ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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ライザーさん、登場です。


第十五話  焼き鳥って炭火でひっくり返して焼くのが一番ですね!

 

 

 放課後、俺といのり、祭はオカルト研究部の部室にいた。目の前のソファーにはピリピリしているリアス先輩、その横にはグレイフィアさん、壁には木場がもたれ掛かっており、

小猫と朱乃さんは俺の横に避難している。いのりはリアス先輩の横に座っているのだが、事情が事情なので仕方ないだろう。祭は小猫の隣で、グレイフィアさんが何故メイド服を着ているのか気になっている様子だ。

 

「桜歌君、話は聞いていますか?」

 

「はい、朱乃さん。婚約者の事ですよね? 数日前に家にサーゼクスさん達が来たので、その時に食事をしながら教えてもらいました」

 

 朱乃さんがこのピリピリした雰囲気と、俺といのりの心配でもしているのか、事実上の確認をしてきた。一誠は知らないだろうけど、今日教えるつもりらしい。それと、リアス先輩が怒っている理由は他にもある。

 

「なんで桜歌が教えてもらうのが先なのよ! ・・・・・・いえ、わかるけどなんで私が最初じゃないのかしら」

 

「リアス様、これは保護者としての当然の責務を働いたまでです。いのり様とお付き合いしている桜歌には、最初に知らせたかったので」

 

「最近、グレイフィアが私情を挟む機会が多くなっている気がするわ・・・・・・グレイフィアが結構肩入れしていることはわかってたけど、保護者になるなんて・・・・・・」

 

 リアス先輩がピリピリしている理由・・・・・・そう、実はリアス先輩はグレイフィアさんが俺の保護者をしていること、その事実を知らなかったのだ。どう言うわけか、知らせていなかったらしい。

 

「でも、流石は私の息子です。ケーキや紅茶をここまでにするとは、やはりあなたもグレモリー家で一緒に使用人をしませんか?」

 

「・・・・・・やっぱり、桜歌先輩のケーキは美味しいです」

 

「あらあら、桜歌君を息子だなんて随分愛されているんですわね」

 

 グレイフィアさんは当然のように勧誘をして、ケーキを一口食べる。小猫や朱乃さん、リアス先輩の前にもケーキと紅茶が置かれており、俺がグレイフィアさんに会うなり成果を見せろと言われたのだ。来て早々、『息子の成長を見ます。義理でも、私の大切な子ですから』と言われたのだ。

 

「グレイフィアさん、息子になった覚えはありませんよ?」

 

「桜歌は酷いですね、親を子じゃないなんて・・・・・・私はちゃんとした保護者ですよ」

 

 否定したのに、軽く返されてしまった。グレイフィアさんとの言い合いでは、勝てる気がしないので、これ以上はやらない方がいいだろう。

 

「全く、お兄様とグレイフィアには呆れたわ。桜歌を養子にしたいだなんて・・・・・・魔王が1人の悪魔に肩入れするなんて、少し問題よ。しかも、血のつながりすらないし・・・・・・」

 

「リアス先輩、俺もよくわからないですよ。本気には時折見えるんですが、それより今はあの面倒な婚約者ですよ」

 

「それもそうね、私も帰りたくないし。今はあいつを追い返すことに集中するわ」

 

 呆れるリアス先輩を俺が話題を逸らして、機嫌を取る。俺達がピリピリした空間の中で会話をしていると、扉が開いて一誠とアーシアが入ってきた。

 

「なんと! 銀髪メイド美人ですと!? ・・・・・・って、なんでピリピリしているんですか皆さん、少し怖いんですが・・・・・・」

 

 何時も通りに反応した一誠でも、流石にこの空気には気付いたようで、グレイフィアさんとリアス先輩、いのりの3人を交互に見ている。おそらく、誰からこの空気を出したのか、

わかったのであろう。

 

「一誠、この人は魔王の───『桜歌の義母です。出来れば、桜歌にはお母さんと呼んで欲しいんですがね』・・・・・・グレイフィアさん、それは言わなくても───『それは余計なことを言おうとした桜歌が悪いです。本来の自己紹介を間違えたではありませんか』・・・・・・わかりました、もう余計なことは言いません」

 

