夕方5時くらいに、俺といのりは家に帰ってきた。ライブを終えた後なのだが、今から夕食にはサーゼクスさん達が来るので、早く夕飯の支度をしなればいけない。そうは言っても、祭に材料を買うように言ってあったので、食材の問題はない。
「祭、悪いけど、今からお客さんが来るんだ。夕食はその人達と一緒に食べるから」
「えっ? お客さん? わかったけど、誰が来るの?」
「ん? 魔王一家だけど?」
「魔王っ!? えっと、あれだよね! 確か、悪魔の中で一番えらい人だよね!?」
「まあ、そうだけど・・・・・・あんまり気にしないで良いと思うよ」
突然の魔王訪問に驚く祭。俺は慌てる祭を見て、笑いを堪えながら料理の仕度をする。いのりは平然としており、今は風呂に入っていってしまった。
レイナーレはいないようで、帰ってきたら伝えておかないといけない。伝えないといけないのだが、家にまだいないので伝えられないのだ。携帯は持っているようだけど、聞いておくのを忘れてしまった。
俺は買ってきて貰った食材を調理しながら、レイナーレの帰りを待つ。今は殆ど出来上がっているので、時間までに余裕はある。俺が調理をしていると、玄関辺りから扉を開け、廊下を進んでいく音が聞こえた。その足音は、二階に進んでいく・・・・・・どうやら、レイナーレも帰ってきたようだ。
「祭、少しの間この鍋を見ていてくれ。後十分で消して良いから」
「うん、わかった」
俺は祭に鍋の火を見ているように言って、キッチンから出て行く。レイナーレがあがったであろう階段を上り、2階にあがる。
そこでレイナーレの部屋に行こうとしたのだが、俺の足は止まった。レイナーレの部屋からは、人の気配が無く、俺の部屋から人の気配がする。
もしかして、俺の部屋にいるのだろうか? 俺はそう思い、自分の部屋の前まで歩く。そうしてゆっくりと扉を開けると、そこにはレイナーレがいた。しかも、凄い慌てている。
「あわわっ! 桜歌様!?」
「お帰り、レイナーレ。・・・・・・ところで、何で俺の部屋にいるの?」
桜歌様・・・・・・? うん、今は放っておこう。それより、部屋の中をうろうろとしていたレイナーレの方が気になる。俺がレイナーレに俺の部屋にいる理由を聞くと、凄い慌てだした。
「えっと、それはその・・・・・・桜歌様! ごめんなさい!!」
レイナーレはそう言って、その場に座って可愛く縮こまった土下座をした。俺も何について謝っているかわからないし、聞いて見なきゃわからない。
「レイナーレ、土下座なんてしないで、顔を上げてよ。まずは、何で謝っているか教えてくれないか? じゃないと、俺もよくわからないし」
「すみませんすみません! 桜歌様を殺そうとしてごめんなさい! それに勝手に桜歌様のお部屋に入って、申し訳ございませんでした!!」
そう言えば、レイナーレが謝った事って、無かったっけ? 部屋に入ったことはどうでも良いけど・・・・・・いや、何で俺の部屋にいるのか気になるな。
「レイナーレ、何で俺の部屋に入ってたんだ?」
「それはですね、ファンレターを探そうと・・・・・・えっと、桜歌様は『EGOIST』の桜歌様何ですよね?」
「ああ、やっぱりあのファンレターはレイナーレからのだったのか・・・・・・」
俺にはレイナーレの名前に覚えがあった。毎回ファンレターが送られてくるのだが、その中には毎回送ってくれる『レイナーレ』という名前の人がいた。
俺はクローゼットに近づき、手をかけてゆっくりと開ける。そこには、無数のボックスが置いてあり、その中には大量の可愛い色合いのファンレターが入っている。その中から一箱を取り出し、それを持って、クローゼットを閉めた。
そして、そのボックスを開けて一枚の紙を取り出す。
「ほら、これはレイナーレが送ってくれたファンレターでしょ?」
