ハイスクールD×D ~歌姫と罪の王~   作:黒樹

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これ、もう保々日常です


第四十五話  波乱なパーティー

 

 

 

 side《いのり》

 

 

 今日はパーティーだ。何でパーティーをするのか忘れたけど、兎に角魔王様主催のパーティーに参加することになったのだけど・・・・・・桜歌がまだ帰ってこない。

 

 1人だけで何処かに行ったのだが、何処に行ったのだろうか? たまに思いついたら勝手に行動するから、私がいくら一緒にいると言っても、何をするかはわからない。

 

 ───まぁ、何時もはビックリすることしかしないけど

 

 それくらいはわかってる。何時も楽しいし、桜歌のやることは全てが面白くて飽きない。

 

「いのり、着替えは終わったのかしら?」

 

「うん、大丈夫・・・」

 

 いきなり、リアスが扉を開けて勝手に入ってきた。ノックもしてないけど、気配でわかったからそこまで驚くことでもない。

 

「やっぱり、綺麗ね・・・・・・歌姫だけはあるわね」

 

「ありがとう」

 

 現在、私が着ているのはピンク色のドレス。スカートは貴族が着るような長いもので、動きにくいけどパーティーだから仕方無い。それに、最近忘れがちだけど、一応アンドロマリウスだし・・・・・・。

 

 期待はされてないけど、歌姫としての期待はされてる。主に上層部はそんな事はあまりいいとは思っていないけど、上級悪魔とかほんとにどうでもいい。

 

 周りの貴族からも、求婚が多いくらいだ。そのたびに、桜歌やグレイフィアが対処しているのだけど、早く結婚して楽になりたい。じゃないと、桜歌がそのうちキレるかも・・・・・・。

 

「さあ、もうすぐ始まるわ。桜歌が何処に行ったかは知らないけど、会場に向かいましょう」

 

「うん」

 

 

 リアスと私は控え室を出て、パーティー会場へと向かった。廊下を抜けて、無駄に時間をかけながらも目的の会場へと足を進めていく。

 

 そして会場前には、桜歌と私、リアスの眷属達がそれぞれ正装を身に纏い、ドキドキとしながらも私達を待っていた。その中にレイヴェルはいた。てっきり、私は先に中にいる自分のお母さんと一緒にいると思ってたんだけど・・・・・・レイヴェルもあの戦いに参加してたから、不思議じゃない?

 

「あれ、桜歌様はまだ・・・・・・何ですか?」

 

「心配しなくても大丈夫・・・私が変わりに、守から・・・」

 

「うぅ・・・・・・すみません。周りの目が、怖いので・・・・・・」

 

 ちょっと怖がっているようなレイナーレは、凄いキョロキョロとしながら後ろを気にしている。もしかしたら、桜歌が今すぐ後ろから現れるかも知れない、と期待しているのだろう。堕天使にしたら、悪魔の巣窟に単身で乗り込むようなものだし。でも、グレイフィアがいるから大丈夫だと思う。

 

「まあ、見られるのは絶対ね・・・・・・。元は堕天使なんだし」

 

「あらあら、大変ですわね~」

 

「うぅ・・・・・・」

 

 リアスと朱乃がとどめを刺し、レイナーレは縮こまった。綺麗な闇色のドレスを着たレイナーレは『来るんじゃなかった』と呟きながら、祭の後ろに隠れている。

 

「大丈夫だよ、レイナーレさん! いざとなれば、絶対防御してあげるから」

 

「・・・・・・私も、協力します」

 

「にゃ、私も協力するにゃ。まあ、そんなことが起こったら確実にキレるけどにゃ~(桜歌が)」

 

 祭と小猫、黒歌がそう言ってる。みんな違う眷属なのに、桜歌の為となるとすぐに動く。

 

 でも、そろそろ時間なんだけど・・・・・・。

 

「もうすぐ始まるわ。行くわよ。堂々と歩きなさい、あれだけの強敵を相手にしたんだから」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 リアスが扉を開けて、中に入っていく。その後をグレもリー眷属が歩き、中に姿を消していった。

 

 桜歌がいないから、桜歌の眷属を連れて行くのは私の役目・・・・・・。

 

 私は自分の眷属である祭達を引き連れて、中に入る。その後ろから桜歌の眷属と、レイヴェルが緊張した顔でゆっくりとついてくる。

 

 中に入ると、拍手喝采とでも言えばいいのだろうか? 手を叩く音と、豪華な金の部屋・・・・・・正直見飽きているが、沢山の人がいる。

 

 予定の内は覚えてる。確か、最初は眷属達の紹介とか・・・・・・他にもあった気がするけど、スケジュールなんて桜歌に任せっきりだからこれしか覚えていない。

 

「え~、皆様お集まりいただきありがとうございます。本日は、コカビエルと死神の殺戮鬼を倒した記念パーティーを行いたいと思います。ええ~、コカビエルの件についてはあちらから話があるという事で話を進めております。では、まずは眷属紹介からいきましょう。リアス───」

