黒い刺客なんですけどなんで♀︎……あとサイボーグさんや、その5本目の脚をしまいたまえ(汗)   作:何でもいいでしょ?

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コメントを下さった方の中にめちゃくちゃ悩むいいシチュエーションの展開を書いて下さった方がいて、こっちにするかあっちにするかと悩みまくって時間かかってしまいました。

いつか番外編のifルートで書きたいなと思います。


俺氏出会う

俺は今、文字通り目玉が飛び出るほどに驚愕している。

なんで、なんで………

 

『なんで初っ端から纏葉騎手が主戦騎手な訳ェェェ!?』

 

本来ならば皐月賞から鞍上となる筈の纏葉浩さんなのだが……何故か新馬戦から専属契約を交わすことになったのである。

 

ええ……(困惑)。いや確かに大分鍛えたから史実のライスシャワー号よりも強いし人間視点での評価も高い自負くらいはあるけどさ、これは…これはどえらいバタフライエフェクトかましてしまったような気がしてならんのだが……

 

えーっと?纏葉さんの生涯成績とか追ってる途中でスヤァ…しちゃったからライスシャワーの鞍上になってからしか分かんないんだけど、皐月から跨ったってことは本来ならこの時期他のお馬さんに乗ってる筈だから……

うーんやっぱりこれ完全にやらかしてるな……

 

いや嬉しいよ?なんたってあの生涯の相棒なんて呼ばれてる纏葉さんが初っ端から主戦騎手とか嬉しくて堪らんよ?

でもさ、知ってる展開と違う展開になるってなんか怖くない?

まあそれ言ったら俺がライスシャワー♀︎になってる時点で今更だし、もう色々アウトだけども。

 

『ま、少なくともこれで皐月までは勝ったも同然だしいっか』

 

だってあの纏葉浩ぞ?ライスシャワーの運命の相手(意味深)ぞ?――今俺牝だからこんな言い方するとなんか色々言われそうな気するけど気にしない――ブルボンもマックイーンも倒した刺客コンビが揃ったんだぞ?負ける訳ないじゃないそんなの。

 

という訳で顔ペロペロして信頼の証〜

 

「おっと、はは。僕を認めてくれるのか。ありがとう」

 

そらそうでしょうが。逆にライスシャワー号のファンとしてあなた認めない奴なんてファンだって認めんわ。

纏葉浩と伊志塚厩舎あってのライスシャワー陣営なんだから。勿論我らが馬主様も忘れてないぞ!

 

「……実はさ、僕はずっと君に乗ってみたいって思ってたんだよ」

 

「ブ?」

 

え、マジ?史実だとこの時はまだ纏葉さんほどのベテランに目を付けられる程注目されてなかった筈なんだけど。

 

「僕だけじゃないよ。あの()を知る騎手なら他にも多くの人が君の鞍上をやりたいって言ってる」

 

『ふぁ!?』

 

ちょ、なんでそんなに注目されてるんですかね!?まだデビューもしてないんだけど!?

思わず体を揺らしながらこんなに注目されることになった原因はなんだと記憶を探る旅に出発、思いつく可能性が無限の如く広がった為諦め帰還。

 

「一応は君の破天荒ぶりに疲れ果てたスタッフがポロッと漏らした――なんて言われてるよ。なんでも別ベクトルで突き抜けてる分、並の癖馬の比じゃないなんてね」

 

『えっ初対面の纏葉さんにも伝わるの…?俺の顔分かりやすすぎ……』

 

「僕もそこそこのキャリアを重ねてきた自負があるからね。馬との関わりなら自信はあるよ」

 

そりゃあなたこっからレジェンド街道驀進しますもんね。主にライスシャワー(史実)とグラスワンダーとの出会いによって。

時代の顔役となった強敵と激突し、時には敗北、そして時には勝利を勝ち取った二頭の姿を思い浮かべる。

 

「……君とならクラシック三冠も夢じゃないと思うよ」

 

「ヒヒー……ぶる」

 

あ、そっすか。それは嬉しい限りで――今なんと?ってかなんで知ってるの?

感慨深いといった表情で告げられた何気ない一言。その為最初は聞き逃しそうになった俺だったが、なんとか耳から通り抜けて行く前にキャッチに成功した。

 

「おや?その様子だと合ってたのか。てっきり眉唾物だと思ってたんだけど、噂というのも馬鹿にできないな」

 

その噂ってなんなんですかね……変な噂で悪目立ちしてないといいんだけど。

分かりやすすぎる顔を利用し質問を投げかけようとしたちょうどその時、優秀な俺の耳が二人分の人の足音を捉えた。

 

「纏葉さん」

 

『あ、伊志塚さんに川上さんだ』

 

やって来たのはテキこと伊志塚調教師と川上厩務員。

ちなみにだが川上さんの腕にはハミや鞍といった道具が抱えられている。

厩務員が馬具を持ってるということは……

 

「伊志塚さんに川上くん、どうも。ライスを任せて下さりありがとうございます」

 

「こんにちは纏葉さん」

 

「こちらこそ、お受けしていただけて嬉しいですよ」

 

