推しの子 in SAGA   作:片倉の推しの子Bです

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ライブパート、アイとの決戦編です。

ノリと勢いで読んでいただけると嬉しいです。


第四話 ノットパーフェクトアイドル in SAGA

 



今回の会場は元々小規模なイベントホールで、ここ数年はご当地マスコットのショーや近所に住む音楽サークルが身内向けにやるコンサートばかりだった。

その為、観に来る客も少なく、普段はまばらにしか人はこない。

しかし、そんな会場に今日はたくさんの人が詰めていた。

 

その中にフランシュシュの最古参ファンと言ってもいい、メタルパンク風なファッションの男二人がいた。



「なんか今日は人が多いとね」

 

「ほんまとね。まさか俺たちみたいにグリーンフェイス・・・じゃなかった。今はフランシュシュだったばい、が目当てじゃなかとね」

 

「俺もそう思ってたんばい。やっけどさっき、七号のことを話してる奴らがおったばい」

 

「七号?確か前の佐賀城でのイベントの時は顔は可愛かったけんど、地味な印象やと思ってたけんな」

 

「それが聴いた限りやと、その後にゲリラライブをして七号がめちゃめちゃ良かったらしいばい」

 

「へぇ〜、そりゃ楽しみけんな。でもこんだけ大勢の人が七号だけ目当てで来たかと思うと、他の子が萎縮しないか心配ばい・・・」

 

「それやけん・・・。でもきっとフランシュシュならなんとかしてくれんばい!俺達は応援するだけとよ!」

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

イベントステージの袖から客席を見る。

 

「あれ・・・?思ったよりも少ないな」

 

動画を撮ってた人もいたから、SNSにあげて拡散させる人もいると思ったけど。

会場には確かにたくさんの人が集まってるけど、私の想定した人数より少なかった。

 

まあさっき会場のスタッフが話してたのを聴く限り、充分普段よりも多いみたいだけど。

 

もうすぐ始まるから、ここからそんなに人が増える事もそんなに期待できない。

 

「ま、いっか。ここにきた人を全員ファンにしちゃえば」

 

司会の人が合図を出したら、私たちの出番だ。

そのままステージの所定の位置に行き、音楽が始まったら歌い出す手筈となっている。

 

「・・・アイちゃん」

 

「いくらちゃん?どうしたの?もう始まるよ?」

 

「私達が勝ったら約束、絶対に守ってけんね・・・!」

 

「・・・それは私よりもステージの上で輝いてから言ってみせてね」

 

そういうと私はステージの上へと歩き出した。

 

 

 

 

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 









生前私がいたアイドルユニット、B小町のことは今でも思い出す。

 

初期メンバーは、高峯、ニノ、ナベ、そして私アイを含めて四人。

結成当時はみんなまだまだダンスも歌も下手っぴで、ちょっとずついろいろな技術を覚えていくのが楽しかった。

 

元々本当の愛を知りたい、他人を愛したいて目的もあって私はアイドル活動に精力的だった。

ファンの皆がどういう笑顔が好きか研究して、角度やポーズをミリ単位で修正して、愛される努力を惜しまなかった。

 

結果はすぐに人気として現れた。

 

B小町のセンターに抜擢されて、ユニットの中で誰よりも早くソロ曲を貰った。

握手会の列はいつも一番長かったし、私のグッズはいつも一番最初に完売した。

 

・・・その頃からかな。私はユニットの中で浮くようになった。

 

元々人の名前を覚えるのが苦手なこともあって、新しくB小町に入った子にはよく嫌われた。

 

化粧品を盗まれたり、私に関するあることないことを噂されたりと嫌がらせもされた。

まあその子達は佐藤社長にすぐ辞めさせられてたけど。

 

私はステージの上でいつも一人だった。

 

勿論実際はユニットの他のメンバーと一緒だったけど。

皆、私の光から隠れるようにステージに立っていた。

 

 

私はファンの皆の事、愛したいと思って活動していたけど、ステージの上での私は他のメンバーから見ればただの目立ちたがり屋に見えたのかもしれない。

 

