ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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始まりました。レーティングゲームッ!!


第二十三話  レーティングゲーム開幕

 

 レーティングゲーム開始直前の時刻になった。現在、俺がいるのは部室で、周りにはいのりと祭、リアス先輩達、ライザーとグレイフィアさんがいる。決戦前はライザー以外が緊張して言葉が発せないほど、リアス先輩達といのりはこの静けさに飲まれている。

 

 そういう俺はこの静けさをなんとも思わないのか、妙に落ち着いている。多分、頭の中ではどうしようかな? とか思ってるんだろう。自分のことだが、なんでこんなに落ち着いているのかわからない。

 

「ライザー様、いのり様、リアス様、お時間となりましたのでルールの確認をさせていただきます。今回のゲームですが、ライザー様に負けた場合、その時点で結婚がお決まりとなります。例え、片方が勝ったとしても負けた方はご婚約になりますので、ご注意ください。最終的にライザー様を倒して両方生き残っていれば、リアス様といのり様のご婚約は解消されますのでご理解いただけるように願います。なお、このゲームはグレモリー卿、フェニックス卿、サーゼクス様もご観覧になっておりますので、ご了承ください」

 

「ほお、このゲームを魔王様が・・・・・・なら尚更負けるわけにはいかないな」

 

「お兄様が!?」

 

 リアス先輩がサーゼクスさんまでもがレーティングゲームを見ることに驚き、それに対してライザーは余裕の表情。まるで勝利を確信してるようだが、こっちにはとっておきがあるから負けるつもりはない。まあ、出来ればそのとっておきの魔力も使いたくないけど。

 

「さて、私が今回のゲームの監視を勤めさせていただきますが・・・・・・桜歌、保護者として言わせてもらいますけど、健闘を期待してますよ」

 

「グレイフィアさん・・・・・・メイドの時は私情を挟まないんじゃなかったの?」

 

「保護者としては、メイドであれ関係ありません」

 

 どうやらメイド時でも俺は子供扱いらしい・・・・・・正直言って、使用人をやるときは私情を挟んでは駄目だと教えたのはグレイフィアさんなのに、ミリキャスに対してもその接し方をして欲しいな。グレイフィアさんがメイドの時は寂しそうだし。

 

「最強の女王がそっちの女王を応援してようと関係ない。俺はおまえ等に勝って、早く冥界で結婚式をあげるだけだ。それにそこの白髪、お前はいのりと深くまで繋がったのか? 無いだろう? 俺が全部貰ってやるから安心しろ」

 

 ライザーが公開されているかもしれないのに関わらず、いろいろとヤバい言葉を連発する。流石はハーレム作っただけはある・・・・・・欲望に忠実だ。

 

「桜歌と私は繋がった・・・よく子作りしてる・・・」

 

「っ!? テメエ! 上級悪魔に手を出しただと? ふざけんな! 俺がこの白髪野郎のお古を使えって言うのか!! ふざけやがって、すぐに消し炭にしてくれるっ!!」

 

 いのりの子作り発言にライザーが激怒、俺に掴みかかろうとするが、グレイフィアさんが仲裁に入ったので俺には攻撃が加えられない。

 

「ライザー様、ゲーム前の攻撃はお止めください。魔王様やグレモリー卿、フェニックス卿にも示しがつきませんよ」

 

「うるさいッ! どけぇぇぇぇーーーー!!!!」

 

「───ッ!?」

 

 ライザーがグレイフィアさんに掴まれた腕に火を纏い、グレイフィアさんがそれを離さずに一瞬だけ痛そうにする。そうしてグレイフィアさんが反撃せずに掴んでいると、落ち着いたのかライザーは火を止めて言い放った。

 

「まあいい、どうせ結婚した後に教え込めばいいだけだ。結婚したらたっぷりと教え込んでやる。それとそこの白髪、容赦はしねぇから覚悟しとけ」

 

 ライザーはそう言い、魔法陣で拠点があるであろう何処かに消え、この場には俺といのり、祭にリアス先輩達、グレイフィアさんが残った。

 

 グレイフィアさんは手を火傷しており、俺は祭に近づく。

 

「祭、ちょっとヴォイドを借りるよ」

 

「えっ、うん」

 

 祭は呆然としながらも、俺に胸元に手を突っ込まれてヴォイドを取り出される。そして俺の手には祭のヴォイドである《全てを癒す包帯》が握られており、俺はそれを使ってグレイフィアさんの手を包み込んだ。

 

