拝啓私が元いた世界の両親へ、お元気でしょうか?そちらの季節時間等今の私に知る由も有りませんが、身体の健康にはお気をつけください、そして先立つ息子の親不孝をどうかお許しくださいませ、生前に悪行を成した覚えはありませんし特に善行も積んだ覚えもありません、なのに私は第二の人生を歩んでおります、しかし場所は日本では無い、それどころが現代ですらない、修羅の国と言っても過言ではない場所で私は生きております、此方でも私はなんとか生きていきますのでどうか其方は健康に過ごしてくださいませ、親不孝者の息子兼ゴッドウィンより。
前置きはこれくらいで良いだろう、我が脳内で生成した元両親達への手向けの言手紙も済んだ、やる意味こそないのだがこう言うのは形式上だけでもしっかりしておかねば。
さてそんな私だがあれから数年の年を経た、生まれ落ちて2〜3年と言った所だろう、今や私の体躯は150〜155cm、体重は…凡そ65kgと言った所だろう。
やはり成長速度が異常だ、ちなみに言っておくが肥満ではない、寧ろ筋肉質だ、いかんせん鍛錬方面では我が父という超スパルタ教師がいるのでな、自然と筋肉がつき始める、筋肉質とは言うが某漫画にて登場する地上最自由な男の様な過剰な筋肉ではない、あれは燃費が悪すぎるし、何より動きにくいだろう、強いて言うのであれば、某漫画の鞭のような刀を使う桃色頭髪のあの女性タイプの筋肉のつき方と言っていい、いや戦闘をする際においてあの体質がどれだけ凄まじいのか身をもって体験した、シンプルに羨ましい。
というかこの年でこの背丈ってもはやあれだろう、あの世界的な海賊漫画の世界の住民並の背丈になるんじゃないだろうな、後の星砕きと背丈で並ぶ可能性があるのか…いや、この世界では私が先に生まれているので彼方が後追いだ、ウム。
などと思案してると顔に良い一撃が見舞われる、油断大敵とはこの事だ、察しの通り今私は父と鍛錬をしている、と言うよりかは父としか鍛錬が成立しない、偶に昂ってお互い全力の戦闘になりかけるのだが、まぁそれはご愛嬌だ、あの手合わせ以来兵士達からは怪物を見るかの様な目を送られているのよな、失礼な事だ、私以上に人間らしく生きている人間もそういないだろうに。
さて本日の鍛錬を終えた所で飯を食わねば、例の亀老師に習うわけではないが、よく食べて、よく動き、よく休む、そうすれば自然と体は出来上がるものだ。
因みにこの世界での飯は基本的に仕留めた動物の肉を焼いた物になる、牛や豚と違い動物本来の味が出てこれがまぁ美味い、ただやはり元日本人としては米と野菜が恋しい…のだがそれを育てる畑を耕す知識もノウハウもない、そもそも畑を耕す場所がかなり少ないのだ、というのも動物はともかく陸ほやや陸タコ、カニやエビとか明らかに通常の生息領域から離れた生き物達や飛竜や巨人と言った神話に出てくるような生物達が跋扈するのがこの世界だ、作物なぞ育てている余裕はない、悲しい事だが。
とまぁこんな生活を2、3年も続けていたのだから成長補正と合わさりぐんぐんと私の体は成長したというわけだ、因みに乳離れはかなり早かった、というか片手で数えれるぐらいしか飲んで無いはず、まぁあんまり美味しくないし何より羞恥心が勝るのでもう遠慮願いたいが……
そう言えば父、ゴッドフレイとは毎日の様に顔を合わせるが母であるマリカとはそこまで顔を合わせた事はない、王妃としての執務で忙しいのだろうか、まぁ父は執務室に向かい仕事をするというよりかは戦場に向かい嬉々往来として暴れる方が好みだろうが、ふと父に母は普段何をしているのかと尋ねてみたら。
「お前の母はこの国の女王であると同時に神託を得る巫女でもあるのだ、故に表向きは俺が立ちマリカは神託を受ける形式でこの国は運用されている」
……マジか、ならもう実質神の傀儡国家ということではないか、と言うか神託を授ける神って“アレ”だよな、確実に遥か空の彼方にいるとされる“アレ”だよな。
ともすれば例の害獣は既に根付いているとみて良いだろう、うぅむ、まだ私が“1人目”であるからまだ時間の余裕はあるだろうが、あまり悠長に出来んな…恐らく放っておいても運命を動かす定めにある褪せ人が害獣を討伐するのだろうが……事を知っている私が、しかも既に当事者になりつつある私が全ての出来事から目を背けるわけにはいかんだろう。
いやまぁ国民の為〜だとかこの世に平穏を〜だとかそんな綺麗事を吐く気は毛頭ない、純粋に私の人生の邪魔でしかないのだ、なぜ私が顔も名前も知らぬ完全な他人の為に身を削らねばならんのだ、巨人の歩幅で百歩譲ったとしてまぁ、この地の平穏ぐらいは願ってやらんくはない、何せ私が住む世界だからな、だが見知らぬ隣人にまで気を配れるほど私は聖人君子ではないのだよ、私は私自身の人生の為に動きたいのだ、他人の、ましてや姿形すら見せぬ神々の為なんぞに使ってやるものか、願い下げだ。
ともすれば私は更に強くならねばならん、いかんせんこの世で自己を貫くのならばやはり武力にしろ魔法にしろ己が実力をもって押し通すほかない、飯を食い終わったら再び鍛錬を再開せねば……
「ム、強くなるが故に鍛錬に勤しむのは感心するが、今日だけは控えておけ」
むむ、何故だ父よ、私は一刻も早く強くならねば──。
「何せ今日からお前は兄になるのだからな、下の子の誕生には立ち会わねばなるまいて」
…は?
一気に加速させました、修行編を一々描写してたらキリないですし成りウィン君が余りにも無趣味(時代が悪い)なので、忌み子兄弟に早め早めに産まれてもらいました、因みに成りウィンと忌み子兄弟が2歳差なのはこの世界だけです、原作でそうとは限らないですしね。
後原作で深く言及されてないので深く分かりませんが本人達の雰囲気からモーゴットが兄、モーグが弟とさせていただきます、つまりこういう事(長兄:成りウィン、次男:モーゴット、三男:モーグ)
因みにゴドリックも一応血縁関係にあるんですけど成りウィン的にはそこまで重視してないです、ほぼ他所様ですので。