 

 リアスがその言葉で前にでると、自分の眷属を順番に紹介していく。流石は上級悪魔、グレモリー家の次期当主と言ったところだろうか。焦りも、不安もなくすらすらと紹介を終わらせる。

 

「私はアンドロマリウス家の次期当主、いのり・アンドロマリウス・・・・・・」

 

 話すことが見つからない。何時もは桜歌に任せっきりだったから、パーティーやライブも殆ど全部、全てが桜歌の進行のお陰だった。

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

 私が無言になると、周りもシーンとした空気に包まれる。

 

 

 だけど・・・・・・

 

 

 

 ───ドカンッッッ!!!!

 

 

 

 そんな音と砂煙で、会場の空気は一変した。そっちにみんなの顔が向けられて、貴族やサーゼクスさんなどは驚いた顔でそこから現れる影を見ている。

 

 

「いった~~~~。何でツッコむんだよ、ティア・・・・・・」

 

「良いじゃない。私は早く、歌が聞きたかったんだから!」

 

「あははっ、気持ちよかった~♪ ───あっ、いのり久しぶり。元気だった?」

 

 

 そこにいたのは、桜歌とティアマット、真名と呼ばれている私の姉だった。

 

 あれ? 桜歌・・・なんか、下敷きにされてる・・・・・・?

 

「まあ良いか。俺の眷属を紹介します・・・・・・真名・アンドロマリウスとティアマットです。後はそこのレイナーレと、イリナ、黒歌も俺の眷属ですね!」

 

 その言葉だけで、周りは騒然となった。

 

 

 

 

 

 side《桜歌》

 

 

 トリトンを消した俺と真名は、会場に転移で向かうことにした・・・・・・のだが。何の噂を嗅ぎ付けたのか、ティアマットが俺が歌うという情報を聞きつけ、その場に現れたのだ。それも、厄介事が終わった後・・・・・・ちゃっかりしていると言えばいいのか、でもこれは結局は1人でくるつもりだったから問題ない。

 

 しかし・・・・・・

 

『そうだ! ティアマットも眷属にしちゃえば、堂々と桜歌の側で歌聴けるよね!!』

 

『悪魔になるのはしゃくだけど、悪くないわね・・・・・・』

 

 という会話が何故か成り立ち、俺は"悪魔の駒"の中で、戦車の駒の"変異の駒"を使った。メリットとデメリットの中でもティアマットに取っては、メリットの方が大きかったようだ。それで、ティアマットも晴れて悪魔・・・・・・俺とティアマットだけで、いや・・・・・・ティアマットだけでリアス先輩達に勝てるような気がする。

 

 ───まあ、いのりの眷属として戦うときは俺が1人で戦っても勝てる気がするけど

 

 一応、俺も上級悪魔だし。一誠なんて、倍加する前に攻撃しちゃえば問題無い。もしくは、水たまりの中に沈めるとか戦わない方法もある。

 

『さて、悪魔になったことだし、堂々とティアマットでパーティー会場に突っ込んじゃいましょ!』

 

『良いわね。悪魔達が驚く姿が、目に浮かぶわ!』

 

 こうして真名にのせられたティアマットは龍の姿になり、俺と真名を乗せて会場へと向かう。しかも、思いっきり全速力で景色が変わる変わる。一誠ぐらいだと、失神してたな。

 

『ティアマット・・・・・・これ、止まるよね?』

 

『もうすぐ会場よ。・・・・・・止めないわ♪』

 

 ティアマットはそう言うと、見えている会場を見ると龍から人へと変わり。落下・・・・・・ではなく、弾丸みたいなスピードでパーティー会場に突っ込んだ。咄嗟に俺が下敷きとなり、真名とティアマットが壁に激突するのを防いだ。勿論、仙術強化と魔術強化はしたよ。死ぬからね・・・・・・。

 

 

 

 で、現在・・・・・・

 

 

 

 大爆笑するサーゼクスさんの司会で、ライブを終えた俺は飯を漁っている。トリトンとの戦いと、壁に激突で凄く疲れてしまったのだ。

 

「白音、これも美味いぞ」

 

「桜歌先輩、こっちも美味しいですよ」

 

 皿に5メートル近く盛られた料理は、どんどん無くなっていく。レイナーレは俺に引っ付いているし、真名はいのりに連れられては何処かに行った。ティアマットは今頃、ドライグでも笑いに行っているんだろう。

 

「そう言えば、先輩・・・・・・雰囲気変わりましたか?」

 

「ああ、変わったか・・・・・・昔を思い出したからね」

 

 当然、俺の変化にも白音は気付いたようだ。あれだけの過去があれば、人は変わるだろう。それも、今更思い出してはその所為でもっと強くなった気がする。まるで、最後のピースが埋まったかのようだ。

 

「桜歌先輩は桜歌先輩です」

 

