ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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ちょっと何時もより短いです。


第二十八話  吉報や朗報や仕返し

 

 

 

 俺に向けられているのはグレイフィアさんの拳。もう1人の腕は、サーゼクスさんの手のひらが俺を向いている。何時でも魔力が使えて、俺の後ろにいる黒歌を殺せる状態だ。俺の後ろには黒歌がいて、ガタガタと震えている。

 

 

 ・・・・・・全く、油断しすぎだ。この黒猫。

 

 

 黒歌がこの家の中にいるのは音や匂いで気付いていた。談笑している間に、何時の間にか転移してこのリビングにいることも・・・・・・だけど、この面子だと見つかることが容易に想像できた。何時でもその警戒はしていた。

 

 そして現在、黒猫を捕まえようとして黒歌に一瞬で接近したグレイフィアさんの拳を俺が片手で腕を掴んで止め、サーゼクスさんには動かないように手を向けている。

 

「流石は桜歌です。私の動きが見えたのは執事の時からでしたね」

 

「まさか、桜歌君に簡単に反応されるなんてね・・・・・・SS級はぐれ悪魔を庇う。桜歌君、これは大スキャンダルだよ?」

 

「俺もあなた達の動きについていけるとは思ってませんでしたよ? ですけど、黒歌は悪くないんです。白音は被害者・・・・・・黒歌も被害者です」

 

 俺を睨むグレイフィアさんとサーゼクスさん。殺気を少し放っているが、それに臆せずに俺はただ黒歌を守るためにこの最強の夫婦の前に立っている。明らかにこっちが劣勢だが、黒歌のヴォイドを使えば簡単に勝てるかもしれない。読まれたら防がれるけど・・・・・・。

 

 グレイフィアさんは俺の目を見て、何を思ったのか構えを解いた。どうやら、話くらいは聞いてくれるようだ。流石に後ろの黒猫が泣き出しそうなのでありがたい。

 

「まあ、こっちは機嫌もいいですし話を聞きましょうか。それに、桜歌が間違った行いをしたことは一度もありませんからね」

 

「確かにそうだね・・・・・・家族を信じるという行為は、何時でも必要なものだよ。魔王としてはその黒歌を連行しないといけないけど、その時は桜歌君と話が出来そうにないからね」

 

 なんか今日になって、家族という単語が多い気がするが、気のせいだろう。

 

「ハッハッハ! はぐれ悪魔か、桜歌君は何でも仲間にするのだな!」

 

「ティアマットにはぐれ悪魔の黒歌。両方とも、実力は凄いものだ。レイヴェルの結婚相手には、申し分ない実力だな。転生悪魔だろうと、これは結婚させねば・・・・・・」

 

 グレモリー卿とフェニックス卿は気楽そうに話、はぐれ悪魔の黒歌に敵意を持っていないような表情を見せる。レイヴェルは少し困惑顔だ。

 

「この件はリアス先輩、いのり、白音も・・・・・・俺が黒歌を使い魔にしていることは知っているので、

呼んでから話して良いですか? 同席する意味はあると思いますよ?」

 

 こうしてグレモリー卿とフェニックス卿、さらにはサーゼクスさんとグレイフィアさんの前にリアス先輩達が呼ばれることになったのだった。

 

 

 

──────

 

 

 

 それから数十分後、俺の部屋には大分人が集まった。まずは、グレモリー卿とフェニックス卿、サーゼクスさんとグレイフィアさん。まあ、このメンツは怖すぎる。

 

 次に俺といのり、レイナーレに黒歌、レイヴェル。そして、兄にいきなり呼び出されてさらには俺に置いてけぼりにされたことを根に持っているリアス先輩と白音。・・・・・・リアス先輩にいたっては、

俺を睨んでいる。

 

「さて、じゃあ話してもらおうか。リアスが関わっているのはビックリだけど、今日からはリアスも桜歌君からしたら"叔母さん"だからね」

 

「お兄様、その発言はおかしいと思いますが・・・・・・先に黒歌の件ですね。お父様もフェニックス卿もお義姉様もいることには驚きですが、今はいいです」

 

 そう言って、リアス先輩は俺を睨みながらも経緯を話し始めた。俺に相談されたことを、全部話していく。黒歌の主が強要したことを、それを全部話していく。殺した経緯も・・・・・・その間、黒歌は白音とくっついていた。

 

 そうして話し終えると、また俺を睨む。恨んでいるのはわかったから、もう睨むのはやめて欲しいと思う。

 

「なるほど、黒歌君がそんな過去を・・・・・・これは上層部、システムが問題だね。明らかに、殺した理由は正当防衛に近いからね。・・・・・・よし、なんとかしよう。黒歌君は桜歌君の使い魔のままで、なんとかなると思うよ」

 

「ありがとうございます。サーゼクスさん」

 

 俺がお礼を言うと、サーゼクスさんはにこりと笑い、グレイフィアさんも微笑む。何か裏がある気がするのは、俺だけだろうか? 魔王がこんなあっさりと、黒歌の件を承諾して良いものなんだろうか? そんな筈はない。

