拝啓、父上、母上。生前は不躾な娘で申し訳ございませんでした。お二人の死に目に会えないどころかとあろう事か非術師に殺されるという五条家に泥を塗りかねない最期を迎えてしまった事を、此処に詫びます。さて、現在私は神のご厚意に預かり第二の人生を歩ませて貰っております。私は今——
「ばー。
星野
今恐らく自分の顔を見たら気持ちの悪い笑みを浮かべているのだろう。仕方ないじゃないか。今目の前に女神が居るのだぞ。
あぁ可愛い。そっか〜。星野アイって言うんだ〜。確かにお星様の様に可愛いねぇ〜。飴ちゃんあげようね〜。あ、私赤ん坊だった。うっかりうっかり。
などと馬鹿をやっているが、私だって戸惑っている。此れは呪いの影響なのか。それとも本当に神の力なのか。本当は神なぞ居ないと豪語したいのは山々なのだが、いかんせん私の前世は呪術師という神が居ても可笑しく無い世界に居たのだ。無遠慮に否定は出来ないだろう。
そして問題は私の名前だ。嬭耶と書いてダイヤだ。嬭耶なのだが正真正銘女の子だ。汚らしい棒や玉などは付いていない。ついでに言うと目線約30㎝したにも水風船もまだ膨れてはいない。
呼ばれた時勢い余って二度見と言わず四度見をしてしまった程だ。キラキラネームにも程があるだろう。まだ旧友の冥冥の方がダメージ少ないわ。
キラキラネームなのは私だけでは無い。私の三つ子の兄姉として産まれてきた二人は、兄が
そう、兄と姉が居るのだ。前世では長子だったが、今世では末子だ。此れは前世人(呪詛師)を殺してきた罰なのか。いやだとしたら罪と罰が釣り合ってないぞ。なんなら星野アイの子供に産まれると言うご褒美迄貰っているほどだ。釣りが来る。
取り敢えず、どんな理由があろうとも私は此の三人に前世バレをしてはならないのだ。円滑な家族関係を続けるために。人殺しの化け物が家族だなんて誰だって嫌だろう。
幸い見た目は前世とはかけ離れており、黒髪だった髪は紫に、目も星のハイライトが入っている。然も両面。そう、もうまんま星野アイなのだ。鏡を見れば星野アイが映っている。あぁ、アイも赤子の時はこんな見た目だったのかなと、我ながら気持ち悪い思考をしている。仕方ないだろう、ファンなんだから。ただ違うのは前髪の分け目くらいだ。
他の二人は金髪という少し奇抜な見た目をしている。然も目の星型ハイライトは左右反対ずつ。
偶に二人は子供とは思えない行動をする。まぁ、子供じゃ無いらしいが。
数日前。
私はいつもの様に眠ろうと目を瞑っていると、隣——ルビーとアクアの方から小声で何やら話しているのが聞こえた。私は暇だったので少し聞き耳を立てた。若しかしたらアイがルビーかアクアに対して一方的に喋りかけているのかもしれない。
「はぁ!?有り得ないんですけど!!ママがブス?それ言ってるお前がブスなんだよブース!!」
「お前マジ性格悪いな」
「うるさい!アクアだってそう思うでしょ!」
静止した。聞いた事がない声色で、アイではない誰か二人の声。其の声は正真正銘、アクアとルビーだった。何故二人が喋れるのか、若しかして二人も転生者なのか。様々な思考が頭を駆け巡り、私は思わず立ち上がった。それに気付いたのか二人は顔を青ざめて此方を見る。
いや、それよりも……
「赤子が喋ってる!なんかキモッ!」
「お前もな!」
二人の声が合わさった瞬間だった。
まぁ、そういう事もあり、この三つ子は全員前世があるのだ。こんな奇跡あるのだろうかと思ったが、転生をしたのだ。そんな事があっても不思議では無いのだろう。
そして最大の共通点。それは三人全員アイのファンという事だ。最初は警戒心マックスだったが、それを聞いた瞬間二人に対する警戒心は0に落ちた。当たり前である。アイを好きな奴に悪い奴はいない。
「ダイヤはホント大人しいねぇ。ウフフ」
あはは、どうも。やべ、変な顔しそう。
まさかアイに抱き締められる日が来ようとは。人生捨てたもんじゃ無いな。いや一回捨ててんだけど。
