ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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今だに何故か、停止教室に入れない・・・・・・。


第四十一話  上級悪魔への階段

 

 

 

 ───チュン、チュンッ───

 

 

 鳥のさえずりが聞こえてくる。その音で目を覚ました俺は、ベッドの中で寝返りを打った。思考はまだ覚醒せず、ぼーっとしている。

 

 差し込む朝の日差し、鳥のさえずり、それらがぼーっとしている頭の中に流れ込んでくる。

 

 それと同時に流れ込んでくる光景は、綺麗な体の、豊満な胸を持ったレイナーレが、幸せそうな顔で、可愛い寝顔で眠っていた。俺に抱きつきながら、本当に幸せそうに・・・・・・。レイナーレの大きな胸が自己主張をするように俺に押し付けられて、変形しているが、こっちに関しては得なので引き剥がす理由にもならない。

 

 

 そう言えば、サーゼクスさんとグレイフィアさん、家に来なかったな・・・・・・。てっきり、修復が終わったら俺の部屋に問答無用で乗り込み、いないとわかったら全部の部屋を探すと思ったんだけど、

それもなかった。

 

 あの人達はちゃんと空気が読めているのか? それとも、目撃してしまったから帰ったのか? なんて疑問が浮かぶが、どうでもいいか。

 

 勝手に疑問を浮かべて自己完結した俺は、幸せそうにくっつきながら眠っているレイナーレの綺麗な髪と頭を撫でる。優しく、愛おしいものを撫でるように・・・・・・。

 

「んっ・・・・・・ふぁぁ・・・・・・」

 

 レイナーレが甘い声を漏らし、寝ぼけたような目で俺を見上げた。そして、少しの沈黙と静寂の後に、段々と目を見開くように瞳を大きくし、頬を桜色に染め上げていく。

 

「おはよう、レイナーレ」

 

「ふぇえ!? 桜歌様、お、おはようございます!」

 

 慌てふためくレイナーレは、自分の現状に驚きながらも挨拶を返してきた。胸をぎゅっと握るように手を添えて、羞恥に耐えている。そして、もう片方の手は俺の肩辺りに添えられている。

 

「・・・・・・桜歌様と、エッチしちゃった・・・・・・」

 

 ボソッと言ったレイナーレの言葉が聞こえ、俺はレイナーレの髪を撫で続ける。小さな小さな声で呟いたが、耳が人外な俺には全部筒抜けだった。

 

 レイナーレはそれを確認するように自分の胸に添えていた手を離すと、シーツの中に手を持って行って目を瞑り、『んっ・・・・・・あぁ・・・・・・♡』と甘い声を漏らす。

 

 それで力無く俺の膝を跨いでいるレイナーレは、俺の上に力無く崩れ落ち、体を密着させる。その際に溢れたであろう濡れた所が、俺の膝に密着する。

 

「レイナーレ、足りなかったのか?」

 

「ち、違います。これは・・・・・・その・・・・・・思い出すと、感じてしまって・・・・・・」

 

 俺の質問に口ごもるレイナーレは、顔を真っ赤にしながら額を預けてきた。桜色に染まった顔を見られないように、顔を埋めている。

 

 その時、レイナーレの部屋の床に魔法陣が浮き上がった。銀色の魔法陣で、色的にはグレイフィアさんを思い出させる。すると、案の定、グレイフィアさんが魔法陣から出て来た。

 

 銀髪のメイド服・・・・・・ではなく。銀髪の貴族みたいなドレス姿のグレイフィアさんが、躊躇いもなく部屋の中に出現した。

 

「全く・・・・・・昨日はあんな激闘をしたというのに、余裕ですか」

 

「グレイフィアさん、プライベートゾーンにいきなり上がり込んで、それはないと思いますよ。それに俺は無傷なので、問題はありません」

 

「おや、確かフェニックスの涙を使い、レイヴェルが号泣していたと聞きましたが」

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

 溜め息混じりと嬉しそうな声に、俺は言い返すも逆に言い返される。それも事実だし、不意打ちさえ食らわなければどうとでもなっていたであろう。と言うか、流石に1対3はキツい。それも、コカビエル以上の実力者が3人とか・・・・・・よく生きていたと言うものだ。

 

 俺の上に覆い被さって、くっついているレイナーレは抱きついてきている。多分、他の人に裸を見られるのはご遠慮願いたいのだろう。しかも、男と女が抱き合っている状態・・・・・・羞恥心が無ければ耐えられるが、人間には無理だ。

 

 ───訂正。俺とレイナーレは人間じゃなく、悪魔と堕天使だから、心を持ったものには無理だと訂正しておこう。

 

「それで、グレイフィアさんは何しに来たんですか? 昨日のコカビエルの件は、俺が片付けたから問題ないでしょう? それとも、俺が堕天使をくわえ込んでいるって事が問題ですか?」

 

「いいえ、違います。確かに、前代未聞ですが・・・・・・まあ、それはないです。それよりも重要な話が幾つかあるので、駒王学園の旧校舎に集まって貰います。これはいのり・・・・・・アンドロマリウスに関わる暗件と、その他にも良い話があるので集まって下さい」

