ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

24 / 58
第二十四話  レーティングゲーム終了

 俺とイルとネルは現在、とある森の中にいた。とある森と言っても、駒王学園のレプリカの森の中だ。白音とライザーの眷属のリタイアが聞こえたのは約10分前、俺も真面目に消されそうだったが、何とか仙術を使って生き残った。

 

 流石にあの雷は喰らったらアウト・・・・・・容赦のない朱乃さんは、リアス先輩に聞いたとおりのSと言えるだろう。

 

 まあ、それは置いといて今は目の前の、裸で毛布にくるまっている双子、イルとネルをどうしようか考えなければいけない。対して驚異じゃないが、このまま戦えるわけでもないし、このまま放置も俺の精神的にはダメだ。紳士なおじさんに見つかったら、一発で何処かに連れ込まれる。それよりも気になるのが、こんな小さな子にまで手を出してるのかあの野郎は?

 

「ところで、助けちゃった訳だけど・・・・・・リタイアしてくれない?」

 

「「・・・・・・・・・・・・///」」

 

 この通り話しかけても無言、まるで知らないおじさんには付いていってはいけないと言うことを教え込まれているよう・・・・・・だが、若干顔が赤いのは風邪でも引いた所為だろうか? 多分、恥ずかしいってのも入ってると思うけど。

 

「・・・・・・桜歌様は何で助けたの?」

 

「敵だよ?」

 

 しばらくして、双子のイルとネルが聞いてきた。勿論、俺はそんな疑問に対する答えなんてわからないけど・・・・・・何でリタイアして欲しいのに助けたんだろうか?

 

「う~ん、敵だけど・・・・・・俺が倒すのは邪魔するものとライザーだけだしね。明らかに障害になるんだったら、その時は倒すよ」

 

「「・・・・・・リタイアする!」」

 

 少女たちは何を思ったのか、リタイアすると言ってきた。リタイアするように言ったのは俺だけど、結構驚いているのは俺だった。

 

「リタイアなの~」

 

「リタイアするの~」

 

 双子がそう言うと、二人は光に包まれて、すぐにその場から消えた。呆気なさすぎて、逆にこれでよかったのか不安になってくる。

 

 

『ライザー様の兵士5名、リタイアです』

 

 

 グレイフィアさんの声でアナウンスが流され、ライザーの兵士が一気に5人消えたことを告げられた。俺の目の前から消えたのはイルとネル、他は誰かがやったのだろうが、タイミングが良すぎる。

もしかしてグレイフィアさん、面倒だから一緒にアナウンス流した・・・・・・?

 

 なんて思ってると、近くから紅茶の匂いが漂ってくる。いい香りで、こんなとこで紅茶の匂いが嗅げることに驚く俺は、その方向に歩いていく。

 

 さっきまでリアス先輩に紅茶を淹れていたが、それは気にしない。だってあそこ、序盤で攻めてくるバカはいないだろうし・・・・・・。

 

 草木をかき分け、森の中を俺は1人で進んでいく。そうして数分後、俺は草をかき分けた先にひとりの女の子が1人でティータイムをしているのを見つけた。金髪の縦ロール、結構大きな胸の少女は確かライザーの妹? だったか、戦闘にも参加しないと修行の時に聞いた気がする。

 

 相手はこっちに気付いたのか、顔を真っ赤にして持っていたティーカップを皿受けに勢い良く置いた。赤面する理由は知らないけど、ライザーと違って利口そうだし、ライザーよりもまともに見えるところは俺の幻覚だろうか?

 

「お、桜歌様っ!? な、何故このようなところにっ! い、いえそれよりも、どうか座ってください桜歌様!」

 

「えっ、あ・・・・・・うん」

 

 俺はレイヴェル・フェニックス? だったか、その少女が立ち上がったところまで歩き、肩を掴んで立ち上がった椅子に座らせる。

 

「ほら、この椅子とかは君が持ってきたんだから座ってなよ。俺は勝手に出すからさ」

 

「は、はい桜歌様! あっ、そうです、お茶を淹れますね!」

 

 レイヴェル? はそう言い、ティーカップに紅茶を淹れ始めた。俺はどこからともなく椅子を取り出して、レイヴェルの向かいに椅子を置いて座る。

 