 俺はグレイフィアさんを魔王の妻と紹介しようとしたところで、グレイフィアさんに違う方法で止められてしまった。明らかにわざとだろうが、グレイフィアさんはメイドの時専用の表情で、挨拶をする。

 

「私はグレイフィア、グレモリー家の専属のメイドでございます。私は桜歌の保護者を承っていますので、どうぞお見知り置きを・・・・・・もう1人の息子とも考えています」

 

「えっ、息子? お前、親がいないんじゃなかったのかよ」

 

「それはその人が言ってるだけで俺に親はいない」

 

 グレイフィアさんが余計な一言を最後に付け、一誠が困惑する。一誠には俺の親がいないことを伝えているため、当然の結果だろう。俺が一誠に理解させようとしていると、リアス先輩が話を戻す。

 

「今はその話は後にしてちょうだい。実は・・・・・・来たわね」

 

 リアス先輩が話そうとすると同時に、床に大きな魔法陣が現れる。その紋章は、教えてもらったとおりのフェニックス家の紋章だった。一瞬炎を上げたかと思うと、そこから1人のホストみたいな男が現れる。

 

「やあ、リアスにいのり、迎えに来たよ。さあ、一緒に帰ろうじゃないか」

 

「悪いけど、すぐに帰ってくれる? ライザー」

 

「私はもう結婚する人は決めた。だから帰って・・・上が決めたかどうか知らないけど、私は桜歌の側を離れない」

 

「おいおい、なに言ってるんだリアスにいのり。俺たちの結婚は、いのりは上層部が決めたとは言え、純血悪魔を繁栄させるのに必要なことなんだぞ? それに、滅びかけているアンドロマリウス家を復興させる良い機会じゃないか」

 

 冥界に帰ることを誘うライザーに、リアス先輩といのりは拒否をした。リアス先輩もいのりも嫌悪感丸出しなのに、近づいてライザーは触れようとする。

 

 ライザーがいのりに触れようとした瞬間、俺がライザーといのりの間に立ちはだかった。

俺はライザーの手首を掴んで、いのりに触れないようにしている。

 

「ん? お前はなんだ? ああ、そうか。お前は確かアーティストだったな。例え冥界で有名なアーティスト風情でも、俺の手に触れて良いなどと───っ!?」

 

 ライザーが腕を掴まれていることを気にくわなかったのか、炎を放とうとした瞬間、俺が手首を捻ってライザーを床に転がした。ライザーはなにが起きたと言わんばかりの顔で、俺を見上げている───訂正、俺が見下ろしてた。

 

「悪いけど、いのりは俺のものだから帰ってくれないか?」

 

「貴様ぁぁ~~! 俺を相手にこんな事をして、ただで済むと思うなよ!」

 

 ライザーがまた火を放ったところで、俺はその場から離れた。一応、黒歌のお陰で仙術に関しては少し覚えれたため、身体能力もあがっている・・・・・・まあ、元も高かったけど。

 

 俺はいのりの横に降り立ち、起き上がるライザーを見ていた。正直、執事時代に教えられた柔術で簡単に転がせるとは思ってなかった。これなら、簡単に勝てるような気がしてきた。

 

「えっと、部長、これはどういう現状ですか?」

 

「イッセー、あなたはまだ知らないわよね。この人はライザー・・・・・・一応、私といのりの婚約者ってことになってるわ」

 

 この現状に戸惑う一誠に、リアス先輩が事情を説明し出す。ライザーがフェニックス家の三男であることと、結婚のために迎えに来たこと、さらに自分が結婚する気もないことを付け足した。

 

 ライザーは服に付いたほこりを払い、空いている椅子に座る。座ったと思ったら、炎の玉を俺に向けて放ってきた。俺はそれをまともに受け、炎に包まれる。

 

「桜歌・・・!」

 

「ライザー、あなたなんてことを! グレイフィア、すぐにこの火を・・・・・・?」

 

 いのりとリアス先輩が心配するが、俺は平然と立っていた。火に包まれながらも、それを横に腕を一閃するだけで取り払う。

 

「ちょっと熱かったな。服が焦げたか・・・・・・」

 

「やはり、桜歌は素晴らしいですね。流石は私の大切な子です」

 