 

 

だから私は今日も自分一人を輝かせて周りの全てを魅了する。

いつかこの愛も本当になる日を願って。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

「〜♪」

 

 

 

曲が折り返しを迎える。

 

私の視界の端で一生懸命歌って踊る皆が見える。

・・・本当にたくさん練習してきたんだね。

サキちゃんやいくらちゃんは数日前までアイドル未経験だった人とは思えないくらい。

でも駄目だよ。まだ足りない。

もっともっと輝かないと、私は引き摺り下ろせないよ。

 

 

もう会場にいる観客のほとんどが私のファンだ。

私を見た人に私が一番可愛く見える笑顔を向けて、私の虜になるポーズをする。

私に夢中にさせることで、周りで踊っている子への関心を無くしていく。

私だけが輝いて、私だけが立つステージ。

 

前にやったゲリラライブの焼き直し。

もう時期この会場は星野アイの単独ライブになる。

 

それはわかりきった事で。

私は心の中でどこか冷めた目でその景色を眺めていた。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

・・・だめだ。このままじゃまた終わっちゃう・・・!

 

愛ちゃんが教えてくれたダンスも、純子ちゃんが教えてくれた歌も、なんも活かせんままステージを降りる事になる・・・っ

 

それは・・・それだけは駄目やけん!

 

それに私はまだ、皆と立ったステージで感じたあの気持ちもわかっとらん!

 

考えろ・・・考えろさくら!私がまだアイドルであるために!

まだやれる事がきっとあるはずやけん・・・!

 

次の振りは一歩前に出て、腕を上げるポーズ。ここが終わればあとはラスサビだけ!それまでにどやんかしないと・・・!

 

 

 

焦りながら前に出る。

 

 

しかし、足がもつれてしまった私は勢いよく、すっ転んでしまった。

 

 

「ぶべっ」

 

 

勢い余った私は、空中で一回転しながら顔から地面に激突する。

 

傍目から見てもとても痛そうな音が鳴り、一瞬だけ会場の空気が凍りついた。

 

ステージの袖に控えていたスタッフが不安そうに顔を青くしている。

 

だがアイちゃんもみんなもパフォーマンスは止めない。今ここで止めたらこの熱気が冷めてしまうかもしれないから。

 

だから私もすぐに体勢を立て直し、歌に合流しようとする。

 

 

・・・まだだ・・・!まだ終わっとらん!!

 

 

しかし、次の瞬間、私の視界を眩い光が覆い尽くした。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

そこにいたフランシュシュ七号を目当てにやってきた観客は、その光景を一部始終見ていた。

 

ずっと観ていた七号の隣で急に赤い髪のリボンの子がすっ転び、顔から地面に勢いよく激突した。

 

鈍い音が鳴り、思わず七号から目を離してそちらを見る。

 

「だ、大丈夫やけんね・・・?」

 

「ありゃあ痛いやつばい・・・」

 

リボンの子は奇跡的にも無事だったのか、そのまますくっと立ち上がった。

観客が皆一様にほっとする。しかし次の瞬間、再び観客はぎょっとした。

 

リボンの子の身体から急に白い光が発せられたからだ。

 

 

「なんかあの子光ってなかね?」

 

「目の錯覚とな・・・。いや、夢でも見てるんかな・・・」

 

 

周囲がざわつく声がする。

 

発光しだした当の本人も最初は困惑してるように見えたが、すぐにライブに復帰した。

 

何事もなかったかのように歌とダンスに合流する。

その間も発光は止まらず、むしろ強くなっていく。

 

「おいおい、あの子は誰かね!?」

 

「わからん!てかもう光が強過ぎて顔すら見えん!どういう手品使っとるんつか!?」

 

 

ステージの上で誰よりも物理的に光り輝くアイドル。

 

 

それは七号目当てでやってきた観客も含め、会場にあった全ての視線を奪い去っていった。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

私は自分の目を疑っていた。

 

いくらちゃんが痛そうな音と共に転んだと思ったら、急に身体から光を発しながら立ち上がったのだ。

 

・・・確かに私よりも輝いてみなよ?とは言ったけど、本当に身体から光を出して輝くなんて聞いてないんだけど・・・!?