「まあ、変わる気もないしね」

 

 後ろのレイナーレが、なんかプルプルと震えているが・・・・・・

 

「桜歌様~、周りの目が怖いです~!」

 

 涙目のレイナーレが、皿を持ちながら俺にくっついている。堕天使だったから、余計に目が気になるのだろう。でも見ている理由が、絶対に俺と白音の気がするんだが・・・・・・。

 

「多分、俺を見てると思うよ? さっき、堂々とティアマットと真名を眷属にしたって言ったし。こんな目立つくらい料理の山が出来ているんだし(しかも凄いスピードで消えてる)、俺にくっつかなければ何とかなると思うよ」

 

「何時もより、凄い量ですね」

 

「さっき厄介事を片付けたし、魔力の回復が寝るだけじゃ追いつかないからね」

 

 そう、俺は何日もまともに休んでないのだ。コカビエルと戦う前から試験だったり、さらにはトリトンが懲りずに早い段階で計画を実行しようとしたり、魔力の消費が多かった。それも、回復が追い付かないくらい。

 

「それなら、私が房中術で回復させます」

 

「私もやるにゃん。勿論、3人でにゃ」

 

 何処から出て来たのか、黒歌が話に入ってきた。

 

 

 ───全く、このエロ猫はこういう話になるとすぐに食いつく

 

 

 何時も通りと言えば何時も通りだけど、悪魔になってから休む暇もないな・・・・・・。ランニングとかを止めれば寝る時間が増えるんだろうけど、それを怠ると弱くなる。

 

「そうだ、白音も黒歌もレイナーレも、そのドレス似合ってるよ」

 

「「「・・・・・・」」」

 

 褒めたとたんに、3人は顔を赤くして固まった。白音は白の膝上までしかスカートが無いドレスで、黒歌は白音と色違いのドレス。レイナーレは綺麗な闇色のドレスなのだ(フリルが多い)。

 

「さて、食べ終わったし、ちょっとレイヴェルのところでも行ってくるかな?」

 

 俺は立ち上がり、皿を片づけるとその場から去った。

 

 

 

 

 

 探し始めて数十分。

 

 広いパーティー会場で何人かの女の子に捕まりながらも、何とか見つけだすことが出来た。しかも、捕まる度にサインやら握手やらと大変だったのは時間がかかった理由の一つ。

 

 で、そのレイヴェルなのだが・・・・・・ちょうど良いことに、レイヴェルの母親と一緒にいた。レイヴェルは淡い紫の短いスカートのドレスを着て、楽しそうに親と話している。勿論、フェニックス卿も一緒だ。

 

 見取れて忘れていたわけじゃない・・・・・・多分。

 

「どうも、レイヴェルのお父様とお母様」

 

「あら、噂をすればなんとやら・・・・・・丁度良いところに来たわね」

 

「おお、今回はご苦労だったな! 流石は、師にグレイフィア様をお持ちのことだけはある。まあ、それ以前に上級悪魔となった君が負けるわけが無いのだが・・・・・・ライザーなら、負けていただろうな」

 

 それはもう既に、ライザーが上級悪魔の中でも弱いと言っているのと同等なのでは・・・・・・? 

 

 なんて口に出せるわけもなく、俺はレイヴェルを見た。少し恥ずかしそうに胸に手を当て、ちらちらとこっちを見て何かを期待している。

 

「似合ってるよ、レイヴェル」

 

「はぅ・・・・・・! ありがとうございます、桜歌様!」

 

 褒めたら顔をもっと赤くしたレイヴェルは、凄く恥ずかしそうに俯いた。なんか親御さんの両方が微笑ましく見てくるけど、早く用件をすませてゆっくりしたい。と言うか、早く行かないと真名が暴れ出す。

 

「まあ、それは置いといて・・・・・・お母様、トレードしていただけないでしょうか?」

 

「あら、待ってたわよ。こっちとしても、フリーのままにしておくのは可哀想だし。家の娘をあなたが貰ってくれるなら大歓迎よ♪」

 

 俺がレイヴェルを探していた理由は、トレードだ。勿論、レイヴェルと僧侶の駒のトレード。丁度空いてるし、レイヴェルには僧侶の方があってる。まあ、ティアマットに高火力で焼け野原にしてもらうか迷ったんだけど、ティアマットの防御力を底上げすれば、戦場を引っ掻き回す鍵になると思ったから。

 

 それに、ティアマットは変異の駒を使わなきゃ悪魔に出来なかった訳なんだけど・・・・・・どれだけ強いのだろうか? 何時かは誰かと戦ってみたい。まあ、ティアマットが無双しなければ相手くらいイル。

 

「レイヴェルもそれでいいよね?」

 

「はい、精一杯力にならせていただきますわ!」

 

 この後、トレードした俺は真名を探して会場をまたさまよい始めるのだった。 




次はプールですね。
久しぶりの投稿ですみません。
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