ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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うーん、修行開始?


第十六話  修行開始と駒王学園2人目のマスコット

 

 

 

 翌日、俺は何時も通りに朝の修行を終えてリビングにいた。リビングには、祭にいのりにレイナーレが一緒にご飯を食べている。レーティングゲームは10日後に迫っているのだが、緊張感があるのはいのりだけ・・・・・・俺は負けることなんて考えてない。人間ポジティブに生きようとすれば、どうとでもなるものだ。・・・・・・まあ、不幸のどん底にいる人間がそんなのしてたら開き直ったとか、狂ったとか言われるだろうけど。

 

「ねぇ、桜歌・・・・・・本当に勝てるの?」

 

「勝てるのか、か・・・・・・そんなの、勝たなきゃいけないに決まってるだろ。というか、あんな簡単に転がされる奴に負ける気もないし、万年発情焼き鳥にいのりは渡さない。眷属相手になにやってんだよ。というか、婚約者の前でキスなんて・・・・・・俺、あいつと変わらないような気がするんだけど」

 

 思い返してみれば、ハーレム作ってる時点で俺はあの焼き鳥と変わらないのかな・・・・・・しかも、手を出したい欲求が日に日に強くなっている。いのりは勿論、祭とレイナーレも例外じゃない。可愛いから仕方ない、それで片付けるとしても、自信なくしそう。

 

 俺は落ち込み、ご飯を食べる箸が止まる。それを心配したのか、本心なのか定かではないけど祭といのり、レイナーレが俺を励ましにかかる。

 

「そんなのあいつと桜歌は違うに決まってるよ。桜歌に求められるのは嬉しいし、それに本気で考えてくれるから好きなんだよ?」

 

「そう・・・桜歌とライザーは違う。ライザーは悪魔の未来を気にしてるだけ・・・」

 

「桜歌様は素敵です。優しいです。不倫じゃありません、あんなのと違って、ちゃんと責任を取るおつもりなんですから」

 

 うん、ハーレム作る・・・・・・作ってる時点で、いろいろと壊れてる。何時から俺は路線変更したのか知らないけど、祭の悲しむ姿見たくないし、いのりが好きだ。一誠はハーレムについてどう考えているのかな? あいつが公言してたけど、『上級悪魔になってハーレム作りたいです! そして、女の子相手にあんな事やこんな事を・・・・・・!』って、セクハラ上司以外のなにものでもない。相手の女の子の気持ちとか、あいつ考えてるのかな?

 

 ───ピンポーン!───

 

 俺は1人考え込んでいると、インターフォンがなり、来客を知らせた。ご飯は食べ終わっていないので、食べ終わっているいのりが玄関に出て行った。そして、数分でいのりがリアス先輩と一誠を連れて戻ってきた。

 

「いのり、桜歌、今から修行に行くわよ!」

 

「あっ、リアス先輩に一誠・・・・・・何でですか?」

 

「何でって、あなたいのりが連れて行かれてもいいの? レーティングゲームに備えて、今から強化合宿に行くのよ・・・・・・それに、給仕が欲しいわ」

 

「俺は使用人ですか・・・・・・」

 

 リアス先輩の突然の訪問に、突然の修行発言・・・・・・しかも、半分近くが給仕目当てなのは少し当たっている気がする。こっちはこっちで・・・・・・いや、俺だけは自分のメニュー勝手に考えてたんだけどな。別に、俺1人で修行するつもりだったのに・・・・・・しかも、黒歌との特訓だし。これじゃあ、特訓が出来ない。

 

「まあ、それは気にしないでいいじゃない。あなたは修行が必要だけど、いのりから聞いてるわよ。

1人で朝の練習メニュー増やして特訓してるって」

 

「まあ、そうですけど・・・・・・俺は自分の修行方法考えてたんですけど?」

 

「それはあっちでやればいいわ」

 

 どうやら、いのりが俺の修行をしていることを教えたらしく、リアス先輩は感心するように頷いている。自分は1人で修行すると言ったはずなのに、何故かスルーされる。

 

 一誠はレイナーレを気にしているようで、レイナーレも一誠を目の前にして縮こまっている。そう言えば、謝ってもらったのって、俺だけだったな・・・・・・少し、何とかしようか。

 

「レイナーレ、ちょっと来てくれ」

 

「はい、桜歌様・・・・・・」

 

 レイナーレは言われたとおりに俺の横に来て、一誠を気にしながら俺の方を見てくる。俺はレイナーレを引き寄せて、抱き締めた。レイナーレはビックリしながらも俺の膝に乗り、されるがままに頭を撫でられ、気持ちよさそうにしながら、俺に身を預けてくる。

