かくして、ヴァルターの要望により始まった二人飲みではあったが、これは思ったよりも楽しいものであった。
というのも私的には気の置けない仲間との酒宴でもあるし、ヴァルターとはある意味では(心は)男同士の会話だ。
もちろん今の自分は体は女であるが故に、一線こそ守らなければならないのは重々承知しているが、それでもフランクに会話できるのはそれだけで気が楽だ。
だからこそ、娼婦ギルドの娘の可愛さやその他の下ネタへと会話内容が推移するのも自然な流れであった。
「ヴァルターは、村の娼婦の中でどの娘が好みだったの?」
「娼婦ギルドの娘の護衛任務したって聞いたけど、護衛中は特別割引が利くって噂は本当?」
「というか、この間逆ナンされていたでしょ?教会でミサや宴を開くたびにいっつも逆ナン受けているし、そこのところどうなの?」
そんな少々下世話ではあるが、前世でも今世でもそういうのに疎い身としては色々と気になって、色々と質問した。
その結果がこれだ。
「いや、わかんないよ!?
だってそもそも娼婦の女の子を抱く以前に、僕はそういう経験がないんだから!」
「え!?い、いやそれは俗にいう純愛以外はとかそういうの?
それとも……経験自体がないって意味?」
自分の質問に対して、気まずそうに視線を逸らすヴァルター。
その後もいくつかの質問を繰り返した結果、彼が童貞だと判明したというわけだ。
「……いや、でも、その顔とその実力。
さらには、冒険者って職業的にそれはあり得なくない?」
そんなヴァルターの衝撃の秘密を告白されたわけだが、残念ながら私はその真実をあっさりとは納得できなかった。
何故なら、ヴァルターは普通に顔がいいし、性格もいい、そんな男だからだ。
彼の性格的に、たとえ女癖がいいやつなら、逆ナンからの泣き脅しを一度くらいは経験していなければおかしいと思うし、女癖が悪いやつならば、其れこそスナック感覚で何人か抱いているのが自然だからだ。
「流石にその発想は、どうなの?」
「うん、私も自分で言っていてちょっと引いた」
と言うわけで、結構本音で話したから、ヴァルターに引かれてしまった。
ですよね。
流石に酔いすぎたかなと思い、話題を区切ろうとはした。が、どうやらヴァルター側も思うところがあるらしく、彼の口からこんな言葉が漏れた。
「……僕だって、正直変なのは自覚してるよ。
でも、長い間そう言うのをずっと禁じられてきたから。
愛はわかっても、肉欲って言うのもあんまり分かんないし」
「え!???」
そして、それはあまりにも予想外の言葉であった。
つまりヴァルター君、この歳でEDなの!?!
いや、この世界にEDなんて言葉はないから、機能不全とかそう言う言い方になりそうだが。
「言葉の意味はわからないけど、まぁたぶん半分は当たってると思うよ」
しかも、それは当たってしまった。
「そもそも気がついていると思うけど、僕って実は元々武勲系の騎士の家出身でさ〜。
でも、次男坊だから、後継者的な意味で勝手に女性と付き合うのはおろか、まともに反応するのすら禁止されていたんだよね。
其れこそ、色目を使うとそれだけで折檻される程度に」
今明かされる衝撃の事実、と言うほどでもないが、ヴァルターは元々騎士であったらしい。
もっとも彼は、ただの冒険者にしてはやけに強さも礼節も整っているから、なんとなくそうだろうなとは思っていたが。
そして、更に騎士としても相当大きくかつ厳格な家出身の様で、そのせいで家にいる間はまともに女性と接することすらできなかったそうだ。
「うちの家はね〜、一子相伝の武技とかもある関係で、基本的に長男がいちばん偉かったんだよ。
家財にしろ女にしろ、伴侶を得る権利にしろ。
ぜ〜んぶ長男が総取り。
残りは全部長男のスペアで私兵、妹や姉は政略婚の弾。
そう言う家系だったわけだ」
それはまたなんとも前時代的なと思わないでもない。
が、この世界における騎士や武門、なんなら古くからある聖職者や魔術師の家庭なんかでも、似た様なことがあると聞いたことがある。
だから、彼の家の制度も、この世界的にはそこまで珍しくもないのだろう。
「まあ、僕は言うほど窮屈に感じなかったけどね!
