【本編完結】諏訪子様になった、負け戦を回避したい 作:洩矢廻戦
あと、1話から今までの描写で伏線は張ってたんですが…祟り神たちの能力や姿は全員、元ネタのあれでして――
――空気が変わった。
その、山を覆いつくす程の、異常な気配が訪れる前。
この山を根城とする、彼らは己の種族…天狗特有の本能に従い、彼らは意識を集中し、違和感を感じる方へ目を向ける。
気のせいか、それともまたはぐれた妖怪が紛れ込んだか、疑問を感じながら、その侵入者の姿を遠目に見て――
その濃密な死の気配に、吐いた。
風を、空を、天を操る支配者たる、天狗のテリトリーであるはずの、この山を全て覆いつくすほどの、膨大な厄の気配。
山の巡回をしていた、まだ比較的若い天狗たち数名は、一瞬で意識を失い、吐瀉物をまき散らしながら墜落した。
呑気に山の景色を眺めていた、老天狗たちは皆一斉に、手に持つ盃を地面に落とし、わなわなと震えて、顔を青くする。
誰がどう見ても、それは天変地異の前触れとしか思えない。そんな山の大混乱。
何とか意識を保った、実力のある天狗たちは、皆が集まって議論を交わす。
「なんだあれは…!?妖怪…いや、大妖怪に分類されるものでも、あそこまでの気配は有り得ん…!」
「天魔様に判断を仰ぐべきか?それとも…」
「冗談じゃない!あんな不吉なものに、誰が好き好んで近づこうと言うのだ!」
「御免蒙りたいな。儂も流石に、あと数百年は生き続けたい」
「そうだ!ただでさえ、天魔様は
どう対処すべきか、誰があれに近づくべきか、そもそもあれは何なのか。
互いに責任を、理由を押し付け合って、恐る恐る、今も山を歩く怪物を遠目で眺めて。そして息をするのも忘れ、恐怖し、そして逃げる。
老天狗は長く生きたが故に、それらに比べてまだ若いが、幼少期から成長し、命の危機に過敏になった、大人に分類される天狗だからこそ、彼らはこうして恐怖する。
――そんな彼らの姿が、
(一体何が…)
まだ命の危機も知らず、つい最近まで、空を飛ぶのにも一苦労だった。
だからこそ、彼ら老天狗たちの会談を、不思議なものだと眺められる。天狗の少女は標的の恐ろしさも、その内に秘められた膨大な厄の本当の質量も…
何も感じ取れないまま、見てしまったのだ。
(…あれが?)
――それが、失敗だった。
距離にして数mほど、翼を、風を自在に操り、自身の移動音や気配を誤魔化しながら、山を歩くその化け物を見た。
相手の視界に映らないよう、ゆっくりと高度を下げ、天狗の視力を用いて、遠距離から標的の全貌を把握する。
ここから少し離れた湖、そこを領地としているはずの妖精と、見たことのない顔の兎、そして金髪の人間。
――それらを統括する、人間と同じ金色に輝く、その特異点。
(あれのどこが…)
少女は観察を続ける。
木の陰に隠れ、気配を殺し、視線を向けながら考察を続けて、じっとその場に待機する。
彼女が呼び出した配下、周りが言うに、祟り神と呼ばれるそれが、四方八方に泳いで行く様子も、この目で
突如地面を操作し、独り言を零しながら、空中浮遊を始めた彼女と、その右手に現れた祟り神も、同じように
――油断も、あった。
(…くそっ)
その結果が、これだ。
(――しくじった…!)