「桜歌、すみません」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ、桜歌のお陰で全部治りました」

 

 《全てを癒す包帯》を解除すると、元通りに綺麗なグレイフィアさんの手が見える。これを見ていたであろうサーゼクスさんは流石に怒ってるだろう。しかも、魔王だし・・・・・・それに、俺の中でもなんかいろいろと渦巻いている。何の感情かわからないが、今は気にしないでいいだろう。

 

「それでは、私は審判を勤めますのでこれで」

 

 そう言ってグレイフィアさんは此処から去り、残るは俺達だけとなった。そうしてグレイフィアさんの声により、レーティングゲーム開始の合図のアナウンスがされた。

 

 

 

──────

 

 

 

 そうして数分後、俺たちは作戦会議の為に部室でミーティング? を行っている。いのりの拠点は中の体育館倉庫だったのだが、あえて捨ててきた。あの後転移されたのだが、俺が祭を抱えて此処まで走ってきたのだ。

 

「プロモーションができる為には、いのりの拠点を利用するのが一番ね・・・・・・でも、捨ててきたからどうなっているかわからない。朱乃と祐斗、小猫は罠を仕掛けてきなさい。イッセーとアーシアは私と一緒ね。それに、イッセーの『赤龍帝の贈り物』が勝負の鍵にもなると思うわ」

 

「リアス・・・私はなにをすればいい・・・?」

 

 そう、ミーティングを行っているのだが、いのりは基本は人任せで作戦を建てられないのだ。俺もそこが可愛いと思っているが、基本は俺の考えでいいんじゃないだろうか? というか、作戦なら俺がたてるしかない。

 

「そうね・・・・・・いのりは王としてあれだけど、基本は魔力を消費しないで欲しいわ。まあ、魔力を使わない女王がいるんだし、相手の眷属が減るまで私といのりは此処で待機。アーシアと祭は私といのりと一緒にいれば安全ね」

 

 リアス先輩はそう言い、ソファーの上で紅茶を飲む。その紅茶はさっき、レーティングゲームをしているのにも関わらず、俺が淹れてきたものだ。

 

「あの、部長・・・・・・俺は何をすればいいんでしょうか?」

 

 部室の中にぼーっと突っ立っていた一誠がそう言い、おろおろとしている。それに対して俺は呑気にソファーに座り、いのりの横で鼻歌を歌っていた。というか、さっきのライザーの発言でいのりが離れなくなったのだ。あいつは『人を大切にする』という心が無いのだろうか? ・・・・・・いや、あの様子だと絶対にない。直情タイプだし。怒りやすい性格、ようするにチンピラだ。

 

 出来ればライザーを今すぐぶん殴りたい気分だけど、いのりに見透かされて抱きつかれているために行けないのだ。多分、あの中の半数が手加減してくれる筈なんだけどな・・・・・・。

 

「イッセー、あなたは此処よ」

 

 そう言って、リアス先輩は自分の太股をポンポンと叩き、一誠は瞬時に意味を理解したのか誤差も無しに反応する。

 

「マジですか!? 膝枕ですか!?」

 

「そうよ。ついでに耳掻きもやってあげるわ」

 

 一誠は少しギクシャクした動きでリアス先輩の隣に座り、頭をリアス先輩の太股に乗せる。その際にアーシアが慌てているのは、多分一誠が好きだからだろう。

 

 俺がそんなことを思いながら一誠とリアス先輩を見ていると、なにを思ったのかいのりが俺の頭を倒す。そして俺の頭の裏には柔らかい感触・・・・・・しかも、いのりと俺の衣装はライブの時のもののため、露出された胸が目の前に見えている。ようするに、膝枕を俺もされているのだ、いのりに。

 

「一誠・・・・・・俺たち何でゲーム中にこんなことしてるんだ?」

 

「なにを言うか、これも勝つための方法じゃないかッ! 俺たち男のヴォルテージをあげ、いつも以上の実力を発揮させると言うな!!」

 

「まあ、落ち着くしな・・・・・・」

 

 一誠の論も意外と正論・・・・・・だと決めつけて、俺はそのままいのりに膝枕をされる。そうしてゆっくりできるかと思うと、いのりの顔が近付いてきた。そして、唇が重なると同時にいのりに舌を入れられる。・・・・・・うん、見られてるのにキスされてるね。

 

「・・・ちゅ・・・くちゅ・・・桜歌」

 

 いのりは口を離すと、名前を呼んできた。何でいきなりキスされたのかはわからないが、ディープキスだったな。

 