 そうして紅茶を淹れ終わったのか、俺にティーカップを差し出してきた。その中の紅茶の香りをかいでみると、凄く香りが引き立っていい紅茶だというのがわかる。これも修行のためにグレイフィアさんに教わったのだが、間違える度に飲んでやり直しだからキツかったのを覚えてる。

 

 それも紅茶の銘柄を当てろというものだったけど・・・・・・過酷にも程があった。出来ればあの修行はやりたくない。執事修行ももう一度たたき込んで貰うけど。

 

「レイヴェル・フェニックスでいいかな? ライザーの眷属の情報見ただけでわからなくてごめんだけど、あってる? 間違えてたらごめん」

 

「あっ、申し遅れました桜歌様! 私はレイヴェル・フェニックスですわ。お兄様の眷属をやっていて、あなたのファンです! お会いできて光栄です、こんな日が来るなんて夢にも思いませんでした。桜歌様とお茶しながら会話など・・・・・・グレモリー家に頼んでも、会わせられないと言われましたから・・・・・・」

 

 どうやら何回か俺に会おうとしたらしいが、それを思い出したのか落ち込んでいる。ライザーと違って可愛気のある女の子、ライザーに可愛げがあったら怖いけど、兄と妹でこうも違うのだろうかと考えてみた。

 

 ・・・・・・うん、サーゼクスさんとリアス先輩くらい違うな。何というか、女の子は兄よりしっかりしたタイプのようだ。これって男が女に尻に敷かれる原因だろうけど、こういう場合は男の方が悪いので仕方無いな。俺の場合はいのりを世話するタイプだけどね。

 

「それはごめんね。俺も悪魔になるまで、悪魔とか信じてなかったからさ。いのりが気付かれるのを拒んだんだよ。でも、これからは何時でも会いに来ていいよ? ライブ意外じゃ、いろんなファンと交流があるし、君と話すのも楽しそうだからね・・・・・・って、何で泣きそうなの?」

 

「違います、これは嬉し涙ですわ! それに、兄がすみません桜歌様といのり様の結婚の邪魔をして、ファンの私が止められれば良かったんですが、何せ上からのお達しと言うことなので、それに兄も意外といのり様を気に入っていて・・・・・・兎に角、私は桜歌様の賛成派ですわ!」

 

 兎に角、レイヴェルが俺のファンであることはわかっていた。───理由は、ファンレターを送ってれるうちの1人だということだ。俺の家に、ファンレターが何枚も保管されている。しかも、これまでで最高に多いのだ。

 

 それに、レイヴェルも心境は複雑なようで、俺の応援をしてくれているという。

 

「それはいいけど、フェニックス家って不死の能力あるでしょ? これ、何処かに弱点ないの?」

 

「はい、弱点はもう一発で全部消し飛ばしてレーティングゲームで戦闘不能判定を出すか、魔力が切れるのを待つしかありません。実質、レーティングゲームで今だにまともな負け方をしていない兄に勝つのは不可能ですわ」

 

 ああ、レイナーレからヴォイドを借りてくれば良かったな・・・・・・レイナーレのヴォイド、何気に聖属性付いてるから悪魔に有効なのだ。

 

 レイヴェルは兄の負けを否定し、申し訳なさそうにする。それを見て、俺は決意した。もうこれはいのりのヴォイドで切り刻むしかないと。

 

 だが、一つだけ思い出したものがあった。レーティングゲーム開始前、家に一度戻ったときに郵便物として家のポストに入っていたもの。確か、贈り主はガブリエルさんで中身は十字架だった。それも俺は今も異空間に閉じ込めている。本当は首にかけておきたかったけど、いのりやらが迷惑するので首にかけていないのだ。───特に抱きつくときに・・・・・・。

 

 

『ライザー様の騎士2名、戦車1名、兵士2名、僧侶1名リタイアです』

 

『リアス様の女王1名、騎士1名、リタイアです』

 

 

 俺とレイヴェルが談笑していると、一瞬で両眷属の数が減ったアナウンスが流れる。何が起こったのかわからないが、この状況はまずい。俺がゆっくりしている間にも、ゲームが進んでいることを忘れていた。

 

「ユーベルーナがやったのですわ。集団戦に持ち込み、両眷属に技を避けられないように広範囲で仲間ごと爆撃・・・・・・お兄様のよく使う手ですわ」

 

