俺は森の中で1人、修行をしていた。周りには誰もおらず、ただ1人でリアス先輩の弓形の紅いヴォイド、《
リアス先輩のヴォイド、《滅殺の紅弓》の能力は紅い滅びの魔力を放てること・・・・・・それも、威力は俺の魔力次第という無駄に使い勝手の悪い装備。このヴォイドはこれ以外のことがわからないため、使い道が弓形の殲滅兵器ぐらいでしかない。まあ、1対10のように戦力差を埋めれるヴォイドなのだろう。
「《滅殺の紅弓》・・・・・・穿て」
俺はもう一度、弓を引き絞って木々に狙いを定める・・・・・・弓を引き絞ると同時に、俺の手元に紅い魔力が現れて棒状のとがった形になる。それを俺は放し、木々に向かって滅びの魔力が一直線に飛んでいき、木々を一つ消し飛ばした。
次に俺は自分の手で魔力弾を作り、数本の木々に打って傷を付ける。今度は複数を同時に狙う練習なのだが、ライザー戦で魔力を使うことはないだろう・・・・・・それでも、やれることは全部やっておかないと後悔するのが嫌なため、やらなきゃならない。
俺はもう一度、弓を引き絞って複数の木々に狙いを定める・・・・・・その数は15、大体眷属と同じくらいの数だ。弓を放った瞬間、紅い魔力が15個にわかれて木々を狙い、見事に傷を付けておいた木だけを消し去った。
「弓の使い方も覚えたし・・・・・・この魔力の感覚も掴んだ」
そう言ったと同時に、俺はリアス先輩の弓形のヴォイドを手放して座り込む。手放したリアス先輩のヴォイドは光を放ち、何処かに消えていく・・・・・・多分、リアス先輩の本に帰ったのだろう。
俺は次に周りに石を5つ・・・・・・俺を取り囲むように、五角形の形で置く。その真ん中で俺は立ち、
次々とイメージをする・・・・・・すると、一つ目の石に炎。二つ目の石に水。三つ目の石に雷。四つ目の石に氷。五つ目の石に風を作り出した。それを俺はどんどん大きくして、操り続ける。
それを俺は消して、次に違うイメージ・・・・・・あのサーゼクスさんとリアス先輩、二人と同じ紅い魔力を思い浮かべる・・・・・・とても荒々しい感覚で、嵐のようなイメージ・・・・・・。俺はそれをイメージして力を思い浮かべ、目の前の一つの石に意識を集中。リアス先輩のヴォイドを使ったときのように、
俺はその力を発生させる。弓形のヴォイドに俺の魔力で滅びの魔力を作られたときのように、その感覚を同じ音で作り出していく・・・・・・。
う~ん、少し失敗だ・・・・・・最初は手の上でやった方がいいかな?
俺は石に作り出すことを諦め、次は自分の手の上でその力を具現化できるように思い浮かべる。普通の悪魔がこんな事できたら苦労しないが、出来そうな感覚だったので仕方ない。音も覚えた、それと同じ音を魔力で作り出せばいい。そんな安易な作り方だが、炎などは全部そうやってイメージと共に作り出した。出来ないはずはない。ただ、作ったら問題だけど・・・・・・。
そうして一時間が過ぎ、俺は手の中に紅い魔力を作り出す・・・・・・それは紛れもない滅びの力で、グレモリーの象徴? 作っちゃったけど・・・・・・。まあ、それは置いといて魔力の消費が激しいし、出すのにまだ時間がかかるという難点がある。普通に魔力を使う3倍くらい、無駄に燃費が悪いのだ。
俺は滅びの魔力を消して、その場に横たわる。一度作ったら覚えたし、明日からは簡単だろう。だがこの修行は、見せて良いものではない。それどころか、いろいろとヤバいものだろう。この魔力は修得できたとしても、本当にヤバくなるまで封印だ。
「・・・・・・桜歌先輩、何時までやってるんですか?」
「ああ、小猫か・・・・・・どうしたんだ、こんな所で?」
後ろの茂みから現れた小猫に、質問を質問で返す。誰かが近づいてくるのは、音などでわかっていたために魔力を消した。まあ、その音が誰かまでは流石にまだわからないけど。
「桜歌先輩こそ、お風呂に入らないんですか? それに、桜歌先輩の修行時間が一時間くらい削れたとは言え、2時間もやってます」
「俺は努力型なんだよ。音楽だって、全部の楽器を引けるまで4年かかったんだぞ? 特にピアノとギターがお気に入りだけど」
