ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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爪が・・・・・・痛いです。



第十二話  謎の少女とライブ直前訪問の魔王一家

 

 

 

 俺は暗い闇の中にいた・・・・・・。此処は夢の中だけど、何処か夢に見えないような気もする空間。虚無と言う言葉で表すのが一番合っているような、ただ悲しい闇の中。明かりもないし、何も見えない空間・・・・・・いや、一応地面の感覚はある。

 

 俺は暗く何だかわからない地面の上を歩いた。普通の地面だけど、凄く平らで完璧な凹凸が何もない地面。此処までキッチリしてると、凄いと思う。

 

 俺は暗い闇の中を歩き続けていると、何かの結晶のようなものが生えていて、少し周りが薄暗いところに来た。その小さな光を放っているのは、その結晶そのもの・・・・・・いや、ヴォイドを取り出したときに見るあの結晶・・・・・・暗い色だけど、凄く美しい結晶・・・・・・それが地面から華のように生えている。

 

「やっと会えた・・・・・・桜歌、久しぶり。会いたかったわ」

 

「久しぶり・・・・・・? えっと・・・・・・君は誰? 何でこんなとこに?」

 

 何時の間にか結晶の上には、1人の少女が座っていた。長いピンク色の髪で、こっちを何処かの制服のようなものを着て見下ろしている。いのりに似ている・・・・・・しかも、会った覚えが無い少女だった。

 

「酷い・・・・・・私、やっと会えたと思ったのに・・・・・・まあいいわ。私の名前は真名(マナ)よ」

 

「そう・・・・・・真名か・・・・・・。いい名前だね、真名。俺の名前は桜歌、ところで何で俺の名前を知っていたのか教えてくれないか?」

 

 俺は自己紹介をする少女に、自己紹介して返した。少女の名前は真名と言うらしく、凄く可愛い容姿をしている。

 

「今更、可愛いだなんて・・・・・・酷い」

 

「あれ? 口に出してた?」

 

 真名が喜びながらも、落ち込んだように俯く。しかも、褒めたつもりなのに『酷い』って言われた・・・・・・ちょっと、ショックかも。

 

「まあ、それも今はどうでも良いわ。此処はあなたの心の中・・・・・・と言いたいけど、ちょっと違うわ。でも、夢じゃない。ただ、私があなたを引き込んだという解釈で良いわ」

 

「そう、此処は夢じゃないんだ・・・・・・通りで、現実味があるわけだ。・・・・・・それで、俺を此処に呼んだ理由って何かな?」

 

「それは、私が会いたかったからよ。最近は強くなろうと努力してるようだけど、良いことを教えてあげる。《王の能力》を制限しているのは私よ。あなたの《王の能力》は、私が制限をかけているの」

 

 真名は笑顔でそう言い放ち、脚をブラブラとさせている・・・・・・。すみません、スカートの中から下着が見えますよ?

 

「そんなに見たいの? 桜歌なら、何でもしていいわよ? 見るだけじゃなく、触ったりしてもいいのよ?」

 

 どうやら心の声が聞こえていたようで、真名が微笑みながら大胆な発言をする。

 

「・・・・・・真名さん、それはどうかと思うんですけど・・・・・・いや、嬉しいよ? でも、君はなんで俺にそこまで固執してるのかな?」

 

「私はあなたが嫌い・・・・・・でも、好き! 愛してる、あなたの為なら何でもする。だから、

今度は嫌いにならないで。私、あなたに嫌われたら・・・・・・」

 

 真名は嫌いやら、好きやら、愛しているとか言ってくる。正直、どっちなのかはっきりして欲しい。まあ、こんな可愛い娘に好きになられて嫌とは言わないよ。

 

「本当・・・・・・? でも、今更・・・・・・」

 

「昔の俺がなんて言ったか知らないけど、俺は君のこと好きだよ?」

 

 俺が放った言葉に、真名は赤面する。髪の色と同じくらい頬はピンクに染まり、俺を見る瞳が優しげだ。でも、一瞬で悲しそうな瞳に変わる・・・・・・。

 

「・・・・・・そう、でもそろそろ時間ね。次に逢う時を、楽しみにしてるわ」

 

 真名がそう言うと共に、俺の下にあった地面が・・・・・・いや、結晶が崩れ去って足場を俺は無くした。

 

 俺はそのまま暗い空間に落ちていき、真名がその上から見下ろす・・・・・・。その顔は悲しそうで、俺はその表情に疑問を持ちながらも落ちていくのだった。

 