 

 

 

しかも私に魅了されていた観客が、いくらちゃんの放つ眩い光に吸われて視線が奪われていく。

 

私だけを見ていた人達が、物理的に光り輝いているいくらちゃんに釘付けにされていく。

 

自分の知る限りの手練手管で、再度アピールをする。しかし、誰も私の方を見向きもしない。

私がこれまで磨いてきた、アイドルとしてのスキルが、常識が通用しない。

 

そんな光景に、私は。

 

 

 

 

「・・・ぷっ、あははははははっ」

 

 

 

 

何故か思わず吹き出してしまっていた。

 

「あはははっ、だ、駄目っ、なにそれ?ふふふっ、あはっ、あははははは!」

 

 

だ、駄目・・・笑うのが止まらないっ・・・!

てか無理でしょこれは・・・!

な、なんで人が光ってるの・・・!

 

 

 

何年ぶりだろう?アイドルの私が誰にも見向きもされないのは。

いつ以来だろう?ステージの上から観客の横顔を見るのは。

 

 

 

まだライブの途中なのに、アイドルとして作り上げた笑顔が崩れていく。

 

私をこんな顔にしたとうの本人は、自分の身に何が起きたのかわかっていないような顔をして、困惑しながらも歌い続けている。

それがまた、ツボに入って私は曲が終わるまでずっと笑い続けていた。

 

・・・あーあ、これは負けちゃったな。

ステージの上で笑顔を崩されたばかりか、歌うのもやめちゃった。これじゃあアイドル失格だね。

 

でもこんなに惨めなのに、こんなに楽しいなんて気持ち、初めてかも。

 

曲が終わる頃には、困惑していた観客は大歓声を上げながらフランシュシュに大きな拍手をしていた。

 

 

 

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

 

 

 

ライブが終わり、控え室に戻ってくる。

あの後、身体から光を放っていたさくらちゃんは段々と光量が落ちていき、今はもう元通りだ。

 

衣装から普段の私服に着替えた私は、さくらちゃんに声をかけた。

 

「ね、さくらちゃん。さっきの光はどうやってやったの?」

 

「へ?あ、ええ・・・と、正直私もどうしてああなったのかわからんけん・・・。なんかビリっとしたなーと思ったら光ってて・・・」

「ていうか、今アイちゃん、私の事さくらちゃん、て・・・」

 

「ん?さくらちゃん・・・。ふふっ、ホントだ。・・・なーんだ、名前を覚えるの、て簡単な事だったんだ」

 

自分で自分に納得する。

私はきっと、自分は他の人とは違うんだろうな、てどこか心の中で思ってたんだ。

愛が欲しくてアイドルになったら、誰も私に並ぶことができなくて。

それなのに自分は特別ーなんて思ってたら、ステージの上でアイドルである事忘れて普通に笑っちゃって。

 

あーあ、私、まだまだ普通だったんだなあ。

死んでからそんな事に気づけるなんて、夢にも思わなかった。

 

「ねえ、さくらちゃん。私、思ったよりも普通の人だったみたい」

 

「え?う、うーん。アイちゃんはすごい人だと思うとよ?」

 

「ううん、そんな事ないよ。・・・先に外で待ってるね」

 

着替え終えた私はそう言って、控え室から出ていく。

背中にはさくらちゃん含めフランシュシュのメンバーからの視線は感じていたが、今は外の空気が吸いたい気分だった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

外に出るともう夜中だった。

ライブでほてった身体に冷たい夜風が気持ちいい・・・わけはなく、ゾンビなのでそこは何にも感じなかった。

 

・・・あーあ、負けちゃった。まさか本当に身体が輝いて私よりも視線を集める、なんて思いもしなかったな。

 

外に出ると壁に背中からもたれかかる形で巽が待っていた。

 