 グレイフィアさん以外のみんなが、俺が平然と出て来たことに驚いていた。流石、仙術というべきか、体に気を巡らすだけでダメージがほとんどない。防御力強化って、こういうことか・・・・・・。

 

「ちっ! ちょっと加減しすぎたか。まあいい、早く帰るぞリアスといのり、悪魔の未来のためには俺達の結婚が必要不可欠なんだ」

 

 そう言って、リアス先輩の横にライザーが座り、太腿にさわり始める。それをうっとおしそうにリアス先輩が払いのけ、言い放った。

 

「悪いけど、私もいのりも帰る気なんて無いわ」

 

「そうか、じゃあ仕方ないな」

 

 ライザーはそう言って、指を鳴らした。それと同時に、ライザーの後ろに炎があがり、それがはれた頃には沢山の女の子たちが立っていた。

 

 そして、その女の子の数名・・・・・・約半数が俺に群がる。

 

「わぁ、本当の桜歌様」

 

「桜歌様、あえて光栄ですわ」

 

 と、口々に挨拶してきた。どうやらライザーの眷属にも俺のファンは居るらしく、群がった理由もそれのようだ。俺はペタペタと触られながらも、ライザーの方をみる。そこには、青筋を浮かべているライザーが眉をひくひくとさせていた。

 

「おい、お前らこっちに来い」

 

 それを聞いた女の子たちは、渋々と言った感じでライザーの後ろに戻っていく。どうやらライザーの気に障ったらしく、頭を抱えていた。

 

「ん? おい、リアス。そこの下僕君が俺を見て泣いてるぞ?」

 

「ああ、あの子はハーレムが夢なのよ。だから、あなたの眷属を見て泣いてるんじゃない?」

 

 ライザーの視線の先には、大泣きしている一誠がいた。それをなんとみたのか、ライザーは1人の眷属を隣に呼び出し、キスをし始めた。それを終えると同時に、一誠がライザーに向かって殴りかかる。

 

「テメエ、一発殴らせろ!」

 

 一誠が殴りかかると同時に、ライザーが眷属に声をかけて、1人の眷属が出て来た。その手には混紡を持って、ライザーに殴りかかろうとする一誠を天井に叩き上げた。

 

 一誠は天井にぶつかると、床に落ちて息を整えようとする。

 

「おいおい、そこの女王君に比べて、弱過ぎじゃないか?」

 

「一誠! ライザー、あなたを絶対に許さないわ」

 

 リアス先輩がライザーを睨みつけて、言い放った。それをみたグレイフィアさんが時期と見たのか、口を開く。今まで傍観していたが、そろそろ切り出す良い頃合いだと思ったのだろう。

 

「では、このままでは埒があかないので、レーティングゲームで決着をつけてはどうでしょう? 本より、いのり様の救済措置として、勝てば婚約破棄、負ければ結婚ですが・・・・・・どうしますか?」

 

「レーティングゲーム? 乗ったわ。私はまだやることがあるもの」

 

「レーティングゲームか・・・・・・いいだろう。どうせ、俺の眷属に適うとしたらリアスの女王くらいだからな。そっちの女王君は、まだ悪魔になったばかりで使い物にならないだろ」

 

 ライザーは舐めているかのように俺達を見下して言い放つ。こうして、俺達のレーティングゲームが10日後に決まり、その日はライザーも冥界に帰ったのだった。

 

 

 

 

 

 side《ツグミ》

 

 

 私とアルゴは、帰り道を歩いていた。学校も終わり、無駄に男子達の所為で疲れた気がするけど、

綾ねぇの初恋の相手を観察できただけでも収穫かな?

