生まれ変わったら後の死王子だった件   作:Another2

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アステールについてかなりの独自解釈と独自設定があります、ご注意ください。

後ついでにちょっとしたアンケートがありますのでご協力くださると幸いで


リエーニエ戦役〜彼方からの来訪者

 突如として重圧が黄金軍とカーリア軍を襲った、その圧力は半端な実力を持つ者を容赦なく潰していき兵士たちが見るも無惨な姿に変わっていく。

 その中で女王レナラは即座に反重力魔術を使用し重力波による重圧を中和を可能とした、ラダゴンは己の膂力のみで耐え凌いでいた、しかし両者共に一瞬でも気を抜けば即座に重圧に屈するだろう。

 

 両者にとってこの出来事は予想外と言える、レナラもここまでの重力波を発生させる魔術を仕掛けた覚えはなくそれはラダゴンも同意だ、強いて言うならこの場に居ないゴッドウィンだが……そもそもの話ゴッドウィンは魔術の存在を知っていても使用はできないので論外、つまりこれをしでかしたのは別の第三者という結論に至るのは両者共にそう時間は掛からなかった。

 

──では一体誰が?

 

 そんな思いが両者の胸の中に走る、カーリア軍の中にも、黄金軍の中にもこのレベルの重力魔術を扱える者は居ない、ましてや自分達にまで届きうる出力ともなればこの狭間の地でも屈指の実力者だろう、そんな思いに耽る両者を他所に虚空が怪しく光る。

 

 眩い光が収まり“ソレ”が姿を現した、ラダゴンはマリカであった頃から換算しても、ゴッドフレイの戦の話を聞いていても“ソレ”の存在は知らなかった。当然だ、何故なら“ソレ”は地上には存在しなかったのだから。

 レナラは驚愕にの表情を隠せずにいた、何故なら“ソレ”は我等魔術師が求めて止まない神秘そのものだったからだ、レナラ自身は見た事はないが長い魔術の歴史上“ソレ”を目視したのは己が知る限りは僅か2名であり両名共に源流の魔術師である、名をアズールとルーサットと言う、その両者が見た神秘が目の前に存在していた。

 

──遥か空から光が降り注いだ、人はそれを星と呼んだ、魔術人はそれを神秘と呼んだ、人は星が落ちてくる空を恐れ慄いた、魔術人は神秘が落ちてくる空に羨望と情景の目を送った、いずれ魔術人は空を神秘の宝庫であると結論付けた、神秘の探究者は遥か空にも生物がいると信じ疑わなかった、結果狭間の地とは別の所で遥か空からの来訪者が現れるのだがそれはまた別の話。

 

 そんな偉大な先人が憧れた代物が今己の目の前にいる、レナラは高ぶる気を抑えながらも冷静に思考を巡らす、何故今ここに姿を現したのか、敵意の程は?かつてアズールとルーサットが“ソレ”を垣間見たと聞き及んでいるが聞きしに勝るとは正にこの事、目の前の“ソレ”が発する桁違いの神秘量に戦慄する。

 

 ラダゴンは魔術の造詣に詳しくない、詳しくないがこれだけは解る、目の前の“コレ”はよくないものだ、排除せねばならないと結論づける。

 そしてそれはレナラとて同じ、幾ら全魔術師が求めて止まない神秘そのものとは言え今の己はカーリアを束ねる者だ、王家に害ある者は等しく誅さなくてはならない。

 斯くして両者の思いは共通した、両者の矛先は目の前の敵に向いたのだ。

 

 “ソレ”がここに姿を現したのは気まぐれであった、本来は地下深くに居着いたとは言えあそこは何も己の家ではない、唯ちょうどいい広さだったので仮住まいとして扱っているだけに過ぎないし大掃除を終えてずっと退屈だったので軽く散歩をしたくなる日もある、唯その程度で地上に姿を晒したのだ、その際に小さな虫達が群がっていたのでちょっと重力を掛けて苦しむ所を一先ずの楽しみとした、小さな虫ケラ達が苦しみ悶える所のなんと愉快な事か。