 

 

 

 

 俺は何時もの自分の部屋で目を覚ました。机にはぬいぐるみが一つ置かれていて、その横にはギターケースも置いてある。

 

 今は何時だろう? そんな事を思い、首だけを動かして枕元の時計を見る。そのディスプレイには午前4時が表示されていた。

 

 俺は何時ものように、起き上がってトレーニング用の服に着替える。ベッドの中には、レイナーレが眠っていて、起きる様子はない。昨日は俺は1人で寝るつもりだったんだけど、レイナーレが『一緒に寝ませんか?』と言ってきた。断る理由もなく、一緒に寝たけど、手は出してない。寧ろ、抱き枕にしたくらいだ。柔らかかったな~・・・・・・。

 

「今日はライブだし、少し軽めにしとくか・・・・・・ウォーミングアップ程度で調整しよう」

 

 俺はレイナーレの眠っている横でそう呟き、部屋を出る。そこには、いのりが立っていた。どうやら俺を待っていたようで、服はトレーニング用に着替えていた。

 

「桜歌・・・一緒に走ろ?」

 

「そうだね、今日はウォーミングアップ程度にするつもりだったし。一緒に走ろうか」

 

 俺といのりは廊下を一緒に歩き、階段を下りて、玄関に出た。靴を履いて、玄関から出ると今だに暗い外は暗かった。・・・・・・まあ、当然だけど。

 

 俺の隣には、靴を履いたいのりが並んで、走り始める。そのペースは何時もは全力疾走なのだが、

今はゆっくりと走っている。

 

 隣にはいのりが並び、俺はそれに合わせる。これも俺といのりのコミュニケーションの一環で、他の人から見たら仲がいいとか、デートとか言われるだろう。

 

 1人で考え事をしながら走っていると、いのりが話しかけてきた。どうやら俺の異変に気づいたらしく、少し心配そうだ。

 

「桜歌・・・ちょっと変。どうしたの・・・? 考え事・・・?」

 

「ああ、最近レイナーレって少しは態度が柔らかくなってきたんだけど・・・・・・まだ、全然俺やいのりによそよそしいでしょ? だから、どうしたのものかな~って思ってたんだけど、『一緒に寝よう』

とか言ってくるし、どっちなのかな~っと思ってね」

 

 俺の困り事その1、レイナーレの態度が冷たい。

 

 俺の困り事その2、レイナーレに観察されている気がする。

 

 俺の困り事その3、レイナーレが俺に会う度に難しい顔をする。

 

 これ全部が俺の悩み事で、レイナーレは何を考えているのかわからない。俺は仲良くなりたいと思っているんだけど、レイナーレはそうにも見えないんだよね。それに、最近は空いた時間に修行してるから話す機会も全然無いし・・・・・・というか、避けられてる? やっぱりまだ、信じてもらえてないのかな?

 

「俺、少し仲良くなりたいと思ってるだけなんだけどな・・・・・・」

 

「桜歌・・・凄くモテるのに・・・。レイナーレは桜歌が嫌い・・・?」

 

「いや、嫌われても仕方無いと思うけど・・・・・・やっぱり、仲良くしたいよ」

 

「私はレイナーレの事は好きだけど、やっぱりよそよそしい・・・」

 

 いのりと相談するも、いのりはレイナーレを嫌っていないことがわかっただけ・・・・・・。解決策が欲しいところだったのだが、無理なのかな?

 

「どうせなら・・・もう襲っちゃえばいい。レイナーレも好きになれば、なんとかなると思う・・・」

 

「いのり・・・・・・それは却下だ。それ、無理矢理に変わりないからな?」

 

 いのりから爆弾発言に近いものが出たが、俺はやっぱり頼らずに自分でなんとかしようと思った。

それから走りつづけ、いのりと家に帰るまで案を出していたのだが、まともな案は浮かばないのだった。

 

 

 

 

 

 それからお昼近くになり、ライブの時間も迫っていた。今は昼食の途中で、会話のない食卓が続いている。今日の昼食は、カルボナーラ。パスタを作ったのだが、あまり箸が進まない。

 

「そうだ、祭。今日は俺といのり、用事で出掛けるから留守番してくれる?」

 

「えっ? いいけど、何処に行くの? 何時に帰ってくる?」

 

 祭が当然の質問をし、俺は答えに困る。俺がどう答えるか悩んでいると、そこにレイナーレが怖ず怖ずと手を挙げた。言いたいことがあるらしく、少し縮こまっている。

 

