なにかしら勝手に物事が進んでいるということはないだろうか、俺はある。
というか今の状況がそれだ。
とりあえず今の状況を急ぎ足で伝えるぜ! 俺は死んだらしい、そして転生した! イエーイ転生だ〜
……済まない取り乱した。
だが俺は珍棒を何処かに落としたようだ。
えっ! 俺、女の子っすか……そっすか……
なんだかんだ6年経った俺は無事小学生になりました。容姿はけっこういい方だと思っている。
まあ胸は小学生だもの……仕方ない。
ここで唐突な名前発表の時間だ!
「わたし。ごとう へる、ごさい。みんなよろしく」
入学したての一年生がすることといえば、そう!
自己紹介だ。
そして『
え! べつに悲惨じゃない? むしろ面白いって?
袙瑠は激怒した。かの邪 etc.
以下中略。
周りがグループを作り始めている今、俺はなんと奇跡的に友達が一人できた。
ん? さてはお前コミュ障なのかって?
そうだよ。なにか悪いかこの野郎。人の目を見て話すことができないが? なにか?
「へるちゃん! なにしてあそぶ?」
おっと紹介がまだったな、この天使の様な子は
『
「じゃあ、ちゃんばらしよう」
「う…うん」
何故かひかれた様な気がするが、この後は特に何もなかったので、5年後までダイジェストでお送りしよう。
一年目、阿鳥が振られる。計7回。
二年目、阿鳥新しい恋をした後……振られる。計4回。
三年目、相手がヤンデレだった、何故か俺が殺されかけた。
以下同文。
結論、阿鳥 恋多き者なり。
信じられるか? こいつまだ小学生なんだぜ、ませ過ぎだろ。
ていうか振られすぎだろ。それ以外はやべぇ奴しか居ねえ、やばいなこいつ。やべぇ(語彙力消失)。
こいつの見た目は、きれいな白銀の髪に宝石を閉じ込めたかのようなエメラルドグリーンの瞳。
極めつけはデカい。どこがとは言わないがとにかくデカい。
容姿はいいんだ。容姿はいいんだが性格が終わってるんだよな。一言でいってクズなんだよ。
まあ俺はいつの間にか親友と堂々と言えるようになっていた。
いわゆる悪友というやつだ。
いろいろな(何度もこいつの彼氏彼女に、殺されかけた)ことがあったが、まあ仲良くなった。
おい、誰だ今チョロいとか言ったやつ。表出ろ。
「明日、駅前集合ね!」
「わかった」
重要なのは俺が皆が見ていないうち親友と呼べる中にまで進展していたことだ。
ん? その場面を見せろって? そんなのメンd……ゲフンゲフン。
今なにか言ってたか? ……明日駅前集合か、ありがとう。
翌日特に問題なく合流できた……ナンパは来なかった。
やっぱり胸なのか。
「おまたせ〜まった?」
「ううん、待ってないよ。じゃあ、行こうか」
これが必殺! イケメンムーブ(本人は本気でイケメンムーブだと思っている)。
─────────────────────────
私の名前は六市 阿鳥。私には今、好きな人がいる。
その人は夜空から星々を抜いたような、全く光を反射しない黒髪を伸ばして。一切の人が映らない赤鼠色の眼。そんな、他人に興味のない人。
それは友達の袙瑠ちゃん。
でも袙瑠ちゃんの眼に私はたしかに映っている。だって袙瑠ちゃんは私が振られて落ち込んでいるときも一緒に居てくれたし。
私を助けてくれたりもした(ヤンデレに殺されかけたときのこと)。
私が好きになるのも当然の帰結だった。
そんなわけで今日、私は袙瑠ちゃんをデートに誘った(袙瑠本人はデートなんて頭の片隅にもない模様)。
「明日、駅前集合ね!」
「わかった」
私は明日袙瑠ちゃんに
私だって反省をする。私は今までたくさん振られて来たんだもん。
だから私は袙瑠ちゃんにだけは振られたくないって思ったから。
だから惚れ薬を使おうと思った。
袙瑠ちゃんにだったら乱暴されてもいいって思えたから(ヤンデレのときの経験則)。
デート当日、私と袙瑠ちゃんはいっしょに映画を見たり公園でぶらぶらしたりしたあと。とある喫茶店でお昼を取ることにした(もちろん私の仕込みだけど)。
雰囲気のある人が少ない喫茶店を選んだ。
ここでならバレずに薬を飲ませることができるから。
「私は、ブラックで」
「じゃあ、私もそれで!」
なに? 悪い? 好きな人と同じものが飲みたいとかよくあることでしょ。
それよりも……
「ごめん…私、ちょっと席外すね」
「?……あぁ、行ってらしゃい」
私はトイレに行くふりをして厨房に入る。理由が必要ならお金を払った。それだけ。
そして私はコーヒーに惚れ薬を混ぜた後に袙瑠ちゃんの待つ席に戻った――
─────────────────────────
やあ、みんな俺だ。俺俺。実は俺、人轢いちゃって。……こんな冗談は置いといて。
俺は今すごーく困っている。
カッコつけてコーヒーなんて頼むんじゃなかった。
今、すっごい後悔してる。
「ごめん……私、ちょっと席外すね。」
「?……あぁ、(トイレか)行ってらしゃい。」
どうしよう、なんか理由でっち上げて帰ろうかな?
