翌朝。俺はベッドの中で惰眠を貪りつつ、寝ているレイヴェルを抱き締めていた。レイヴェルが着ているのは黒の下着だけで、小柄な割には意外と大きな胸やレイヴェルの柔らかい肢体などが顕わになっている。それに、レイヴェルの体は柔らかくて気持ちがいい・・・・・・。保護欲とかが出てくるのは仕方のないことだろう。
本当はレイナーレと寝る予定だったんだけど、レイヴェルが誘ってきて放っておけなかったのでレイナーレには次の日から、2回だけ一緒に寝ることで許してもらった。だって、レイヴェルが今にも泣き出しそうでほっとけなかった。・・・・・・それが理由だ。
まあ、それは良いとして、昨日は正直疲れた。
あのレーティングゲーム・・・・・・じゃないな、勝負に勝った後、俺はいのりと泣きそうなレイヴェルを連れてティアマットに乗った。そして帰ってきたのだが、正直ヤバかったよ。新聞記者やファンやらが俺を追ってきたり、困ったものだ。俺が使った滅びの魔力についてのインタビューをしようとしてきたのか、それともいのりの結婚を嗅ぎ付けたのか・・・・・・全部グレイフィアさんが対処した。
えっ、リアス先輩? ・・・・・・あっ、置いてきた・・・・・・。
次にライザーについては電話でグレイフィアさんに聞いた。どうやら無事に目を覚ましたらしく、
今はどうなっているか知らない。
まあ、次にレイヴェルをレイヴェルの意志に関係無く賞品・・・・・・にしたわけだが、親が良いと言っていたし、レイヴェルも帰ってきた後、嬉しそうにしてきたからいいだろう。これでレイヴェルに恨まれた場合は、家に帰すつもりだったけど・・・・・・。
さてさて、次は悪魔の上層部について語ろうか? これもグレイフィアさんに聞いた話だが、あの後はマジで大変だったらしい。レーティングゲームとライザー、赤龍帝との俺の戦いをグレイフィアさんが自慢気に報道陣に公開。それにより、赤龍帝やライザー・フェニックスに能力があるにも関わらず、俺だけハンデを背負わせようとしたことで報道陣が上層部に押し掛けたらしい。それに、あの大鎌一本と俺に選ばせた武器が全部細工されており、それがバレて報道陣が報道。それを見たファンが苦情やら暴動やらを殺到させた。
上層部の皆さんはそれに対して、『当然の処置じゃ・・・・・・』とか言っていたが、いのりの結婚やら俺への理不尽なハンデにファンがキレた。・・・・・・後はご想像にお任せしよう。
これも全部がグレイフィアさんとサーゼクスさん、この方々が撮った隠し撮り・・・・・・なのだが、本当に迷惑をかけたと思っている。───が、しかし・・・・・・その割には両方とも機嫌が良すぎるので後が怖いのが事実だ。本当にグレイフィアさん任せだが・・・・・・。
「・・・・・・んっ・・・ふぁぁ・・・・・・・・・・・・っ桜歌様!? それに、私のこの格好・・・・・・も、申し訳ございません! このようなはしたない格好をお見せして・・・・・・///」
起きたレイヴェルが顔を真っ赤にして俯き、抱き締められている手から遠ざかろうとしている。しかし、俺は逆に抱き締めてレイヴェルを引き寄せた。レイヴェルの発育の良い胸が当たる。抱き締められたレイヴェルは更に顔を真っ赤にして、俺の肩に額をコツンと当てて顔を隠す。
「はしたないも何も、可愛くて良いじゃないか。俺は気にしないよ? 寧ろ、嬉しいかな?」
「桜歌様って本当に可愛いのが好きなんですわね・・・・・・プロフィールに書いてあることだから半信半疑でしたけど、あの仮面の時は想像がつきませんでしたわ」
レイヴェルはそう言って、俺にゆっくりと抱きついてくる。俺の腰にレイヴェルの手が回り、俺はレイヴェルの肩ぐらいのところで抱き締めている。
「あの仮面は意外と気に入ってたんだけど、流石に最初はつける気無かったんだけどね。いのりが冥界で顔がバレるのは不味いって言うから、付けたんだ。まあ、顔がバレてなくてよかったよ」
「そうですか・・・・・・これで仮面を脱いだ訳が分かりましたわ」
「それより、ライザーをあんなに思いっきりぶっ飛ばして御免ね? 俺もいのりの結婚や君が殴られたって聞いてどうも感情を抑えられなくて───」