 

 一誠は当然のごとくビックリして、リアス先輩すらも驚いているようだ。なにせ、悪魔と堕天使がこんなに仲良くしているなんて、あまり見られないからな。

 

「一誠、今だにレイナーレが・・・・・・堕天使が怖いか?」

 

「ちょっと、桜歌・・・・・・!!」

 

「桜歌様・・・・・・」

 

 リアス先輩は俺に咎めるように言い、レイナーレは驚いたようにしながら身を縮こまらせる。一誠は少し苦い顔で、俺に聞き返す。

 

「お前は、怖くないのかよ・・・・・・堕天使に、そいつに殺されたんだぜ?」

 

「う~ん、怖くない。俺はレイナーレが好きだし、殺されたのは俺にとっても良いことだったからな。なにしろ、いのりの知らない一面が見られた、知れた、本当の意味で全部をわかったんだ。隠し事をしてるって、辛いだろ? それに、今の生活に満足してる。もし、悪魔じゃなかったら、このまま黙っていのりが結婚するのを見てなきゃいけなかったんだぞ。俺は人間だったとしても、あのライザーに殴りかかってただろうな」

 

 俺には、レイナーレには感謝することがいっぱいだった・・・・・・筋違いかもしれないけど、レイナーレのお陰で良いこともたくさんあった。殺されかけたけど、レイナーレを恨む理由なんて無かった。

 

「そっか、そうだよな・・・・・・うし! 俺もクヨクヨしてらんねえや!」

 

「とか言って、お前足が震えてるぞ」

 

「うるせぇ、一応これでも良いことあったと思ってんだよ!」

 

「じゃあ、レイナーレの胸でも触る?」

 

「マジか!?」

 

「お、桜歌様!?」

 

 俺の『レイナーレの胸を触る?』発言に一誠は反応して、足の震えが止まった。レイナーレは赤面しながら、『桜歌様がそう命令するなら、仕方ないよね・・・・・・桜歌様の役に立つためだし』とか呟いているが、そんな事は冗談に決まってるだろ。

 

 一誠は本当、女の子が絡むと凄いな・・・・・・相手の気持ちって考えてるんだろうか? そう思って試してみたけど、考えてそうに見えない。・・・・・・学校で覗きは平気でやるし。

 

「悪い、冗談だ。レイナーレを渡すわけはないだろ。それに、お前も足の震えが止まってるぞ」

 

「うおっ、ひでぇよ! マジで期待したのに!」

 

「もう、桜歌様~!」

 

「桜歌でも冗談は言うのね・・・・・・まあ、結果的には良かったのかしら」

 

 俺が冗談だというと、一誠は本気で落ち込み、レイナーレは顔を赤くしてポカポカと叩いてくる。

リアス先輩といのりはこの光景を見て、ただ微笑むのであった。

 

 

 

 

 それから1時間後、俺達いのりの眷属とレイナーレ、リアス先輩の眷属達はみんなで一緒に荷物を持って山を登っていた。勿論、いのりと祭、レイナーレの荷物は俺が全部持っており、中身は女の子に必須のアイテムばかりだが、何せ女の子なので荷物が多く、大きな岩くらいの荷物を俺が持って運んでいた。

 

「くっ、重い・・・・・・桜歌、お前何で平気なんだよ」

 

「・・・・・・いのりの眷属でまともに戦えるの、俺しかいないだろ。それに、日頃からライブの為に鍛えてたから元が違うんだよ。というか、魔法で運んじゃ駄目かな?」

 

 一誠は俺の3分の1程度の荷物でへばっており、額から汗を流して坂を上っている。目の前にはいのりとリアス先輩が並んで歩き、朱乃さんはその横でこちらの様子を伺っている。

 

 俺達の後ろには、小猫と木場が同じように持っているが、一誠は楽な方だった。というか、一番重労働してるのは俺だと思う。

 

「・・・・・・イッセー先輩、邪魔です」

 

「小猫ちゃん、せめて労ってよ! 何でこの状況で罵倒されてるんですか!?」

 

 何時の間にか、小猫が俺と一誠の後ろで俺たちを邪魔そうにしていた。流石、戦車と言ったところだけど、俺は何なんだろうな? 

 

 小猫は俺の荷物より、少し小さいくらいの荷物を運んでいる。少しといっても、殆ど変わらないのだが、俺の最近の人間から外れた頃からいろいろとおかしい。悪魔になったら、怪力特典でもついてたのかな?

