確かに聞いたのよ! 部屋に二人きりでお泊まりしたって』
『あ、うん。それは……間違ってへんけど……』
『…………………間違ってないんだ』
アクアへのあかねからの圧が増す。アクアは背中の汗が酷いことになっているのを感じながらも、取り敢えず自分にだけ矛先を向けてくれるあかねに感謝した。
みなみにまでこれを向けられたら、流石に申し訳無さすぎるし、向けるあかねも、きっと後でしょんぼりしてしまうだろう。なんやかんやであかねは優しいし、役者としてを排した争いごとには、致命的な程に不向きなのだ。
自分には? 当然、飛びひざ蹴りだろうが受け入れる覚悟だった。アクアはそれだけのことを彼女にしてしまったのだから。
「そこは、俺も否定しない。色々あったんだよ……色々」
『すっごい意味深で気になるけど、そっちは後にだね。アクたんとみなみんのお泊まり……デート? なのかは微妙だけど、そこは真と。で、問題は』
いい感じにMEMちょが纏めてくれつつ、次のお題に入る。
流石の采配は年長者なだけあるなと、さり気なくその場全員が感心した。MEMちょが知れば号泣案件である。
閑話休題。
とにかくアクアとしてはさっさとママプレイを否定したいのだが、物語には順序というものがあった。
『ね、熱愛発覚……。え、えちえちGカップで、かなちゃん曰く何か凄いこと……』
「あかね、いい。そんな震えながら読まなくていいから。……聞いてるこっちまで悲しくなる」
てか誰だよこんな絶妙にムカつく……もとい、いい感じにキャッチーな見出し考えた奴は。自分の話題じゃなかったら、迷わず拍手送ってるぞ。
そんなことをアクアがつぶやくと、盛大にMEMちょの目が泳ぎ始めた。
「…………おい。まさか」
『ゴ、ゴメンよアクたーん! 話題はさ、良くも悪くもバズる要素満載だから、YouTuberの血が騒いでノリノリで作ったんだ。……でも』
両手を合わせて謝り倒していたMEMちょの顔が一瞬で曇る。
『なんやかんやで終わったら……何やってるんだろう。私って強烈な虚無が襲ってきて……今フラッシュバック込みで吐きそう』
『なんで作った本人が一番ダメージ受けてるのよ』
かなのツッコミで、MEMちょが画面の向こうで完全に撃沈する。流石に日頃ルビーがお世話になっているし、可哀想になってきたので、アクアも追求するのは止めることにした。
きっと彼女も疲れていたのだろう。
疲れが時に人をおかしくすることを嫌という程にアクアは知っている。だからこそ、MEMちょをこれ以上は責めれなかった。
「うん、じゃあダメージが酷い人が多いから、進行しちゃうね! 熱愛発覚? とありますが……二人とも、その辺はどうなのでしょうか?」
ずっと黙っていたルビーが会話に入ってくる。どうやら今回彼女は進行に徹するようだ。……そこで少しだけアクアは違和感を覚えた。
行動こそ、最近までの策を巡らせていたルビーと似ているが、違う気もする。
「(何を考えてるんだ? ルビー。俺をいじめたいのならいい。受け入れるさ。けど……)」
何らかの考えがあるのは透けて見える。元々のルビーならば、アクアに反省を促すならば、その権利は自分だけで行使しそうなものなのだ。
暴露される情報も。真実を掘り出す際に、相手がみせる反応も。きっとその後にするであろう何らかのおねだりも……自分一人で頂きたい。それがルビーだ。欲張りな所はなんやかんやでアイに似ている。
だからこそ、こうして誰かと共有しようとしている今が、少しだけ不自然に見えるのだ。勿論、兄の分析不足と言われたらそれまでだが。
『………………アクア、くん?』
『ちょっと、何黙ってるのよ!』
考え事が過ぎたらしい。急かすように話しかけてくるかなとあかねを尻目に、チラリとアクアはみなみに視線を向ける。それに気づいたらしい彼女は、何処か戸惑うようにモジモジしていた。即座に否定してもいいだろうに、彼女は目を泳がせて、煮え切らない様子だった。
恋人じゃない。付き合ってるわけじゃない。そう口に出すだけだ。
だが、寿に言われる……もとい言わせるよりは、自分が言ったほうがいいのだろう。
「熱愛は違う。デマだよデマ」
『……せやねん』
一瞬だけ、みなみが寂しそうな顔になったのを、アクアは気の所為だと片付けた。
『(………ホッ。てことは今もフリーなのね)』
『(……………………)』