「え・・・・・・? はい、そうです。毎回返事を書いてくださって・・・・・・それなのに、桜歌様を殺そうとして・・・・・・私なんて、嫌いですよね・・・・・・? 仕方ないですよね、私なんて嫌いですよね。殺そうとした人を、好きになってくれるわけありませんよね」
差し出されたファンレターを見たレイナーレは、肯定して落ち込み始めた。今までよそよそしいところがあったが、根はいい子なのだろう。というか、そこまで落ち込まないで欲しい。レイナーレは若干涙目で、俺を見上げていた。
「はあ~、前にも言った気がするけど、俺はレイナーレのこと、嫌いじゃないよ。可愛いし、綺麗だし、俺はレイナーレのことが好きだな」
「えっ? あっ・・・・・・桜歌様、私を抱き締めるなんて桜歌様が汚れてしまいます! だから、私に抱きつくのは止めてください!」
俺はそう言うと同時に、レイナーレを抱き締めた。抱き締められたレイナーレは赤面し、俺を押し退けようとしてくる。だが、それは本気で押し返しているような力ではなく、抱き締められているのが嬉しいようだ。
「そう・・・・・・じゃあ、レイナーレは俺の事嫌い?」
「とんでも無いです、桜歌様! 私は、ずっと桜歌様が好きでした・・・・・・ファンレターも丁寧に返してくれるし、私のファンレターに書いたことを丁寧に意見をくれるし、愚痴だって書いたのにそれも親身になって返してくださいました。それに、殺そうとした私を助けて下さって・・・・・・ずっと、私は好きでした。アーティストとしてではなく、桜歌様自身が大好きです!」
俺がレイナーレに嫌いか聞くと、凄く真剣な眼差しで告白してきた。しかも、アーティストとしてではなくて、俺が好きだという。
涙を流すレイナーレの頬に手を添えて、俺は自分の唇でレイナーレの唇を塞いだ。そして、ビックリしているレイナーレの口の中に舌を侵入させて、レイナーレの舌に自分の舌を絡める。
「・・・桜歌様・・・あっ・・・くちゅ・・・んんっ・・・!」
俺がレイナーレから舌を離すと、レイナーレは数秒フリーズした後に、耳まで真っ赤に染めて『桜歌様にキスされた・・・・・・しかも、ファーストキスを・・・』と言いながら、俯く。
どうしようか、この状況・・・・・・そう言えば、本題を忘れていたな。俺はそう思いながら、幸せそうなレイナーレに話しかける。・・・・・・聞こえていればいいけど。
「レイナーレ、本題を忘れてた。今からサーゼクスさんが来るんだ。だから、先に言っておこうと思って伝えに来たんだけど・・・・・・って、どうしたレイナーレ!?」
「ま、まま魔王が来るんですか!? 遂に私を・・・・・・うぅ、短い間ありがとうございました。桜歌様にキスされた事、最後に桜歌様にキスされて嬉しかったです・・・」
魔王訪問発言に、レイナーレは真っ赤な顔を急に青くさせた。それは最早、顔色が悪いという領域を越えていて、死人のように真っ白になりかけている。しかも、最後に別れの挨拶までしようとしているところは、もう既に自分の運命を悟っているよう・・・いや、死なないけど。
レイナーレが顔を青くさせて俺に寄りかかると、俺は元気のないレイナーレを抱き締める。これは相当重傷で、来たら本当に倒れそうだな。
俺がレイナーレを抱き留めていると、来客を知らせるインターフォンがなった。多分、サーゼクスさん達が来たのだろう。
俺はガタガタと震えているレイナーレをお姫様抱っこして、廊下に出る。階段を下りて、玄関に出て扉を開けると、そこには案の定、サーゼクスさんとグレイフィアさん、ミリキャスがいた。俺の腕の中にいるレイナーレは、口を開けながらガタガタと震えている。目には大量の涙が溢れているところは、あまり気にしない方が良さそうだ。
「サーゼクスさん、こんばんは。夕食なら出来てますよ」
「ああ、ありがとう桜歌君・・・・・・ところで、何で堕天使がそこに・・・・・・?」