 “ソレ”は虫が発する苦しむ声が大好きだった、立ち向かってくる奴を握り潰した、恐れ慄く奴を刺し殺した、泣き喚きながら逃げる奴を重力で押し潰した、どれもが心地よい悲鳴をあげてくれた、肉を潰した時の音は中々良かった、だが一番良かった音は虫達が必死に作ったであろう石を積み重ねた物を我が隕石群で破壊し尽くした時だ、あの時の事は今でも覚えている、硬質な物が壊れた時のあの音、それによって生ずる虫達の悲鳴や咽び泣く声が今でも耳に残る。

 

 “ソレ”は人の努力を嘲笑う悪意ある星であり、兼ねては暗黒の落とし子とも呼ばれ遥か空から飛来し彼の地で栄えた都を悉く滅ぼしたまさに災厄と呼ぶに相応しい存在だ。

 “ソレ”の姿は老人のものを思わせる人骨顔、蜻蛉を思わせる羽や蠍を思わせる長々な尾、一対の腕と二対の足のような器官、しかし最も目を引くのは星を思わせる輝かしい球体が連なった胴体だろう、ソレらが一つの生命として成り立たせており確かな神秘性を感じさせている。

 其の名を暗黒の落とし子アステールといいかつて地底都市に破壊と限りを尽くした悪意ある星である。

 

 アステールは潰れ苦しむ虫を楽しみながらも未だ潰れず佇む2匹の小さな虫を見る、何故この小さな虫達はまだ潰れていないのか?何故悲鳴をあげていないのか?アステールの長い生の中でこんな事は初めての事だった、立ち向かってくる奴も、逃げる奴も、己が重力をかけてやれば全部等しく潰れた、しかしこの2匹はどれだけ重圧を強めても微動だにしないのだ、周りの虫達はとうに潰れ赤い水溜りを形成したにも関わらずだ。

 思考の最中光線が飛来しアステールの顔に命中する、大した威力はない、だがその一撃はアステールの思考に衝撃を走らせ重力波が解除される、煙が晴れると同時に頭部に凄まじい衝撃が発生する、赤い虫が己を殴ったのだ、そしてアステールは学習する、“この世には自分の重力を受けても潰れずに寧ろ此方に攻撃してくる虫がいる”と、そしてアステールは認識を改める、“この2匹は簡単に潰れる虫ではない”と果たしてソレは敵としての認識か?否アステールにとっては壊れにくい玩具が二つも手に入った、その程度の認識である。

 

「はぁ…あの同時攻撃を受けて尚無傷か…貴公本気で撃ったのだろうな?痣すら付いてないではないか」

「無論です、貴方こそ本気で叩いたのですか?罅すら入れられないなんて呆れました」

「「……先に貴公(貴方)から殺してやろうか」」

 

 共通の敵を前にしてこの態度は最早清々しさがある、だがアステールはそんな悠長な事を待ってくれない、即座に左腕から星雲を生成する、危険と見た2人は即座に飛び退いた、直後星雲が小爆発を起こす、発生から爆破まで若干のズレがある為にそこまで脅威ではないがそれでも目の前の敵の手札が未知数過ぎる、先程の重力波もある為に2人は警戒を緩めない。

 

「兎に角だ、今は一時休戦として目の前の敵を滅してからだろう、此奴の所為で戦場が滅茶苦茶だ」

「えぇ、一魔術師として目の前のコレの興味は尽きませんが……解剖の類は息の根を止めてからでも遅くはありませんから、その後に隅々まで調べ上げるとしましょう」

 

 両者はそれぞれ武器を構える、見据えるアステールは未だニヤけた顔を変えない、それは慢心か或いは絶対的な上位者として生まれ落ちたが故の余裕か、恐らく後者だろう、目の前の2人は己にとってはちょっと頑丈なだけの虫であり玩具なのだ、どんな風に遊び苦しませるか、どんな悲鳴をあげるだろうか、今まで蹂躙しかしてこなかったアステールの思考はそれだけしかない。

 

