OCU日本国召喚   作:Bu3og

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第65話

中央暦1640年 10月11日

-クワ・トイネ公国 公都クワ・トイネ-

 

 木の葉が風と共に街中を吹き抜ける中、幾つもの重厚な鉄の塊がドッドッと音を鳴らしていた。

 『クワ・トイネ中央駅』を攻勢発起点に集結しているのは日防軍第1師団第11機械化連隊。

 その陣容は戦車42両。IFV(歩兵戦闘車)36両。WAP(ヴァンツァー)20機。SPAAG(自走対空砲)8両。SPMT(自走迫撃砲)12両であり、さらに支援車両や輸送車両が続く。

 それらを指揮する竹原はAFCV(前線指揮装甲車)の中で時間が来るのを静かに待った。

 

(7時57分……あと2分と少しか……)

 

 竹原は車内のモニターに表示されている時計を静かに眺めた。

 

・・・07:58

・・・07:59

・・・08:00

 

 時間になると竹原はインカムを送信に切り替えた。

 

「HQ23から全ユニットへ。反乱軍は降伏を拒否した。全ユニットは作戦計画に基づき、行動を開始せよ。送れ」

≪≪≪了解≫≫≫

 

 竹原から命令を受け取った各隊は行動をはじめ、先頭の戦車が動き始めた。

 

 

 その動きを、建物の中から遠巻きに反乱軍兵士が観察していた。

 

「時間になったか……敵が動き出した。魔信を送ってくれ」

「わかりました」

 

 反乱軍で宝石以上に貴重な魔法使いは、敵の中で最も脅威度が高い相手の監視に配置された。だが、監視の仕方はもっとも単純な目視だったことが、彼らの運命を決定付けた。

 

 機械化連隊の先頭を進む戦車の砲身がグインッと動き、反乱軍兵士が潜む家屋へと向いた。

 数秒ほどした後、ドンッという発砲音が辺りに響き、爆炎と共に反乱軍兵士は消し飛んだ。

 

エレファント1(第1戦車大隊第1中隊1号車)からHQ23。敵観測兵排除。送れ≫

「HQ23からエレファント1。敵観測兵排除了解。オーバー」

 

 この砲撃の音が、短くも陰湿で熾烈な『公都クワ・トイネ奪還戦』の号砲となった。

 

 

 所変わって公都東側。こちらはクイラ王国派遣軍と第2師団22機甲連隊所属。第2戦車大隊が展開している。

 全体の戦力を比較すると、アリカジャールが率いるクイラ王国派遣軍がもっとも戦力が少なく。そしてクワ・トイネ軍のような装甲車両も保有していない。

 反乱軍にとってある種戦いやすいのは、必然的にクイラ王国派遣軍になる。

 志麻はクイラ派遣軍の内訳を把握すると、竹原に隷下(第23任務旅団)から戦車大隊を一時的に編入するようするよう指示を出した。

 竹原は最初渋ったが、装甲戦力がないクイラ軍に反乱軍が全力でぶつかると、最悪包囲網が瓦解する危険性を説明して、納得させた。

 大隊最後尾にいる戦車のそばでアリカジャールは号令を待っていた。

 

 通信を受け取った戦車長はアリカジャールに報告に訪れた。

 

「アリカジャール将軍。作戦開始の号令が発令されました」

「伝令感謝する。貴軍らが使うセンシャ?という鉄馬車の入れない小道や建物は我々が掌握する。日本の方々は存分に武技を発揮されよ」

「わかりました」

 

 戦車長は自身が乗る戦車に乗り込み、戦車を進め始めた。

 

 アリカジャール達クイラ軍将兵も戦車の後に続き、進軍を始めた。

 

 

 クイラ軍のすぐ南にはデュラム達クワ・トイネ正規軍が待機していた。

 

「将軍。時間になりました」

「うむ。全軍に前進するよう指示を出せ」

「わかりました」

 

 第1機兵隊の指揮車両にデュラムは乗り込み、通信が届いたのを確認すると、隷下の部隊に伝令を走らせた。

 

