【本編完結】諏訪子様になった、負け戦を回避したい   作:洩矢廻戦

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 …皆さま、大変長らくお待たせいたしました。…いよいよ始まります、真の最終決戦が。
 明日は結構遅め(10時くらいかも)


58話.欲③洩矢事変・開門

「時間が過ぎれば、そこで私の契約も終わりの予定だった」

 

 現世から隔離された小さな世界。

 偉大なる造形神。その心象風景を具現化させた、彼女の築き上げた価値観の異世界。

 埴安神袿姫は作業を続けながら、誰に語るでもなくそう言った。

 

「契約の内容もそれまで。つまり逆に言えば、私は彼女に一切の干渉をする必要もない」

 

 粘土が固まる。

 それを削って、形を整える。

 何度も何度も繰り返して、やっと完成に近づくその埴輪。

 それは今まで作り上げてきた、量産型の埴輪と違い、その見た目はほぼ人間であった。

 袿姫は満足そうに笑い。

 

「彼女がここから出ようとする…その行動を邪魔することもなかった。でも今は少しだけ後悔してるわ」

 

 六畳程の小さな作業場だ。

 本来であれば何十…何百にも範囲を広げられる心象風景を、あくまでその大きさに限定し、その縛りによって持続時間を延ばす。領域内の様々な創作道具を、それこそ彫刻刀のような物の具現化精度を高め、再現する。

 そして、決して誰も抜け出せないよう、外殻の強度を高め、そして閉じ込めていた。

 ――筈だった。

 

「全く…本当にどうなってるのかしらね、君は」

 

 袿姫の冷たい指先が、目の前の完成品のこめかみに触れる。

 少し強く押せば、ほんの少し形が変形し、袿姫の指先を包むように肌が吸着し、温かい感触を与えてくる。

 埴輪でありながら、その身体は土で出来ているというのに、まるで人間のような感触だ。

 完成だ。

 歴代最強の、埴安神袿姫の最高傑作の。

 何千といる埴輪の兵士たち、その頂点に相応しい究極の芸術品。

 まるで、生娘のような身体であった。

 雪のように白いとまでは行かなくとも、人間の少女と同じ程度には明るい、綺麗な肌色。

 しかし色も、形も人間そのものであっても、それは間違いなく"作り物"であると、そう相手に理解させる程の、一点の汚れも、瑕もない人外特有の美しさがある。

 袿姫は最後の仕上げに、右手で自分の神力を。

 

「――目覚めの時間よ」

 

 そこに、僅かに切り離した己の魂を混ぜた核を。

 目の前で直立し、瞳を閉じたままの彼女の胸に、強く押し当てた。

 力が、魂が注がれ、循環する。

 空っぽだった器の中に、命という名の水が注がれ、そしてこの世に真の意味で生まれ落ちる。

 そうして誕生を終えた彼女。

 その最高傑作の目が、自分を射抜く感動と興奮に、袿姫は顔を愉悦で歪めた。

 

「…あなたは」

「私は神。私はあなたの全てよ。――磨弓(まゆみ)ちゃん」

「…?かみ?」

「はうっ」

 

 こてんと首を傾げる最高傑作――杖刀偶磨弓(じょうとうぐうまゆみ)のその可愛らしさに、袿姫は胸を押さえて気絶した。

 その場に残されたのは、未だに理解が追い付かない磨弓の無垢な瞳と、幸せそうな顔で気絶する袿姫。

 そして。

 

 

 

 

 彼女の作った領域が、()()()切断されて出来た穴のみだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 世界が書き換えられていく。

 選ばれた実力者の、その更に頂点に位置する者にしか許されない、究極の絶技である領域展開。

 千亦の神力、そして性能が底上げされた異能の具現化によって、無人であった筈の市場が、その原型を失っていく。

 空中に突如として現れるジッパー、そして千亦の服装と同じ、虹の七色が神奈子を、千亦の全てを囲うように現れる。

 ジッパーが震え、そしてそれが開くと共に、その領域の真の姿が明らかとなった。

 真っ黒な夜空を反射し、黒く染まる水面の上に立つ神奈子と千亦。

 そしてその二人を、上から巨大な満月が、月虹が見下ろすように存在していた。

 

「領域展開――()()(げん)(そう)(そう)

 