「そんなことはありませんわ! 私は桜歌様に連れ出されて、お兄様をあれだけ圧倒してくれたのも良かったと思いますわ! お兄様は自分の才能を過信していましたし、良い薬になったと思いますわ! それに・・・・・・私もお兄様のハーレム要員として眷属になるのが嫌でしたもの」
そう言って、レイヴェルが俺の顔を両手で挟んだかと思うと、キスされた。
レイヴェルの唇の柔らかい感触が口から伝わり、レイヴェルの目を閉じた可愛い顔も俺の目の前にある。
そうして数秒すると、レイヴェルが頬を真っ赤に染めながら、唇を離した。レイヴェルの心臓の鼓動も、レイヴェルの上気する体の体温も伝わってくる。
「その・・・・・・私は桜歌様の事が好きですわ。ファンじゃなくて、1人の男性として桜歌様の事が好きです・・・・・・桜歌様がいのり様を好きなのも知っています。だから、せめて好きになってくれれば私はそれで幸せですわ。例え、いのり様が一番だとしても・・・・・・」
・・・・・・告白されたね? しかも、レイヴェルに・・・・・・レイヴェルがどういう性格かはわかってる。
ファンレターだけで何となくだったけど、会ってわかった。
もう既にハーレム築いてるし、これに応えても文句は言われないだろう。・・・・・・まあ、報道陣の大好きなネタがそこら中に転がるだけだ。
俺がそう考えて応えようとすると、床から魔法陣が展開されて人が数人出てきた。1人は銀髪でメイド服じゃないグレイフィアさん。1人は、紅い長髪の魔王のサーゼクスさん。そして、グレモリー
卿にフェニックス卿だ。
「全く、桜歌は節操がありませんね」
「グレイフィア、見ないから目を潰そうとするのは止めてくれ! 君以外に手を出すつもりは無いよ!」
「ハッハッハ! これは若い者の邪魔だったかな、フェニックス卿」
「そうですな、グレモリー卿。レイヴェルも幸せそうで良かった。レイヴェルも桜歌君と頑張って子作りに励みなさい」
「お、お父様!? いえ、これはその・・・・・・うぅ・・・・・・///」
来客は口々にこの状況の解釈を言い、レイヴェルはいきなりの訪問者に顔を赤くしながらシーツの中に顔を隠し。俺はそんなレイヴェルを抱き締め、グレイフィアさんがオヤジ×2とサーゼクスさんを追い出すまで宥めるのだった。
それから俺はレイヴェルと服を着て、リビングに降りてきた。祭はアーシアと遊びに行き、いのりはリアス先輩のところ。今はいないので家の住人は俺とレイナーレ、レイヴェルの3人のみ。そして、リビングには先程の来客が全員でソファーに座っていると言う奇妙な光景。レイナーレはグレイフィアさんと仲良さそうに俺の話で盛り上がっている(親と恋人の立場だろうけど)。
「どうぞ、紅茶とケーキです」
俺が用意したケーキに紅茶を人数分用意する。
「ああ、どうもありがとう。───むっ! これは美味いッ!!」
「桜歌君、腕を上げたようだね。・・・・・・ところで、私のことは何時になったら"お父さん"と呼んでくれるのかな?」
フェニックス卿とグレモリー卿が口々に褒めて、さらにはグレモリー卿が"お父さん"呼びを催促してきた。
「父様、まずは僕が桜歌君に呼ばれるべきでしょう」
「むっ、おまえの息子は我が子同然だ」
自由気ままな人達だ・・・・・・。なんか気になる単語が聞こえたが、無視して本題を話してもらおう。
来た理由など、いろいろあるはずだし。
俺がそう思っていると、グレイフィアさんが空気を呼んだのか、レイナーレと話すのを止めた。明らかに今日は、魔王の嫁さんモードだ。
「待って下さい。桜歌に"お母さん"と呼ばれるのはこの私が先です。もう一度、結婚式会場に行く前の時のように呼んで下さい。さあ、桜歌」
───ダメだ。この人たち・・・・・・。
そう思った俺は、悪くないだろう。
──────
「さて、桜歌も呼んでくれないことですし、そろそろ本題に入りましょう」
「まあ、あれは予想外だったからね・・・・・・」
「全く、本当に隠し子かと思ったぞ」
「あれには驚きましたな。これでレイヴェルを桜歌君に任せても問題はないでしょう。寧ろ、レイレイヴェルと桜歌君の作る孫が見てみたいくらいだ」
やっとグレイフィアさん達は話す気になったようで、お互いにゲームを思い出しているような顔を見せる。ここにいのりがいないのに、話は何をするのだろうか?