だって、僕は普通に騎士としても戦士としても強かったし?
家族仲も、長男以外とは悪くなかったよ!
更には姉さんや妹とは、家族だから別に接触禁止になっていなかったからさ」
さすがと言うか、なんと言うか。
何故か一瞬頭の中で兄弟姉妹のいけない関係というワードが浮かんだが、それはヴァルター本人に否定された。
「子孫や近親での恋仲問題についてはないから、安心していいよ。
そもそもうちの家は、そう言うのは秘伝の魔術で管理していたからね」
その言葉と共に、ヴァルターはベロリと彼自身のシャツを捲った。
何時もならもうちょっと恥じらいやら節操があるだろうが、今は酒の席故気にしてないのだろう。
するとそこには、いつもよりも酒のせいでやや赤み帯びている美しい腹筋に、腹側筋。
そして何よりも目立つのが、幾つかの入れ墨の様な魔術痕であった。
「……ん〜、これはすでに解除されているけど……。
呪い?呪印の一種?いんも……なわけはないし。
となれば、封印か」
「御名答!
今はもう除去済みだけど、元々ここには『封種のルーン』と『禁性のルーン』がつけられていたんだよ!」
あっけらかんと、しかしそれでもずいぶんとえげつない事実をヴァルターは口にした。
ヴァルター曰く、元々実家にいた時は、生まれて間もなくつけられた秘伝の呪詛を体に刻むことにより、強制的に放精と肉欲そのものを完全に封じられていたそうだ。
だから実家にいた時は、そもそも肉欲が何なのか、そういうものが微塵もわからなかったそうだ。
「まぁ、今もあんまり、肉欲って何なのか、わかってないんだけどね!」
「え?それは問題では?」
「いやいや、一応ちゃんと家を出るときに、腕のいい解呪師にルーンは除去してもらったから!
そもそも、ルーン自体秘伝のものだから、これを解除しないで実家を出ることは許されないし、そこの部分は心配しなくてもいいよ」
正直ヴァルターの体調そのものが不安になり、思わず簡単な魔術の検査を行うが、確かにぱっと見は問題を感じられなかった。
まぁ、そもそも以前ヴァルターがダンジョンで大怪我した際に全身治療なんかをしているので、もし何か問題があったらその時に見つかっているだろう。
だから、ある意味では無駄な心配というやつなのかもしれない。
「そ~れ~に!
確かに直接的な肉欲は薄くても、自分にとって好きな人とか離したくない人はいるからね!
……まぁ、焦ったりして嫌われる方が嫌だから、直接はいかないけど。
それでも誰かにとられるのは嫌だ、その位の独占欲はあるんだよ?」
「ふ~ん」
猫のような視線で、こちらを見やるヴァルター。
イケメンというには幼さも感じる塩梅なので、個人的には好印象を感じつつ、こちらも彼に笑みを返した。
かくして、その後はヴァルターの実家時代の話を酒の肴に、ちびちびと互いに酒を楽しむのであった。
★☆★☆
なお、酒宴の後半。
「だ!か!ら!
男なのに性欲が薄れてるってのは、ある意味では悲しいことなんだよ?
ヴァルターはもっと、実家を恨んでいい!!」
「いやいやいや、でも今の状況がなければ、ボクはイオ達と仲間になれなかったからさ~。
それに、肉欲って正直そこまでいいものでもないじゃん?」
現在は私は、イイ感じにヴァルターと口論中だ。
口論内容としては、ヴァルターの性欲そのものについて、またそれを封じたヴァルターの実家が悪かどうかについてだ。
内約は、禁欲賛成派はヴァルター、肉欲肯定派は私といった具合である。
「というかあれだよ、ヴァルターは最強のモテ男になる素質がある!!