 ラダゴンが飛び出す、得物である石槌を振り上げアステール目掛けて振り抜く、しかしアステールの頑丈過ぎる右腕に阻まれてしまう。

 遅れてレナラが魔術を行使する、彗星アズールを除けば輝石魔術の最上位に位置する箒星の効果は薄かった、ならばそれより威力の高い魔術を使うまで、レナラは魔力で生成した大弓を構え矢を構える、後にローレッタと言う人物が名を冠する程の研ぎ澄まされたこの魔術は当然レナラも扱えるその魔術を最大限チャージして行く、この魔術は彗星アズールと同じく溜めが必要な為戦闘にはあまり適していない、しかし今は敵ではあるがラダゴンが前衛を務める形で相手を抑えている故にこの魔術を行使するに至る。

 

 レナラの溜めが完了する、後は放つのみ、狙いはあの頭部だが唯放っても効果は薄いだろう、つまり無防備になった所を撃たねばならない、レナラは待つその瞬間を、心底癪だが今はあの男を信じねばならないのだ、あの男が居なければ己は奴に通せる魔術を行使できない、そんな不甲斐なさを今感じていた。

 ラダゴンはレナラの溜めが完了した事を肌で感じ取る、後は己が隙を作るのみ、今の己の膂力ではこいつの嫌なニヤけ面を歪める事はできない、我が王たるゴッドフレイやその力を引き継いだゴッドウィンなら可能だろう、だが今の己にはそれが無い、元の姿に戻ればそれも可能だがその行いは神託に背く事になる為不可能だ、今の自分では決定打は与えられない、だが衝撃で体勢を逸らす事は可能だ、決定的なダメージは癪だが後ろの女王が成してくれるだろう、故にラダゴンはレナラに火力支援を託したのだ、共に心底癪だろうが。

 

 戦況に動きが見える、アステールがその鋏のような牙でラダゴンを噛み切ろうとする、ラダゴンはその動きを見切り大きく跳躍しそのまま大きく前転、得物の石鎚を両手で構え思い切り振りかぶる、この一撃は初撃のそれを遥かに上回る、更には手から始まり全身の力を込めたその一撃は遠い未来にてかの星砕きの英雄が率いる軍勢が使ったとされる【獅子切り】その原型である。

 ラダゴンが放った獅子切りはアステールの頭部に直撃する、2度目の激しい衝撃、しかも1度目よりも大きい衝撃の為にアステールの体勢が大きく崩れる、直後ラダゴンが飛び退きその瞬間にレナラから魔術が放たれる。

 

 轟音。女王が放った魔力の矢は絶大な威力を誇り大爆発を起こした、先ず間違いなく今打てる最大の一撃だ、しかし悪意ある星、未だ健在。しかしながら無傷では無い、頭骨には罅が入りついには一部が欠けてしまい中身が露わになった、“ソレ”は光沢掛かり、様ながら宝石を彷彿とさせる物だったが確かに眼球だったのだ。

 

──アステールからニヤけ面が消える。

 

 直後不動を保っていたアステールの尾がレナラに向けられた、その速さは弓矢を軽く置き去りにするほどだった、狙いは心臓で貫く狙いだ、レナラは今大魔術を放った為に動けない、そして戦闘が本職では無いが故に反応できなかった、反応できたのはレナラを抱え移動したラダゴンのみであった。

 

 

──アステールの表情は憤怒のソレだ。

 

 尾による素早い攻撃、鞭のように薙ぎ払い、槍のように突き刺してくる、ラダゴンはレナラを抱えながら攻撃を避けるのに精一杯だ、攻撃の勢いが増した、先程の攻撃はアステールの逆鱗を撫でたのだ。

 

──許すまじ、虫の分際で、たかが玩具の分際で、我が身を傷つけようとは‼︎断じて許すまじ‼︎

 

──アステールから、遊びが消えた。

 

「むう……あれでも倒れぬか、だが有効打ではあった、あの眼球に目掛けて先以上の攻撃をすれば奴も地に沈むだろう「…ろせ」──ん?」

「降ろせと言ったのです‼︎それになぜ庇ったのですか‼︎貴方と私は敵同士の筈‼︎あそこで私を庇わずに無視しておけば良かったのに‼︎そうすれば戦争は貴方の勝ちだったでしょう‼︎」