レイヴェルは自分の親の子作り発言に顔が真っ赤で、俺の横で小さくなっている。その際に袖をつかんでくるのは、可愛い仕草だと思う。
「まずは、謝ります。フェニックス卿、ライザーをぶっ飛ばしてすみませんでしたね」
「そうですね。桜歌が私の火傷を治したときは少しキレていましたね」
俺がフェニックス卿に謝り、グレイフィアさんは嬉しそうに話し出す。俺の隣ではレイヴェルが謝っている俺を見て、オロオロしており、『お父様、桜歌様を叱らないで下さい』と言っている。
それを見て、フェニックス卿は愉快そうに笑い出した。
「アッハッハ! 別にいいよ、桜歌君。ライザーには自分の才能を過信しているところがあったからね。負けて当然・・・・・・良い薬にもなっただろう。絶賛、引きこもり中だが、レイヴェルが君と一緒に子作りに励むのは良いことだろう。それに、レイヴェルに手を上げたことを問い詰めようと思ったが、もう代わりに桜歌君が説教してくれたからね!」
レイヴェルはホッとして、自分の胸に手をおいた。
それにしても、全く同じことを言う親子だ。レイヴェルと同じことを言ってくれる。親子って、こんなものなのかな?
「さて、フェニックス卿の用事もこれだけですが・・・・・・こっちはまだあります。まずは、上層部についてお話ししましょうか」
そう言って、グレイフィアさんは喋り始めた。
上層部に報道陣が押し掛けたこと、ファンが押し掛けたこと。───それまでは昨日の報告と一緒だった。だが、それだけじゃ終わらない。
「実は、上層部が昨日から出勤しなくなったんです。ファンや報道陣が上層部に殴り込みなど、クレームやらが大量に・・・・・・まあ、細工をした時点で自業自得です」
どうやら上層部は精神的にライザーと一緒のようだ。
「で、次が一番問題な桜歌といのりのスキャンダルです。まあ、ファンも暴動起こすほどだったので人気に支障が無いどころか、逆に映像を流したことで人気が上がっています。───が、そこで問題になったのが報道陣はおいしいネタが欲しいらしく、桜歌とレイヴェルの関係が問い詰められたり、
グレモリーの滅びの魔力を桜歌が使ったなど。対処仕切れないので、これはあなたに任せます。というか、レイヴェルの件に関してはあなたしかわかりません」
レイヴェルの件か・・・・・・うん、ライザーの敗北はどうなったんだろ? それに、リアス先輩の結婚も大々的に大きく取り上げられる筈だけど・・・・・・。
「そう言えば、リアス先輩とライザーは何か取り上げられなかったんですか? 上級悪魔の中でもリアス先輩はグレモリー・・・・・・サーゼクスさん、魔王を輩出した名門。ライザーは今までの無敗記録があるはずですけど・・・・・・?」
俺がそう言うと、グレイフィアさんはクスクスと笑い、サーゼクスさんもグレモリー卿もフェニックス卿も思い出し笑いのように腹を抱えて笑い始めた。
「ふふっ、それがですね・・・・・・ふふっ、流石は桜歌ですね」
「アハハハハっ! いや、リーアも負けたものだよ。桜歌君がリアスを連れ帰る事を放置していくなんて、僕も笑いを堪えきれないよ!」
「ハッハッハ! まさか、リーアタンが桜歌君に見向きもされないとはっ!」
「グレモリー卿のお嬢さん、呆然としていたからね!」
どうやら、結婚式での出来事やら何かあったようだ。だがしかし、置いていったのは今日の朝になって思い出したので、それは知らない。本から、一誠が連れ出す予定だったし。
「ふふっ、すみませんね。実は、あの後のリアスの顔がどうにも───置いてけぼりを喰らった顔が凄くおかしくって──けふっ・・・こふっ・・・!」
「いやいや、桜歌君のお陰でリアスの記事は面白い物に───アハハハハっ!!」
グレイフィアさんは笑いを堪えるのが耐えれなくなったようで、ついにはむせ始めた。サーゼクスさんは言い終わったと同時に大笑いする。
「そうだ、桜歌君。最近、ケバブ屋を始めてね! 桜歌君のお陰で大繁盛だよ! 今日なんて、朝からお客が殺到さ!」
そう言って、フェニックス卿はパソコンを出して動画を再生する。そこには、俺とライザーの言い合いの後に、ケバブ屋の宣伝。しかも、非公式のレーティングゲームの戦闘シーンに、あの争奪戦での言い合いがくっつけられ、その後にフェニックス家が経営するケバブ屋の宣伝がされる。
これで映像は終了・・・・・・ライザー・・・・・・これで人気者だな。黒歴史と言っても、過言じゃないと思うけど、フェニックス家の役に立ったんじゃないか?