然し私には少し困った事がある。それは今世でも呪霊が視える事だった。特にアイはヤバい。禍々しい。後ろに何体……いや、何十体と憑いている。
何か出来る事は無いだろうか。チョッ、こっち来るな気持ち悪い。私はまだ0才。術式はまだ判明していない。いや、今世は見えるだけで術式を持っていないのかもしれない。それは少し不便だ。呪霊が邪魔な時祓えないじゃないか。然も多分家の家計じゃ呪具を買う事も難しいだろう。転生に伴い術式が受け継がれる訳でも無かったのか。当たり前か、基本的一個体に一個だもんな。それに前のは五条家相伝だったもん。
「……ん?」
此方に来た呪霊に赤ちゃん本能が発動したのか、何故か私の唇が吸い寄せられる。オイ。やめろよ。え?嘘だろ?やめてやめてやめてやめてやめて。
「はむ」
喰ったァァァァァ!!
喰いやがった!マジで私喰いやがった!マッズ!呪霊マッズ!何考えてんの赤ちゃん本能!もうちょい理性効かせろや私!でも無理だったよ!?身体が勝手に動いたよ!?赤ちゃんこっわ!!
呪霊を完食してしまい、後に残ったのは口の中のまるでゲロの様な後味だった。うえぇぇ……口直ししたい。ミルク欲しい。ママー、ミルク欲しいよー。
私が泣こうとした瞬間、何やら私の呪力が乱れるのが分かる。如何してだ?いつも通りに一定の呪力を流していたはずだぞ。さっきの驚きとはまた別の要因だろうか。
「ふ、え、ふぇぇぇぇぇん!!」
感じた事の無い呪力の乱れが気持ち悪く、尚且つ子供の私はどうしようもなくなって泣いてしまった。恥ずかしい。人前でワンワン泣くなど。やめろ、泣きやめ。これぐらい耐えられなくてどうする。
「んー?どうしたの?おっぱいかなぁ?」
そう言ってアイは胸を出し本能的にそれにしゃぶりつく。口の中で甘さが広がり、先程の不快感は何処へやら。いつのまにか呪力も安定し、私は鼻を啜っていた。アイは泣いている私を叱る訳でもなく、ただ優しく抱き締めてくれた。
今迄大人にそんな事はされた事はなく、少し目頭が熱くなった。私がずっと両親にされたかった事だ。まぁ生前は叶わなかったが。今はまぁ、アイという母に縋らせて貰おう。
その時、私の目の前に映像の如く何かしらが流れた。ベビーシッターのミヤコさん下ろしている私。ミヤコさんの顔は少し怯えている。
……なんだ?これは。
「そういえばミルクの時間だったなぁ。他の二人にもあげないと。アクア、ミルク飲む?」
今度はアクアを抱っこして聞く。アクアは戸惑った様に首を横に振った。まぁ当然だろう。アクアの前世の年齢は多分三十路そこらだ。倫理観的にアウトだろう。
次にルビー。ルビーは構わずアイのおっぱいを飲む。同性だからというのもあるだろうが、きっと何より死んだ歳が若かったのだろう。ルビーには少し幼さが視える。
アクアは普通にルビーがおっぱいを飲める事が羨ましい様で、バチバチと火花を散らしている。
アイはこれから仕事の様で、アイの所属事務所、いちごプロダクションの社長、斉藤一護に連れられ家を出た。仕事か。アイは偉いな、16歳で仕事をしているなんて。飴ちゃんあげたい。
「お前らなぁ。ちょっとは遠慮しろよな」
「なんで?娘の私がママのおっぱい吸うのは自然の摂理なんですけど。与えられた当然の権利なんですけど」
怖いわ。やめろそんな輝いた目で見るの。尚怖いわ。
「私は別に遠慮してない訳じゃ無いというか、でも本能には逆らえないよね」
私達の言葉にアクアは若干引いた様な顔をする。待て、ルビーは兎も角私にそんな顔をするな。心外だ。私からしたら変な気を使って遠慮しているお前の方がキモいからな。
「それに母親の母乳の方が栄養はあるでしょ。別にアクアも母乳を飲んでも可笑しく無いけど」
「そんな医学的な話をしてるんじゃ無い」
アクアは額に手をやって溜息をつく。こういう所は少し雨宮先生に似てるな。雨宮先生というか、男は皆そうなのか?