全身を強く押さえつける、祟り神の質量と、背筋の凍る、今の今まで気づけなかった、彼女たちの本当の不吉さを感じながら。
天狗の少女はそう、内心で悔しそうに吐き捨て、目の前に立つ、監視対象の彼女を睨みつける。
必死に妖力を滾らせ、侮られないように威勢を保つ。そして、視線を逸らさず真っすぐ向けて。
――しかし彼女は、それを笑って受け入れた。
「君、天狗だよね?もしかしてさぁ…ずっと見てた?」
「………」
こてんと、まるで悪戯が露見した子供を戒めるかのような、そんな優しい雰囲気と仕草。
だが、もう騙されない。目の前で笑う彼女は間違いなく、自身を含む、天狗という種を滅ぼしかねない…強大で恐ろしい存在。
こうして、目の前で対峙して、それでやっとわかるほどの、薄く散布された、細く濃密な厄の気配たち。
遅すぎる理解、少女は己の甘さを噛み締め、己の無力さを嫌悪した。
しかしこれでも、祟り神を含め、彼女自身も無意識ながらに、厄の気配を抑え込んでいる状態だ。
もしかつてのように、抑えが利かずに厄を解放していれば、間違いなく天狗の少女は、遠目で見た時点で気絶していたはずだ。
それが、幸運なのかどうかは、今の少女にはわからない。
「皆、お前を恐れてまともに動けない…だから私がいる」
「ふぅん…そんな過敏になるほど?」
「当たり前だ。お前たちのような存在を、そう簡単に見逃せるものか」
「…え?別に何もしてなくない?ただ山道歩いてるだけじゃん!」
「……それが普通の人間や妖怪なら、な。お前は危険すぎる」
「…話違うじゃんかよぉ…てゐ~…」
――荒ぶる神の魂。
こうして対峙してわかる。態度、言葉。それらは特筆することはない、人間とそう変わらない、温厚さを持ったものでありながら、その存在感が異質だった。
歪み、捻じれ、混ざり、直視するだけで胃を掴まれるかのような、全身が鳥肌を立てる恐ろしい気配。
妖怪、それも空を統べる天狗、その頂点である存在…天魔を超える、圧倒的な、強者に分類される者が共通して持つ、膨大な死の香り。
それらが、僅かながらも、そしてそれでも充分すぎるほど漂い、彼女が強者であることを証明していた。
「にしても…監視、か…それさぁ、本当に天狗の総意?」
「…どういう意味だ」
「いやさ、他には気配を感じないから…もしかして、君1人だけで突っ走ってこうなったんじゃ…とか思ったり?」
「………」
図星である。
「…そんなわけあるか」
「あーはいはい、そーですねー…不味ったなぁ…下手に気配を抑えすぎるのも考え物だね」
「おい、知らないと言っている」
「うーん…それとも人間レベルに気配を抑えるべき?いやそれでも面倒なことが…」
苦虫を嚙み潰したような顔で、なんとか言葉を続けた少女を見下ろし、彼女は「さて…」と切り出した。
「ま、いいや。とりあえず事情聴取…はさせてもらうからね」
彼女は頭を掻きながら、面倒臭そうにそう呟く。
少女はせめて、他の仲間に、この山に危害を及ばせないためにはどうするべきかを考え、歯を食いしばって睨み続ける。
あくまでも冷静に、目の前に君臨する彼女を包む、その異様な気配を見やり、そして吠えた。
「言っておくが、私はお前などには屈しないぞ」
「いや、あからさまなフラグ…」
「我ら天狗を…恐怖程度で飼い慣らせると思ったら大間違いだ」
キッと、その赤い光を両目から放ちながら、少女は果敢に言い切る。
その、幼さの残る顔と、そして生意気な態度を見て、彼女はニヤリと笑って。
「へぇ~~?屈しないって?」
すっと、少女の顎を軽く持ち上げ、覗き込む姿勢になりながら、その金色の眼を、妖しく光らせる。
その、吸い込まれそうな目の光に、一瞬目を奪われたのも束の間。
自身の顎に添えられた、彼女の手をブンッと、首を捻って振り払う。
「どんなことでも?」
「…ッ、勿論」
「かなりキツイよ~?」
「二度も言わせるな…私は屈しない!」
「言質取ったり!じゃあ早速…」
――ギギュウ
今までのとは違う、大きさは約1mほど、今も少女を押さえつける、巨大な金魚よりも小さい、その新たに現れた祟り神。