「なるほど、でもこれで両眷属はほぼ差が無くなった。レイヴェルは戦わないだろうし、後は女王とライザーだけだね。悪いけど、行ってくるよ」

 

 俺はそう言って立ち上がり、レイヴェルの前からゆっくりと姿を消した。

 

 

 

 

 

 レイヴェルと別れ、俺は争いがあったであろうグラウンドに来ていた。そこは爆撃の後が目立ち、

まるで戦争の後のようだ。俺達がやっているのも、また戦争の真似事なのだが、今はどうでもいい。

それより気になるのは一誠、屋上の上でライザーと戦っており、その姿は全身ぼろぼろ。俺がくる間にも、祭とアーシアがやられた。

 

 そして屋上に行こうとする俺の前には、ユーベルーナと呼ばれているライザーの女王。そいつが立ちはだかり、いのりとリアス先輩、一誠の本に行かせてくれないでいる。

 

「あなたは通さないわ。ライザー様の命令で、いのり様は攻撃しないけど、あなたをボコボコにするのが私の役目なの。あなたはあのリアス様の眷属みたいにがっかりさせないでちょうだい」

 

「はあ~、要するにいのりを攻撃してリザインさせる前に俺をボコボコにしたい、と・・・・・・悪いけど君じゃ、俺に傷すら付けられないよ」

 

「アーティストなのに威勢はいいわね。私の爆撃を喰らったら、一溜まりもないわよ?」

 

 ユーベルーナはそう言って、クスクスと笑いながら俺を見てきた。まるで己の勝利を確信しているようだが、魔力を本から使う予定もない。いのりのヴォイド、《剣のヴォイド》一本で十分だ。

 

 俺の手にあるいのりの《剣のヴォイド》は美しい刀身で、戦いが始まるのを待っている。俺は一呼吸すると、その場から飛び出した。

 

 それと同時に、俺がさっきまでいた場所が爆破される。俺の早さでは、爆撃をしようとした瞬間にその場から飛び出せば、爆破に巻き込まれることはない。元の早さに、仙術強化で肉体の筋力補正がついて俺の速さは普通じゃない。

 

 その飛び出したままのスピードで、俺はユーベルーナの懐に潜り込んだ。ユーベルーナは何時の間にか懐に潜られていたことに驚き、爆撃のタイミングを逃す───いや、この距離では自分まで巻き添えを食らうだろう。

 

「くっ! このままお前と共に自爆して───」

 

「残念、少し遅いよ」

 

 俺はそういうと同時に、《剣のヴォイド》を二回上下に振り、ユーベルーナの体を切り裂いた。直撃した《剣のヴォイド》の斬撃はユーベルーナを光に包み、此処から消し去る。

 

 

『ライザー様の女王1名、リタイアです』

 

 

 若干の嬉しそうなグレイフィアさんの言葉のアナウンスが聞こえ、俺はその脚の筋力で屋上に思いっきり飛び移る。

 

 そこには、傷だらけの一誠とそれを抱えるリアス先輩がいた。リアス先輩は涙を浮かべて、傷だらけの一誠を抱き締めている。

 

「・・・・・・投了するわ」

 

「リアス・・・! それじゃあ、勝てるものも勝てなくなる! やればできる・・・でも、やらないと出来ない。リアスは・・・臆病な人?」

 

「私は・・・・・・でも、イッセーの"赤龍帝の贈り物"で強化した滅びの魔力でも無理なのよッ! もう・・・・・・勝ち目なんて無いじゃない・・・・・・この戦いに臆病も何も無いわ。リザイン」

 

 

『リアス様のリザインを承認しました。よってリアス様、敗退です』

 

 

 リアス先輩はその宣言とともに、この場から消えた。残るは俺といのり、ライザーだけとなった。

そう言えば、レイヴェルもいたな・・・・・・戦ってないから覚えてなかった。

 

「ハハハッ! これでお前といのり、俺の3人だけだ。これからはたっぷり楽しもうじゃないか、お前はただでは負けさせん」

 

「じゃあ、お前は妹の心に斬られるんだな」

 

 俺はそう言って、もう片方の手に持っていた細剣を出す。これは俺の遅れた理由で、レイヴェルの心の塊、ヴォイドなのだ。その刀身は緋色で、柄の部分には金のレイヴェルの髪と同じ色の不死鳥のような装飾が施されている。

 