 デュラムが乗るLT-9が動き出すと、後続車両も次々と動き出した。

 彼らは部隊こそ新編だが、日防軍の機甲部隊指揮官の下でしっかり訓練を受けており、その動きは以前に比べ非常に洗練されていた。

 

 

 軍務局の執務室では、シュタグロフが偵察の魔信を受け取っていた。

 

「ーーとうとう来たか」

「各隊は所定の位置で応戦準備を整えています。しかし、まさかクイラ軍に日防軍の鉄馬車部隊が加わるとは……如何いたしますか?」

「今更迎撃計画の変更は混乱を生むだけだ。予定通り敵を引き込みつつ、合図を待つよう各隊に徹底させろ」

「わかりました」

 

 シュタグロフは、自身にとって最後になるであろう戦いに全身全霊を注ぐことを決めた。

 

 

 3軍共。作戦が開始されてから順調に歩を進めた。

 公都クワ・トイネは確かにクワ・トイネ公国の首都なのだが、その建物密度はさして狭くない。まして、都市の外縁にあたるところは大規模農家が散発的に存在しているだけで、高低差や河川はあれど見通しはいい。

 竹原達(第23任務旅団)の進撃ルートでは、戦車による発砲音が時たま木霊するが、せいぜい数発程度だ。戦闘であるという雰囲気が大いに欠如している。だからといって、日防軍はただ主要街道を進んでいるわけではない。

 

≪ーーバーミリオン3-2(第1機械化大隊第3中隊第2小隊)からバーミリオン1-1(第1機械化大隊第1中隊第1小隊)。所定の位置に着いた。送れ≫

≪バーミリオン1-1からバーミリオン3-2。そのまま軍務局の防壁に居座る敵を排除せよ。オーバー≫

 

 

 また、軍務局でもっとも戦力が展開していると思われていた東西北の防壁に敵兵が時たま日防軍を観察している。

 

「どうだ? 敵は居るか?」

「……鉄馬車が道に沿って等間隔で止まってる。日本兵の姿はここからじゃ見えーー」

 

 バチャッっという音と共に頭蓋と脳漿(のうしょう)が弾けた。そして、ヒュンッという空気を切り裂く音とターンという軽快な炸裂音が何発も防壁のレンガを砕いた。

 頭を吹き飛ばされた反乱軍兵士は、そのまま膝からガクッと倒れた。

 

「伏せろっ!! 伏せろっ!!」

「クソッ!! どこから狙ってやがるんだっ!?」

「奴らの矢は早くて見えないっ!! 不用意に頭を曝すなっ!!

 

 通常の正規軍であれば、兵科に関わらず戦列を敷いて堂々と対峙する。しかし、反乱軍のほとんどは軍で訓練を受けたわけではない。鋸壁(きょへき)凹部(正式名:エンブラジャー)から体を曝さないよう注意深く辺りを見回すが、日防軍の小銃手(ライフルマン)達はそんなこと百も承知で準備していた。

 

 日防軍は街道沿いに部隊を進めながら、軍務局を監視できる川沿いの建物を順次制圧。IFVを等間隔で配置しながら狙撃ポイントも併せて確保していった。

 既に軍務局の北と西に沿って流れる川沿いの建物は日防軍がほとんど制圧しており、ネズミ一匹入れないほど濃密な監視網が出来上がっていた。

 

 竹原達はAFCVの中で各隊からの情報を整理しながら、川沿いの街道を進んだ。

 

「……静かだな」

「敵兵がほとんどいません。たまにいる敵も少数の斥候ばかりです」

「もっと全力で抵抗してもいいと思うが、そうなると、クイラ軍やクワ・トイネ軍側に敵は集まっているか……」

「相手はロウリアではなく、元クワ・トイネ軍です。我々と対峙しても勝てないことは重々承知しているでしょう」

「……予備戦力をクワ・トイネ軍の援護に回す必要があるかもしれん」

「回せるのは精々増強中隊規模ですが、よろしいのですか?」

「十分だ。クワ・トイネ軍の規模は全軍で一番大きいが、その分質も低い」

「わかりました。抽出可能な戦力を選定します」

 

 第23任務旅団は作戦計画を順調に進めた。

 

 