現に今村の女性陣には五指に入るほど人気だし、そもそも童顔だけど顔はいいし!
細身のくせに筋力あるし!
っく、きっとヴァルターがそのルーンを喰らっていなかったら、今頃はこの村でハーレムを作っていただろうに!
っく!この女の敵め!」
「でもその場合は、この家から追い出されていたでしょ?」
「うん、流石に日夜パンパンするなら、相手の女性の家か、自分で家を建ててそっちで暮らしてもらうかな」
「なら、やっぱりなくても問題ないかな~」
「ちが~う!!」
しかし、ヴァルターも実に頑固なこと頑固なこと!
私やベネちゃんとパーティを組めたし、一緒の家に過ごせたから、肉欲なんてなくても問題ないなんて言うのだ。
それほどまでの自分たちを大事に思ってくれるのはうれしい。
が、それでも元男として性欲そのものを否定されると、それは違うと叫びたくなってしまうわけだ。
「それにさ~、そもそも僕が実家を出されたきっかけって、長男の第二夫人が勝手に僕に惚れたからなんだよね!」
「もちろんそれだけでアウトなのに、あのくそ長男は勝手に僕に対して逆恨みしてさぁ。
アイツは後継者の立場も忘れて、僕に嫉妬で夜襲、なのに慣れない夜襲のせいであっさり失敗してるんだもん!
本当なら、もう少し強いはずなのに、ああも無様な姿を見ちゃうとね~。
イオの意見は否定したくはないけど、あんまり肉欲にはいいイメージがないかなぁ」
くっそ、この戦闘では肉食獣の癖に、恋愛観はなんという草食系、いやサトリ系男子!!
個人的には、前世で娼婦とかそう言うのを経験したことがなかったから、経験者にいろいろと教えてもらおうと思ったのに!!
「というか、イオはそんなに僕の肉欲肯定してどうするの?
もしかして襲われたいの?」
「いや?ダンジョン攻略中なのに、それはあり得ないでしょ。
でも、心に雄を残している私としては、ヴァルターみたいな王子様意見に対して、なんかむかつくからというのが本音だね」
「うわぁ、なんというめんどくさいご意見」
しかし、そんな自分のめんどくさい絡みも、ヴァルターは笑顔で受け入れてくれた。
お互いにお酒が入ってるはずなのに、仏が過ぎないか?
「というかやっぱり未だに、ヴァルターが菩薩系男子なのも、きっと件のルーンとやらが原因に違いない!
というわけで、チャンと検診させて!」
「はいはい、まぁ、イオちゃんに触られるのは好きだから!
問題はないと思うけど、好きなだけど~ぞ♪」
かくして私は、べろんべろんに酔いながらも、ヴァルターの腹筋周りの呪詛痕を存分に診察するのでした。
「あ、これ、よく診察したら、封印の後遺症、残ってるわ」
「え」
なお、本当に後遺症はあった模様。
「いやね?確かにね、ヴァルターにかけられていたはずの封印というかルーン自体は解けているよ?
でも、その解除の仕方が雑過ぎて、体内の魔力の流れがおかしくなってるんだよ」
「え」
「あ~、流れ方としては、本来生殖器に行くはずの魔力が他に分散している感じ?
うわっ、よく見たら霊体にも、地味~に封印の跡が残ってるじゃん!