 思い出してガブリエルさんから貰ったものを取り出してレイヴェルに見せたところ、『効くかどうかは個人差がありますわ。でも、お兄様には効かないと思いますわ』と答えられた。その時、俺がガブリエルさんに貰った十字架を持っていると、レイヴェルの中のヴォイドの形が見えたのだ。それで『レイヴェルの心を俺に(預けて)くれないか?』と頼んだところ、真っ赤な顔で即了承された。

 

 能力は火を喰らうこと・・・・・・ライザーに世話を焼いているレイヴェルに、ピッタリな能力だ。ついでに話を聞いてみたところ、レイヴェルは妹属性のハーレム要員のために眷属になったらしい。語るときのレイヴェルが、少し怒っていた。

 

 それをみたライザーは、腹を抱えて笑い出す。

 

「ハハハハハッ! レイヴェルの心? アンドロマリウス家の盗人能力を使ったところで、兄に妹が勝てると思ってるかのかぁぁぁーーーー!!!!」

 

「《不死鳥の緋細剣(スカーレット・ハート)》・・・・・・これがレイヴェルのヴォイドの名だ。お前が炎を纏って攻撃したところで、全部これが喰らい尽くす」

 

 ライザーが叫びながら攻撃してきたところ、ライザーの手に纏っていた炎が《不死鳥の緋細剣》によって喰われた。斬る度に、ライザーの手から魔力が吸われていく。炎を出す敵には相性抜群、まさに内部反乱だな。

 

 だが、斬れたライザーの手も元通りに再生し、再度殴りかかってくる。俺はそれを全部綺麗にかわして、レイヴェルのヴォイドで切り刻んだ。

 

「くそっ! 所詮は妹の心・・・・・・だが、何で俺の魔力が・・・・・・そうか、そう言うことか。だとしても、貴様を炎を纏わずに攻撃すれば効かねえんだよッ!!」

 

「悪いけど、ただの鍛えてないお前の拳ごときで俺は倒れない。それどころか、俺にダメージすら通らないぞ」

 

 ライザーがまた殴りかかり、今度はかわす前に斬りつけてみるが、ライザーはそのまま俺の顔に拳を撃ち込んできた。それを軽くかわして、後ろからいのりとレイヴェルのヴォイドで切り裂く。

 

 斬る度に炎をあげて体を再生させるので、魔力の消費が激しいはずだ。それにライザーの殴りかかりはグレイフィアさん程の速さではないし、木場にすらも届いていない。

 

「貴様、ちょこまかとふざけやがって! それにその剣は俺の眷属のもんだ。何勝手に使いやがってんだ!!」

 

「悪いけど、レイヴェルは俺に貸してくれたから返せないよ。返すのはレイヴェルにだ」

 

 キレたライザーは単調な攻撃で、俺に打撃を喰らわせようとする。だが、俺は一撃も当たらずにレイヴェルのヴォイドでライザーを切り刻む。それが永遠と同じように、幾度も繰り返される。

 

 そして、ライザーは忘れていたのか、いのりの大きくなっていく魔力に気づかない。

 

「貴様ぁぁーーーー!!!!」

 

 ライザーは怒りのままに俺に突っ込んできて、俺はいのりのヴォイドとレイヴェルのヴォイドを両手に構える。そして、一瞬で俺はライザーを頭、胴体、腕、足に斬り分けた。

 

「「チェックメイト♪」」

 

 俺といのりがそういうと同時に、後ろに下がるといのりが二丁の銃を構えて大きな魔法陣を展開していた。引き金を引き絞ると同時に、ピンク色の銃弾が両方から放たれ、驚愕というような顔のライザーをそのピンク色の魔力で包み込む。

 

 

 

『ライザー様の戦闘不能を確認、このゲームはいのり様の勝利です」

 

 

 

 いのりの放った魔力が消え、ライザーの姿も消えると同時に、グレイフィアさんの声で俺といのりの勝利が告げられた。




ライザーをちょっと軽くひねった桜歌さん。
しかも、レイヴェルのヴォイド・・・・・・。


さて、それは置いて置いてレイヴェルのヴォイド紹介

《不死鳥の緋細剣》(スカーレット・ハート)・・・・・・何でハートかは突っ込まないで
刀身は緋色で、柄に金の装飾をされた細剣です。
能力は火を喰らえるってことですね。
ライザーにいろいろと呆れてますから。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。