「桜歌・・・私は絶対に結婚したくない。桜歌とずっと一緒にいたい。あんな男、絶対に嫌・・・」

 

「うん、絶対に渡さない。渡すんだったら、殺してるかもね」

 

 どうやらライザーに嫌悪感を覚えたらしく、いのりはこの後好きなだけ俺を撫でたり抱き締めたりするのだった。

 

 

 

 

 

 それから数十分後、俺と一誠は外に出ていた。俺の右手にはいのりの《剣のヴォイド》が握られており、白音と合流すべく体育館に向かっている。

 

 それにしてもあの後は大変だった。リアス先輩とアーシアがいのりと俺のキスを見て、顔を真っ赤にして俯いたり。一誠が血の涙を流したり。祭が『私なら何時でも・・・・・・』と言って、落ち込んだりと大変だった。今じゃ俺より祭の方が空気を読めていない気がする。

 

「くそっ! お前見せつけやがってッ!! 何で別れ際にもキスするんだよっ!!」

 

「それはいのりが離してくれなかったから仕方ないだろ。第一、おまえだけで戦場に出るなんて何が起きるかわからないんだよ! (本音を言うと、あの技を女の子に使っちゃいけないという理由だけど)」

 

 あの後は別れ際にいのりも付いてくると言い、腕をつかんできた。戦場に向かうのに、あまりいのりを危険な目にあわせたくないからキスをせがまれてやったんだけど、一誠は更に床に横たわって苦しみだしたのだ。あれだけでダメージを与えられるって凄いよ。でも、結婚を賭けたゲーム中にキスして良かったものか悩むところだけど。

 

 俺と一誠が喋っていると、いきなり腰辺りに腕が巻き付いた。隣の一誠を見ると、一誠は白い腕に襟首を掴まれている。

 

「・・・・・・イッセー先輩、うるさいです。敵が気づいて奇襲かけられたらどうするんですか」

 

「ちょっと小猫ちゃん!? 何で俺だけ首なの!? 桜歌だけ胸を押しつけられるなんてどんな役得だよコノヤロウッ!! というか、何で俺だけ注意されてるの!?」

 

 何時の間にか白音が俺の腰に抱き付いて動きを止め、一誠は襟首を掴まれて止められている。この扱いの差は運だと言っておこう。

 

「それで、中には4人いるみたいだけどどうする? 俺が二人くらい受け持つよ?」

 

「では、桜歌先輩はそれでお願いします。プロモーションしていると思いますが、私も片付けたら手伝いますので」

 

「と言うことで、一誠は一人よろしく」

 

「わかった。デモさ・・・・・・何で小猫ちゃんは桜歌のこの建物の中を見透かしたようなスキルに驚かないんだよ?」

 

 俺と白音は聞いてくる一誠を無視して、体育館の中に入る。俺の耳はいいし、探れるんだから仕方無い。白音はもう納得してるけど。

 

 体育館の中には、静けさと呼吸音だけが聞こえてくる。まるで誰もいないようだが、俺だけにはバレるものだ。

 

「出て来い4人とも、二人は体育倉庫、もう二人はその幕の裏だろ」

 

「もうバレたの~」

 

「桜歌様にバレちゃったの~」

 

「チッ! 何でバレるんだよ」

 

「バレた」

 

 出て来たのは棍棒少女に双子に中華風の少女。全員が全員、兵士では無いだろう。確か、1人だけ戦車だったはずだ。中華風の娘だったかな?

 

 一誠はこの出て来た人数に驚き、白音は『流石は桜歌先輩、女王ですね』と言っている。此処でまだ隠れていたらあれだけど、俺だけは負けるつもりもない。

 

「さて、戦車は戦車通し、一誠はあの棍棒少女、俺はあの双子と遊んでくるよ」

 

「・・・・・・桜歌先輩、ありがとうございます」

 

「俺も負けねえぜ! 絶対にあの技をクリーンヒットさせてやる!」

 

 一誠は意気込み、白音は嬉しそうにする。多分、自分の力を試せて嬉しいのだろうが、仙術も肉体強化が10分しか持たないらしい。それがなくても、白音なら勝てるだろう。

 

 俺は1人で双子を前にして立ちはだかり、白音と一誠が二人のライザー眷属と共に少し遠くに移動する。体育館の中であっても、何時の間にか後ろに回られたら両方とも厄介なことを知っているのだろうが、俺には関係無い。

 

 正直、この年でこの子たちが戦うのは嫌だけど、この子たちも戦っているのだから仕方無い。

 