そう結論づけ、俺はレイヴェルを見た。見てみると、レイヴェルは少し目を輝かせているようにも見える。・・・・・・全く兄の心配をしていないようだ。寧ろ、吹き出すのを堪えている。ケバブがつぼにはまったのだろう。
「あれ? 結局はライザーの記事ってこれですか?」
「ああ、いやいや、これだけじゃないよ。と言っても、家のバカが負けたゴシップネタは桜歌君のスキャンダルに勝てなかったようだからね。あまり取り上げられなかったんだ。まあ、これで事後処理に追われなくて済むから万々歳だな。レイヴェルも結婚相手を決めたようだし」
「もう、お父様は少々しつこいですわよ! 何回もからかわないで下さい!」
レイヴェルは自分の親の言葉に、恥ずかしそうにしながら文句を言う。そこで気になったのが、グレイフィアさんが吹き出し、サーゼクスさんが大笑いするほどの記事・・・・・・見たい。
「じゃあ、次はリアス先輩の記事を見たいんですけど・・・・・・ありますか?」
「ああ、あるよ・・・・・・くははっ!」
サーゼクスさんはまだ抜け出せないのか、笑いながら冥界で出たであろう新聞を取り出す。表紙は俺がライザーを倒したことに、上層部の汚いことが書かれていていっぱいである。それと、俺がいのりとレイヴェルをティアマットに乗せて消えるシーン。
問題は裏のようで、サーゼクスさんは裏をめくるように指を指す。俺はそれに従い、裏をみると少し面白い・・・・・・いや、本人的には凄く恥ずかしい記事が書かれていた。
見出しに大きく『リアス・グレモリー、時期グレモリー当主が有名なアーティストに忘れられて置いてけぼりを喰らう!! グレモリー家の次期当主には有名なアーティストの桜歌様を振り向かせる魅力は無いのか!? フェニックス家のお嬢様に負けるのか!?』と書かれていた。
これは黒歴史に近いものが出来るかも・・・・・・いや、マジで恥ずかしい内容だ。
───あっ、原因俺か・・・・・・。
「リアスのあの顔! ホントにあの紅い髪と同じくらい紅かったなぁー」
「全く、本当にあの顔は面白かったです。桜歌はどっちかって言うと、妹みたいな性格の方が好きなので仕方ありませんが───忘れるって、けほっ! こほっ・・・! ところで、真意を聞きたいのですがそこのところはどうですか? 桜歌の代わりに答えることもあるので」
「真意ですか・・・・・・ホント、今日の朝まで忘れてました」
「「「「───アハハハハっ!!」」」」
俺がグレイフィアさんの問いに答えると、グレモリー卿もフェニックス卿も、グレイフィアさんもサーゼクスさんも笑い出してしまった。・・・・・・この人たち、自分の家族を何だと思っているのだろうか聞いてみたいところだ。
「いや~、お宅のお嬢さんの方が魅力があるようだ。家のリアスもまだまだと言うことだね」
「ああ、ありがとうグレモリー卿。家の自慢の娘だよ。桜歌君は結婚式場に乗り込んでくるほどだから、任せておいて安心だよ。それに、ティアマットまで使い魔にしてしまうんだからね」
笑い疲れたグレモリー卿とフェニックス卿が親にありそうな会話をし始める。
その頃にはグレイフィアさんもサーゼクスさんも、一通り笑って疲れた顔をしていた。だが、なんか悪寒を感じるのは気のせいだろうか?
俺がそう思っていると、グレイフィアさんが口を開いた。
「さて、一通り笑ったことですし、次の問題ですね。まずはそこの黒猫、出て来なさい」
どうやら、今日という日は簡単には終わってくれないようです。
さて、何故か話は終わりません。
次まで続きますかね?