『(……何故だろう。否定してる筈なのに。私の中で何かが、かなちゃん、あかね。油断しちゃダメ! 寧ろヤバいよ! って叫んでるんだけどー!?)』
尚、ルビーとみなみ以外の女性陣は、まだアクアに胡散臭いものを見る目を向けていた。日頃の行い……もとい女たらしの評価はなかなか拭えないものである。
『ん? でも待ちなさいよ。てことは何? アンタ達付き合ってもいないのにセッ…………寝たの?』
「…………は?」
『…………へ?』
因みに処理せねばいけない爆弾はまだたくさんあることをアクアは知らなかった。
そして、その誘爆でダメージを負う人間がこの場には沢山いたりもする。
『…………アクアくん?』
「待て。待て待てあかね。頼むから少し待て。有馬、なんだそれ。どうしてそうなった」
『寿みなみと、不知火フリルの会話からよ。てか、あたしが見知ったことのソースは全部そこよ』
『フリルゥ……!』
ええ〜っという顔をするアクアに対して、みなみは頭を抱えた。
「因みに私とMEMちょは、その時先輩が聞いたお話をそのまま聞いてるよ」
『嘘やろ……全部解説せなアカンの……?』
絶望した顔のみなみに、アクアは「すまん……マジですまん」としか言えなかった。
助け舟を出したくても、出せないもどかしさがアクアを灼いていた。
不知火フリル、何故この場にいないのか。
いや、いたらいたで別の意味でヤバそうだ。やっぱ来るな。仕事してろ。
『……寝たとか、やったことは全部聞くけど。そもそも、どうしてアクアくんが寿さんのお家に泊まることになったのかな?』
『(あっ、聞くのは確定なんだ)』
『(お〜怖っ。やぁねぇ彼女面は。もう少し冷静でいなさいよ。…………………それはそれとしてよく聞いてくれたわ! グッジョブよ! 黒川あかね! そうよあーくん! なんでなのよ! こちとら気になることがめちゃくちゃあるのよ!)』
あかねのもっともな意見に、みなみとアクアは画面越しに視線を交わす。これは自分が言うとアクアが表情で語り、みなみは静かに頷きながら引き下がった。
かながその無言のやり取りで内心怒り狂い。あかねがグチャグチャに心を掻き乱されたりもしていたのだが、アクアは全く気づかない。罪な男である。
「その日は……まぁ、色々と真面目に過去一で落ち込んで……MEMの言葉を借りるなら虚無に襲われていたんだ。やや大げさだが、雨の中で凍死してもいいかって考えるくらいに。……勿論冗談だぞ」
『アクたんが、そんなに!?』
『……私の傘振り払った時とどっちが酷い状況?』
「……アレとはまたベクトルが違うが。絶望具合なら有馬の時で、虚無さはその日だな」
いや、比べる意味ないだろ。と呆れたように言うアクアに、かなはフン! とそっぽを向く。本人は気にしていたらしい。そんな様子が面白くて、アクアの心は僅かに解れた。有馬かなは愛い奴である。
一方で、事情を知る面々の内心は、曇り空もいいところだった。
「(嘘は嫌いって言ってるのに。お兄ちゃん……)」
『(間違いなく凍死はガチやったけど、流石にここでは言わんといた方がいいやろなぁ……)』
『(雨の……一週間くらい前……あの日。じゃあ…………アクアくんは………そんな……)』
「そうしてた時に、寿が俺を見つけてくれて……よっぽど酷いことになってたんだろうな。雨でずぶ濡れだった俺の手を引いて、自分の家まで連れて行ってくれたんだ。当時はその……ルビーとも喧嘩してて……」
『……放っておいたら、ホンマにフッて消えそうやったからな』
「で……ありがたくも色々と話を聞いてもらって、もう一度ルビーと話してみようって改めて思ったら……外が嵐で帰れなくなった」
『タイミング悪いというか、いや、この場合いいのか……アクたん的にどっちなんだろ?』
「……知らん」
多分今の状態を省みるに最終的には良かったことなんだろうけど、それは口にしなかった。少し照れくさいので。
『いや、待ちなさいよ。それが寝るにはつながらないし、Gカップで凄いことした。の追求がまだよ』
『…………アクアくんと寿さんのママプレイもだね』
「(クソッ、いい感じに回避できたと思ってたのに)」
相変わらずアクアは往生際が悪かった。
尚、回避できそうになった場合、ルビーが路線を引き戻そうとしていたので、どのみち逃げられないのは確定なのだが。