「…しかし本当に私でよかったのでしょうか?実績でいえば私よりも上の方など沢山おりますが……」

 

「纏葉さんだからこそですよ。栗森さんも纏葉さんならライスの力を最大限引き出すことができる筈だって太鼓判押してますし」

 

「そんな、買い被り過ぎですよ。はは」

 

「いえいえ、過ぎた謙遜は嫌味になりますよ?ふふふ」

 

纏葉さんと伊志塚さんのそんな会話を小耳に挟む――どころか全力で会話に耳を傾けながら川上さんにハミをつけてもらう。

 

「よーしよし、今日も大人しいしいい子だな」

 

『そりゃ中身ヒト息子ですから。ムスコはお亡くなりになったけど心のムスコは今もイキリ〇ってますから』

 

「お前に会ってからちょっと感覚麻痺してるけどさ。サラブレッドでこんな大人しいのなんて中々なんだからな?」

 

そら世のサラリマンが一生稼ぎ続けても届かないくらいの金額を注ぎ込まれた怪物品種だしな。従順さに関しては1に足の速さ、2か3のどっちかにようやくってレベルで二の次だからそれはしょうがないでしょうよ。

 

「賢さは遺伝しないとかよく言われるけど、俺の中では霊長類越えて最も人間に近いって思ってるお前はどうなんだろな。っと、これでよし。テキ、纏葉さん準備出来ましたよ!」

 

「ありがとう川上くん」

 

「ありがとうございます」

 

鞍やハミなどの馬具の装着具合を確かめた川上さんが、話し込んでいた二人に声をかけると、纏葉さんと伊志塚さんがそれぞれお礼を言いながら歩み寄って来た。

……ってか俺川上さんにそんな風に思われてたのね……

 

「…さて、それじゃあ見せてもらいましょうか。ライスと纏葉さんの実力を」

 

計測してみたら物凄い記録出た。纏葉さんしゅごい……

 


 

彼女(・・)に出会ったのは全くの偶然だった。

ドクタースパートとリンドシェーバーの鞍上を任され、初のG1タイトル二勝を獲得、所謂”ノリに乗った"そんな僕の元に飛び込んで来た一件の騎乗依頼。

 

それもただの依頼ではなく、専属契約を前提とした依頼だった。まだデビュー前の、少しずつながら時代に取り残されつつあるとも言われるステイヤーの血を引く小柄な牝馬。

―――そして、そんなマイナスな評価を尽く粉砕する常識破りとして語られる馬でもあった。

 

その馬の名はライスシャワー。僕ら競馬関係者の中では時々流れてくるその破天荒な噂からよく話のタネになり、それでも多くの騎手が乗ってみたいという言葉を漏らし会話を締めくくるほど話題には事欠かない馬だ。

 

真偽はともかくとして、噂によると馬主は牝馬三冠ではなくクラシック三冠を目指しているとも言われ、僕もそんな馬に跨って皐月・ダービー・菊花の冠を手に出来れば……と夢を見たこともあった。

 

だが所詮は夢、そんな都合のいい話そうそうある筈もない。そう思っていた。思っていたんだ……

 

「これからよろしく、ライス」

 

「ブルル……」

 

だと言うのに目の前に立つこの馬は誰だ?……いや、分かっている。僕が鞍上を任されたあのライスシャワーだ。

 

あの日、一本の電話が運んできた衝撃的過ぎる騎乗依頼。まさか自分が任されるなんて欠片も思ってなかったこともあって、思わず腰掛けていたソファーからガタッと音を立てて立ち上がってしまったことを今も覚えている。

 

「おっと、はは。僕を認めてくれるのか。ありがとう」

 

僕をじっと見つめていた彼女は、やがて僕を認めてくれたかのように顔を舐めてくれた。その目には隠す気のない信頼の色が現れており、初対面の僕であっても認めてくれるのかと胸の奥に業火の如き熱が宿るのが自分でもわかった。

 

ライスシャワー……いや、ライス…君が僕を認めてくれるというのなら、僕はその信頼に応えよう。

だから一緒に勝とうじゃないか、相棒。僕ら二人で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、スタートダッシュはどこから始めるつもりで?」

 

「新潟の1000に出そうと思ってる。札幌は船移動が絶望的だから論外、もう一つ目を付けてたレースもあるんだけど…化け物いたから今回はこっちにした」

 

「化け物というと、まさか……」

 

「そうだね。ライスを見た後だから余計にそう感じたけど……奴だ」

 

「……つまり、今のライスでは…?」

 

「うん、あの怪物――ミホノブルボン(・・・・・・・)には敵わないと思う。まず間違いなく黒星がつくよ」




あんまりにもタイトル詐欺すぎるのでもう次回新馬戦にするか、あと一話挟むか悩む……

新馬戦にする場合レース描写とか色々考えてから書こうと思うので、少し遅れるかもしれませんがご了承頂ければ幸いですm(_ _)m
他の先駆者の方々に習って見やすいよう書こうと努力します。

※途中のサラリマンとかは仕様です

戸山さん(ミホノブルボンの調教師)モデルの登場人物を生存させるか、させないか

  • させる
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