黒い刺客なんですけどなんで♀︎……あとサイボーグさんや、その5本目の脚をしまいたまえ(汗) 作:何でもいいでしょ?
それはそれとして家の近くの畑に三角頭の蛇がいてめっちゃビビりました(関係ない話)
どーも!どーもどーも!ライスでございます!さて!私は今、どこにいるでしょーか?
『正解はですね!美浦トレーニングセンター、通称美浦トレセンです!……って流石にはしゃぎ過ぎか』
まさか馬の立場でこの美浦トレセンを訪れる――訪れる?というか所属するとは思ってなかった。
競走馬お得意様のサラブレッドとして転生した時とか、大東牧場で基礎訓練とかに励んでた時とかはまだちょっと実感が薄かったんだけど……流石にトレセン来ちゃったら嫌でも実感するんだよな。
「今日からよろしく頼むぞ」
あとこの人ね。ユートピアにいた頃から二ヶ月に一回か二回くらいの頻度で俺に会いに来てた物好き――とあの時は勝手に思ってた伊志塚調教師。
なんか俺の体とか走る姿とかじっと見詰めては頷くのをひたすら繰り返してる変人としか思ってなかったんだけど、大東から美浦に移される前に自己紹介しに来た時は目ん玉ひっくり返るかと思ったわ。
何がお前ならG1を取れるだよ史実と言ってること逆じゃねぇか。褒めても重賞しか取らないぞ。
「小さいですけど馬体はかなり引き締まってますよね。これなら伊志塚さんの言う通り期待できそうです」
「ヒィ?ブル」
そりゃあんだけ走って鍛えたんだし引き締まるに決まってるわな。てかこれで他の純正のお馬さん達に負けてたら中身人間の俺泣いちゃう。
「やっぱ牝馬三冠路線目指すんですかね?」
「一応の主目的はそっちらしい。ただ新馬戦とその後のレース展開によってはクラシックも検討するらしいが…本命はクラシックのつもりだそうだ」
『お?』
ほー、つまりこういうことか?新馬戦とその後のレースで牡馬に勝てたらクラシック路線に進めると。
「く、クラシックですか?確かにライスはかなりいい馬だと思いますが、勝てますかね……?」
「少なくとも、私は勝てるんじゃないかと踏んでるよ」
伊志塚さんの言葉を聞いた多分川上厩務員らしき人が、半信半疑といった様子で俺の体を頭から順番に流れるように見回した。
前世でライスシャワー関連で調べると必ず出てきた有名人の視線に、内心冷や汗を流しながらじっと耐えること数秒、川上さんの中で結論が出たのか視線を俺からずらし伊志塚さんを見た。
「確かに、こいつなら取れるかもですね」
「うん。これまで見てきた感じだと長距離に高い適性を持つステイヤーだけど、中距離も行ける。多分マイルもだけど、流石に短距離は短過ぎるかもしれない」
「となると、最初はマイルからですかね?」
「いや、敢えて短距離を目標に据えてみよう。実戦での走り方で決める」
「短距離…理由を聞いても?」
「彼女――ライスにはまだまだ未知数な部分があるし、そこはこれからの調教で明らかにしていくんだけど……まあ、一番の理由は練習と本番は違うからだね」
「なるほど」
なんて、俺の前で時折顔を見合せながら話し合う伊志塚さんと川上さん。前世知識というズルありきとはいえ、生まれてからずっと積み重ね続けて来た努力が、距離適性という形で結晶になったことには俺も思わず笑顔になった。
……ただ新馬戦は短距離にするのか。てっきり川上さんの言う通りマイルか二歳新馬戦の最長距離にするかと思ってたんだけど、予想が外れたな。
一応史実通りに1000m走らされる可能性も考慮しといて良かったな。短過ぎてエンジンフル点火は無理だけど、1000mならまだギリギリ体力任せの大逃げでかっ飛ばして逃げ切れるだろうし。
「これでもし短距離も行けたらどうします?」
「多分川上くんの考えている通りだね。ある程度幅広く適性を持つとはいえ本質を見れば完全にステイヤーだし、あまり冒険はしたくないな」
「ってことはやっぱクラシックですか?」
「栗森さんもそう考えてるみたいだからね」
……さも当然みたいに栗森さんが俺にクラシック走らせようとしてるみたいなこと言ってるけど、実際クラシック行きたいって言い出したのは俺の方なんだよな。
いくら伊志塚さんが取れるって言っても牡牝の勝負だと圧倒的に牡有利なこともあって、牝馬三冠にしようなんて話も出てたし必死にクラシック走りたいってアピールしたし。
……でも今改めて思うとやっぱ言語の差どころか種族の差って大きかったな。一週間くらいひたすらアピールしても全然理解してくれないなんてことも当たり前だったし、あの時通じたのは本当に奇跡だと今は思ってる。
「……そういえばこんな噂知ってます?」
「うん?どんな噂?」
「俺達が今まさに話してるクラシック路線っていう話なんですけど、あれ決めたのが実質ライスだって話ですよ」
って噂をすれば……
「ああ、あの噂か」
「知ってましたか」
「幾ら賢くてもそこまではなって半信半疑で聞いてたよ。今は事実かもって疑ってるけど」
「『え?』」
え、あの噂信じるの?人間からしたら荒唐無稽としか思えないであろうあの噂を?
