黒い刺客なんですけどなんで♀︎……あとサイボーグさんや、その5本目の脚をしまいたまえ(汗) 作:何でもいいでしょ?
何分レース描写とか書くのは初めてなので読みにくいかもしれません。その時はマジですみません(;_;)
PS.運営さんから検索妨害とのことでお叱りを受けてしまいました。アドバイスを下さった方もいたのですが、正直どれが該当するやつなのか分からなかったのでワンチャン消されるかな…
※詳しくは活動報告をご覧下さい
ついにこの時が来た。朝から馬運車に乗せられ、高速道路を走り続けた後に到着したここ新潟競馬場。
一部の例外を除けば、競走馬が競馬場に連れて来られたとなればやることは一つ。
伊志塚厩舎の面々も朝から物凄い気合い入ってたし、何より俺自身も今やる気に満ち溢れている。……でも本当に俺あのライスシャワーに転生したんだよな?なんか今更実感なくなって来たんだけど。
「緊張してるな。大丈夫だ、お前なら勝てるさ」
緊張で落ち着けず、馬房内でひたすらグルグルと回っては止まり、回っては止まるという行動を繰り返していると、俺の様子を注意深く観察していた川上さんから声をかけられ撫でられた。
「ブ、ブモ」
「心配すんな、お前は強い。誰よりもな、だから楽しんでこいよ」
……強いっていうのは鍛えまくった本人ならぬ本馬の俺が一番分かってるんだけどさ。
もし史実のライスシャワー――本物が勝ったこのレースで負けたらと思うと、どうしようもないくらい落ち着かないんだよ……
ただでさえもう原型殆ど残ってないパチモン以下のナニカになっちゃってるしなぁ……
そんな不安によってか、いつもよりもどんよりと重い体を引き摺りパドックへ。
『……』
このレースでデビューを果たす他のお馬さん達なんだが……なんというか、なんでみんなしてそんなに俺見てるんですかね?人間にならともかく、馬に対してそんな注目されるようなことしてないんですけど?
あっ!3枠3番、そこの3枠3番のお馬さん!君だけだよ俺見ないでパドック集中してるの。全く周りのお馬さん達も見習って欲しいよな。
……というかこの寒気は一体…?
「……注目されてるな、両方から」
『両方?』
両方ってなんぞ、馬の方なら穴空くんじゃないかってくらい見つめられてるけど――というか熱い視線向けられてる気がするのって気の所為だよな?気の所為であってくれ……――、もう一方ってなんなんだよ。
「何が?って顔してんな。ほら、お前って今回1番人気…って意味分かるか?」
1番人気?それって1番人気になってるってこと――あー、そゆことね。確か史実のライスシャワー号は2番人気だったから……あっここでもやらかしてるわ。
ってかなんで俺こんな期待されてるんだ?俺牝馬だよ?言っちゃ悪いけどさ、超小柄の貧弱体形だしわざわざ不利なレース走らされるステイヤーだぞ?
「ってか馬からの視線やばいな。なんかしたのか?」
「……ひん」
「分からんか……馬っ気出してる奴もいるっぽいけど、お前は見たところ
それに関しては大丈夫だって断言致します。
……だから発情するなら牝馬かなーって密かに思ってたんだが、3番の牝馬を見ても特にそんなこともなかった所を見るに違うらしい。
『つかなんでそんなに見てるんですかねぇ!!いい加減怖ぇよ!』
「おわ!?落ち着け落ち着け!」
落ち着いてられっかバカヤロウ!俺は逃げるぞ!
足早に周回を終わらせ地下通路をこれまた駆け足で進む。後ろのお馬さん達も心なしか早足で着いてきてるけど来んな!
『俺の子産んで欲しいな〜』
ぴっ!?なんか聞こえた!?
「ほら、いつもはもっと大人しいだろ〜?大丈夫、大丈夫だから。落ち着け落ち着け……もう本番だけど大丈夫なのか?こんな調子で…」
心配ですって文字が顔に書かれてる川上さんが必死に宥めようとする。……普段ならこうすれば落ち着くからって思ってるっぽいんだけど、残念ながら今回は状況が違うのです……
「…まさか牡が怖いのか?」
「っ!」
「マジかよ……併せの時なんもなかったのになんで急に」
そんなの俺が一番知りたいんですけど!?なんで俺こんな獲物を見るような目で見られてんの!?と、相も変わらず捕食者と化した牡から視線の暴力を受けること暫く。
「それじゃあお願いします」
「ええ」
「……それと、どうやら牡馬を過剰に怖がってる様子なので、もしかすると……」
「…なるほど、
「はい」
「分かりました。行ってきます。ほら、ライス、行くよ」
そんな会話を終え歩み寄って来た纏葉さんを背中に乗っけて、ゲートに入る。……隣からの視線が痛いけど無視だ無視。
落ち着け、落ち着けよ俺。本番なんだからな、万が一にも失敗は許されないんだからな……
内心不安に押し潰されそうになっていると、纏葉さんが不意に首を撫でた。
「大丈夫、君と僕なら絶対勝てるさ。だから心配しないで、相棒」
勝てる。それは今日何度も言われた言葉。川上さんも、テキも、馬主様も口を開けばそう言っていた。
だから皆同じだと思って、そんなに心に響かなかった言葉だが、纏葉さんのソレは別物に思えた。
さっきまで気になってしょうがなかった視線を感じなくなり、纏葉さん以外の誰の声も聞こえなくなった。
あれ程ブレブレな状態が続いていた思考が冷え固まり、レース以外の全てが気にならなくなる。
俺の不調を一瞬で払拭してしまった纏葉さんに尊敬と感謝の念を抱き、心の中で叫ぶ。
……そうだな、ありがとう相棒。お陰で切り替えれたよ。
だからさ、見せてやろうぜ。いずれは黒い刺客って呼ばれることになるであろう俺達コンビの力って奴を!
