“忌み子”、そして“呪い子”。
其れは狭間の地において最も忌み嫌われる物であり黄金樹の祝福から外された呪われた生き物、それがかつてのこの地での“普通の反応”だ、しかし今の狭間の地は極一部ではあるが忌み子の存在を受け入れられる様になってきている、その時代背景にはやはり黄金の英雄の存在が大きいだろう。
さりとて最初から受け入れられた訳ではない、寧ろ黄金の英雄に批判的な声が出てきていた始末だ、だが黄金の英雄はその批判する声を己の功績で全て打ち消していった、彼の赤髪の英雄と共にカーリア王家と友誼を誓い黄金の勢力とカーリアの勢力の仲を取り持った。
だが一番に語らねばならない事は古竜をはじめとした竜勢力を一掃したことが大きいだろう、“古竜戦役”での活躍は今や狭間の地全域に語られる程だ。
他にもあるがこの2つが特に大きな要因となり忌み子や呪い子を庇い立てする黄金の英雄を異端とする声は次第に消えていった。
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我が兄は私にとって誇りであり心から尊敬に値する人物だった。
私と同じく忌み子として生まれたモーグは生まれた時から周りからの視線に嫌気がさしており全身を包む様な衣類を羽織り身を包み生活する日々だ、同い年の子供からは石を投げられ大人からは気味が悪いと罵詈雑言を飛ばされる始末。
私はなんとも思ってはいないが弟のモーグは違う、弟に石が当たり出血してしまうが其れが良くない、弟の血は炎血なのだ、血が飛び散ったところから燃え広がっていく、其れを見てさらに暴行は過激さを増す。
正直に言うと何度こいつ等を殺してやろうかと思った程だ、だが私が行動を起こすより先に我が兄、ゴッドウィンが子供大人諸共その力でねじ伏せていた、モーグはそれを見て目をきらびやかにして見ているのだが正直手が出るのが早すぎないかとも思う、そしてことが終わった時に我等の元に駆け寄り心配そうな顔をしては“大丈夫か?”と尋ねるのだ。
私はその度に己の無力さを恨んだ、私がもっと強ければ、兄にも、弟にも迷惑をかけなかっただろうに、だが私には兄や父程の天賦の才はない。
だが其れを強くならない理由にする気はなかった、死ぬ気で鍛錬したとも、確かに強くなってはある、だが強くなる度に兄との歴然とした差に打ちひしがれる、まるで頂点が見えぬ壁の様でもあった、さりとて私が絶望せずに鍛錬を続けれたのはあの時の兄の言葉において他ならない。
「モーゴット、モーグ、お前達は他の人間達と違う、其れを他の奴らは呪いだと忌み子だと宣うが私はそうは思わない、奴らは無知だ、無知故に己の理解の外にあるものを廃絶しようとする、彼の地に漂う悪習だ。人間にしろそうじゃないにしろ我々は同じ命を持つ生物だ、そこに黄金樹の祝福など無い、我々は皆同じ祝福を持って生まれてきた命だ、だからこそお前達、
正直、兄は口はそこまで上手くはないのだろうとは思う、だがそれでも、私は兄のその言葉に救われていたのだ。
だからこそ他のデミゴッド達も兄の言葉を正しいと信じたし誰もが兄を慕ったのだろう、モーグ、ライカード、ラニ、奴らは兄の為に裏で動いているのだと言う、ラダーンはマレニアの
あの件はマレニアが意図的に暴走させたと言う噂が広がっているが私はそうは思わない、マレニアの腐敗には兄がきっちり対策を取っていたのだ、其れを掻い潜って暴走させた者がいる、そしてその罪を全てマレニアに被せ自分達は安全圏から高みの見物ときた。
正直な所私が直接出向いて捻り潰してやりたい所なのだが、私も私でここの守りを離れるわけにはいかぬ、兄曰く黄金樹に居着くソレの監視をしていなくてはならない、厳重な封印とはいえ無防備で良いわけがない、兄が言うにはこの地に根付いた定められた運命を破壊する者がいずれ現れると言う、恐らくその者はラダーンが止めた星の運命も動かすのだろう、だからこそ私は待ち続ける、