「桜歌、あなたの可愛い物好きな性格はわかりますが・・・・・・見境無さ過ぎです。まあ、それは後で聞くとして入りましょうか」
グレイフィアさんの言葉に俺は頷くと、俺はリビングに向かって歩いていく。その後をサーゼクスさん達がついてきて、リビングの中に入った。
「さあ、座っていてください。祭、皿を出してくれ」
「うん、わかった」
俺は料理を盛りつけるために料理の前に立ち、祭は皿を取り出す。その間にレイナーレは俺にしがみつき、サーゼクスさん達から隠れているのは仕方のないことだろう。堕天使と悪魔が同じ食卓に居合わせるなんて、殆ど無いだろうし・・・・・・しかも、片方は魔王だ。
いのりは何時の間にかリビングに来ており、サーゼクスさん達と一緒に座っている。何か話しているようだけど、俺の耳には全部筒抜けだった。どうやら、レイナーレについての話をしているようだけど、すごく真剣だ。
俺は全ての料理をサーゼクスさん達の座っている前のテーブルの上に置き、俺もレイナーレを座らせて席に着く。祭は座って、ミリキャスと話していた。
「大体の事情は聞いたよ。そこで、レイナーレに聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「はいっ!? 何でもお答えします! だから、桜歌様の側に居させてください!!」
「ハハハ・・・・・・桜歌君は愛されてるね。別に僕は君を処罰しにきた訳じゃないんだ。それに、桜歌君が君を見ているなら安心だよ。一応、桜歌君はグレイフィアが教え込んだからね。・・・・・・まあ、それはそれとして聞きたいことがあるんだ。最近、堕天使が活発になっているというか、おとなしくなったと思った堕天使の一部が急に各地で何かし始めてね。僕はそれの調査をしてるんだけど、アザゼルが何を考えているかわからないんだ。君なら、内部のことを少しは知っていると思ってね」
サーゼクスさんは真剣な顔で、死人同様に青くなっているレイナーレに聞いてきた。どうやら堕天使の行動を掴むことがサーゼクスさんの仕事のようだ。
グレイフィアさんはいのりと話しており、仕事の話には興味がない様子。しかも、何処か凄い怒っているような気がするのは、気のせいじゃないだろう。
「えっと、私はコカビエル様に脅されて暴れてくるように言われました・・・・・・私が『EGOIST』の音楽活動が好きなのがコカビエル様に知れて、『そんな悪魔に尻尾を振るような事をしているなら消してやる、お前は堕天使にいらない存在だ。消されるのが嫌なら、暴れてこい』と言われて、最初は暴れてこいと言われただけなんです。それを断った矢先にそんな事を言われて・・・・・・。アザゼル様は戦争を止めると言っていたのですが、コカビエル様はそれに反対しているんです。だから、アザゼル様は最近の指示はしておられません」
「なるほど、堕天使に指示を出しているのはコカビエルか・・・・・・『サーゼクス、仕事の話は後にしませんか?』───わかったよグレイフィア、せめて耳を引っ張るのは止めてくれ。さあ、折角桜歌君が用意してくれたんだし───『お父様、お兄様の作ったお料理凄く美味しいよ』」
サーゼクスさんはグレイフィアさんに耳を引っ張られ、ミリキャスはもう既に食べ始めている。流石に魔王の息子と言ったところか、礼儀作法は完璧だ。仕事モードに入っているサーゼクスがさんに怒っているグレイフィアさんは流石にラブラブと言ったところ───。
「すみません、グレイフィアさん。痛いです」
「桜歌も変なことを考えてないで、食べなさい。あとの話は食事を食べ終わってからです」
それから自己紹介をしながら、食事を進めて、グレイフィアさんとレイナーレ、いのりと祭は俺の話で盛り上がり。サーゼクスさんは俺とのライブなどの話。その間にミリキャスは黙々と俺が作った料理を食べ続けるという奇妙な光景が続いた。