「まぁいい年した男が授乳とか倫理的にヤバいもんね!良かった合法的におっぱい味わえる女に生まれて!」
「俺の倫理観だとそれもアウトなんだけどな」
ルビーは此の中で多分一番気持ち悪い推し方をしている。いや、アクアもか。ハァ、此の中でまともなのは私だけか。アイを護れるのは私だけ。大丈夫。そういうのは得意だ。
「いや、イかれ具合で言ったら此の中でダントツはお前だろ」
「それは言えてる。ビックリしたもん。ノートに書かれてたダイヤのアイアンチ暗殺計画。然も綿密に」
「あぁ、あの密かに資源ごみに出されてたアレね。私まだあの事許してないから。一生引きずるぞ。いつか末代まで祟ってやるからな」
「いや身内の犯罪の種は早々に摘まなければだろ」
「バレなきゃいいんだよバレなきゃ」
「うわぁ、ゲッスい顔。前世殺人犯だった?」
違うわい。犯罪じゃ無いもん。合法だもん。許されてたもん。
そういう会話をしていると、ルビーは急にモゾモゾし始めた。
「おむつ交換したいから向こう行って」
あぁ、なるほど。おしめか。確かに年頃の娘にとっては目の前で交換されるというのは些か恥ずかしいものもあるのだろう。
アクアは「ハイハイ」と溜息をつきその場を離れる。アクアは多分成人男性だからそこのところ分かってそうではある。話ぶりからして医者か何かだろうか。アイの事……いや、妊婦の事についても詳しかったから産医か何かだろう。
「いやダイヤも向こう行ってよ!なんで自分は例外だって思ってんの!?」
「同じ女なんだから気にするなよ」
「する!めっちゃする!というか百歩譲って同性は良いとしてダイヤはいやだ!絶対に!」
「酷いなぁ」
私はアクアに首根っこ掴まれてその場を離れた。
「ねぇアクア。私の何を警戒してんの?今の私は愛らしい赤子だよ。ほら、アイにソックリ」
「後ろから刺されそうなんじゃないか?実際何度もお前音も無く背後に立ってんじゃねぇか。やめろよそれ」
「前世の癖で」
「何?お前の前世ゾルデ●ック家?」
まぁ同じ様なものだろう。でも本当に苦手なんだよ。音を立てて歩くのって。ノックする時だってものを壊す勢いでやらなきゃ誰も気付いてくれないし。さぁレッツパーティータイムだ!って意気込まなきゃ物音一つ立てられやしない。然し決して空気が薄い訳じゃ無い。それは絶対に。
私達がそう言ってる時、私達のベビーシッターのミヤコさんが何やらブツブツ呟いていた。
「ハァ。なんで私がこんな仕事……。一応私社長夫人じゃないの?美少年と仕事出来ると思ってアイツと結婚したのに!!与えられた仕事は16歳アイドルの子供の世話!?そんで父親不明の片親とか闇すぎんだろぉ!!そもそも私はベビーシッターやりに嫁に来たんじゃねええええ!!」
あぁ育児疲れか。大変だな、望まぬベビーシッターなんて。可哀想に。
「はぁ?ママに尽くせるのは幸福以外の何物でもないでしょ。脳おかしいんじゃない?」
「いや意外と彼女の言っている事に正当性が見受けられる」
「前世の女中さんも同じだったなぁ」
「何お前御令嬢?」
アクアは同情をし、ルビーは疑問を抱き、私は他人事。三者三様の感想を抱きつつ、事の顛末を見届けていた。ミヤコさんは見れば見る程綺麗な人で、なんでこんな綺麗な人が一護社長と結婚したのだろう。あ、美少年と仕事出来ると思ったからか。案外俗っぽいんだな。
「あー……。ていうっこれって不祥事の隠蔽よね。そうだ……文●とかにこのネタ売ったらお金持ちに……?」