「──そんなことか、私はそんな勝ちを求めない、以前までならそうしていただろうし敵を庇う事もしなかった。だが貴公と私は極短い時とは言え奴を屠る為に手を取り合った、謂わば同志だ、ならば危険が及べば庇う物だ、全く以前まではこんな事はしなかったのだがな、あの若者……ゴッドウィンの影響を受けたのかもしれん」

「ゴッドウィン……あの若者ですか」

「然り、彼奴は変わり者でな、余程の下衆者でない限り敵にも敬意を払い時として手を取り合える奴だ、逆に身内を貶した者はどんな高位な者であろうと暴威を振るう、そんな奴の気高い精神を見て黄金の軍は大きく変わった、一部にはゴッドウィンに命を預けても良いとさえ言う者もいる、恐らく奴はそういう力に長けているのだろうな、故にゴッドウィンも同じ事をするだろうさ、人柄を良く見る」

「そう…ですか」

 

 ラダゴンはレナラの疑問に素直に応える、その間にもアステールの攻撃は激しさを増して行く。

 

「それよりも先程私に浴びせたあの太い魔力流はもう撃てないのか?あの魔術で駄目だった以上、其れしか打つ手が無いと思うが」

「魔力流ではなく彗星アズールと言います、そこを間違えなく。あれは先程の弓の魔術よりも長い溜めが必要ですし、何より放射中は足を止め魔術行使に集中しなければなりません、先の一撃で私の魔術は大きく警戒されているでしょう、さらに突発的な重力波にも警戒しなくてはなりません、そうなれば──「手数が足りない…か」…ッその通りです、手数が足りません」

「奴の気を引くのに1人、奴の攻撃を防ぐのに1人、そして貴公の身を守るのにもう1人…私が気を引くのと防ぐのを兼任するとして後1人足りぬ」

「私も召喚術で身を守れますが…奴の重力波には耐えられないでしょう、やはりここは我々がどうにかするしか…」

「若しくは貴公が魔術で気を引き私があの露わになった眼球に一撃を見舞いするか…だが」

「恐らく生半可な膂力では大したダメージにならないでしょう、必要なのは一点に且つ強力無比な腕力…それこそ噂に聞くゴッドフレイ王しか…」

「なんだ、あるのではないか、物理でどうにかなる方法が「え?」物理でどうにかなるのなら勝てるだろう、幾ら奴が強靭とはいえ不死身では無い、無敵では無い、死ぬまで殴り続ければいつかは死ぬ、それだけ分かれば良い」

「なっ…‼︎思考を放棄してはなりませんよ‼︎何か策を講じなければ──ッ‼︎来ます‼︎避けて‼︎」

 

 言葉に従いラダゴンは大きく回避する、直後先程までいた場所に紫色の光線が放たれる、差し詰め言うなら重力砲だろうか、尻尾の攻撃より早く、音が聞こえた時にはすでに光線が地面を抉っていた。

 

「──ッ‼︎あれの直撃は是非とも避けたいな」

「勿論です」

 

──当たらぬ、尾が、光線が、重力が、我が比類なき攻撃のそのどれもが一切当たらぬ、尾を振るえば虫は容易く貫かれた、光線を放てば虫は息をする間もなく消し炭になった、重力を浴びせれば虫どもは身動き一つできずに潰れていった、我が一挙一動で虫どもは面白いほどに死んでいった。

──にも関わらずだ、幾度も攻撃を繰り出した、幾度も幾度も、なのにこいつらは死ぬどころか悲鳴一つ上げない、面白く無い、楽しく無い、ちっとも楽しく無い‼︎

 

 不快感、アステールはそれを知ることがなかった、これも彼の生では初めての事だったろういつも自分が味わっていたのは人を殺し破壊して時の快感のみ、ずっと甘い蜜を啜り続けてきた彼は想像以上に粘るこの2人に対して極度なまでの不快感を感じていた。