最初、どんな恐ろしいものが出るのかと警戒した少女は、その予想に反した大きさの祟り神に、拍子抜けをした。
――が、それも最初だけ。
『ぢ…いう…』
モコモコと、形が変化し現れる、全身桃一色の祟り神。
地面から生える形で、木の幹のような太い土台と、それに寄生する菌糸類のような形をした、祟り神の身体の一部。
――そして数個もの頭が、一斉に少女に目を向けて。
『しよ…しよ……』
それと同時に、少女の身体を押さえつけていた金魚の祟り神が姿を消し、代わりにその、菌糸類の祟り神が、少女の身体を持ち上げた。
無数の丸い頭が、器用に少女の翼、そして四肢を押さえ込み、そしてみるみるうちに、その身体の中に取り込んで、少女の動きを抑える。
『ち…ちう…』
「…ッ!」
ぐるん。
四方八方に視線を向けていた、その祟り神の無数の頭が、一斉に少女に目を向けて、そして歯茎を剥き出しにして笑う。
一瞬。恐怖で震える身体をなんとか誤魔化し、負けじと視線を返し、睨みつけながら言葉を紡ごうとして――
『ちゅーしよ?』
「…………はっ?」
――むちゅ
人肌のように生暖かく、そして柔らかくしっとりと…
言葉で表しきれない、そんな絶妙な感触が頬を襲って、その矛先は唇へ――
『ちゅ、ちゅーしよ…』
「ちょ!ま…待っ!?」
『ちゅーしよーよー』
ぶちゅっ!そんな音を立てて、少女の頬が軽く押され。
ぐるんと、少女の身体の向きを横に、その祟り神の唇が、少女の唇と向かい合い、ゆっくりと近づいて――
『ちゅー!』
「いやあああああああああっ!!!!!」
唇が触れる、およそ数cmほど手前で。
少女は、"その後"の恐怖に屈して、気絶した。
『ちゅーしよー?ちゅー…』
「あらら、気絶しちゃった…悪いけど、ここまでね」
『ちゅー…』
完全に意識を失い、力なく倒れる天狗の少女。
それの身体を持ち、ゆっくりと首を支えながら、彼女は祟り神に話しかける。
「ごめんねー?流石にファーストキス?が君になるのは可哀想だからさ」
『ちゅ、ちゅー…』
実際、この少女が接吻を経験していない…と決まったわけではないが、それにしても少し、意地悪が過ぎるというもの。
彼女の言葉に、祟り神は心なしか、どこか残念という風の顔を見せて、どんよりとした空気を醸し出す。
それを見て、彼女はいたずらっぽく笑って、自身の唇に指を重ねて――
「はいはい、また今度ね」
『ちゅー!』
その指を、祟り神の口に向けて近づけて、リップ音を指で表現して「ばいばい」と、別れの挨拶を交わしてから、その祟り神を仕舞った。
「さて…問題はここからだよねぇ…」
視線を下に、完全に意識を失い、倒れ込む天狗の少女に腕を伸ばし、首を支えながら持ち上げる。
同時に鉄輪を生成し、飛行の準備を終えてから、彼女はふわりと宙に浮く。
そして、少女の寝顔を眺めながら、彼女は呟いた。
「この子…どっかで見たような……」
「ただいまー」
「おっ!帰って来たぞ!」
「おうおう、もう終わったのかい」
「まぁねー、それでさ?ちょっと聞きたいことが…」
最初に反応したのは、白蛇の頭上に鎮座する姿勢のチルノだ。その隣で浮遊していた大妖精も、すぐに彼女に気づいて、顔を綻ばせた。
それに続いて、万が一のために、白蛇の身に隠れる形で待機をさせていた、てゐとマエリベリーもまた、高度を下げて着地する彼女に気づき、視線を向ける。
そしてすぐ、彼女が腕に抱えている少女、天狗の象徴である立派な羽を見た途端に、てゐは一気に面倒臭そうな顔へ――
「あー…あんた、また厄介事を持ち込んで来たのか」
「ちょ、今回ばかりは違うって!寧ろこの子が持って来た…というかやって来た?っていうか…」
「ふぅん…」
じとー…そんな効果音が聞こえそうな、何かを訴える半目のてゐ。
それに、彼女は頬を掻きながら、ぼそりと返す。
「いやぁ…中途半端な気配の抑え方はよくないね、次は人間に擬態する勢いでやるよ」
「あー…うん、なるほど?大体わかったわ、災難な奴だね…そいつも」
「まぁ見た感じ…結構若いらしいし?勘違いも仕方ないっちゃ仕方ないけど…」
「う、うぅん…」