「ごめーん、まった?」
「いいや、待ってないよ。そういえば今日、用事あったから帰るね」
帰ることにした。仕方ないじゃん! カッコつけたのに飲めないとか、クソダサいじゃん!
「ちょ、ちょっと待って!」
止めてくれるな友よ。俺は俺の尊厳の為に帰るのだ。
「せっせめて一杯ぐらい飲んでったら?」
「じゃあ、持ち帰ろうかな?」
名案だな! いや冷静に考えたらなに言ってんだ、俺。
「だったらこの瓶に入れとくね!」
そう言って阿鳥が取り出したのは小瓶だった。なんかおしゃれだな〜とかアホな事を考えている間に、阿鳥は小瓶にコーヒーを移し替え終わっていた。
「はい、これ!」
「ありがと」
ここのコーヒーはそんなにも美味しいのだろうか?
「じゃあ、また今度」
「うん! またね!」
〜帰り道〜
そういえば俺、最近鏡見る度に思うことがあるんだよ。
いや、現実逃避はもうやめよう。俺が転生したのはよりによって“クソゲーというかクズゲーだろコレww”とか言われた。
hobby worldの隠しヒロインに転生とかふざけんなよ!(情緒不安定)。
あの暴力主人公に攻略されるかもしれないとか、どんな罰ゲームだよ!
ん? なにをそんなに取り乱しているのかって? そうだな、説明しようか。
hobby worldは3Dアクションとギャルゲーの融合という売り文句で発売前に多くの、ヲタクの心を掴んだゲームだ。
だが蓋を開けてみれば特殊スキルを解放しないとサブヒロインのルートに進めないというクソな仕様。(救いはハーレムエンドがあるということだけ)
さらにこのゲームがクズゲーと呼ばれる原因は主人公が大体のことを暴力で解決しようするからだ。
「行かせてくれ!」
周りがうるさいおかげで、少し落ち着てきた。
隠しヒロインに転生したなら、やることは一つ。
それは攻略一歩手前で逃げる! 何故かというとだな。
隠しヒロイン後藤 袙瑠のシナリオは世界の真実を暴き駆け落ちする。というものだからだ。俺、頭が良いな。
そうと決まったら帰って特訓だ!(頭が悪いようだ)。
それよりも本当にうるさいな。なにかあったのか?
「あっちで火事があったんだって」
「マジうける~」
家に帰ると母が開口一番に阿鳥が死んだと言った。
「え……」
何故だ? どうして? ナニを言っているんだ? そんなわけがない。有り得てはいけない。ありえない。
残念な話よねと母が言う、そうだなと父が肯定する。
失望ものだ、俺の両親はこんなにも薄情な人間だったのか。
葬式が行われる。誰も泣かない。誰も彼もが彼女の死をまるで機械のようにただ淡々と悲しんでいる。
そこに感情なんてない。彼女の両親すらもそうだ。
そこでようやく俺はこの世界の異質さに本当の意味で気付いた。
プロローグですからトチ狂ってるやつはまだいないのです。
ちなみに分岐点はカッコつけてコーヒー頼むかどうかです。
狼の名前どれが良いんでしょうか?
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玄狼(くろう)
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