 

「はあ~、あのロリコンども、無駄に疲れた~」

 

「ハハハッ、お前大人気だったからな~。それにしても、あいつは意外と良い奴だな。なんで綾瀬が惚れたかわかった気がするぜ」

 

 私とアルゴは今日のことを思い出しながら、家に辿り着いた。扉を開け、玄関で靴を脱ぎ捨ててリビングへと向かう。リビングの中に入ると、そこにはテレビを見ている綾ねぇがいた。

 

 今日は男子共が無駄に近寄ってくるため、『鞄をお持ちします』だったり、『昼飯なら俺が買ってきます』だったりで群がってきてうるさかった。でも、アルゴの横にいたら近付くのをためらう奴がいたので、今度から有効活用させてもらおう。

 

「綾ねぇ、ただいま~」

 

「お帰りなさい、ツグミ、アルゴ・・・・・・で、桜歌はどうだった?」

 

 そんなに気になるんだったら一緒の学校に入ればいいのに・・・・・・しかも、綾ねぇは顔を赤らめてるし、自分で会いに行けばいいのにな~。そんなに好きだったら、私なら自分で会いに行くわよ。

 

「うん、普通・・・・・・ではないかな。まあ、優しいし顔も良いし、他の色目使ってくる男共とは違って魅力的かな? アルゴに近付ける奴なんて、そうそういないからね~」

 

「お前、俺が怖いみたいに言うなよ・・・・・・」

 

 アルゴが落ち込み、ドサッとソファーに腰を下ろした。どうやら、アルゴの精神を傷つけたようだが、表す方法が見つからなかったからしょうがない。

 

「ツグミ、まさか好きになってないでしょうね・・・・・・?」

 

「綾ねぇのご想像にお任せします。というか、桜歌ってハーレム作ってたような気がするよ? そばに女の子が二人も居たし。確か、いのりと祭だっけ?」

 

 私が桜歌を好きになったと思ったのか、綾ねぇが慌て出す。今でも好きなのは知っていたが、祭の名前を出した瞬間に綾ねぇが反応した。

 

「あっ、そう言えば祭も元気だった? あ~、祭に先越されたかも・・・・・・」

 

「そんなに落ち込むんだったら、綾ねぇもあの学校に入れば良いじゃん。綾ねぇ、うかうかしてるとそのうち桜歌が遠くに行っちゃうよ。ただでさえ、競争率高そうだったし」

 

 綾ねぇがさらに落ち込み、うじうじとしだす。仕方ないな、神器で顔でも見せてあげようかな。そうすれば少しは元気になるだろうし。

 

「”猫耳通信機(キャット・シミュレーション)”禁手化! ”黒猫の監視者(オペレーション・オペレーター)”!!」

 

 私の頭に付いた猫耳が光出して、私の体が光に包まれた。数秒で光がはれると、そこには黒猫風のピッタリとした服を着た私がいる。

 

 空中に光のスクリーンを展開し、そのうちの一つをみる。そこには、学校であった桜歌が大量の人に囲まれている姿があった。それを綾ねぇの前に移して、様子を見せる。

 

 私の神器、”猫耳通信機”はその名の通り通信機の役割をしている。みんなの猫耳だと思っているものが実は、神器だったのだけど、誰も猫耳が衝撃的過ぎて気付かなかった。ついでにハッキングもこれ一つで簡単だが、禁手はもっと凶悪だ。禁手の”黒猫の監視者”はいろんなところを別の場所から見れるし、人の家の中まで覗ける。しかも、誰に気付かれることはない。それに、このピッタリとしたスーツは意外とお気に入りで、可愛いと思う。自慢の神器だ。

 

「ほら、綾ねぇこれ見て元気だしなよ。桜歌を映したから・・・・・・って、炎に包まれてる!?」

 

「桜歌が・・・・・・死んじゃう」

 

「綾ねぇ、ちょっと落ち込まないでよ! ほら、無事じゃない!」

 

 画面を見てみると、そこには炎に包まれている桜歌がいた。会話内容ももろバレだけど、綾ねぇが燃える桜歌を見て慌てだした。

 

 私は会話内容を聞きながらも、綾ねぇをなだめることに必死になるのだった。




はい、ツグミの猫耳は神器です。

《猫耳通信機》禁手は《黒猫の監視者》
1,ところかまわず監視出来るが、プライバシーなんてすぐに敗れる。
2,通信機の役割をしてます。
3,禁手時はギルクラの時のあのスーツ姿です。
4,マジでプライバシーを敗れるチート神器です。
5,監視されてることに気付かれることはないです。
6,音声と映像の両方が筒抜けです。

これが大まかな情報ですね。本は頭に付いている猫耳です。
桜歌や一般人、誰も気付いてません。
なにせインパクト強すぎますから。
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