「巽、もしかしてこうなる、て予想してた?」

 

「・・・さて、な」

 

巽ははぐらかすようにサングラスをずらしただけだった。

一瞬だけ沈黙が夜空を支配する。

 

「ま、どちらにしろ、私の負けだね。フランシュシュの活動に私はもう口出ししない」

 

あーあ、これじゃあ私の願い事も叶えられないや。

多分皆からも嫌われちゃっただろうし、何も手に入らなかったな。

これから先フランシュシュがどうなるかはわからないけど、私の居場所はもう・・・。

 

「・・・お前があいつらを導いてやれ」

 

「え?」

 

「お前がこれまで学んできた技術を、力を、あいつらに教えてアイドルとして鍛えあげろ」

「フランシュシュはまだまだペーペーのアイドルユニットだ。これから先、この佐賀に訪れる激動の時代を生き残るにはまだまだ力が足りない」

「この先、フランシュシュで一番最初に人気が出るのはお前だろう。だから、お前が他のメンバーの実力を底上げし、ひいてはフランシュシュ全体のパフォーマンスをレベルアップさせるのだ」

 

「・・・無理だよ。だって私は、B小町の頃からメンバーから嫌われてたんだよ・・・?こんな事をしたんだからまた皆から嫌われたに決まってる」

 

ぽろぽろと言葉が口から出ていく。

同時に目からは涙も出てきた。

・・・あれ?おかしいな。

 

「やけに弱気だな。いつものお前はどうした?」

 

そうだ、こんなの私じゃない。

どんなつらい事があっても嘘に嘘を重ねてきたのが私だ。考えるよりも先に嘘をついてしまうのが私だったはずだ。

なのに、今は、嘘が出てこない。出てくるのは大粒の涙ばかりだ。

あんな不思議な光景を見たから、私壊れちゃったのかな?

 

 

「・・・アイドルというものは残酷だ。長くても二十代前半までしか許されず、その実態も私生活のほとんどの時間を捧げても、稼げる存在になれるかわからない」

「だが、彼女らはゾンビだ。どれだけ時間が経とうと身体は成長せず、若い姿のまま。しかも全員その性根は死んでも治らない程、諦めが悪いときた」

「そんな奴等がたった一度の失敗を犯した程度で、お前を嫌うと思うか?・・・侮るなよ。奴等はお前が何度拒絶しようと、何度でも手を伸ばす」

 

「それにこれだけ、アイドル向きなゾンビがお前の周りに七人もいるんだぞ?

お前がかつて何を思い、何を考えていたかは知らないが、アイドルとして諦めた夢の一つや二つあっただろう。

なら、その夢を今度こそ一緒に叶えてみせろ」

 

 

私のアイドルとしての夢・・・?嘘でもいいから愛してるを伝え続けて、いつか本当の愛してる、を誰かに伝えられるようにすること?

でもこれは夢、て感じはしない。アイドルになる前の、『星野アイ』としての願いだ。

 

じゃあアイドルとしての夢、てなんだろう?

自分の記憶を振り返る。

私がアイドルにまだなったばかりの頃、初めてユニットを組んだ仲間。

高峯、ニノちゃん、渡辺の顔が思い浮かぶ。

私の人気が出て、センターを独占するようになるまで皆とは仲が良かった。駅前のファーストフード店で共同アカウントのブログを作ったりして、私達はどんなアイドルになるんだろう?て無邪気にお互いの夢を話したっけ。

 

あの時私はなんて言ったんだっけ?