何にしても、レイナーレが怯えなくなったのは良かったと思う。グレイフィアさんとも仲が凄く良くなったようだし・・・・・・。
料理を食べ終えて、祭が皿を洗っている間に俺といのり、グレイフィアさんとサーゼクスさん、ミリキャスはソファー座っていた。
「さて、ここからが本題だよ。実は、謝らなくてはいけないことがあってね」
「全くです、私は望んでいないのですが、仕方のないことでしょう。ですが、サーゼクスの力不足は否めませんね」
サーゼクスさんとグレイフィアさんが真剣な顔になり、謝り出す。
「実はね、リアスといのりには婚約者が決められたんだよ。フェニックス家のライザー何だけど、リアスは親同士の決定。いのりは上からの決定なんだ、一応フェニックス家のライザーも了承している。それどころか、喜んで嫁にとると言っているそうだ。権力のある年配の方たちが、勝手に決めちゃったんだよ」
「申し訳ないですね、桜歌・・・・・・ですが、一応手は打っておきました。義母としても、あなた達には幸せになって欲しいですからね」
いのりに婚約者・・・・・・? しかも、上が決めた? いのりは困惑しており、俺の腕にしがみついてくる。多分、いのりも同じ気持ちなのだろう。
「続けてください、いのりは絶対に渡しませんから。それに、グレイフィアさんも手を打ってくれたのでしょう? なら、文句はありません。それで、どういう手を打ったのですか?」
「今日リアスにも知らせるんだけどね。それは君には不利だろうけど・・・・・・いや、君なら勝てるかもしれないと思う。ライザーとリアス、いのりの3人の王によるレーティングゲームだよ。グレイフィアに仕込まれた君なら、勝てるだろう」
レーティングゲームか・・・・・・一度だけ見たことある。確か、冥界で悪魔の王どうしが眷属を率いて戦い、勝敗を決めるゲーム。それが今回の『手を打つ』という事か。いのりの眷属は俺と祭のみ。どう考えても不利だけど、リアス先輩が協力してくれるなら・・・・・・勝てるかもしれない。でも、相手の王の強さによるけど。
「そんな・・・こっちが不利だと思う。これじゃあ、絶対にライザーを倒せない。私はライザーなんかと結婚したくない。ずっと・・・桜歌と一緒にいたい」
「勝てない・・・・・・? そんなに強いのか、ライザーって?」
いのりは悲しそうな顔になり、こっちを見てきた。何処か懇願するようなその瞳には、俺に頼っているような、何処かに連れ出して欲しいような瞳をしていた。俺が疑問に思っていると、グレイフィアさんが口を開く。
「そうですね、まずあの家特有の能力は厄介でしょう。桜歌、フェニックス家には不死の能力があります。傷を負っても、すぐに回復する能力です」
「さらにライザーは、実質レーティングゲーム無敗だよ」
前言撤回・・・・・・どうやら、結構不利なようだ。それでも、俺は諦める気なんて無い。死刑宣告に近いような気がするけど、何とかしないとな・・・・・・。
「思い出しなさい、桜歌。私の使用人修行を終えたあなたなら簡単に勝てるでしょう。まあ、それが鈍ってなければの話ですけど」
「無茶苦茶ですね、グレイフィアさん。俺が修行をしたのって、結構前ですよ」
「確かに人間時代、あなたは異常な身体能力・・・・・・主に、感覚器官を持っていました。それを気に入り『仕込んでみるか』とサーゼクスが言ったときは、此処までになるとは思いませんでした。リアスの女王は投げ出しましたから。私があなたの保護者になったのも、私があなたを自分の子にしたかったからですが、本当の子に何時かなって欲しいものです」
グレイフィアさんは楽しそうに笑顔を浮かべ、まるで愛しい子を見るかのような優しい目で、俺を見つめた。・・・・・・やっぱり、俺はグレイフィアさんに勝てないようだ。どう見ても、その瞳に嘘は無く、本気で俺を引き取りたいと思っているようだ。
