生存報告もかねて、ひとまずプロローグです。
次話の投稿はまた少し開くと思います。
第二章 プロローグ
便利屋の四人は、机に新聞を広げていた。
いつもなら新聞を読むのはアルがほとんどなのだが、今回はいつもの新聞とはワケがちがう。
通常の記事の倍以上のページ数を見れば、その異常さがわかるだろうか。
特大のニュースばかりである。
ひとつ目は連邦生徒会長について。
「連邦生徒会長の失踪。社長、これかなりビックニュースじゃない?」
「かなりビックニュースね。外は大騒ぎよ」
ふたつ目はシャーレ、そして『先生』について。
「
「連邦生徒会が何かやってるみたい。顧問?『先生』?」
大きく飾られた見出しだけでなく、記事の全体の文章を読みながら、四人は話をつづけた。
「連邦生徒会長ってすっごくすごい人なんでしょ?いなくなったら大変なんじゃない?」
「大変どころの話ではないわ。今、あのSRT学園が閉鎖になって、元SRT学園の生徒が暴動をおこしているそうよ」
「あわわわわわ」
「SRTだけじゃなくていろんな学園が連邦生徒会に押しかけてるみたいじゃん!」
「そんな連邦生徒会が立ち上げたのがシャーレ、そして・・・」
先生
朗らかに笑った顔写真と一緒に記事に紹介されていた。
シャーレの顧問。
「謎。役割も権力もわからないことが多すぎる」
「シャーレ?の顧問ってことは、実質トップってこと?」
「突然できあがった組織の突然出てきた長。連邦生徒会にこんな顔の職員がいた記憶もないわ」
「しかもこのシャーレ、権限がすごい。どの学園の自治区にも入れるみたいなこと書いてある」
「え!?すごいじゃん!わたしもシャーレ入りたい!!」
「入ろうと思って入れるものなの?これ」
議論をつづける三人に、ハルカが銃をリロードしながら答えた。
「すべて消し飛ばせばいいのでしょうか?」
「ハルカ。残念ながらそれでは解決しない問題よ。それをしまって」
ハルカの言葉で緊迫していた空気がほぐれたのか、ムツキがソファに座りながら言った。
「いっそのこと、挨拶しに行ってみる?おもしろそう!」
「確かに一度コンタクトは取りたいけど・・・」
「私たちは犯罪組織よ。出向いた瞬間取り囲まれて牢屋行きね」
「あわわわわ」
改めて自分たちを振り返ってみると、まず近づくことすら難しいだろう。
便利屋として顔が売れすぎているうえに、悪名も大きく知られている。
最近爆破事件をおこしたばかりであった。
「じゃぁちょっと変装とかしてみる?髪型変えちゃえばわかんないよ!」
「いい案かもしれないけど・・・いや、リスクのほうが大きいかな。しばらく様子見したほうがいいと思う」
「そうね。ムツキ、今はシャーレよりも、勉強に集中しましょう」
「うわーん!!」
アルが取り出した参考書に、ムツキは悲鳴を上げた。
するとハルカは恐る恐る口を開いた。
「わ、私なら顔がうれてないですから、”挨拶”してきましょうか?」
ハルカは確かに便利屋の中では最も顔が売れていないだろう。
自分が一番新任なうえに、普段の業務内容も、隠密行動をとりながらの爆弾設置が主であった。
しかし、ほかの三人は首を縦にはふらない。
「ハルカちゃんがいくならわたしも挨拶したーい!ひとりでなんて行かせないよ!」
「それ、本当にただの挨拶?というか、ハルカだけにそんな危険なことさせない」
「えぇ。それに気になっているのは私達だけじゃない。ウチの風紀委員か万魔殿、そうでなくてもどこかの学園が動くわ」
ひとりで行かせるなんてありえない。
確かに便利屋の四人の中で最も顔が売れていないのはハルカであるが、言ってしまえば誤差程度である。
便利屋68という名前自体が知られすぎてるため、その構成員も当然よく知られている。
情報のアンテナが高い連邦生徒会の周辺街ならば、便利屋の四人が道を歩くだけで遠くから狙撃銃で監視されるだろう。
それほどまでに、便利屋68は有名であった。
「それじゃ、私たちが今できることは」
「普段通り依頼をこなすこと、ね。もちろん警戒はするけど」
「つまんなーい!」
ムツキが机に突っ伏した。
それを苦笑しながら、アルは今後の計画を考える。
「今はどこも連邦生徒会のゴタゴタで依頼どころではないでしょう。勉強時間が増えるわね」
「ムツキ、そこの記号間違えてる」
「え!?」
「ほら、ここも間違ってるわよ」
「うわーん!」
すると突然、電話から音が鳴った。
アルたち私用の電話ではなく、事務所に置いてある黒電話に着信。
それが意味することはただ一つである。
机から顔を上げた四人は、それぞれ違う表情を浮かべた。
『仕事を頼みたい、便利屋』
同一キャラが連続してセリフを言うときは「」を使わないんですね。
知らなかったです。報告ありがとうございました。