 

 グレイフィアさんは焦ったようにそういうと、何処かにまた消えていった。恐らく、リアス先輩達のところに向かったのであろう。

 

 ───と、俺は推測をたてるのであった。

 

 

 

 

 

 それから数時間後、俺はいのりとレイナーレ、祭とレイヴェルで一緒にオカルト研究部の部室にやってきた。部室には何時ものオカ研メンバー。そして、驚くべき事に綾瀬とアルゴ、ツグミと愛歌に大雲さんまでが此処に集められていた。

 

 それに、呼び出した張本人であるグレイフィアさんとサーゼクスさんも、緊張した面持ちで俺たちを見渡している。が、特に大雲さんが見られている。

 

 明らかに綾瀬達は緊張しているを通り越して、ビクビクしている。魔王が目の前に居るのに、驚かない奴はいないだろう・・・・・・。いや、俺といのりだけ冷静だ。でも、いのりはオロオロとして落ち着きが違う意味で無くなっている。

 

 

 ───どうしたのだろうか?

 

 

 考えてみるも、思いつかない。何時もなら冷静なのに、今日だけ妙にオロオロと・・・・・・俺は心を決め、オロオロとしているいのりに抱き付いた。表現的には、抱き締めたの方が合っているが、それによりいのりもだんだんと落ち着いてくる。

 

「いのり、どうした?」

 

「・・・大丈夫・・・私は平気・・・・・・」

 

 少し落ち着きを取り戻したいのりが、俺にもたれ掛かる形で寄り添ってきた。少し呼吸が荒い気もするが、そこでグレイフィアさんが見計らったように口を開く。

 

「それでは、いのりも落ち着いたことですし始めましょうか。まずは、第一に良い知らせと悪い知らせ、どちらが聞きたいですか?」

 

「グレイフィアさん、綾瀬達が此処にいる理由を説明して下さい」

 

 『dead or life』みたいことを聞いてくるグレイフィアさんに、俺は一番気になる質問をする。綾瀬達が此処に呼ばれた理由が、全くわからない。

 

 

 1,大雲さん関連

 

 

 2,コカビエル関連

 

 

 3,強力な神器を持っているらしいから、それ関連

 

 

 ───と考えるが、どれもありそう。と言うか、全部じゃないんだろうか? 

 

 明らかに関連性があるのはこの3つで、リアス先輩的には強力な神器の使い手を放ってはおけないだろう。寧ろ、野放しにしてはおけない。もしかしたら、こちらの驚異になるだろうと言う推測でもあるのだろうか?

 

「それはですね、まずはアンドロマリウスの戦車である大雲が生きていたことが関連です。それとコカビエルの件に、生きていたのであればはぐれ悪魔・・・・・・いえ、彼の場合は特殊なケースなので支配下にはおけませんが、まずはその話から・・・・・・と言いたいところですが、まずは桜歌の良い知らせから話しましょう」

 

 グレイフィアさんは聞いたのに、簡単な理由を説明して、紅茶を飲んだ。あれは朱乃さんが淹れた紅茶で、リアス先輩の何時も飲んでる奴だ。

 

「───で、良い話が一件。桜歌の上級悪魔昇格が、後一歩になりました」

 

「・・・・・・凄いです、桜歌先輩」

 

 白音が嬉しそうな顔で祝福し、ケーキを食べる。───が、そこで頭の良いお嬢様型は何やら気づいたのか、反応した。

 

「へぇ~、"後一歩"、ね」

 

「凄いですわ。ですが、後一歩とは・・・・・・?」

 

「後一歩・・・?」

 

 純血悪魔のリアス先輩とレイヴェル、いのりが気付いたようだ。疑問をそれぞれ口にして、考え始める。どうしても気になったのは、俺も同じだ。

 

「まあ、その話は悪い知らせに繋がるから後にしておいて、グレイフィア。まずは、桜歌君と大雲さん達には礼を言うよ。コカビエル、"死神の殺戮鬼"の討伐に対して感謝する。ありがとう」

 

 サーゼクスさんの薄っぺらい感謝の言葉が告げられた。明らかに情報が多すぎて、処理に困っているような顔だ。それ程、大雲さんが生きていたことに上層部は驚いているのだろう。

 

 

 ───そう言えば、上層部の引き籠もりは治ったのかな?