この後、俺とサーゼクスさん達は日常の話や、学校の話などをした。それを聞くサーゼクスさんとグレイフィアさんは、楽しそうに俺といのりを見て、帰って行った。
───ライブ直前───
side《篠宮 綾瀬》
私はライブを見ていた。冥界で有名な・・・・・・私が何時も、力や勇気を貰っているアーティストのライブ。その会場に私は車椅子に座って、『EGOIST』が出て来るのを待った。外にはついて来た仲間が居るのだが、その仲間達は『EGOIST』の音楽が好きでも、あまりこの群衆の中には入らない。
私の乗っている車椅子の後ろには、1人の女の子が付いており、私の車椅子を掴んでみ離さないようにしている。
「綾ねぇ、このアーティスト好きだよねぇ~」
「うん、この人達の作る歌詞って、私に力をくれるんだ。それよりもツグミ、あなたもこのアーティストは好きでしょ?」
「綾ねぇ程じゃないよ。でも、綾ねぇは好きな人いるもんねぇ~。確か、綾ねぇの初恋の桜歌って人もこの音楽家の桜歌って人も同じ名前なんだよね? どっちが好き?」
ツグミが突然変なことを聞いてくるため、少しむせかけた。私の今の顔は真っ赤になっていることだろうが、ツグミの位置からは見えない。私はそれに安心しながらも、自分の胸に手を添えて、前を見る。そこには、仮面を付けた男性が入ってくるところだった。何時もの執事衣装ではなく、白いコートを着ている彼は、新鮮だった。衣装替えかな?
私がそう思っていると、突然白いコートの男が仮面に手をかけた。そうして仮面を脱ぐと、そこには忘れもしない、幼なじみの顔があった。
どうして・・・・・・桜歌もこっちに? 何で、桜歌が冥界でアーティストを・・・・・・? あいつを殺すまでは、絶対に会いに行かないって決めてたのに。
「ツグミ・・・・・・大雲さんとアルゴの所に戻るわよ」
「えっ? いいの? 綾ねぇ、始まったばっかだよ?」
「ええ、構わないわ。早く戻りましょう」
ツグミが車椅子を押して、私は会場から出て行く。もう少し見ていたかったが、それをしたら桜歌と会えない。私には、やらなきゃならないことがある。
会場の廊下に出て、外に向かって進んでいく。
数分くらい進んでいると、二人の男が目に入った。1人は大柄な男で、もう1人は見た目何処かの不良みたいな頭の男。大柄な男は大雲さんと言って、私達を纏める役のおじさんと言う感じの人。もう1人の不良みたいなのは、月島 アルゴと言って、一応同い年くらいの男だ。
「あれ? もう帰ってきたのか、綾瀬。確か、まだ始まったばかりだぜ」
「ごめん、ついてきてくれたのに・・・・・・みんな」
「何かあったのか?」
アルゴは欠伸をしながらこっちを見て、聞いてくる。私の様子を気にしているのか、大雲さんも心配してくれている。
「『EGOIST』の”桜歌”って、私の幼なじみの”桜歌”だったの・・・・・・」
「だとしたら、なおさら出て来ていいのかよ? 久しぶりに見たんだろ? もしまだみたいなら、此処で待ってるぜ」
アルゴがライブを見てくるように勧めてくるが、そんな気分じゃない。・・・・・・いや、まだ会いたくないのは私だけで、私の目的を果たさないことには会えない。
「お前の目的を果たそうとする心はわかるが、少し休養も必要だろう」
「そうだよ、綾ねぇ。もしかしたら、”初恋”の人と話せるかもしれないんだよ? チャンスじゃん」
大雲さんとツグミまで勧めてくるが、私は俯いて答えなかった。
それからライブ会場に私は戻ることなく、みんなで帰ることになった。私は桜歌がライブをやっている会場を振り返ることなく、ただその場を去るのだった。
はい、魔王様と堕天使が同じ食卓についてしまいましたね。
ついでに魔王一家・・・・・・特にグレイフィアさんは本気です。
それと、リアスさんは魔王に報告してませんね。レイナーレの件。
最後に出て来た綾瀬はライブ中の話です。
この話に飛んできてすみません。