 視点を変えて公都南方に広く展開したデュラム軍団。こちらは途中までは順調に進軍したが、公都市内に入ると予想以上に苦戦を強いられていた。

 

 数十発の矢が前衛の重装歩兵に降り注いだ。

 

「グァッ!!」

「アダッ!!」

「穴が開いたところは後ろの者が隊列の穴を塞げっ!!」

「負傷した兵は後詰の兵士が回収する。生きている限り見捨てるなっ!!」

 

 細い街道を重装歩兵が前進し続ける。対して、反乱軍は接近戦にならないよう遅滞戦術に徹してひたすら矢を投射している。

 

 デュラムは指揮用のLT-9に跨りながら伝令や参謀の情報をまとめ、愚痴をこぼした。

 

「クソッ!! わが軍だけでも単純計算で4倍以上も戦力差があるのに、なぜこうも戦線が押せんのだっ!?」

 

 戦力面で反乱軍に最も優位だと思われているクワ・トイネ軍だが、見るべき側面を変えると、必ずしも絶対的優位とは言えなかった。

 

 まずクワ・トイネ軍の戦力は装甲戦力となる『第1機兵隊』こそ擁している。しかし、野外における敵軍団と対峙することを前提に訓練を積んでいるため、日防軍と比べて市街地戦闘に全く対応できていなかった。

 そうなると、既存の戦力(歩兵・騎兵など)での戦力に依存するのだが、ここでデュラムの戦術思想が足を引っ張ってしまう。

 デュラムは広大な平原を騎兵や飛竜で対峙することを得意としているが、綿密で慎重さが求められる市街地戦ではその機動戦術が発揮されることがない。

 さらに、日防軍は市街地全体を監視。情報通信を綿密に交換できるよう配慮しているが、クイラ軍は兎も角。クワ・トイネ軍が装備しているLT-9通信用では戦術級の情報しか扱えないのだ。

 

 先手は常に反乱軍に取られ、クワ・トイネ軍は前進するごとに少なくない兵士が死傷した。

 

「将軍っ!! ペルシール通り。ツヴィーベル通りの建物を制圧しました。建物の中はすでに(もぬけ)の殻だそうです」

「ーー奴らめ、我らと剣先を向けあうことを恐れていると見える。各隊は横の部隊としっかり連携し、敵を抜けさせぬよう横隊を組みながら前進を続けるよう伝達せよ」

「わかりました」

「まったく。我らの都市を奪還するのに苦戦しているようでは、他の軍に示しが付かんではないか……」

 

 デュラムは手元の地図を眺めながら、ほかの軍が順調に進軍していることに焦りを感じるのだった。

 

 

 苦戦しているクワ・トイネを横目にクイラ軍の進軍は非常に快調だった。

 

「ーー目標。正面バリケード。てぇっ!!」

 

 戦車から放たれた汎用榴弾が反乱軍が築いたバリケードを反乱軍兵士ともども木っ端みじんに吹き飛ばした。

 

「ちくしょうっ!! シュタグロフの旦那から聞いた話じゃ、一番弱い戦力はクイラ軍だって聞いたのによぉっ!!」

「グズグズするな。今度は流星の雨(機銃の雨)が降ってくるぞっ!!」

 

 反乱軍はバリケードや建物の陰からクイラ軍が反撃を試みるが、ただの弓矢では戦車に傷をつけることはできず、逆に自分の位置を教えることとなり、戦車上の機銃から掃射を受ける結果になった。

 運よく機銃掃射に生き延びる反乱軍兵士もいるが、戦う余力が残らないほどケガを負ったり、一瞬で命を絶たれる兵士が殆どだった。

 

 アリカジャールが乗る騎馬のそばに、日防軍兵士が報告に訪れた。

 

「アリカジャール将軍。カルトーシュカ通り。ハーポーツァイ通り。ミューガ通りの敵戦力は後退しつつあります」

「うむ。裏通りも少しづつ我が軍が制圧しつつある。このまま街道を進むよう日防軍もお願いいたします」

「わかりました。先頭にはそのように伝えます」

 

 アリカジャールは日防軍兵士の連絡を確認すると、討ち取られた反乱軍兵士が何人も道の隅へと押し込まれていた。

 