 

 俺がそんな事を思っていると、小猫が先を歩いていこうとするので、俺は一誠を見捨てて小猫について行く。だって、一誠の横にいると、修行にならないんだよな。

 

「小猫、凄いな」

 

「桜歌先輩も凄いですよ。戦車じゃないのに・・・・・・」

 

「でも俺だってただ修行してただけだ。ライブの為に、今はいのりと一緒にいるためだけど」

 

「桜歌先輩、何か歌ってください・・・・・・聞きたいです」

 

 小猫は俺の荷物を見ながら、悔しがるように言い放った。俺も謙遜したように返すと、歌を歌えといわれる。どうやら、歌をご所望なようで、俺を見る目が爛々と輝いている。

 

 ・・・・・・仕方無い、一曲歌えば登り切るだろ。

 

 俺は一呼吸すると、歌を歌い始める。この苦しい状況(一誠にとっては)を楽しくするために、リズミカルな楽しげな曲を歌い始めた。それと同時に、周りの草木が踊るように揺れ始め、そのまま俺と小猫はズンズンと山を登っていく。

 

 そして歌いきると、隣には何時の間にかいのりと朱乃さん、リアス先輩までいた。何時からか寄ってきたのは覚えているけど、正確には何時か忘れた。

 

「何というか、その状況でも歌えるのね・・・・・・」

 

「流石、桜歌君ですわ。きれいな歌声です」

 

「・・・・・・桜歌先輩、良かったです」

 

 リアス先輩は少し驚きながらも、褒めてきた。朱乃さんはニコニコとしながら、俺の体にくっついてくる。それに対抗心でもあるのか、小猫は少し黒いオーラを発生させていた。褒めているけど、何か怒ってる。もしかして、朱乃さんがくっつくことが気に食わないんだろうか? それ以外に、原因が考えられない。

 

「小猫、怒ってる?」

 

「怒ってません」

 

「朱乃さん、どうにかしてください」

 

「あらあら、じゃあこうすればいいですわ。こうやって、胸を密着させれば、桜歌君も嬉しいはずですわ」

 

 朱乃さんがそう言うと同時に、胸を俺の腕に密着させてきた。朱乃さんの大きな胸の柔らかい感触が、俺の腕を圧迫する。

 

「朱乃先輩、私に対する当てつけですか?」

 

「違うですわ。ただ、桜歌君に喜んでもらおうとしているだけです」

 

 何処か喧嘩しているように見えるのは、気のせいだろう。小猫って、胸の大きさを気にしてるんだろうか? 可愛いから気にしないで良いのに・・・・・・。それに、あの姉猫だって巨乳だし、いずれ大きくなると思う。女の子は好きな人に揉まれると大きくなるって聞いたけど、姉猫は絶賛発情大好き猫だしそれが影響したんだろうか?

 

「あの、そろそろ喧嘩を止めてください。つきましたよ?」

 

「桜歌君は大きい胸と小さい胸、どちらが好みですか?」

 

「桜歌先輩、答えてください・・・・・・」

 

 何やら真剣な表情で、俺に朱乃さんと小猫が聞いてくる。喧嘩が発展して、こっちに来るとは思ってなかったな。しかし、そんな事言われても関係ないと思うんだけどな。

 

「う~ん、俺はどっちでも良いと思いますよ? 小さい胸も、大きい胸も両方とも・・・・・・俺は可愛ければ、それで良いですから。朱乃さんも、小猫も両方とも可愛いと思いますよ?」

 

「うふふっ、桜歌君は大胆ですね」

 

「・・・・・・桜歌先輩///」

 

 俺の返答に、朱乃さんと小猫は嬉しそうにする。朱乃さんは俺に胸を押しつけ、小猫は俺の服の袖をぎゅっと掴む。ヤバい、抱き締めたくなってきた。

 

 俺は荷物を背負いながらも、二人を抱き締め始める。小猫も荷物を持っているが、関係無く抱き締めあげて、頬擦りをする。朱乃さんは抱き締めたはいいが、胸の感触が強くなり、後ろで『また始まった』といのりに言われたのは、仕方のないことだろう。

 

 

 

 

 

 side《アルゴ》

 

 

 俺は今、学校の木の陰で体育の授業の自由時間を楽しんでいた。俺の近くには、ツグミと大雲さんが芝生の上で座っている。大雲さんは、俺らがこの学校に入るときに、体育教師としてこの学校に来たのだ。そして、気になることが一つ・・・・・・桜歌と悪魔連中が全員いない。

 

「あ~あ、全く詰まらねえぜ。あいつら何で今日は来ないんだよ?」

 