「ま、マジで言ってます?」
『うん、俺からも言うけどマジで?』
「言ってる」
『マジなのか……』
「いくら賢さ推定皇帝レベルとはいえ馬ですよ……?」
「あのシンボリルドルフと同レベルなら逆に納得だよ。何せあの馬は――」
「――競馬を理解していた、ですか?いや、でも……」
……そういやこういう時って毎度毎度あの皇帝と比べられるんだけど、俺中身人間だからもっと賢いと思ってるんだよな。
まあ競馬の知識量諸々で考えたら皇帝とは比較ならないほど劣ってるんだけども。
「ここに来るまでの調教、牝馬三冠の話題を出すと露骨にやる気なくすのに、クラシックの話題を出したら途端に"鬼”が宿るなんて言われるくらいにやる気出して燃え上がるんだろう?」
「らしいですね。他にも床かいたりヘドバンしたりと他にも色々あるとかなんとか」
あれ?なんか聞いてない間に話ちょっと進んで――ないか。むしろ元の話題に戻ってるなこれ。
「ふむ、川上くんはライスを信じられないのかい?」
「……信じられないというよりは、こいつが馬だっていう実感が湧かないっていうのが正しいですね…サラブレッド相手に何言ってんだって思うかもですが……」
「実感?」
「あー、えっと、色々話とか聞いてるとですね?俺の常識が壊されるというか、なんというか…馬じゃなくて人の話してるような感じがするんすよ」
「ブ」
ギクッ
「「……」」
「ブ、フヒュ〜、ヒュ〜」
ふ、二人揃ってこっちを見るなぁぁぁ……!!
「…確かに、ライスの奇行に関しては私も何度か見させて貰ったこともある。その上で言おう、同意見だ」
「ヒヒン!?」
「今も露骨になんですと!?みたいな反応してますからね。……やっぱ中身人間説マジだったりしません?」
「確かに中身人間説はライスに関わった人全員言ってるからね……そこの所どうなのかな、ライス?」
『え、えっとですね…そういうデリケートな話題は馬の俺じゃなくて調教師のあなた方のお役目なんじゃないかなと言いますか、お答えしたくないと言いますか……』
「めっちゃわかりやすいっすね。こんな目が泳ぐっていう言葉が似合う馬初めてです」
「これ見ると余計にそうなんじゃないかと思うね」
アカーン!?そういや母さんからあんためっちゃ分かりやすいから気を付けなさいって言われてたんだった!と母親からの忠告を思い出したが時既に遅し、二人の目は競走馬とはまた別のナニカを見るそれになっていた。
「――とまあ冗談はさておき」
「はい」
「ブ、ブルル?」
――と思いきや一瞬で元に戻ったりと色々と忙しい人達だ。
「ライスシャワー号は船以外の移動はコンディションに影響が出ないと聞いてはいるけど、今日はこのままゆっくり休んでもらう」
「船旅は絶望的なんてコメント帰ってきましたもんね。何でも十分保たなかったんだとか」
「他の馬よりもそこら辺敏感なのかもしれない」
「そうですね……明日はまず計測ですかね?」
「そのつもりだよ。明日のタイムを軸に大まかに組む予定だ」
「了解です。よし、じゃあライス、そこの桶に入ってる飼い葉はお前のだから食っていいぞ。……俺ら来る前から食ってたし今更なんだけど……」
『あい』
「大東からの船以外は基本無問題ってお墨付きとはいえ、本当に食欲に微塵も影響出ないとは思わなかったよ」
そりゃ純正のお馬さん達とは精神構造が180°どころか360°レベルで違うもんね。
……にしても、調教は明日からか。まあ大体そうするのが普通の筈なんだけど……
確か8月までに新馬戦を勝ち抜かないとクラシック出られないとかそんな感じのこと書いてたような気がするんだよな……?
ライス世代調べるついでに見ただけだからうろ覚えなのがマジで痛い……こうなるって分かってたら世代別でレース見まくったのになぁ…全く。
次の次か、次の次の次辺りからようやく新馬戦に入るかなってとこです。
未だにタイトルが僅かにかするだけで大部分影も形もない作品があるって( ゚д゚)マジ?
冬霊柊さん、もちっとした猫好きさん誤字報告ありがとうございました!
Simca Ⅴさん誤字報告ありがとうございました!
戸山さん(ミホノブルボンの調教師)モデルの登場人物を生存させるか、させないか
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させる
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させない