前回の続きになります。
それではどうぞ。
「ただいま~」
「お帰り、あこ。あー……遅かったな」
「おねーちゃん。うん。みんなで少し話してたから」
自宅に着いたあこ。ちょうど巴が出迎えてくれた。しかし姉はどこか気まずそうな感じがした。
「そっか……なあ、あこ。帰ってすぐで悪いんだけど、これからアタシの部屋これるか? ちょっと話があるんだ」
「え? う、うん。分かった。荷物を置いたらすぐ行くね!」
話とはなんだろう?と思ったあこだが、とりあえず部屋に荷物を置いてから行くと巴に伝えた。
◇
「お、お邪魔しま~す」
「あははは、何律儀に挨拶なんかしてんだよ」
姉の部屋に入るなり何故か挨拶するあこに、いつも自由に出入りしてるだろー?と笑いながら返す巴。未だに遠慮してるあこを見て、こっちにおいでと促す。
「(思ったよりも平気みたいだけど、おねーちゃんはまだRoseliaがAfterglowを下だと思ってるって勘違いしたままなんだよね)」
あこは巴と喧嘩なんてしたくない。かと言って、どうにか誤解を解き、自身の気持ちを伝えたいのもまた事実。
「おねーちゃん、あのね。さっきはその……」
「あこ、さっきはごめんな」
「え? どうしておねーちゃんが謝るの?」
何故か巴が謝ったのだ。突然の事に驚くあこ。
「さっきのはどういう事なんだーって、怒ったり……しないの……?」
「しないしない!」
CiRCLEで話聞いてた時は確かにちょっとムカっときたけどなと付け足す。
「アタシもアタシなりに考えてみたんだよ。さっきのCiRCLEでの事。詳しい事は全然わかんないだけどさ、きっと湊さんにも、考えてる事があったんだろ?」
だから、あこにちゃんと訊きたいんだと巴は言う。
「おねーちゃん……うん。うんっ……!」
怒ってるわけでもない事が分かったあこは、こうなった経緯を説明する事に。
◇
「つまりRoseliaは、強い相手と戦ってもっと強くなりたいって思ってるって事か?」
正々堂々真正面から拳で語り合う……いや、この場合は音で語り合う、が正しいかもしれないが。
「なんにせよ、Afterglowの事は寧ろ認めてる。だからこそ全力でぶつかれるようにわざとあんな態度をとった。そういう事だな?」
「そうっ! それ!」
あこの説明を聞いた巴は、要約するとそういう事かと理解した。
「RoseliaはRoseliaで、それが1番カッコイイって思ってるんだけど……本当にそれだけでいいのかなって、友希那さん言ってた。頂点に行く為には、どんどん挑戦していかなきゃ。できる事は全部やらなきゃって!」
「できる事は全部か……やっぱり凄いな、Roseliaって」
あれだけ凄いライブができて、まだ上を見てるんだなと巴は思った。
「まあ、今回の事はちょっと強引すぎっていうか、湊さんも、もう少しちゃんと説明してくれればいいのに」
「あはは……でも、友希那さんの言ってる事は間違ってないと思う。……実はあの後、楽屋に戻った直後に友希那さん、ゆうりんにすっごく怒られてて……」
あこ曰く、後片付けが終わり楽屋に戻った直後、悠里が友希那を説教したらしい。それはもう、聞いてるこっちでさえもヤバかったとの事。
「あー……あの時の悠里さん、アタシでも怖かったよ。実は帰り際に蘭も夏々に怒られてたよ……」
「え!? そうなの? 確かにあの時のナナ兄、怖かったけど……」
「それでモカがそこまで怒らなくてもいい的な事を言ったら、今度はモカも一緒に怒られてな。……ついでにアタシもなんだけど」
「うっわー……」
あの時の夏々はかなり怖かったと遠い目で話す巴。
「それでね、今日の話なんだけど、Afterglowのみんなにはまだ言わないでほしいんだ」
そしてあこは今日の事を巴以外のメンバーには言わないでほしいと頼む。
「勘違いされたままなのは嫌だけど、あこから言っちゃうのは違うっていうか……」
「そっか。確かに、それぞれがこうやって話し合ってぶつかって、自分達で気づかなきゃ意味ないもんな」
ちょっともどかしいけど、みんなには言わないでおくよと答える巴。
「でも夏々には気づかれそうだな」
「あー……ナナ兄が気づいてそうなら、ゆうりんも気づきそうだね……多分何も言わないと思うけど……」
多分……いや確実に夏々と悠里は気づいてそうだなと思う宇田川姉妹なのであった。
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