個人差だと思ったけど、これ、封印の呪詛の痕跡か」
アルコールは体に染みついているが、それでもこのような珍しい診察は間違えはしない。
特に仲間の体なのだ、そこに手を抜く気はない。
「これだと多分、今のままだと性器に魔力がいきにくく、そのせいで性欲を感じにくいんだろうね。
性器周りの五感や六感も、希薄化。
その上、魂の傷跡が、性欲を感じると霊体そのものにストレスを与えちゃうと。
こりゃ、肉欲が湧かないわけだよ」
「え、えっとその、こ、これってもしかしてまずい状況?」
ぶつぶつと診察内容を口に出してしまっていたのか、ヴァルターが不安そうな顔でこちらを見つめる。
流石に患者を怖がらせ過ぎたか。
「いやいや、心配しなくていいよ。
正直、今のヴァルターの状態は。別に命そのものには問題はないから」
自分の診断結果に、安堵の溜息を吐くヴァルター。
そうだ、確かに今のヴァルターの体の状態は問題はない。
例えるなら、骨が折れた時に、骨はくっついたけど、つながり方が僅かにゆがんでおり、動く度に体に違和感が出ているとか。
手に刺さった鉛筆は抜けたけど、皮膚の下に小さな芯が残ってしまったとか、概ねそんな状態であるのだ。
「つまりは、今の僕は無理に治療をしなくても大丈夫ってこと?」
「は?治すが」
でも、一司祭として、何より呪術師として、そういうのを見逃す気はない。
「え、で、でも、それで悪影響が出たりは……」
「むむ?私の治療が信用できないと!?」
「少なくとも、酔った状態ではあるよね?」
「うるさいですね……」
「ちょ!」
ぐちぐちうるさいヴァルターを足技を使って押し倒す。
そして、その勢いそのままに、頭部をヴァルターの腹部にあて、かけられた呪詛を触診することにした。
すると、酒により鈍った五感と六感でも、耳や鼻を直接くっつけることにより、ヴァルターの状態をはっきりと感じることができるようになった。
「ちょっと、イオ、イオ!?!?」
「あ~、ヴァルターがやけに細身でも強いな~と思ったら、この呪詛。
本来精力に向かうはずの魔力や血を、筋肉や生命力の強化に回すようにしているのか。
どうりで、理不尽に強いわけだよ」
「あ、あの~、確かにボクは性欲が薄くても、ないわけではないんだよ?
その辺わかってる?」
「なら、無理に治すと、戦闘力下がっちゃうし、体の動きそのものに支障が出ちゃうか。
でも、このままだと、あまりにも性器に魔力がいってなさすぎて……。
EDならまだしも、将来的に種無しにもなりかねないし、流石にそれはかわいそうだな!」
「お~い、さらっとやばいこと言わないでくれる?
え?もしかして僕、そんなにやばい状態だったの?ねぇ、ねぇ?」
「つまりは、戦闘力をいかに落とさず、でもヴァルターの股間に定期的な活力を与える、そんな調整が必要で……」
「もしも~し、イオの胸がボクの大事な部分を刺激してるんですけど。
流石のボクでも、活力与えられそうなんですけど!!!」
うむ?どうやらそれでもヴァルターの性器へと流れる魔力は死んでいるわけではなく、現在進行形でその機能を取り戻して言ってるのが分かる。
「よし!ならばとりあえず、一旦の緊急オペを開始するよ!」
「え、え?って……みゃ!?」
そして、魔力と奇跡による治療を開始した瞬間、ヴァルターが奇声を上げた。
「大丈夫?痛くない?」
「い、い、痛くはない!痛くはないけど、なにこれ、なにこれ!?!?」
「うん!痛くないなら、問題はないな!
それじゃぁ治療を続けるよ」
ヴァルターの呪詛跡と霊体を強く感知するために、彼の腹部により強く抱き着く。
が、どうやらヴァルターは治療が嫌なのか、もぞもぞ自分の腕の中から脱出しようとする。
しかし、そんなヴァルターを逃がさないため、また精密な魔力操作をミスしないため、私はより強くヴァルターに抱き着くことにした。
「んぴょ☆」
なんか、意味不明な声を上げて、体を跳ねあがらせるヴァルター。
一瞬振り落とされそうになるが、それでも治療中ゆえ、より強くヴァルターの下半身に抱き着くことにした。
「まって、まってまって!!!