「……ソファー借りて寝てたんだ。で、魘されていた俺を心配して寿が駆け寄ってくれたらしくて。その時に……その……ソファーに引き込んでしまったらしくて」
『本当に酷そうやったし、ルビーのお兄さんなら変なことしないやろ思うて……そのまま寝たねん。フリルが言ってたのは、そのことやね』
『あっ、何だ〜本当に言葉通りだったんだ〜』
「因みに〜おっぱいについては、不知火フリルちゃんから、こんな証言を貰ってるよ〜」
割り込んできたルビーがいつの間にか取り出したボイスレコーダーを起動する。何でそんなものを持っている。とは誰も突っ込まなかった。
『アクアさんが、みなみのおっぱいに何をしたか……? 実は詳細までは知らないの。ただ……触るのと顔を埋められるのは、どっちが凄いことやろって。どっちもって思うけど、アクアさんは、あのGカップに顔を埋めて眠ったらしいよ。……あのGカップで。みなみのおっぱい枕で。朝まで眠ったらしいよ。……ちょっと羨まし過ぎるよね。これ絶対触りもしたよね。その辺詳しく……』
「あ、この後はちょっと長かったし、妄想入ってたから止めるね〜」
明るい声で、ルビーはレコーダーのスイッチを切る。
場は、気まずい沈黙で支配されていた。
正直胸はフリルの誤解だろで乗り切ろうとしていたアクア。
勘違いの嫌な予感はしていたが、なんやかんやでやることはやっていた(?)ので、感情が迷子なのかな。
改めて思い返すと凄いことしていたなぁと思うみなみ。
そして……あかねは色んな推測等で頭を回しまくるわ、酷い事実に殴られるわで、既に色々と満身創痍だった。
唯一冷静だったのは……MEMちょだけだった。
『ア、アクたんも……男の子だからねぇ。いや、弱ってはいたんだから、寧ろ良かったの、かな? みなみんファインプレー的な?』
全くもってその通りだから、有馬かなを除いた全員が沈黙しているのであるが、MEMちょはそんなの知る筈もない。
「いやぁ、その反応みると、本当にヤッてたんだね。お兄ちゃん」
「言い方。また有馬が誤解するぞ。有馬が」
「失礼。おっぱい枕ね。先輩、勘違いしちゃ駄目だよ〜。このおませさんめぇ〜」
「耳年増……いや。まぁ、何も言うまい」
もうアクアはヤケクソだった。絶対にかなを道連れにするという気概を感じさせる目の死にっぷりだった。
「しかし、マジか〜兄妹そろってみなみのおっぱいにオギャバブってメンタル回復してたとか絶望しかないんだけど。お兄ちゃん、小さい頃はママにそんな感じ全然なかったから……もしかして今、反動が来てる?」
「だから言い方。てか……スマン寿。まさかルビーも?」
『あ〜。お兄さんが帰った次の日に。同じベンチにルビーが……』
『まさかの二日で兄妹攻略してたの!? みなみん……恐ろしい子……ん? 結局ママプレイは?』
『ママってのも、多分フリルが悪ノリしたのを言うてはるんだと思います……その、ママになったのね。とか、お前がママになるんだよー……とか』
『つまり、全部かなちゃんの、はやとちりだったと……いや、アクアくんの所業の一部は当たらずといえども遠からずだけど』
全員の視線がかなに集中する。
かなは顔を真っ赤にしながらプルプル震えていた。
『いや! いやいやいや! ちょっと待ちなさいよアンタ達! あの時の会話と寿みなみの反応聞いたら! 絶対に! 勘違いするから! マジで!』
『そ、それはホンマにすいませんとしか……』
『ほんとよ! 紛らわしいのよ! 特に不知火フリル! だって……抱かれて嫌じゃなかったんでしょう? よ!? こっちはこっちで顔赤くして、嫌やなかった。やら可愛いやら……』
『それは……その、意外と甘えたさんで、可愛い思うたのは本当やけど……』
「甘……か、かわ……!?」
『……ムムゥ』
火傷でかながのたうちまわる中で、予期せぬ流れ弾がアクアとあかねに突き刺さる。
片や妹の同級生に可愛い認定されたことに。もう片方は、あまり甘えてくれなかった男の子の可愛さを引き出された嫉妬心である。
「ま、まぁわかっただろ? この見出しも有馬の言っていたことも……一部はともかくデタラメで……」
「お兄ちゃん、何締めに入ろうとしてるの」
「……え」
「深堀りはまだ終わってないよ? だって全部語ってないでしょ? 寧ろ私ですら詳細をちゃんと知らない、これからが本題なんだけど」
『………………つまり、まだ何かあるってこと?』