あ、これはまずい流れだ。これがバレたらアイどころか私達も路頭に迷うかもしれない。いや絶対に迷う。苺プロダクションもタダでは済まないだろう。告発人が社長の妻という事もあり信憑性は高い。いやはなから事実なのだが。
然しそんなことしたら自身もろくなことにならないというのは少し考えれば分かる筈なのだが、正常な判断は出来ていないのだろう。恐ろしや、育児ノイローゼ。
「うわっやばっ!どうする殺す!?」
「無理だ……体格差がありすぎる」
「再起不能には出来るけれど……クソ!」
「こっちは冗談で言ってるけどもしかしてそっち二人は本気?……あ!どうすんの!あいつ母子手帳めっちゃ撮り始めたけど!」
パシャパシャとフラッシュ音を立てながら母子手帳を撮影している。彼女は本気の様だ。どうするか。こんな小さい体格じゃ本気の大人に勝てやしないぞ。
「二人とも!俺に考えがある」
アクアはそう言い私とルビーの耳元で作戦を教える。——成る程、それだったら出来そうだ。祖父も言っていた。正常な判断が出来ない奴を洗脳するのは容易な事だと。
「ふふ……コレを売ったお金でホストクラブでMOEを……。本担を月間1位に押し上げるのよ……」
「哀れな娘よ。貴様の心の渇きはシャンパンでは癒えぬ……」
「誰!?」
そう言いミヤコさんは此方を振り返る。私達は机の上に座りミヤコさんを見下ろす。側から見れば異様な光景だろう。うん。冷静になって考えれば何やってんだろう、私達。
アクアは必死に言葉を紡ぐ。少し焦っているのか冷や汗がとまっていない。そんなんじゃ嘘だったバレるぞ。
「わ……我は天の使いである。貴様の狼籍……これ以上見過ごす訳にはいかぬ……!」
ビシィっとアクアは指を刺して叫ぶ。
「神の使い……?っていうか赤ちゃんがしゃべっ……嘘だぁ」
どーなってるの?とミヤコさんは全く信じようとしない。まぁ当たり前である。急にそんな事を言われたとてまともな人間なら信じる訳がない。
「貴様の常識だと赤子はしゃべるのか?信じよ」
「いやいや……流石に神とか言われても……うちそういう宗教的なの信じないし……あっ分かった!これドッキリでしょ!アイさんの出る番組でマネージャードッキリとか!あるある!やる事てかかってるなぁ、どこかにカメラあるんでしょ?」
あぁ、そういうのもあるんだな。迂闊だった。
アクアは少し行き詰まった様で、私とルビーは二人目を合わせて頷く。此処迄アクアが頑張ってくれたのだ。バトンパスで私達の番。
「ほらほらルビーちゃん、ダイヤちゃん。机の上に乗っちゃあぶな——」
ルビーは差し出された手を乱暴に振り払う。
これは——。
「慎め。我はアマテラスの化身。貴様らの言う神なるぞ」
空気が一変した。私達の間に緊張が走り、ただルビーの声が淡々と部屋に響き渡る。
「貴様は目先の金に踊らされ天命を投げ出そうとしている」
「天命?」
ミヤコさんは少し信じかけている様で、怯えながら私達遠見上げている。いや、正しくはルビーをか。
「星野アイは芸能の神に選ばれた娘」
そうだったんだ。
「そしてその子等もまた大いなる宿命を持つ三つ子。それらを守護するのが汝の宿命である」
へー。初めて知った。
「貴様の行いは神に背く行為……このままでは汝に天罰が降るであろう」
「天罰……!?天罰ってなんですか!?具体的には!?」
「具体的に?具体的には……」
「死ぬ」
「そう死ぬ!」
「いやぁ!超具体的!!」
具体的か?コレ。私は一体何を見せられているんだ?