小猫は『そうなんですか』と言って嬉しそうにする。俺のことを知れたのが嬉しいのか、それともおかしいのかはわからない。可愛ければそれでいい。悲しみなんて、まっぴらごめんだ。あの黒歌のことも大切だし、早く何とかしてあげたい。
「・・・・・・桜歌先輩、あの体術は全部グレイフィアさんに習ったんですよね? 私に今から特訓をつけてください、お願いします。私・・・・・・桜歌先輩といのり先輩が結婚してほしいです」
「・・・・・・わかった。じゃあ、始めようか。本当だったら、1人でライザーの本陣に突っ込む予定だったんだけどね」
「桜歌先輩、それは無謀すぎです」
小猫がそういって、俺の向かい側で構える。俺もそれに答えるように反対側で、ただ開始のために構えをとっている。
少し、風が木々や俺、小猫を撫でた・・・・・・。
それと同時に小猫が飛び出して、俺に接近する。まずは小猫の一撃が俺の腹に叩き込まれそうになったところで、俺は少しずれて回避し、小猫の腕を掴んで転がした。
「・・・・・・桜歌先輩、戦車って結構力があるのにどうやって転がしてるんですか?」
「・・・・・・さあ? 俺もよくわからないよ。ただ、相手の力を自分の力に変えるんだ」
初発で転がされたのを小猫が悔しそうに言い、俺はそんな小猫の腕を引っ張って立たせる。もし俺の力が筋トレで出来ているというなら、今までの筋トレに感謝だろう。
「桜歌先輩、次は絶対に一発目では負けません」
「うん、健闘を祈るよ」
小猫がそう言い、また構えた。俺も小猫の応援をしながら構えを取る。小猫は少し悔しいのか、不機嫌な顔をしながら突っ込んでくる。
そうして俺の懐に突っ込んできたところで、上段に回し蹴りを放ってきた。俺はそれを下にかわしたところで、小猫の脚が俺に落ちてくるのを確認する。
昼間の戦闘結果からそうしたのだろうが、俺には見えているので通用しない。
小猫のかかと落としは見えているため、俺はそれより速く小猫の軸足を狙って回し蹴りを放ち、落ちる小猫をお姫様抱っこの体勢で受け止める。
「・・・・・・桜歌先輩、やっぱり昼間は手加減してましたね」
「まあ、最初は様子見だったから・・・・・・あの時もこうしてればよかったかな?」
「それはそれで嬉しいですが・・・・・・ちょっと悔しいです」
小猫はそう言って俺の腕から降り、トコトコ歩いてもう一度構えに行く。俺はそれから何回も小猫の組み手に付き合い、そのたびに転がすのだった。
何回組み手をやって、何回小猫を転がしただろうか? 何十回、何百回、何千回・・・・・・まではやっていないだろうが、小猫は疲れたのか地面の上で『はぁはぁ・・・』と息をしながら、俺の方を見ている。その顔は熱さの所為で上気していて、可愛い。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・桜歌先輩、何で汗一つ流していないんですか?」
「う~ん、アーティストはライブを続ける体力が必要だから・・・・・・かな?」
俺と小猫の組み手は、結果を言うと全部俺の圧勝・・・・・・あれからは小猫は俺に一度も勝てなかったのだが、一撃は喰らった。正直痛かったけど、小猫が嬉しそうだったのでいい。
「さて、小猫は風呂にでも入ってきなよ。汗塗れじゃ、気持ち悪いだろ?」
「・・・・・・桜歌先輩、なら一緒に入りませんか?」
「いいけど・・・・・・いいのか?」
「はい、私は桜歌先輩と一緒に入りたいです・・・・・・それに、桜歌先輩の所為で動けません」
小猫はそう言って、俺の方に手を伸ばしてくる。動けないのは嘘だろうが、俺はその嘘に乗って小猫をお姫様抱っこの状態で抱き起こす。やっぱり姉と似ていると言うべきか、人を誘うのが上手い。
俺は小猫をお姫様抱っこしながら修行場所から離れ、別荘に向かってあるいていく。別荘に俺と小猫は着くと、玄関から入り、小猫の言う露天風呂に向かった。
そして露天風呂の脱衣所に着くと、俺は小猫を下ろして服を脱いだ。小猫は俺をジッと見つめており、何かを待っている。