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俺にとって兄は2人いる、1人は頭が硬く、少しばかり融通が利かない双子の兄モーゴット、そして俺達デミゴッドの頂点に立つ(本人は断固として認めない)黄金の英雄のゴッドウィンだ。
モーゴットは頑なに兄と呼ぶ様に言うのだが本人は名前呼びで良いと言っているのだからそうするべきだと思う、その方が兄弟間での壁がなくなって良いと思うのだがモーゴットときたら“家族の兄弟間にも序列があるのだから其れに従うべき”と言って聞かない、全く我が兄ながらモーゴットの頭の硬さには手を焼かされる。*1
だがその頭の周りの良さには助けられているのでなにも言えない、だが俺が最も助けられたと思うのはゴッドウィンが忌み子や呪い子の差別を払拭してくれた事だ、未だ多少の偏見はあるにせよ昔はかなり酷かった、聞いた話だが昔は忌み子、呪い子というだけで即処断されていた事例があったらしい、ゴッドウィンがその辺りの改革をしてくれていなければ俺たちは勿論ミケラとマレニア達も処断されていたに違いない。
血筋違いだが向こうのデミゴッド達もゴッドウィンに恩があるらしく、正しく全デミゴッドの恩人なのだ、尤もその事を忘れ、己がない物を求めただただ他人から力を搾取する継ぎ木の小僧は何れ消さねばならんのだがアレでも大ルーンに見舞われたデミゴッドの1人だ、非常に不本意だが他の奴らも継ぎ木の奴には目もくれてないようだし、何より奴があの様に振る舞うので俺達は色々と備えれる。
奴はいずれ消されるだろうがその時は恐らくゴッドウィンが度々言っていた“定められた運命を破壊する者”だろう、ならばそいつの踏み台にしてやれば良い、俺の部下であるヴァレーにその様にけしかける様伝えてある、もし継ぎ木に負ける程度であればそいつは例の者ではない、倒せたのならこちらにも利がある。
だが一つ懸念点があるとするならばあの百耳小僧が率いる円卓と言われる組織達だ、際立って動きこそ見せないが其れでも奴らも大ルーンを求めているのは分かっている、奴らはエルデの王の座を欲しているのだ、哀れなものだ、今やエルデの王の座等何の意味を持たぬというのに。
哀れと言えばミケラとマレニアの兄妹だ、破砕戦争の時に起こった腐敗の暴走、あれは間違いなく外からの干渉があった、当時のラダーンの奇策によって狭間の地が腐敗に沈む事はなかったが其れでもケイリッドはダメだった、当時のマレニアは自分が起こした悲劇を知り発狂し、何度も自害しかけた、あの娘は武術こそラダーンに匹敵するものがあるがその中身は誰よりも幼いのだ。
ミケラが“魅了”の権能を用いて落ち着かせた様ではあるのだが其れでも情緒不安定なのに変わりはない、今マレニアに必要なのは今は亡きゴッドウィンの存在だ、マレニアは今もゴッドウィンが授けた例の針を刺して安置されていると聞くが今聖樹は全てを拒んでいる、ミケラがそうさせているのだ、だが其れもいつまで待つか…今やこの地に希望も祝福もない、あるとすればゴッドウィンが残した予言が一つ。
この地は何れ黄金の祝福が届かぬ混沌に塗れる、されどもいつの日かこの地に根付いた運命を背負い、そしてその定められた運命を解き放ち、破壊する者が現れる、その時こそ彼の地は真の黄金の祝福に満たされるだろう
誰もが疑念視した、されど誰もが否定しなかった、其れは一重にゴッドウィンがその人生で成し遂げた偉業の数々の故だ、だからこそ俺達は予言の時までに備えておくと誓ったのだ、たとえ俺たちが全滅したとしてもこの地が救われるのであれば、其れで良いのだ。
Q 原作よりハードな世界?
A そんな事はない、ルート次第じゃデミゴッド達と協力できるけど円卓とは敵対するぞ
Q なら原作より緩い?
A そんな事はない、ルート次第ではマジギレデミゴッド達と戦闘だぞ、勿論ラニ様も敵対するぞ、でも円卓勢とは協力出来るぞ