別にエアコンをつけたわけでもないのに、あかねの一言で室温が下がる。そんな錯覚に陥った。
「お兄ちゃんがみなみの家に泊まってからかな。明らかにコンディションを崩していたの。それが五日くらい続いて……昨日、ミヤコさんのスマホに連絡が来たんだ。出先でそのまま泊まってくるって」
かなとあかねが話に耳を傾けながら、無言でアクアの方を見てくる。アクアは頭を抱えるより他になかった。
「でもね。おかしいの。その日は特に遅くまで、遠くでこなすスケジュールもなかった筈なのにね。ミヤコさんも首を傾げてたけど、高校生なら色々あるだろうって」
『い、色々……』
すっかり黙ってしまったかなとあかねをチラチラ見つつ、MEMちょはアクアとみなみに視線を向けてはそらしている。
ほぼ完全に巻き込まれたみなみを気遣いたいが、かなとあかねの手前迂闊なことは喋れず。いっそアクアを弄ろうにも、空気がそれを許していない。
MEMちょは正直白旗を上げたかった。
「みなみってね。いい匂いがするの。甘〜いワッフルとかマドレーヌみたいな、焼き菓子の香り」
『焼き……菓子。……ワッ、フル……?』
震え声はあかねのものだった。何かに気づいたような表情で唖然としている。
「今日帰ってきたお兄ちゃんからね。みなみの匂いがしたの。何でかなぁ?」
ルビーの視線から逃れるように、アクアは顔をそらす。だが、そうするとかなとあかねが視界に入ってくる。
ゴミか道端の虫でも見るかのような目(道連れにしようとしたのを絶対に拗ねている)と、冷たい氷。いや、冬の沼みたいな……浮気した亭主に心中を迫りそうな勢いの眼光に、アクアはただ震え上がることしか出来なかった。
唯一の癒しに視線は向けられない。そうしたら矛先が彼女に行くかもしれないのだ。
助けてMEMちょ。そう思ったのをいち早く察したのか、MEMちょはわざとらしく『あーっ、コーラ切れちゃったよ〜取ってくる〜!』と言って逃げてしまった。救いはなかった。
俺、何か悪いことしたかな? ……うん、したわ。何度も自分の中で繰り返したではないか。
これは罰でもあるのだ。同時にこれから償えということ。それを再認識する試練なのだろう。こうなったらもう、自分が消えようなんて考えが粉々に砕けて消えていくのも道理だった。
だってこんなにも、激しい感情を向けられるような自分が本当に消えていたら……ちょっと想像したくない。
ルビーの言葉は、正しかったのだ。
「(でもそれはそれとして! 寿に寝かしつけられてから……最高の睡眠の反動で不眠が悪化して! 恥を忍んで寿に添い寝を頼んだら……! めちゃくちゃよく寝れたなんて……話すのか……!)」
妹に! 元カノに! 推しに! MEMちょに! しかも一緒に寝た寿の傍で!
因みに抱かせてくれ発言やら、ちょっと堪能し過ぎた話。その後のデートについては全力で隠す所存である。みなみも納得してくれることだろう。
そもそも、この場にいるメンバーは、あくまでみなみの家にまた行った疑惑があるという情報しかない。
今までの分めちゃくちゃ寝た……とだけ説明すれば、ダメージも、少ない筈……。だ。
『ただいま〜。コーラだコーラ! もう飲まなきゃやってらんないもんね〜〜! ……あれ?』
そんな猪口才なことをアクアが考えていた時だ。戻ってきたMEMちょが、何かに気づいた。
『一人増えてる? あれ、この名前……』
だが悲しいかな。この世界の神様は、アクアに対しては超がつくほどにスパルタだった。
このタイミングでグループ通話にしれっと入ってきた人物がいる。名前は……『不知火フリル』
『おまたせ。仕事を全て片付けて……私が来た!』
「(帰れぇぇえええ! 何で来たんだ不知火フリルゥウ!)」
キャラを全て投げ捨てても辛うじて心の中で叫んだのは、アクアの最後の意地だった。
テレビ出てろよ。こっち来んなって言っただろ!
『終わっちゃった? どこまで深堀りしたかな? 私としては今朝に二人がしてた、ブランチデート後の行き先についてを。あと、差し支えなければ朝に二人とも気持ち良すぎてベッドから二時間は出れなかったって話を……もっと詳しく! ピロートークも含めて、是非!』
そして、アクアの願いも虚しく、物凄い早口で、本日最大かつ特大の爆弾が投下される。
その瞬間、発せられていた眼光すら闇に閉ざされて。あかねの目からハイライトが完全に消え去った。