彼女の腕の中で、少女が動く。
それに気づき、てゐやマエリベリーは軽い警戒の体勢を保ちながら、その顔を観察する。
もぞもぞと、彼女の腕の中で身体を横に、数回捻り、そしてハッと目を開けて。
「あ、起きた」
「ッ!」
彼女と目が合い、硬直する。
そして、今の自分の立ち位置を理解して、すぐに翼を動かし、垂直に飛び立とうと力を込めて――
「洩矢の鉄の輪」
「ぐっ!」
すぐに、彼女があらかじめ用意していた、直径10数cmほどの小型の鉄輪。
それを2つ、それぞれ少女の足、手に放ち、そして締め付けることで、一瞬で身動きを封じる。
バランスを失い、少女は墜落。まだ低空とはいえ、自由の利かない姿勢で落下したせいで生じる痛みに、顔を顰めて、忌々しく言い放つ。
「…兎、妖精に人間までも…何の用でここに」
「あれっ、気絶してる間にメンタル回復した?」
「うへぇ~…天狗らしい、仕事熱心なことで」
呆ける彼女。頭を振りながら「はー全く…」と、呆れたように言うてゐ。
そんな2人の視線に、不愉快だと眉を顰め、少女は更に怒りで皴を深くする。
両手足を縛られ、身動きの取れない…そんな少女の姿を、今まで状況を見守っていたマエリベリーが、そっと近づいて、覗き込みながら言う。
「天狗…凄いわ、本当に羽が生えてるのね」
「綺麗な羽だよね~、これ手入れしてるの?」
「くっ…触るな!」
「うわっ!めっちゃフワフワ!」
「ひゃ…っ、さ!触るな!」
つんつん、まるで猫を触るかのような、絶妙な力加減で翼を触り、そして感心した声を漏らす2人。
それにシャーッ!と、まるで威嚇する猫のような形相で、睨み続ける少女に、てゐは「あー、はいはい」と、両手で音を鳴らしながら、切り出した。
「2人とも、弱いもの苛めはそこまで、とりあえず事情聴取だろ?」
「苛めてないもーん、ちょっと脅かしただけだもーん」
「…どうだか」
ぴゅーっと口笛を吹きながら、そう返す彼女を、てゐは再び半目で睨む。
そして、じろりと少女に視線を向けて、聞く。
「で、とりあえず…あんた名前は?」
てゐの問いに、少女はしばらく考え込み、そして己の視線を、てゐの視線と合わせて、そして沈黙を降ろす。
そうしてしばらくして、本当に小さくだが、少女は自身の名を、零した。
「めぐむ…
「へぇ、龍か。それだけじゃないだろう?」
「
「…!」
――飯綱丸龍
その名を聞いた瞬間、ブワッと彼女の気配が膨らんだ。
それに気づいたてゐやマエリベリー、天狗の少女――龍自身も、一気に冷や汗をかきながら、息を吞んだ。
「あ、ごめんごめん。ちょっとびっくりしちゃった」
「…それはこっちの台詞だっての」
「ごめんね、てゐ」
「肌がブワッって来たぞ!」
「ごめんよチルノ~?」
調子よくそう返す彼女と、先ほど一瞬あふれ出した、あの厄の気配に一切臆さず、ケラケラと笑うチルノだが、隣では大妖精が気絶している。
恐れなどない。種族、実力といったあらゆる壁を超える、純粋なる友好関係の成す会話。
天狗という、上下関係に重きを置く種族故に、彼女たちの持つ空気、そして交わされる言葉が、不思議なもので――
「お前、神なのだろう?」
「んん?まぁね?祟り神やらせてもらってるよ~ん」
「妖精だろう、そいつは」
「んんん?でも年上だし…あといい子だし…」
「……」
随分と、掴み所のない神だ…と、龍はそう思う。
いるだけで鳥肌の立つ、恐ろしいでは言い表せない気配と、それに見合う実力を持っているだろうに。
あろうことか、神という存在に比べれば弱小で、そして惨めな存在であるはずの人間、更に兎や妖精と、対等な立ち位置で会話をしている。
恐れている…のは確かだろう(チルノは例外だが)しかし、それを大幅に上回るほどの、彼女たちから放たれる、信頼の矢印。
――この旅で築かれた、友愛と呼ばれるそれが。
「てゐはね、私が初めて出会った人…じゃなくて兎でねぇ」
「おい、目の前でいきなり何を話すんだあんたは…」
「私がいつか国を作ってね、その時は絶対、彼女を呼ぶって決めてて〜」
「おい、それ今言っていいのか?」