 そして遂に痺れを切らしたのかアステールが鬼札を切る、直後アステールの背後に宇宙が展開された。

 それはかつて太古の都を滅ぼしたとされる隕石群、後に魔術史においてその種族の名を冠する魔術。

──人呼んでアステールメテオである。

 

 圧倒的なまでの暴力群に二人はなす術がなかった、唯只管に躱すしか出来ない、一撃でも喰らえば物言わぬ肉塊と化すのは目に見えている、されど打つ手がないのも事実だ、今はこうして隕石群が止むのを待つしかない。

 隕石群が止まる、時間にして僅か5秒、その間絶えずに隕石は降り注いだのだ、魔術学院前は見るも無惨な地形になりクレーターが数多く形成された、奥の森は最早森と言えず木々の一つも生えていない荒地と化した。

 土煙の中2人はなんとかやり過ごせた事に安堵したが、途端に重圧が襲いかかる、しかも最初の時とは比べ物にならない圧力だ、2人は遂に地面に沈んでしまった。

 

──アステールにニヤけ面が戻った。

 

(不味い不味い不味い‼︎しくじった‼︎さっきより遥かに強い重圧、肉体が潰れてないのは奇跡だ‼︎レナラは咄嗟に反重力魔術を掛けて持ち堪えているがそれは魔術が続けばだ‼︎人の身で発生させれる反重力等目の前のこいつ次第で崩れる‼︎私が動かなくてはならないと言うのに‼︎身体が動かない‼︎)

 

──漸く当たった‼︎最初からこうするのだった‼︎赤い虫は動けない、青い虫は耐えているがちょっと小突けば潰れる。

──青い方から潰そう、そうすれば赤い方はより苦しむだろう。

 

 アステールの思考はどこまでも人を苦しめる事に特化している、この瞬間アステールは如何すればラダゴンがより苦しむかを理解した、そしてまるで見せつけるかのように己の長い尻尾の先をレナラにゆっくりと狙いを定めていく。

 

「おい…待て…止せ、やめろ…殺すならまず私からにしろ…‼︎」

「ッ‼︎…ラダゴン…フフッ本当に馬鹿な人、私はカーリア王家の女王です、敵から身を庇われる程の落ちぶれてはいません、だけど…例え一時であっても貴方と共に戦えて良かった」

(──ッ死ぬ気だ‼︎起き上がるのだ‼︎起き上がって奴の気を逸らすのだ‼︎そうしなければ彼女が死んでしまう‼︎)

「…ヌグッアアアア‼︎死なせるものか‼︎断じて死なせてたまるものか‼︎」

 

──あぁ‼︎これだ‼︎コレを見たかったのだ‼︎虫は不可解な事に他人が死ぬ間際になぜか己も尚苦しめよう叫び散らす‼︎そんな事で力が入るわけでもないのに‼︎愉快だ‼︎心底愉快だ‼︎

 

 アステールは喜面をより深めている、まるでゲラゲラと嘲るように、何処までも人の苦労を嘲笑う事に特化している生粋の純粋悪、その尻尾がレナラ目掛けて発射され遂にレナラの身体を貫く──事はなかった。

 

「え…」

「なっ…」

 

 アステールの尻尾は突如現れた何者かによって弾かれた、アステールの薄汚れた思考が停止する、何が起こったのか彼自身理解できていなかった、そしてそんなデカブツの無様な隙を──。

 

黄金の英雄は見逃さない。

 

 突如アステールを襲う理解外の膂力の一撃、それによりアステールは大きく仰け反る事になる、それはアステールの停止していた思考を再起動させるには十分であり、瞬間2人を襲っていた重力波を止めるに至る。

 

「さてさて…いまいち状況が読み込め無いが…お前が敵でいいのだな?」

 

ゴッドウィン、参戦──。




アステールの乱入とゴッドウィンの戦線復帰を詰め込んだらだいぶ長くなった…

後書き方を少し変えてみました、と言うのも空白行を追加しただけなんですけども。その件でのアンケートです。

今回の書き方と前回までの書き方、が読みやすかったでしょうか

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