月と夕刻の少年の褪せぬ誇りに差す残光   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第1話 友希那の思惑

ライブ終了後の帰り道にて。

 

「なんだか妙な事になってしまいましたね」

「はい……」

 

紗夜の言葉にあこが頷く。実は今回のRoseliaのライブを巴達に見に来てくれと言ったのは、あこだからだ。

 

「友希那がいけないんだよー? せっかくアタシ達が誤解を解こうとしてたのに」

 

リサもどうしてこうなったとばかりの表情だった。

 

「あの……友希那さん。なぜ美竹さんからの……申し出を……受けたんですか?」

「…仮に蘭ちゃんに話すのは難しそうでも、モカちゃん達もいたでしょ? それは友希那ちゃんも分かってる筈でしょ?」

「そうですね。私達の説明を遮ってまで、あの勝負を受けるだなんて。少し湊さんらしくなかったと思います」

 

燐子、悠里、紗夜がそれぞれ言う。

 

「それは……()()()()だと思ったからよ」

「いい機会?」

 

3人の質問に『いい機会だと思った』からだと友希那は答える。あこが首を傾げながら聞き返す。

 

「ええ。私達は今まで、相手が誰であろうと自分達の音だけを見つめてライブに挑んできた」

 

もちろんそれが悪いとは言わないわ。と言いながらも友希那は言葉を続ける。

 

「自分自身の音を信じ、向き合う事はとても大事よ。でも本当に、それだけでいいのかしら?」

「それだけで、とは? どういう意味ですか?」

 

意味が解ってない紗夜が聞き返す。

 

「私達は頂点を目指している。いえ頂点を探している状態よ。だったら同じ事をばかりを繰り返していても意味はないんじゃないかしら」

 

頂点とは一体なんなのか?

それを掴む可能性が少しでもあるのなら、なんであれやるべきだと、そう思ったからだと友希那は話す。

 

「なるほど。Roseliaには新たな挑戦が必要、という事ですね」

「その通りよ。まさか2マンライブになるとは思ってもみなかったけれど」

 

それを聞いて納得した紗夜。そして友希那もまさか2マンライブになるとは、思ってもみなかったが。

 

「なるほどー。でもさ、それならわざわざAfterglowと喧嘩みたいな事までする必要なくない?」

「…そうとも言えなくなくて、これがベストなんだよ。Afterglowのみんなは、より強くRoseliaを意識してる筈だし」

 

リサの疑問に答えたのは悠里だった。それにと続き……

 

「友希那ちゃん達を負かそうと必死になる、……んで、そんなAfterglowを超える為にこっちも必死になる。それに意味があるってところでしょ、友希那ちゃん?」

「そういう事よ」

 

悠里の説明にリサも納得はしたようだ。

 

「確かに、常に限界を超えるつもりで挑まなければ頂点もまた夢のまた夢ですね。少しやり方は強引だった気がしますが、私は賛成です」

 

バンドに懸ける熱意が中途半端な相手では、結果も半端なものになってしまうでしょうからと答える紗夜。彼女らしい意見だ。

 

「えーっと、つまり……Roseliaがもっと強くなる為にわざとAfterglowにぶつかってみよう、ってこと……?」

「うん……レベルアップの為に、経験値稼ぎをしないとって……そういう事だと、思う……」

 

あこの疑問を燐子が補足説明する。

 

「でも、対バン相手を意識かー。そんなこと、突然言われてもなー」

「今まではずっと……自分達の音楽だけを見つめてやって……きましたから……」

「視野が広がったと言うべきでしょうか。以前の私達には、気づく余裕がなかった部分なのかもしれません」

 

リサ、燐子、紗夜が言う。確かに気づく余裕はなかったかもしれない。

 

「それから……美竹さんに確かめたい事があるの」

「蘭ちゃんに? ですか?」

 

どうやら友希那は蘭に確かめたい事があるそうだ。何か気になる事でもあるのだろうか?

 

「ええ。時々だけど、私に対して意地を張るような態度をとる気がしているの。私の事を嫌っているのとは、少し違う気がする」

 

蘭が友希那を嫌っているのとは、違う気がするのは確かだが、それがどういう事なのかが友希那には分からないとの事。

 

「美竹さんの言う勝負を受ければ彼女の事も、少しは分かると思ったのだけれど」

「……そういう事ね。とりあえず納得したよ」

 

悠里も点と点が繋がった感じで、友希那がその理由を知りたくて、蘭の勝負を受けたというのも納得できた。……やり方が些か強引だったのは納得してないが。

 

「そっかそっか。でも1番の理由は、Roseliaのレベルアップの為って事だよね。ならアタシは反対する理由はないよ!」

「はい。わたしも……その理由なら、賛成……です」

「あこもでーす!」

「成長の為の挑戦なら、当然異論はありません」

 

他の4人も納得してくれたようだ。

 

「それじゃあ本格的にどっちがよりお客さんを盛り上げられるかの勝負だね!」

「やるからには当然、負けるつもりはないわ。全力でやりましょう」

 

リサと友希那がそう言った時……

 

「…そうしてもらわないと僕も困る。先に言っておくけど、()()()()()になっても全力でやってね?」

 

真剣な表情しながら悠里が5人に向かってそう言った。

 

「あこ、頑張るよー! おねーちゃんやナナ(にい)を驚かせるぞー!」

「それは良い心がけだね。()()()()頑張ろうね、燐子ちゃん?」

「え? うん……(ゆうりくんの……今の言い方……『お互いに』って、どういう意味なんだろう……?)」

「(さっきの悠里さんの『お互いに』という言い方……なんか引っかかるわね。私の気のせいかしら?)」

「(悠里、いつになく真剣だなー。あれ? でも……『お互いに』?)」

「(悠里の『どんな状況でも』は、なんとなく理解できるけど……『お互いに』という意味が分からないわ……)」

 

あこは悠里が言った意味を理解できてないようだったが、他の4人は彼の言葉に違和感を感じたのだった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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