「うん、行こうか……!」
そして、ゲートが開いた――――――!
『スタートしました。先ずは好スタートを切りました8番ライスシャワー、どんどんと前へと進んで行き先頭を奪いさらに後続との差を広げて行く。凄まじい勢いです。これは掛かってしまったか?……いや違う。これは、これは逃げです!纏葉逃げを打ちました!2番手は――』
この世に馬として生まれ直してから、ひたすらに鍛え続けることで獲得した無尽蔵の体力に任せきった大逃げ。
並の馬なら最後まで持たずにどこかでヘロヘロになるのだろうが、生憎俺の体力はこんな1000m如きで尽きたりはしない。
「いいよライス。その調子だ」
相棒の言葉に小さく頷いて返し、足を動かし続ける。
コーナーに差し掛かりチラッと後続の様子を見てみると、俺の大逃げを追おうとしたのか一頭を除き疲れ果てた様子の牡馬達が目に入る。
……ふと、牡達が追ったのは俺の大逃げではなく"穴”なのではという嫌な思考が脳裏に過ぎったが、全力で頭を振って振り払いレースに集中する。
今まさに相棒からも集中って言われたしな!
さて、残るは第四コーナーと最後の直線か。あんまり競馬詳しくないから分からんけど、こんだけリード保ってれば逃げ切れそうだなーよかったよかった。
……なんて油断したからだろうか。
ちょうど第四コーナーを抜けて直線に入った頃、俺の後ろを走っていた9番のゼッケンを身に付けた馬が俺の想像を遥かに上回る速度で駆け抜けて来たのだ。
『ライスシャワー早くも第四コーナーを抜けて直線に入ります。ここまで後続は追い付かず一人旅状態。このまま逃げ切れるか!
――おっとここでダイイチリユモン凄まじい速さで追い込んで来た!先頭を走るライスシャワーに迫って行きます!』
後ろから迫り来る足音に思わず振り返り、9番の姿を視界に収めた俺の心境はただ一つ、えっウッソォォォ!?
「っ、今だ!」
想定外の事態に内心パニックを起こしていたが、相棒からの鞭が入りなんとか冷静さを取り戻せた。
正直初っ端から本気は出しても全力を出す気はなかったのだが、負ける訳には行かない為足に力を込める。
『ここでライスシャワー鞭が入る!さあ逃げ切れるか!?』
それでも尚、迫ってくる背後の牡。突き刺さってくるギラギラとした視線も相まって恐怖心が湧き上がるが、馬畜生が何クソと滾らせた怒りを燃料に更に加速。
なんとか影も踏ませずにゴール板を駆け抜けた。
『ダイイチリユモン迫って行く!迫って――しかし届かない!直線を駆け抜け、ライスシャワー今、ゴール!!タイムは57秒1!2着は2馬身差で9番ダイイチリユモン!』
「…よし、よくやった。よくやったよライス!ひとまずはお疲れ様」
「ヒヒン……」
纏葉さんが首筋を優しく撫でて労わってくれるが、正直今はそれどころじゃなかった。
はぁぁぁぁ……あっぶねぇぇ、いやマジで危なかった。9番の末脚があれ以上だったら間違いなく差し切られてたよ……油断してた、完っ全に油断してたわ。
……でもよくよく考えたらそうか。中身人だから最強なんてそんなご都合な話ある訳ないし、そもそも体が馬な以上実力が物言う世界か。
うわっ、早めに気付けてよかったかも……もし新馬戦前の慢心王状態のままクラシックなんて行こうものなら、どうなってたことか……
これからは肝に銘じよう。そう思った。
刺客さん♀︎は本番においてはどれだけ不安だろうと無意識的にスイッチが入っている為、その雰囲気を感じ取った牡馬は3段階に分かれる発情をします。
①お、あの子可愛いじゃ〜んレベル※普段通りの実力が出せます
②俺の子産んで欲しいな〜レベル※普段の倍以上の実力が出せます
③絶対逃がさんレベル※覚醒します
…②と③の間が極端?いいんですよ!③なんて一頭しか当てはまらないんですから!
次回はウマ娘編…の予定なんですけど、この話息してますかね……?少し様子見で
Simca Vさんいつも誤字お世話になっておりますm(*_ _)m
ライトエースノアさんもありがとうございました!
戸山さん(ミホノブルボンの調教師)モデルの登場人物を生存させるか、させないか
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させない