 弁財天の手印を刻み、そして展開されるハレの日の市場。

 それに悪態をつく隙すら与えられず、神奈子の首元に一枚のカードが飛来した。

 

「ッ!?」

 

 人間離れした反射神経。

 神奈子はカードが首を刺すよりも先に、守るように右手を首に添え、神力を込めた。

 しかし神奈子の行動も虚しく、カードは神奈子の手をすり抜け、そして千亦の思惑通りに事が進む。

 両者同時の領域展開、そして領域展開三重奏とも違った、一方的な領域展開。

 それによる妨害も、必中効果の奪い合いもなく、神奈子は千亦の攻撃に対し、一切の回避が許されない。

 領域とは、その者の異能であり命が具現化した、濃密な力そのものの世界。

 仮にこの領域内に入ってしまえば、伊吹萃香は身体を疎の力で散らし、回避するといった行動もできず、それどころか密も操れない。

 それだけの圧勝。理不尽の押し付け合いだからこそ。

 

 遠い未来で。

 ある幻想の世界ですら、この技術は忘れられることとなる。

 

 神奈子の首に刺さった()()()()()()がもたらす恩恵。

 それに攻撃要素などはなく、ただ相手に自分の情報を開示し、自ら不利になる道を選ぶ技。

 ――それは手の内を晒すという縛り、それがもたらす絶大な効力倍増。

 

(これが…あいつの神の権限であり領域のルール…!)

 

 その時、八坂神奈子の脳内に溢れ出した。

 ――()()()()()()()

 

 

 

 

「流布還相争」
※こちらは第七十二回。ハレの日月虹市場の主力アビリティカード紹介のページです!ルールを守って所有権の取引をしよう!(ちまたんとの約束だゾ♡)
【ご意見などはこちらから】
ルール説明

「流布還相争」は天弓千亦の持つ神としての権限、その最高傑作であるアビリティカードに特化し、そしてその能力精度を高めることができる領域だ!

アビリティカードには合計四つの種類(タイプ)があり、それをどのように使うか、使わせるかが勝負のカギとなっているゾ♡

①使用タイプ

カードさえ持っていれば任意でいつでも発動できる便利なカード!一部を除いて基本クールタイムがあるので注意!時間管理は徹底しよう!

②装備タイプ

こちらも名前通り。ただカードの使用を宣言し、使うだけで常に浮遊物体があなたを守る!敵の攻撃を一定量無効化することもできるわよん。

④即効タイプ

これだけはちょっと特別、今までのとは少し系統が違う!(特〇系かな?)こちらはカードを手にした時点で効果が発揮される消耗品。その分効果も絶大だ!

一度に使えるアビリティカードは合計二枚だが、領域内では三枚だ!

 

 

 

 

「なるほど…」

 

 神奈子が千亦の領域、そして戦法を理解したのが合図となる。

 千亦が両腕を動かし、再び「$」の形に近い姿勢に戻ると共に、その両指に新たなカードが顕現した。

 そしてその内の一つ、右の指で挟んだ勾玉のカード――玉造魅須丸の力が顕現する。

 だが、それは先ほど見たものとは違い、二つではなく七つ。

 虹色に輝く巨大な勾玉が、今まで以上の輝きと神力を放ち、千亦の身体を守るように回転を続けていた。

 そして、弾幕が再び放たれる。

 

「全く面倒な…!」

 

 無主への供物。

 千亦にとっては、今の信仰と領域内による力の向上もあり、本来は技である筈のそれも今やただの通常攻撃。

 マニュアル操作とオート操作。その違いもあって弾幕の展開速度は以前と変わらないが、その代わり一つ一つに込められた力は桁違い。

 回避し、そして上空で浮遊を続けている千亦を狙い撃とうと氷柱を――

 

「ッあぁクソッ…!」

 

 使()()()()

 今この場において、領域の主は千亦であり、異能(程度の能力)が世界に存在する為の容量も、今は彼女が独占している状態。

 限界なのだ。

 領域が、切り離された一つの世界が抱えることのできる力は、千亦だけでそれ以外に割くリソースは既にない。

 今までに経験したことのないイレギュラー、その対応に遅れた神奈子の背中を、無主への供物は無慈悲に貫く。

 そして間髪入れず、千亦が取り出した二枚目のカード「狂気の月」が再び、効果を倍増させ、威力を上げて再び顕現し。

 神奈子の身体を押しつぶした。

 ガゴンッ――

 方陣が回転し、神奈子の身体は妖精と同じように復活(リスポーン)する。

 限界まで、後六回。

 