てゐの言葉を無視して、そうしゃがみ込みながら、龍の顔を覗いて、続ける。
「まぁとりあえず、皆私の大事な旅仲間、だから神に跪けー!とか、そーゆーのはナシ」
「…変な奴だな」
「愛嬌のある神様、目指してますから」
危険度は依然として変わらない、だが少なくとも、龍が最初に持っていた警戒心は、少しずつだが、晴れていった。
さてと、彼女が両手を腰に置いて。
「んじゃ誤解も晴れたことだし…これで解け…」
「いや、それは違うだろ…」
ふんすっ!そんな音が聞こえるような、彼女のドヤ顔に対して、いやいやと、てゐが反論する。
「あんたの気配に騙されたこの子と違って…残りの大天狗たちは、ちゃんとあんたの実力や危険性を感知してる、だから今も停戦…というか、無干渉を決め込んでるんだろ?」
「え?うん多分」
「縄張り意識と仲間意識の高いあいつらだ、いくら子供とはいえ、自分の仲間がみすみす捕まって…黙って放っておくと思うのかい?」
「いや、あなたも子供じゃ…」
思わず口に出してしまった、マエリベリーのその言葉に、てゐはじろりと、軽く睨みを利かせてから、フンッと鼻を鳴らす。
そして、くいくいっと、自分の方へ手招いて、「こっちに来い」と暗に伝えた。
彼女もそれに気づき、頬と頬が触れそうなほど、接近してから、話す。
「天狗の厄介なところは数、もそうだけど統率だ」
「う、うん?」
「わかってる?あぁ…最悪立ち向かえばいい…なんて思ってたんだろうね、その顔じゃ」
「…あはは」
気恥ずかしそうに、彼女は笑って、視線を泳がせる。
だが、それを戒めるように、てゐの目が強く、そして鋭く光って。
そして続く言葉に、彼女は顔を呆けさせた。
「最悪、私のことは気にするな。マエリベリーとチルノ、あと大妖精は絶対に最優先で」
「…え?」
「最悪って言ってるだろ。これでも長生きなんだ、もしもの想定くらいは既に終わってる」
天狗とは、山…いや、文字通り天を操るに至る、空の支配者というべき種族。
神々にすら匹敵するほどの、その圧倒的な個の強さと、そしてそれが束ねる無数の群。
いくら、洩矢諏訪子という祟り神が特異とはいえ、"数"というものに対しては、どれほど抗えるかはわからない。
――しかし、彼女は笑う。
「何言ってんのさ。私は、君が
あまりにも真っすぐな、その好意。
「…あ~~っ…あんたって奴は…ホント調子狂うわ…」
「ふふ~ん、心配してくれてありがと、でもね…」
――ズアッ!
彼女の足、そして影から這い出る、無数の腕、百足、蛇、犬のような形をした、無数の祟り神たち。
足元だけではない、彼女の髪が靡き、その背後から現れる、亀裂の入った空間から見える、血涙を流す巨大な単眼。
それら全てが、社に祀られるほどの神力と、圧倒的な存在感を持っている。
「"私たち"は最強だから」
驕り、過信、しかしそれが問題にならない、確立された実力の全て。
どこまでも彼女らしい、その自信に溢れた立ち姿に、てゐは満足そうに微笑んで、そして話を終わらせた。
「…うそ」
――だが、1人は違う。
その、沸き立つ祟り神たちを見て、龍はありえないとばかりに、呟いた。
「そんな、まさか…神格を分け与えて…?」
しかしその言葉は、龍以外の誰にも聞こえず、虚空に溶けていった。
オリキャラは複数出さない主義ですので、天魔の設定とかもある程度ぼかして行きます。
鬼子母神とかも…出す予定はないですね、やはり原作キャラが一番ですので。
呪術廻戦はどこまで知ってる?
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最新の単行本(人外魔境)まで
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アニメの内容(渋谷事変)まで
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あまり知らない(領域展開は知ってる)
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全部わかる