この感触しらにゃい★にゃ、にゃにこりぇ!?」
「ん、一時的とはいえ、魔力や生命力が、無事に性器へと戻ってきているね。
今まで委縮してきた分、一気に感覚や活力を取り戻そうとしてるんだよ」
指先を震わせ、大きく喘ぐヴァルター。
なんかちょっとエッチに見えなくもないが、今は治療中ゆえに意識をそちらに持っていかれない様にする。
「でもまぁ、今の状態だとまだ、荒野に少し水を撒いてる程度だから……。
うん!ここは活力の奇跡と夜伽の呪詛の合わせ技でいいか」
「みっ!☆!★!」
どうやら、ヴァルターの分身もお飾り状態から、最低限レベルまでは戻ったようだ。
おそらく、一瞬ではあるが、五感や性感も戻ってきたのだろう。
ひとまず最低限の治療はできたと言えよう。
「でも、あくまで今は一時に戻っただけだからね。
後はこれがちゃんと定期的に……。
最終的には、永続的にキープできるようにしよう」
「む、無理無理無理無理!
こ、こんなの一生とか僕壊れちゃうよぉ!!!」
「はい、文句言わないの~。
それじゃぁ、魔力循環させて、慣らしていきますよ~」
なぜかヴァルターは抵抗しようとするが、これもヴァルターの未来と彼のまだ見ぬ子孫のため。
彼の意見を無視して治療を続けることにした。
「ま、まって!いやまって!」
「き、きちゃうから!
何か知らないけど来ちゃうから!!」
「んにゃ、んにゃ、んにゃああぁあああ!!!★!!!★!!!」
かくして、その夜はお互いの意識が飛ぶまで存分に治療。
ヴァルターは治療中に、意識が飛び、こちらも魔力が尽きた時点で、酔いを抑えきれず、そのまま力尽きるかのように睡魔に身を任せるのでした。
★☆★日
そして、翌日。
酒宴の次の日ゆえに、二日酔いのまどろみとなぜか大量に消費された魔力の後遺症に悩まされながら、なんとか体を起こす。
昨夜はヴァルターと楽しく飲み過ぎたらしく、やや記憶はあいまいではある。
が、それでも最低限魔力の治療をしたことなどを思い出し、さっそくその治療結果を観察するために、ヴァルターを探しに行く。
そして、それはすぐに見つかった。
「ごめんなさい、ボクが間違えていました。」
そして、なぜか出会った瞬間土下座された。
「イオ様が全部正しいです。
性欲はとても大事で、それを理解していませんでした」
「はぁ」
「だから、ボクは雄失格です」
「なんでや」
なぜかびっくりするほど、卑屈になっているヴァルター。
い、いったい、昨夜何があったんだ!?
「治療もちゃんと受けます。
魔力の流れもちゃんと調節します。
活力入れも忘れません」
「だからどうか、今度から、もう少し、もう少しだけ優しく治療してください。
わがままですけど、どうか、なにとぞ、お願いします」
治療自体は拒否していないが、なぜか地面に頭をこすりつけんばかりにこちらに嘆願するヴァルター。
流石に、それを不憫に思いこちらもこう口を開く。
「い、いや、流石にそこまでお願いしなくても……。
そ、そもそも、本気で嫌なら治療自体拒否してもいいよ?
よ、よく考えたら、今回の事例は命に別状はないし。
こういう治療ってある意味では本人の希望第一なわけだからね」
「あ、あ、ああああああ!
ご、ご、ご、ごめんなさいいいいい!
な、治したいです!!本気で治したいです!
わがまま言ってごめんなさい!!
だからどうか、どうかぁああ!!!」
「え、え、えええええ!!!!」
かくして、それから数日間は、ヴァルターは謎の卑屈状態に。
彼が元の天真爛漫な、明るい剣士に戻るまで、数日の療養期間が必要になるのでしたとさ。