「どうしたの? レイナーレ?」

 

「はい・・・・・・あの、外出許可を下さい! お願いします!」

 

 レイナーレが何時もより大きな声を上げて、外出許可を欲しいと言ってくる。何で外出許可を取ろうとするかわからないけど、一応注意しておこう。

 

「いいよ」

 

「・・・・・・そうですよね、ダメですよね・・・・・・えっ? いいんですか!?」

 

 レイナーレが驚いたような顔で、こっちを見てきた。

 

「でも、監視とかしますよね?」

 

「しないけど? 何で監視するの? プライベートなところを邪魔する気なんて無いよ」

 

「いや、逃げるかもとか考えないんですか?」

 

「あのなぁ~、お前は捕まえている訳でもないって言っただろ? レイナーレのことは俺が面倒を見ているとはいえ、そんな事するわけ無いだろ」

 

 レイナーレは口を開けて、フリーズしている。逃げるとか、考えたことも無いし・・・・・・それに、帰らなかったら探しに行って、家に連れてこれば問題ないはず。

 

 

 

 時は過ぎて、ライブの時間が迫っていた。あの後、レイナーレは最近買ったであろう服を着て、凄く上機嫌で家から出て行った。それに対して、俺といのりは楽屋とでも言える場所で、二人でのんびりしている。

 

 俺は白いコートを着て、仮面を手にしている。仮面を脱ぐ場合は、ステージの上で外さないと説明が面倒らしい。そして、いのりは何時ものステージ衣装・・・・・・金魚服と呼んでいるが、見た目は蝶や天使のようなイメージのデザインで、オレンジで彩られた胸元が開いた感じの衣装を着ている。

 

 まあ、見た目金魚だからついたんだけど、美しいし可愛いし、文句なしのステージ衣装だと思われるのだが、少しエロい・・・・・・。

 

「桜歌・・・どうしたの?」

 

「いや、やっぱりその衣装は似合うな、と思ってさ」

 

 いのりが俺の視線に気づき、どうしたのか聞いてきた。俺はそれに対して、目をいのりに向いているように見せながら、若干目を逸らす。

 

「・・・・・・桜歌、目がエッチだよ・・・?」

 

「・・・・・・仕方ないよ、いのり。いのりのその格好、可愛いけど、少し露出が高いというか・・・・・・」

 

「今さら、そんな事気にしない。桜歌・・・私の裸は何回も見たよ・・・?」

 

「そうだったね・・・・・・」

 

 俺にいのりがくっつき、そのまま抱き締めあう。いのりは少し笑顔で抱きついてくるため、ライブを忘れてこのまま抱き締めていたい感情に俺は染められる。

 

 正直言って、可愛すぎるのだ。大体無表情ないのりが笑顔になるだけで、微笑んでくるだけで俺の脳内はピンクに染まる。要するに、いのり一色になるのだ。

 

 俺がいのりを抱き締めながらライブまでの時間を待っていると、控え室の扉が急に開いた。

 

 そしてそこから出て来たのは、紅髪の男性・・・・・・サーゼクスさんだ。その後ろには、銀髪の綺麗な女性が続いて入ってくる・・・・・・グレイフィアさんだ。そしてその横には、小さな男の子・・・・・・あれはサーゼクスさんとグレイフィアさんの息子のミリキャスだ。

 

 そして、今日はグレイフィアさんはメイド服を着ていない。つまり、今日はサーゼクスさんの奥さんとして来たわけか・・・・・・。

 

「全く、少しはわきまえてください。ミリキャスも見ちゃダメです」

 

「アハハッ! これはお邪魔だったかな?」

 

「お兄様とお姉様が抱き合ってる・・・・・・ねえ、お父様、何で二人は抱き合ってるの?」

 

 俺といのりが抱き合っている姿を見て、呆れるグレイフィアさん。それに対して、サーゼクスさんは大笑いし、ミリキャスは不思議そうにしている。

 

「ミリキャス、あれは仲がいいからだよ」

 

「そっか、じゃあ僕も混ざる!」

 

 サーゼクスさんが間違った教えをして・・・・・・いや、多少は誤差があるけど間違ってない。それを聞いたミリキャスが、俺といのりに飛び込んできた。その後ろに見えたサーゼクスさんの耳を引っ張っているグレイフィアさんは、幻覚ではないだろう。

 

 俺といのりは飛び込んできたミリキャスを受け止め、俺が持ち上げる。

 