 

思い出そうとより意識を集中させる。

・・・ああ、そうだ。いつか人気になって、私達のファンで満員になった大きな会場で。私、皆と同じステージで一緒に歌いたい、て言ったんだ。

 

今思えば馬鹿な夢だって思う。だってアイドルの世界はとっても厳しくて。メンバーの卒業や解散もざら、アイドルでいられる期限だって短い。どんなに頑張ってもこの夢はきっと叶えられない、て後々わかったから。

 

でも、一度死んで、生き返って、またアイドルになって、またユニットを結成している。

 

なら今度こそ、アイドル『アイ』としての夢を・・・追ってみてもいいのかな。

 

 

「まずは腹を割って話してみろ。お前の本音をあいつらに伝えてみろ。そうすれば、お前もアイドルとして、仲間と切磋琢磨し合える真のユニット活動ができるだろう」

 

「今更そんな都合のいい事、やっていいのかな・・・」

 

「誰に対して後ろめたいのかは知らんがな。今のお前は『アイ』ではなく『フランシュシュ七号』だ。この言葉の意味、よく考えてみるがいい」

 

話は終わりだ、といって巽は私が出てきた控え室の方に向かって歩いていく。

 

でも・・・そうだね。私は星野アイだ。とっても欲張りなアイドル。何かを諦めないと何かが手に入らないなら、両方手に入る方法を見つけるまで諦めないのが私だ。

 

ルビーとアクアに会いたい、て夢も今度こそ仲間と一緒にアイドルをやって大きなステージで歌いたい、て夢も両方叶えちゃいけない、なんてルールもないんだから。

 

こんな簡単な事に気づかないなんて、元々あまり頭は良くなかったけど、死んでもっとバカになっちゃったのかも。

 

「はあ・・・なんかへこむなあ」

 

涙を拭いながら天を仰ぐ。

夜空にはたくさんの星が瞬いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ・・・巽、なんか、目の周りが、引き攣って、きたん、だけど」

 

「ん?・・・てお前、涙流し過ぎて顔がカラカラに乾燥し始めてるじゃろがーい!」

 

「あ・・・なんか、目の前に、ルビーとアクアが、見えてきた、ふふふ、かわいいー・・・」

 

「だーっ、さくらー!さくらー!はよこんかーい!」

 

「は、はい!幸太郎さんどやんした?」

 

「水じゃあ!水をはよもってこんかーい!」

 

「え、ええ?・・・て、アイちゃんの顔すごいカサカサになっとるー!どやんす、どやんすー?!」

 

薄れゆく意識の中で私は巽とさくらちゃんが慌てふためく姿を見ていた。

 

 

 

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 

 

 

 

夜、一人の男の元に一つの動画が届いた。

男の名前は鏑木勝也。フリーの芸能プロデューサーだ。

 

鏑木は携帯で誰かと話している。

 

「ああ、届いたよ。で、これが例の最近佐賀で見つけたやたら顔のいい子?」

 

「・・・いや、まだ見てない。こっちもこっちで忙しくてね。最近お気に入りの子がいるんだけど、これがなかなか曲者でね。まあその分稼げると判断したから投資のしがいもあるんだけど」

 

鏑木は楽しそうに話す。どうやら電話口の相手は仲の良い相手のようだ。

 

「・・・わかった、わかった。お前がそこまでいうならよっぽどなんだな。この後寝る前に動画は観ておくよ。じゃ、おやすみ」

 

鏑木はそういうとスマホを切る。

寝室のベッドまで向かった彼は、スマホのチャットアプリ宛に届いた動画のURLをタップした。

 

「・・・驚いた。これは・・・」

 

それは直撮りの為か、手ブレの多い一分程の動画だった。アイドルらしき女の子達がどこかの広場で歌とダンスを披露している。

そこに映る一人のアイドルを見て鏑木は呟いた。

 

「・・・似ている。あの頃のアイくんに・・・」

 

鏑木の記憶の中にいる一人の少女の顔と見比べる。

 

「しかし、これは使えるな」

 

しばらくその動画を観た後、鏑木はニヤリと笑うとスマホの連絡先一覧を開く。

そこには最近目を掛けている、やたらとアイについて嗅ぎ回っている一人の役者の名前があった。

 




▼ アイ が フランシュシュ の メンバー になった ?▼

アイにアイドルとして勝つのは無理だと判断したのでゾンビならではの方法でアイに勝ちます。

次からはアイ以外の推しの子のキャラもたくさん出ます!

引き続き書いていきますので、たくさんの感想、指摘、お待ちしております!
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