 クイラ軍の規模を事前に把握していたシュタグロフは、脱出口としてクイラ軍に対して3千以上の戦力を割いていた。

 

 クイラ軍は1万。反乱軍は3千。そこに市街地戦という要素が加われば、両軍の戦いは互角になる可能性もある。そして、反乱軍がうまいこと戦術を駆使すれば、勝利することも不可能ではない。ただし、それはあくまでお互いの戦力が同水準にあればという但し書きがあればである。

 

 今回クイラ軍には日防軍から第22機甲連隊隷下第2戦車大隊が編入されており、クイラ軍の先方として行動を共にしている。

 おかげで反乱軍が仕掛けたトラップは戦車で踏み潰され、弓矢の攻撃は通らず、奇襲をかければセンサーに見つかり死体の山を築いた。

 

 表通りで反乱軍は膨大な犠牲を出している中、裏通りでも状況は芳しくなかった。

 反乱軍の多くは職業軍人ではなく、傭兵や山賊だった者がほとんどなのだ。大規模な隊列を作ることは得意ではない。

 そして、クイラ軍には獣人が多いため必然的に派遣軍にも多くの獣人が在籍している。

 獣人は戦列を組むことは不得手だが、個々の身体能力が高く。人間の数倍の戦闘力を発揮する。

 市街地という戦力集中が困難な場で獣人はその身体能力をいかんなく発揮した。獣人の中には少数が屋根伝いで敵陣地に乗り込み、白兵戦を仕掛ける猛者までいるほどだ。

 

 反乱軍の防御態勢は日防軍の機甲戦力とクイラ軍の特性で徐々に戦力をすり減らしながら後退。最終的に軍務局の手前までクイラ軍の進軍を許してしまった。

 

 損害を出しつつも数で押してくるクワ・トイネ軍。戦車と共に浸透突撃してくるクイラ軍。そして、どんな策も完膚無きにまで先回りで潰しに来る日防軍。

 

 反乱開始時にあった全戦力5千の内、これまでに2千まで擦り減らされ、さらに軍務局を囲む最終防衛線まで3ヵ国連合軍は迫った。

 ここまでくると、所詮傭兵と山賊の集まりである。統制はともかく士気は駄々下がりだった。

 

「くそっ!! シュタグロフの旦那に付き合ってたら死んじまうっ!! 俺は逃げさせてもらうぜっ!!」

「待ってくれっ!! 俺も付いてくぞっ!!」

 

 反乱軍に参加した傭兵は次々と脱走し始めるが、軍務局の周囲は3ヵ国連合軍に制圧されており、逃げ道はなかった。

 

キャメル2-1(第2機械化大隊第2中隊第1小隊)からキャメル1-1(第2機械化大隊第1中隊第1小隊)。敵兵が川に飛び込んでこちらに向かっている。送れ≫

≪キャメル1-1からキャメル2-1。作戦前の取り決め通り。反乱軍の逃亡者はすべて排除せよ。送れ≫

≪キャメル2-1からキャメル1-1。敵兵を排除する。オーバー≫

 

 軍務局を囲む川の周囲はすべて日防軍のキルゾーンとなっており、

逃げ出すために川に飛び込み、ほんの数m進むと射殺された。

 何人も川辺で死体となった元仲間の姿を見ると、ほかの反乱軍兵士は怖気ずくと共にその無慈悲さに恐怖した。

 

「奴ら。逃げ出したやつにも容赦がねぇ!!」

「こりゃぁ覚悟決めるしかないようだな……」

 

 崩壊しかかった指揮統制は3ヵ国軍の冷酷さの前に何とか維持されたが、かといってそれが戦局を動かすことはなかった。

 

 

「ーーシュタグロフ将軍。『憂国騎士団』はほぼ壊滅し、状況は反乱が失敗する寸前だ。これでは支援した意味がまるでない」

 

 戦場が少しずつ軍務局に近づいてくると、シュタグロフの元に数人の兵士が訪れた。

 

「失敗? 彼我の戦力差を見れば成功の可能性が低いことは分かっているはず。まさか、本気で成功すると思っていたのか?」

 