「お兄様、いのりお姉様、会いたかったです!」

 

「うん・・・ミリキャス、久しぶり」

 

「久しぶりだね、ミリキャス。今日はどうして来たの? それに、あの二人は仕事は?」

 

 俺といのりは元気に挨拶するミリキャスに、挨拶を返した。それと同時に、あの二人の仕事がどうなっているのかを聞く。

 

「はい! 今日はお父様もお母様も、お休みがとれたんです! それでお兄様が顔についた仮面を外すから、見に行こうってなったんです!」

 

「なるほど、じゃあ家族で見に行こうってなったわけか」

 

 嬉しそうなミリキャスを見ていると、そこにサーゼクスさんの耳を引っ張っているグレイフィアさんが歩いてきた。その手には、今だにサーゼクスさんの耳が握られている。

 

「いたたっ! ちょっとグレイフィア! 少し厳しくない?」

 

「当然の罰です。それより、私が自分の息子の活躍を見ないと思っているのですか? 一応、私はあなたの保護者ですよ、桜歌」

 

「それはそうですけど、そこまでします?」

 

「ミリキャスもあなたの事を兄のように慕っています。ですので、このまま保護者だけでなく、養子になればいいと思っています」

 

 俺は一応、グレイフィアさんが保護者となっている。何故か執事修行をしているうちに気に入られたのだが、理由はしらない。執事修行をするうちに、保護者として面倒を見るとか言い出して、書類上はグレイフィアさんが保護者になったのだが、それがエスカレートして養子まで勧めてくることになったのだ。

 

「お断りします、グレイフィアさん。あなたは一応、俺の師匠ですし、保護者でもあるのですが、俺は別に親なんて要りません」

 

「残念です。まあ、保護者としてはあなたが養子に欲しい位なのですが・・・・・・それに、サーゼクスやお義父様もお義母様も、同じ意見ですよ?」

 

「そうだよ、桜歌君。親がいらないなんて言わないで、養子にならないかい? 責任者はグレイフィアだけど、僕も大歓迎だよ。それに、驚くリーアの顔が見てみたいしね。君が養子になったと聞けば、凄く驚くだろうね。それに、いのりもグレモリー家が保護者だしね」

 

 懲りずに養子になることを勧めてくる二人だが、本当に仲がいいな・・・・・・。結婚して何年立っているか知らないけど、ラブラブだな。

 

 まあ、冥界では、俺といのりは複雑な状況なのだ。親がいないと知れれば、グレイフィアさんに保護者になられるわ。いのりは親がいないことで、前からグレモリー家が責任者になったことで、右往左往しなくて済んだらしい。

 

 俺といのり、サーゼクスさん達が談笑していると、スタッフが入ってきた。

 

「もうすぐ出てください、いのりさんと桜歌さん・・・・・・って、魔王様!?」

 

「ああ、気にしないでいいよ、ありがとう。じゃあ、僕らは客席で勇士を見ているから頑張ってくれたまえ」

 

 入ってきたスタッフさんはビックリして、頭を下げた。それにサーゼクスさんは丁寧に返し、グレイフィアさんとミリキャスを連れて出て行った。

 

 俺といのりもスタッフに続き、控え室から出る。廊下を歩いて、ステージ裏まで歩いていった。

 

 ステージ裏なのに、もう既に歓声が聞こえてくる。

 

 俺といのりは一度、お互いの目を見てから、ステージに向かって歩いていった。俺たちが出ると同時に、周りは歓声を更に大きくした。

 

 そこで、俺はマイクを手にして前に出る。いのりは俺の横で、少し嬉しそうな顔をして、マイクスタンドの前に立っていた。

 

「さて、俺は今から仮面を外す。これが俺の素顔だよ」

 

 そう言いながら、俺は仮面を外した。それと同時に、周りは静かになり、少しの沈黙の後、俺に向かって歓声などが聞こえてきた。

 

 どうやら好評? のようで、心配はないようだ。

 

 そこからは、俺が最初に仮面を脱いだ記念としてソロで歌い、次にいのりがソロを、その次に二人で歌を歌って大盛り上がりだった。




はい、真名を出してみた。
そして、次はレイナーレをどうにかしよう。
更に保護者なグレイフィアさん達?


爪をやっちまったので、更新速度が遅くなるおそれありです。
痛いんですよ、書こうとすると・・・・・・。
と言うわけで、申し訳ないけど少し更新スピードが遅くなるかも・・・・・・。
書き続けますけど。
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