(面倒だ…最悪()()を使う必要があるが…近づく為には…)

 

 神奈子は依然として、真の意味での緊張は走っておらず、精々が面倒くさい、どうしようか程度の軽いもの。

 弾幕を避け、隙を見て飛び上がると共に、千亦が横に動くことで避ける…その繰り返しの中で、ただ――それをやるべきかを考えている。

 ()()を使うか。

 悩む神奈子を無視し、千亦は再びカードを宣言する。

 

「装備・陰陽玉(針)!」

 

 言うまでもなく、その弾幕も凄まじいものだ。

 何十もの霊力が込められた針、それは人間相手にも効くが、特に特効が働くのは妖怪などの人外。――そして妖精だ。

 攻撃の密度が小さい個所を見抜き、そしてそこに向かって神奈子は走る。

 が、その背中に一本の針が突き刺さる。

 追跡能力――!

 それに気づいた時には既に遅く、神奈子の身体を再び、何百もの針が突き刺さり、霊力を流し込むことで破裂させる。

 ガゴンッ――

 後、五回。

 

「どうしたの?さっきから動きが鈍くなってるわよ!?」

 

 以前より被弾する頻度が高くなった神奈子に対し、千亦は見下すような笑みを浮かべる。

 弾幕が再び展開され、そしてその度に光を、更に数を増やして逃げ道を奪い牙を剥く。

 領域内の影響で、最初に千亦が小手調べとして出していた空白のカード、その何百もの弾幕も今は、その影すらも残っていない。

 それは、まるで大蛇のようであった。

 一枚一枚が完璧に統率を取り、しかしまるで遊泳する魚のような、機械的ではない読みにくい動き。

 結果として、神奈子の身体は雪崩に巻き込まれたかのように押しつぶされ、そして絶命。

 

 ガゴンッ――

 

「…そろそろか」

 

 復活回数、残り四回。

 もう遊ぶ余裕は残っていない。つまりいい加減に勝負を終わらせるべきだと、そう神奈子はため息を吐く。

 あれを使えば――

 と、そこまで考え、しかしどう当てようか、浮遊したままの千亦に、どうそれをぶつけようかと再び悩む。

 そして何より、それを使えば少なくない代償が――それこそ肉体が耐えられず、器が崩壊する可能性だってある。

 神奈子の身体ではなく、あくまでもチルノの、妖精の身体なせいで、神奈子本来の実力、出力最大の神力には耐えられないのだ。

 身体は崩れ、それに連動し神奈子も死ぬだろう。

 なら――

 

「…いや」

 

 いや、違う。

 今の自分ならば()()()()

 復活能力を使って、()()()()()()()()()()()()()

 千亦のアビリティカード。それの持つ無効化の上限値を突き破り、一撃で屠る唯一の大技。

 今の神奈子に、乾も冷気も使えない神奈子に唯一残されたその選択肢。

 借りた妖精の復活能力を利用し、

 

(となると千亦を一撃で倒すにはやはりあれしかない…が。溜めも大きく確実に警戒されて防がれるだろう、とはいえ他に選択肢は無し)

 

 限界まで近づく必要がある。

 相手の防御も加味した上で、それを突き破る理不尽を押し付ける。

 その為に――

 

(無制限の…――を決めるしかないな…!)

 

 勝負の終わりは、近い。

 

 

 

 


 

 

 

 

 領域展開によって書き換えられた世界は、あくまでも現実世界の上に成り立っているものである。

 つまり今、天魔の目の前で繰り広げられている戦いは、諏訪大国から離れた場所なのもあって、とても歪な景色なものだった。

 本来は人の手など入っていない山岳地帯、砂と草以外何もない無機質なその場所がポツンと、一か所だけ真っ黒に染まっている。

 千亦の領域が作り出す心象風景が、現実世界の()()を書き換えていることによる差異。

 真っ黒な夜空をそのまま、地面に映したかのようなその光景は、幻想的であり、そして同時に恐怖すら感じる程の底知れなさがある。

 そして、千亦の領域が作る二つ目の月は、雲に届くギリギリに位置し、本物の月と並んで二つ、そこにいた少女を照らしていた。

 その影を、その正体を天魔は知っていた。

 彼女はまるで、友達に話しかけるような気さくさであった。

 