 この兵士たちはただの傭兵ではない。ファンブルトン商会を通じてノウやシュタグロフ達。『憂国騎士団』の直接支援のために訪れたパーパルディア皇国の工作員の一員であり、アンヴォフ(前国家戦略局局長)バトラー(クワ・トイネ担当工作班長)の指示を受け、『憂国騎士団』の活動を支えるための現場要員でもある。

 

「将軍。我々の大本(パーパルディア皇国)は既にご存じでしょう? こんなあっけなく負けてしまっては、貴方の残り少ない人生を惨めな奴隷で過ごすことになりますよ?」

「まさかっ!? こんな老体に鞭を打たんと考える奴がいるとはっ!? 私のことを何だと思っているのかね?」

「ノウ将軍と共に偉大なるクワ・トイネ公国を属国から救わんとしている優志だと思ったのですが、何か誤解でも?」

「誤解しかない。私みたいな剣ではなく筆で戦う者がそのような名声のために動く訳がなかろう」

「では、何のために『憂国騎士団』に参加したんだ?」

「それはもちろん。このためだっ!!」

 

 シュタグロフは机から結晶をサンドイッチしたレンガ (・・・・・・・・・・・・・・)を投げ、机に身を隠した。

 それが何なのか気づいた工作員の一人は、大慌てで逃げようと動き出すが、それより早くそれ(・・)は作動し、ドカンッと音を立てて爆発した。

 

「ぐっ……うぅ……」

 

 レンガ爆弾によって工作員は床に伏すが、辛うじて生きていた。

 対してシュタグロフは身を隠して無傷だった。そして、将軍用の剣を取り出し工作員に突き刺し、絶命させた。

 

「ーー少し前なら皇国の工作は確かに我が国単独で阻止するのは可能だ。だが、諸君らがバカ騒ぎ(英雄の反乱)してくれたおかげで全力で諸君ら(国家戦略局局員)を排除できるというものだ」

 

 シュタグロフは反論すらできない工作員を始末し終えた。

 別室で待機していた参謀と数人の衛兵がシュタグロフの執務室に入ってきた。

 

「ゴホッ。ゴホッ……将軍。スパイの排除は完了でしょうか?」

「ここにいるものが全員ではあるまい。だが、ここまでのこと(内乱の扇動)をしでかしたのだ。後は残った正規軍と日本が地の果てまで追うだろう」

「わかりました。では将軍。後は手はず通り、『憂国騎士団』改め『公国内の不穏分子』は徹底抗戦させます」

「うむ。公国の未来にあのような者たち(山賊紛いの傭兵)は残しておけないからな」

 

 パーパルディアの現地工作員を始末したシュタグロフは、残った反乱軍と共に3か国連合軍と全面衝突した。

 

 逃げ出すための包囲網突破攻撃と偽り、残った全戦力をクワ・トイネ軍へと突撃させた。もちろん。突破攻撃は重厚なクワ・トイネ軍歩兵と装軌車両によって阻まれ、生き残りは軍務局へと後退した。

 

≪HQ23から全部隊。反乱軍は巣穴(軍務局庁舎)へと戻った。巣穴への攻撃を開始せよ。オーバー≫

 

 公都奪還作戦を始め、昼食を挟んでから数時間。3ヵ国連合軍の内。施設制圧に長ける日防軍部隊が軍務局へ突撃した。

 既に度重なる消耗で満身創痍となっていた反乱軍に日防軍の攻撃は手心など一切なく。結果的に生き残ったのはたった数人だった。

 

 軍務局が3ヵ国連合軍によって制圧され、ハンキ等反乱軍に監禁されていた者も救出された。

 

 ハンキは日防軍のCRV(戦闘救護車)に収容されると、近くに居たクワ・トイネ軍兵士に質問した。

 

「すまない。知っていたらでいいのだが、シュタグロフはどうなった?」

「裏切り者のシュタグロフでしたら、軍務局の前で死亡しているのが確認されました」

「そうか。わかった。ありがとう」

 

 ノウを始めとする『憂国騎士団』が起こした内乱は、当初こそ公国全体に大小さまざまな影響を与えた。それが、意外にもあっけないく終わりを迎えたのだった。




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