然しこのままでは私が出る幕がないな。少し更に具体的な脅しをかけるか。
「汝……斉藤ミヤコと言ったか」
「は、はい。ミヤコです」
今度は私の方に向き直り、姿勢を正す。こう言う時に上層部やら祖父やらの態度を見ていて良かったなと熟思う。
「テレビをつけてみろ。10秒後、汝の様に天命を全うしなかったものの末路が映し出されているであろう」
ミヤコさんは言われた通りにテレビをつける。其処にはなんの変哲も無いただのニュースがやっていた。今は天気予報らしく、美人なお姉さんが棒を持って話していた。
あと5秒。
5、4、3、2、1。
『速報です。東京都某所で男性の遺体が発見されました。警察は事故の可能性を見て捜査を……』
その報道を見て、ミヤコさんはガタガタと震えながら此方を向く。私はにっこりと笑いミヤコを見つめる。
「まだ先祖の顔は見たくは無いだろう?」
「いやァァァァァ!!!!」
ミヤコさんは頭を押さえて蹲る。やべ、やりすぎたか。然もさっきの人関係ないし。ただの多分事故だし。
「私……どうすれば……」
ミヤコさんの言葉に、ルビーは冷静に返す。
「簡単な事……。母と我々の秘密を守る事じゃ。そしてこの子等を可愛がり、言う事を全部聞くのじゃ……」
全部。それはやりすぎではないか。
「さすればイケメン俳優との再婚も夢ではないぞよ」
「マジですか!やります!なんでも言う事聞きます!靴の中敷きでも舐めます!」
チョロすぎんだろ。逆に怖いわ。
ミヤコさんはイケメン俳優との再婚の可能性に気分をよくしたのか、ルンルンで部屋の掃除を開始した。
「これで良かったのかな?」
ルビーは自分で言っていたのにも関わらず少し不安げだ。確かにいずれはバレる嘘だろう。
「どのみち乳児の行動範囲には限界がある。大人の協力は必要だった」
「でも上手くいって良かったね。名演技だったよ。アクア、ルビー」
「どうも。まぁこれで外にも出れるな」
「やった!」
ルビーは手を挙げ大層喜んだ。余程この軟禁状態に息苦しさを覚えていたみたいだ。まぁそれは私もだが。
「然しなかなか迫真の演技だったな、ルビー。どこかで演劇やってたのか?」
「ううん。初めてやった」
「初めて?学校とかで劇とかやんなかったのか?」
「……私ちょっと変わったところで育ったから」
変わった所か。学校にも行けない状態……まともな家庭ではないのは確かだな。けれど虐待でも無さそう。手を挙げた時とか。虐待児特有の怯えは見られなかった。いや、ネグレクトという可能性もあるな。
「ダイヤもお前あれどうしたんだよ。速報だから分かんなかったろ」
「あー……。偶然。私も驚いた」
「マジか。お前本当に神の子なんじゃねぇの?」
「あっはは!それはない!」
私はそう言い別室に移動した。
違う。これは偶然などではない。
事故死が報道される未来が。
成る程、これが私の術式か。然し未来予知でも無さそう。残される可能性は……。
呪霊を食べたらその持ち主の術式を自分のものに出来る……?
成る程、それだったら俄然納得がいく。なんで吸い寄せられる様に食べたのか。それは恐らく赤子の本能ではなく、術式の特性なのだろう。
いやはやマジか。あのゲロ不味いのをこれからも食べなきゃいけないの?超萎えるんですけど。
でも……。
チラリと目をやる。アクアとルビー、そしてアイを守る為にはやらなきゃな。
先ずはそうだなぁ。
呪術師のパイプを作らなければ。