「やぁ、鞍馬天魔くん」

「…八咫烏」

 

 天魔が本物の月を見上げる。

 そして月の光を背に、「うにゅ」という掛け声と共に、二対の翼を羽ばたかせて急降下を始め、天魔の前に降り立った。

 同じ黒い翼を持つ者。

 だが天魔はただの黒翼であり、八咫烏は太陽の化身という二つ名に相応しい、二対の特別仕様。

 相変わらず、その身体から感じる威圧感は凄まじい。

 それでも、天狗の頂点としての意地の下に、天魔は言う。

 

「八坂神奈子。相変わらず凄まじい強さだ」

 

 今も地上で、千亦の弾幕を避け続けている神奈子を見る。

 その表情は生き生きとしていて、しかし同時に彼女の身体から感じられる神力が、最初の頃と比べてかなり小さくなっているのにも、天魔は気付いた。

 だが八咫烏だけは、尊敬する主を褒めるその言葉のみに反応し、笑う。

 

「むふーっそうでしょ?」

「うんうん、とっても強い」

「ふふふふ…」

「そう。本人に隠す気がないんだろうけど、八坂神奈子の気配はわかりやすいんだ、本当にわかりやすい…」

「…?」

「わかるかい?以前ほどの圧も…強さも感じられないんだよ、今は」

「…何が言いたいの?」

 

 天魔の言葉に、八咫烏は首を傾げた。

 そして天魔もまた、八咫烏に対して言う。

 

「私は正直、あの莫大な神力を見て恐怖すら覚えたよ。でも見てごらん?今の彼女を」

 

 効力を増したアビリティカード。

 苛烈を極める弾幕。

 カードとカードが交差し、そして互いに反発し合って不規則に暴れる攻撃という名の津波。

 そのどれもを、神奈子は今も必死になって避け続け、そして時に負傷し、絶命。

 ガゴンッと方陣が動き、妖精の不死性を利用した復活能力によって、再び回避行動を開始する。

 どこからどう見ても不利。

 天魔にはそうとしか思えなかった。

 

「領域ありとはいえ意外とやれてる。それに気づいてるんだろう?八坂神奈子の神力が着実に萎んできている、更に――」

 

 洩矢諏訪子がやってくるよりも早く。

 勝負がこの場で決まると、そう天魔は確信した。

 領域による一発逆転もなく。

 有効打を披露するでもなく。

 そしてそれが力を温存しているわけではないと、そう神奈子の放つ神力が証明していると。

 

「領域による強化で出力を上げた千亦に対し、復活頻度も短く、高低差による徒手空拳での戦いもままならない神奈子。――これって?」

 

 意地悪に笑って、言う。

 

「そう、千亦の勝ちさ」

 

 天魔の推測、言葉を聞いても、八咫烏は表情を変えない。

 己の敬愛する主が負ける。そう指摘されているのにも関わらず、少しの怒りも滲ませることはなく。

 ため息を一つ零してから、言った。

 

「はっ…ボクの買い被りか。所詮は天狗…知能の足りない鳥頭風情か。どうやら頭の方もめでたいらしいね」

 

 そこにあったのは、計り知れない絶大な信頼。

 

「神奈子様は気まぐれでね。相手にそこまで脅威がないと、神力の波もいつもこんなものさ。むしろもう飽き始めている頃合いだろうね」

 

 八咫烏は語る。

 本気というものを誰にも見せず、真の意味で死力を出し切る理由も経験もない神奈子にとって、戦いとは観察であると。

 どうせ全力を出せば勝負は終わる。

 何の面白みもなく、そして成果も得られないくだらない結末を長引かせる為の、いつもの癖なのだと。

 

「受肉による弱体化の影響を差し引いたとしても――」

 

 

 

 

 そして、八咫烏の告げたその言葉が、真実であると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神奈子様はまだ本気を出していない」

 

 崩壊する領域。

 そしてその原因である威光を突き付けられ、思い知らされることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――馬鹿な!?