「小猫・・・・・・せめて自分で脱ごうな?」
「・・・・・・わかりました」
小猫は服をゆっくりと脱いで、裸になった。その体は白くて、凄く綺麗・・・・・・それと対照的に小猫はさらに顔を少し赤くしながら、俯いている・・・・・・可愛い。
タオルを纏っていない小猫はそのまま露天風呂に向かい、俺もその後について行く。小猫の後に続いて露天風呂に来てみると、そこには夜空を見渡せる立派な風呂があった。小猫は木で出来た椅子に座り、俺の方を見ている。
「・・・・・・桜歌先輩、桜歌先輩が洗うと凄く気持ちいいと聞きました。だから洗ってください」
「うん、わかった」
俺は小猫のお願いを聞いて、簡単に答える。誰に聞いたかは知らないが、話す人は3人くらいしかいない。多分、いのりか祭、レイナーレの誰か・・・・・・まず、レイナーレは無いだろう。そうなると後の二人のどっちかだが、どっちでも一緒だな・・・・・・。
俺はそう考え、小猫の頭にお湯をかけて手にシャンプーを付ける。そうして小猫の頭に手を伸ばして、髪を洗い始めた。さっき俺が散々転がしたため、結構土とかで汚れている。
「・・・・・・桜歌先輩、白音って名前に覚えはありませんか?」
「うん、覚えてるよ。俺にファンレターをよく送ってくれた子で、俺がライブで散々上層部を困らせた時の切っ掛けだね。・・・・・・小猫でしょ?」
俺がそう答えると、小猫は顔を赤くしながら頷き、嬉しそうな目で俺を見てきた。覚えてもらっていることが嬉しいのか、楽しげな表情・・・・・・何時もはポーカーフェイスみたいに無表情だけど、この時だけは違う。
「じゃあ、これから白音って呼んでください」
「あれ? 一応聞くけど、嫌だから捨てた名前じゃないの?」
「確かに嫌だったです・・・・・・でも、桜歌先輩のお陰でこの名前はまだ嫌いじゃないです。桜歌先輩のお陰で今を生きている、だから桜歌先輩との思い出の名前で呼んでほしいです。何時か会ってお礼が言いたい。そう考えていましたから」
「そうか・・・・・・白音」
俺は小猫の髪から泡を流しながら、小猫の名前・・・・・・『白音』と呼んだ。そうするとさらに白音は嬉しそうにして、俺に背中を預けてくる。
体を洗う用のタオルに石鹸を付け、泡立て始め、俺はそのまま白音の体を洗っていく。
「白音・・・・・・自分の姉のしたことをどう思ってる?」
「・・・・・・私は姉様が何で主を殺したのかわかりません・・・・・・でも、出来るなら会って本当のことを知りたいです。姉様はSS級のはぐれ悪魔・・・・・・あの姉様が主を、優しかった姉様が主を殺すなんて考えられません。怖いですけど、桜歌先輩と一緒なら今は冷静になれる気がします」
黒歌の話題を出しても、白音ははっきりと強く答えた。その声に嘘はなく、ただ姉のことを知りたいという気持ちが感じ取れる。リアス先輩やサーゼクスさんには悪いけど、今のうちに白音を黒歌に会わせてやろう。和解すれば、もっと白音は強くなるはずだ。
「白音・・・・・・俺の使い魔に一匹の黒猫がいるんだ。会いたいか?」
「っ!? もしかして姉様ですか!? 会いたいです! 会って本当のことを話してほしいです!」
「もう今日は遅いし、それは明日にでも・・・・・・俺も納得いかない理由で黒歌ははぐれ悪魔だしね」
白音は嬉しそうにして、俺はそんな白音を落ち着かせるように体についた泡をお湯で流す。この後俺は自分の体を洗い、少し興奮気味な白音を抱きながら湯船に浸かるのだった。
はい、桜歌に滅びの魔力を使わせるためだけにリアスさんのヴォイドを出しました。
もう既にグレモリー家の滅びの力とか関係ないね。
修得しちゃったよ。
そして何故か小猫は少し過去を改変しちゃったから性格が少々変わってる。
でも、桜歌だけにしか笑顔とかは見せませんよ?
はい、リアスさんのヴォイド紹介。
《滅殺の紅弓》(ルイン・スカーレット)
能力は自分の魔力を使って滅びの魔力を弾にして撃つ。
ついでに、桜歌に滅びの魔力の特性を覚えさせる引き金。
ライザーなら簡単に消し飛ばせる。広域殲滅用です。