「桜歌様だ~。私達と戦うの?」

 

「出来れば、ライザーだけを倒したいけど、襲ってこないんなら俺は攻撃しないよ」

 

「いくら桜歌様でも、それは無理~。ライザー様に子供扱いされるし、勝って子供扱いをやめてもらうんだもん!」

 

「大人のレディーなんだもん!」

 

「「だから、桜歌様には悪いけどバラバラになっちゃえ~♪」」

 

 そう言って双子が取り出したのはチェーンソー、エンジンを吹かせながら刃が回転しているので恐ろしい。しかも、なんか双子はふらついている。もしかしたら、重くて持てない? なんて思ってたら、俺に襲いかかってきた。

 

「どうせなら私達だけのスクラップにするんだもん」

 

「どうせ斬るなら、貰った方がいいもんね」

 

 何を考えているのか、チェーンソーを振り回しながら双子は俺を標本にしようとしてくる。この場合はヤンデレと言うか、ファンの陰湿なストーカーが悪化した状態でいいんだろうか? だとしても、すごく怖い。出来ればこの子たちにはチェーンソーを持たないで欲しい。こんなに可愛いのに。

 

「そうだ、君たちの名前は何?」

 

「イル」

 

「ネル」

 

 俺は双子のチェーンソーをかわしながらも、名前を聞く。何でこんな事してるかわからないけど、

凄く聞かれて嬉しかったのか、嬉しそうな顔になった。───それがチェーンソーを持ってなかったら、笑顔の可愛い子だと思えただろう・・・・・・。

 

「桜歌様、子供扱いしないの?」

 

「私達、名前初めて聞かれた。何時もは『お嬢ちゃんたち』とか『子供がこんなもの持っちゃいけない』とか名前を聞かれないよ?」

 

「いい人?」

 

「子供扱いしない?」

 

 そう言って、双子がチェーンソーで襲いかかりながら聞いてくる。

 

「しないよ。自分がそう思ってるんだったら、君達はちゃんとした女の子だよ。もう君達もそういう年だもんね、子供扱いは嫌だろ?」

 

「初めて『子供じゃない』って言われた///」

 

「ちゃんとした女の子として見てくれる・・・・・・///」

 

 双子は顔を赤くして嬉しそうにしながら、チェーンソーを振り回すのを止めた。だが、何故か後ろには棍棒少女と一誠が近づき、棍棒は壊されて一誠にタッチされる。そして、その近くにいた双子のイルとネルまでもタッチ。

 

「行くぜッ! 洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!!」

 

「「「嫌あぁぁーーーー!!!!」」」

 

 一誠がそう言って、"赤龍帝の籠手"が反応したかと思うと、双子と棍棒少女の服が弾け飛んだ。それを受けたイルとネル、棍棒少女はしゃがみ込む。流石の俺も、可哀想だと思う。年頃の女の子が、

異性に裸を見られるって・・・・・・あっ、俺も無理矢理レイナーレを風呂に入れたから文句言えないな。

でも、今は『好き』って言ってくれるからいいけど。この子たちの場合、好きじゃない人に裸を見られたことになる。

 

 そして白音の方も終わったのか、少し嬉しそうにしながら俺と一誠のところに戻ってきた。

 

「桜歌先輩、イッセー先輩は放っておいて行きましょう。もうすぐ此処はダメです」

 

 白音はそう言い、俺は1人双子の近くに近づく。イッセーと白音は気付かずに出て行ったから、俺は1人で行動させてもらおう。

 

 俺は全裸の少女3人に近づくと、何処からか毛布を3枚取り出して少女たちに渡す。と言っても、

一誠がぶっ飛ばした相手は殴られたからか気絶しているので、毛布を掛けるだけだ。

 

 残りの毛布を渡すと、イルとネルは毛布にくるまりだして俺の方を見てきた。少し恥じらいがあるのか、顔は真っ赤だ。俺が話そうとした瞬間、いきなり視界が光で覆われる。

 

 

 

 

 

『ライザー様の兵士1名、戦車が1名リタイア』

 

 

『続いて、リアス様の戦車が1名リタイアです』

 

 

 そして形すら残らない体育館に、そのアナウンスだけが響き渡った。




区切りのいいところで終わらせました。
やっぱり一誠は使うんですね、"洋服崩壊"
そしてライザーを悪人仕立てにし、怒らせました。
ライザーも桜歌も戦う気だけですね。

・・・・・・まだ桜歌は一度も攻撃してませんけど。
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