 理解の追いつかない天魔を置き去りに、小さな白い太陽は姿を消す。

 市場が崩壊する。

 領域は消えた。

 いや、しかし神力が消え――

 否。違う、神力はある、だがこれはなんだ?

 八坂神奈子だ。

 これは八坂神奈子の神力だ――!

 あの萎んでいた神力の、彼女が持つ本来の実力のその一端…!

 何故だ!何故いきなり…!

 ――いきなり。 何故…!

 

「言ったでしょ?神奈子様は本気を出していないって」

 

 驚愕のまま動けない天魔を尻目に、八咫烏は降下する。

 

「全く…あれで本気で追い詰めたつもり?馬鹿だねぇ…」

 

 途中まで善戦をしていた…と、思い込んでいた天魔に対し、ただ八咫烏は小馬鹿にするようにぷくーっと頬を膨らませる。

 そして、視線を戻して地面を――

 

「…あーあ、もう滅茶苦茶だぁ」

 

 見た途端に、その酷い有様に頬を引き攣らせた。

 ただでさえ荒れ果てた場所だった。

 草も数える程しか生えていなかった大地が、今はもはやその原形すらも、地面という概念が通るかも怪しいくらいには崩壊している。

 そして、その場に立っている無傷の勝者は。

 八坂神奈子は、紫電を迸らせながら、()()()()の後の余韻に浸り、立っていた。

 そして、領域の崩壊と共に消えた、もう片方の神力。

 八咫烏が気配を探れば、崩壊した地盤の下、地面に埋もれている彼女の気配を察知した。

 天弓千亦のものだ。

 どうやらまだ生きているらしい。

 ――今のうちに始末するべきか。

 八咫烏は主の手を煩わせる必要もないと、自ら始末の提案をして。

 

「ねぇ神奈子様?あいつどうします?」

「………」

「神奈、子様…?」

 

 髪色も、服装も以前と違う神奈子。

 紫電が少しずつ鳴りを潜め、そして何かを噛み締めるような、そして好奇に任せるかのような。

 自然と、八咫烏は声をかけるのを止めてしまった。

 神奈子はそのまま、十数秒ずっと目を閉じて。

 そして、清々しい笑顔で、顔を上空に向けた。

 

「今は機嫌がいい。だから――」

 

 ちょうどこちらを見下ろせる位置。

 崖の上に、星空による逆光で鮮明には見えないが、確かにいるその第三者。

 八咫烏はまさかと、そのありえない正体に、言葉では表せない驚愕を覚えた。

 そして、それが正しいのだと。

 

「…あまり興を削ぐなよ」

 

 神奈子の言葉と、視線が証明していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君を隔離したのは異界の最深部、埴安神袿姫の心象風景」

 

 神奈子は何も言わない。

 代わりに、八咫烏が彼女に話しかける。

 だがその表情には、少なくない恐れがあった。

 

「最低でも三日。運が良ければ一週間は君を隔離し、その間に災害の化身である大百足。堕涅の殺害に成功し、そして君を一応とはいえ迎えに行くつもりだった。それなのにさぁ…」

 

 視線の先。

 八咫烏と神奈子を見下ろす者。

 自分たちの策によって、一時的に封じられていた筈の。

 そこにいた――

 

「マジでどうなってるんだよ君は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「言葉を選んだ方がいいんじゃない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全てを切り裂き、そこに立つ。

 瘴気を纏い、見下ろすのは。

 

「今際の際だぞ」

 

 古代最強の土着神――洩矢諏訪子その者だった。




 八坂神奈子(チルノ)
冷気しか扱えない、身体も上手く動かせないから戦いにくい、領域も使えないクッソ弱くなってる状態
まこーらの方陣擬きで復活能力だけはあるが、適応なんて持ってないしそれだけ(しかも回数制限あり)
死からの復活は妖精だから許される。妖精以外がそれを借りても普通なら二回目で死ぬ(死ぬ)神奈子様だから八回まで耐えられた。
「〇の〇〇〇」を使い勝利。

 洩矢諏訪子
世界をぶった切って復活

 ちなみにちまんの3つ目の○○タイプのアビリティカードが抜けてるのはわざとです(ブラフ)
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呪術廻戦はどこまで知ってる?

  • 最新の単行本(人外魔境)まで
  • アニメの内容(渋谷事変)まで
  • あまり知らない(領域展開は知ってる)
  • 全部わかる
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