 

 

「私はこの子達の願いを叶えただけだ。それより、処分があるのだろう?」

 

「ああ、察しが良くて助かるよ」

 

 冷静に分析する大雲さんに、サーゼクスさんが肯定した。そこで何か言い返したいのか、綾瀬達が殺気を放っている。

 

「処分って何よ! くもっちは私達の───ッ!?」

 

 ツグミが耐えきれなかったように立ち上がるが、グレイフィアさんが殺気を放って止めた。少し怯えながらも、ツグミは座っていた場所に座る。

 

「桜歌、私が殺気を放ったことは謝りますが・・・・・・殺気を収めて下さい」

 

「すみません、つい・・・・・・でも、人を威圧して黙らせるのは止めて下さい」

 

 グレイフィアさんが俺の中から溢れ出た殺気を感知し、自分の殺気を収める。俺もグレイフィアさんが殺気を収めたと同時に、自分の殺気を消した。

 

「それで、処分というのは簡単な事だよ。大雲さんには、誰かの眷属に入ってもらいたいんだ。また縛られるのと一緒だけど、君はもう一度アンドロマリウスに仕える気はあるかい?」

 

「もう一度、か・・・・・・確かにこれ以上いのりお嬢様が傷つくのは黙ってみられない。いいだろう。いのりお嬢様に仕えられるのであれば、構わない」

 

 サーゼクスさんの質問に、大雲さんは淡々と答えた。どうやら結構な長い付き合いらしく、保護者みたいな感じなのだろう。いのりも『よく遊んでもらった』と言ってたし。

 

「これで無事に一つ解決か・・・・・・で、そこの子達はどうする? 君達も、悪魔じゃないし好きに生きて良いが、恐らく目を付けられるよ」

 

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

 

 アルゴ、ツグミ、綾瀬が沈黙して俯いた。恐らく、これからのことは考えていなかったのだろうから、無理もない。確か、綾瀬の復讐を手伝うことが目的だった筈だし。勿論、大雲さんが保護者であるためにそこから解放されたと言ってもいいだろう。

 

「まあ、この件は保留と言うことで、次は何ですか?」

 

「ああ、次は楽しい話でもしようか。・・・・・・実は、明日はパーティーを開くことになったんだ。騒ぎを止めたお礼として、貴族をたくさん招いてね」

 

 重い空気を取り払うように、サーゼクスさんがパーティーの話をしだす。

 

 パーティーは慰労や感謝を込めて行われること、白音が明らかに喜びそうな食べ物の話(俺がそんなことを考えていると、頬をつねられた)。そして、貴族には美女がたくさんいる(主に一誠が凄いテンションで、鼻の下をのばした)と言うこと。

 

 さらには、俺といのりが『EGOIST』として小さなライブをやること・・・・・・これに関しては、慰労も何も無いんじゃないかと思えてきた。

 

 その時、ツグミと綾瀬、愛歌にアルゴが目を輝かせていたのは凄い意外な光景だった。もしかしてだけど、パーティーに出たことがない? ツグミに関しては子供らしく、愛歌にとっては神器なので始めていくのであろう。意外にも、アルゴは若干顔が綻んでいた。──恐らく、友達とどこかに行くという体験が全く無かったのだろう。

 

 

「それで、次の件だけど、此処からはアンドロマリウスに重要な話なんだ・・・・・・」

 

 

 サーゼクスさんは改まったように、みんなの顔を見渡す。特に、俺といのりの顔を交互に見て、最後に大雲さんとグレイフィアさんを見た。

 

「これは桜歌君の上級悪魔、昇格にも関わっているんだ。君はいのりの"異形の力"を見て、愛すると誓ったそうだね?」

 

「はい、誓いました。それが問題でも?」

 

 真剣なサーゼクスさんの問いに、真剣な答えを返した。いきなり突拍子もない質問に、俺は驚いたが迷うことなく答える。

 

「普通の人なら、言いたくはないんだけど・・・・・・『化け物』といのり君を呼ぶよ。あの力はどんな強い相手だって、簡単に殺せるんだ。《王の能力》も、それと同等・・・・・・いや、どちらかというと改良した劣化版だと言うべきだね。いのりの"アポカリプス結晶"は、家計の力はとんでもない力なんだよ。例えば、過去の"ロストクリスマス"は強い者が一瞬で全滅。《王の能力》で取り出したヴォイドを破壊さえすれば、簡単にヴォイドの持ち主は結晶化して死ぬ」

 

 その言葉に、リアス先輩達は驚愕の顔。《王の能力》の強さに、この空気は凍った。自分が預けているヴォイドの重要性に、今更気づいたような顔だ。

 

「──君はそれでも愛すると誓った。かつて、報われなかったアンドロマリウスの姫はまだ眠りの中だと思っていたんだけど、トリトンが現れた」

 

「で、それがどうしたんですか?」

 

 勿体ぶるような言葉に、俺は苛立ちを覚える。トリトンは確かに現れたし、真名もそれがトリトン本人だと言っていた。

 

 

 

「はっきり言おう、桜歌君には上級悪魔になる試験に条件が追加された。"第三のロストクリスマ"が

起こる前に───

 

 

 そこからははっきりと告げられた。

 

 

 誰も喋らず、

 

 

 少しの静寂の後に、

 

 

 ただ、いのりの肩が震えるのもわかった───

 

 

 

 

 

 ───マナ・アンドロマリウスとトリトンを消せ───

 




大雲さんはいのりの眷属入り
後の3人はどうするんでしょうかね~。
次まで書くこといっぱいあるよ・・・・・・。
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