「まあ、そう言うな。本の目的は桜歌を見ることとは言え、何か事情があるのだろう」

 

 俺は退屈だった。話し相手が、大雲さんとツグミしかいない。友達が出来るタイプだとは思ってなかったが、あいつらが休むだけでこんなに退屈だとは思わなかった、決してぼっちじゃない。

 

「アルゴ、あいつら以外に友達出来ないもんね~。ぼっちだもん」

 

「うるせぇ、誰がぼっちだ! 俺にも友達くらいいる!」

 

「それなら、誰かと一緒にあのドッチボールでもしてきたら?」

 

「ぐっ・・・・・・!!」

 

 ツグミに指摘され、言い返すもまともな反論が出来なかった。俺って、ぼっちなのかな・・・・・・何であいつら休みなのかな? 俺、早退しようかな?

 

 俺が1人で考えていると、ツグミが思い出したかのように言い出した。

 

「あっ、そう言えばあいつらは今度レーティングゲームやるらしいよ。それで、確か今日から強化合宿しに行くって言ってたよ」

 

「お前、それを先に言えよ・・・・・・」

 

「だって、忘れてたの。仕方ないでしょ」

 

 レーティングゲームか・・・・・・確か、悪魔どうしがバトルんだよな。ゲームと言いながら、悪魔に戦わせて強くするシステム的なゲーム・・・・・・知らずのうちに、悪魔の戦力とかになるからな。まさに娯楽としても、軍事としても一石二鳥のゲームだ。

 

「ツグミさん、見つけました!」

 

「こっちに姫が居られるぞ!」

 

「さあ俺らと一緒に青春を歩みましょう! そんなむさ苦しい連中といないで」

 

「余計なお世話よ! あんた達もかまわないでくれる?」

 

 さて、今俺と大雲さんの前ではツグミの取り合いが行われている。ツグミは朝の間、俺を盾にしていたが、それも効力がなくなってしまった。しかも、むさ苦しいって・・・・・・俺と大雲さんのコンビ見たらそう思うだろうけど、俺、一応高校生だぜ・・・・・・。

 

「今日は瀬戸、兵藤が共にいない! そして、2大お姉さまに歌姫どの、マスコットまでもいないのに今日がもう1人のマスコットを落とす最高の機会なんだ! 桜歌にまた1人取られてたまるか!」

 

「俺たちは、お前をあの魔の手から保護しようとしているんだ! わかってくれ!」

 

「どっちが魔の手よ! さっき『落とす』とか聞こえたわよ! 兎に角、あんたらに付き合ってる暇なんて無いし、私はあんた達に寄り付かれたくないのよ!」

 

 朝からずっとこんな調子で逃げ回ってるため、ツグミは精神的に結構疲れている。勿論、俺が助ければいいのだが、いい方法が見つからない。

 

 ましてや、面倒ごとなんて真っ平だ。俺とツグミ、大雲さんは桜歌の観察や監視できたのだ。それも全部、綾瀬のためというはた迷惑な行動だけど、ツグミが言い出したことだ。俺らもそれに付き合わされたのは、言うまでもない。

 

「ああ、もう・・・・・・! いい? 私が好きなのは桜歌なの! 桜歌を追いかけてこの学校に来たのに、あんた達に邪魔されたらそれどころじゃないわ! 行くよ、くもっち、アルゴ」

 

 ツグミの衝撃告白に崩れ落ちる男達・・・・・・『くそっ! また桜歌か・・・・・・!』と呟いているが、ツグミの後を追って、俺と大雲さんは無言でついて行く。

 

 本気かどうかわからないが、ツグミの告白にはビックリしたな・・・・・・これは、帰ってきたときのあいつがどうなるか目に浮かぶ・・・・・・悪い、桜歌・・・・・・。

 

 旧校舎の裏側に来たところで、ツグミが立ち止まった。そして、くるっとこっちに振り返って、すごく真剣な顔で悩んでいるような様子を見せる。

 

「なあ、何であんなカミングアウトしたんだよ?」

 

「うーん、何か真っ先にあいつの顔が思い浮かんだの。私に優しくしてくれるし、転校してきた私達にいろいろと教えてくれるし、子供扱いしないし・・・本当に好きになってるかも・・・。それに、あれは全部嘘じゃないでしょ」

 

 これは学校に来る楽しみが増えたな・・・・・・俺と大雲さんはツグミの様子に苦笑しながら、また何処かに歩いていくツグミの後を歩いて追いかけるのだった。




ツグミに小さなフラグ発生ですね。
そして、帰ってきたら桜歌には視線ではなく、死線が突き刺さるね。
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