 

「さて、いろいろと話してきましたが、まだ桜歌の話は続きますよ? 次は、凄く良い報告です。先日のライザーを圧倒する件に、赤龍帝を簡単に倒した件、さらにはアーティスト活動に悪魔の稼業である契約のお陰で、桜歌は上級悪魔になる試験が受けられることになりました」

 

 グレイフィアさんのこの言葉に、周りは沈黙。グレイフィアさんとサーゼクスさん、グレモリー卿とフェニックス卿意外の俺たちは数秒固まる。

 

 そして我に帰ったのか、レイヴェルが騒ぎ出した。

 

「す、凄いですわ! 桜歌様! 悪魔になって2ヶ月以内に上級悪魔になったものなど、早々いませんわ! それに、中級試験もすっ飛ばすとは流石は桜歌様です!!」

 

「上級悪魔ねぇ~。俺、特に何もしてないけど?」

 

 俺がそう言って、上級悪魔ついて考え始める。・・・・・・上級悪魔になれば、確か貴族との結婚も許されるはず。要するに、いのりと結婚できる。───が、しかし、何でいきなりあるであろう中級悪魔の試験を飛ばして上級悪魔の試験なんだろうか?

 

「桜歌、あなたまだ契約のために使っているパソコンを放置しているのですか? 先日、あなたとの契約が10万人を超えましたよ? それにより、稼ぎが最も大きいのです。どんな悪魔より、稼ぎは一番ですね。それに、通帳も見てないんですか? あなたといのりの通帳は、50億くらい入っているはずです」

 

 50億・・・・・・? 円だろうか? というか、そんな金を何に使えばいいんだろうか? 疑問だらけだが、放っておこうかな。

 

 頭がパンクしそう・・・・・・報告が多すぎる。

 

「安心しなさい。桜歌、あなたの試験の為の勉強は私が見て上げます」

 

「グレイフィアさんが見るんですか・・・・・・はぁ~、それならミリキャスの勉強を自分で見て上げたらどうですか? ミリキャスは教育係に任せているのでしょう?」

 

 グレイフィアさんが俺の勉強を見る・・・・・・正直に言おう。執事修行の時のような、カオスしか思いつかない。明らかに、戻ったときは廃人だ。

 

 俺はそれを回避するべく、ミリキャスを餌にした。ミリキャスには悪いが、これもミリキャスがグレイフィアさんと家族団欒な日々を過ごすため・・・・・・決して悪意はない。

 

「そうですが、あなたももう私の息子ですよ? さっきいろいろと言いましたが、ちゃんと養子にする届けは出しておきましたので気にしないで下さい♪ 今日から、あなたは私の本当の息子です♪」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・桜歌、これはいい気味ね。私を置いてった罰よ」

 

 グレイフィアさんから俺が養子になったことが伝えられる。そして俺は沈黙・・・・・・リアス先輩は、

そんな俺を鼻で笑ってきた。

 

 明らかに悪意があるだろう。・・・・・・いや、悪意しかない。目はもうしてやったりみたいな感じで、俺をニヤニヤしながら見ている。

 

「・・・・・・桜歌先輩、リアス先輩の甥になったんですか?」

 

「・・・・・・そうだね。───あっ、ならリアス先輩は"叔母さん"か!!」

 

「私はオバサンって年じゃないわよ!!」

 

 白音の言葉に、俺はリアス先輩の立場を思い出して反撃する。それに顔を真っ赤にして、リアス先輩は"オバサン"を否定。女性の言われたくない言葉、ベストテンに入るだろう。

 

「もしかして、黒歌の件も俺が養子になったから承諾したんじゃないですか? というか、そんな勝手な話が通ったんですか?」

 

「ええ、簡単に通りましたよ。上層部は桜歌のお陰でいない。それに、桜歌は少なくとも滅びの魔力を使えますからね。問題は一つもありません」

 

 

 どうやら、俺に退路というものは用意されていないようだ。

 

 

「これで桜歌君は私の孫だな!」

 

「そうですな! 純血どうしの結婚は出来ませんでしたが、グレモリー家とフェニックス家の結婚はまた出来そうですな!」

 

 大きく笑いながら、また未来の話をするおっさん×2達・・・・・・嫌っているわけではないから問題では無いと思うが、やっぱりこの人たち反省しているのだろうか?

 

「桜歌・・・早く上級悪魔になって・・・」

 

 最終的にはいのりにまで催促されて、仕方無く上級悪魔になることを決意するのだった。




これで晴れて、桜歌はグレイフィアさんの養子。
名前は変わりませんよ?
上級悪魔の試験については、当然としか言えない・・・・・・。

さて、忘れていたティアマットのヴォイド紹介。

《青竜刀 天魔》

無駄に重い武器。柄と剣の部分が同じ長さ。
美しい青の片刃の大剣?です。
能力はドラゴンスレイヤーです。
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