きな子さんがLiella!に加入してから数日後の物理の授業中、
戦兎「で…、ここが質量保存の法則で……ん? 桜小路さんどうした?」
見ると、きな子さんが机に突っ伏して寝てしまっていた。
生徒「ちょっと桜小路さん、授業中だよ?」ユサユサ
隣の生徒がきな子さんの身体を揺するときな子さんはハッ!と飛び起きた。
きな子「いけねぇっす! 寝てたっす……」
戦兎「よく寝てたぞ?……疲れぎみか?」
きな子「ああ……、ハイ」
きな子さんが申し訳無さそうに俯くと、クラスの子たちが話し始めた。
「やっぱりスクールアイドル部の練習が厳しいのかな?」
「今朝も走ってるところ見たよ?」
きな子「そういうわけじゃないんす! きな子がそもそも運動苦手なのがいけないんす! だから早く先輩に追いつかないとって!!」
ふむ……、状況はだいたい察した。アイツの出番かな……?
戦兎「桜小路さん、取り敢えず今は授業中だから寝るのはな……? 後、その事だけど万丈に相談してみろ」
きな子「? 万丈先生っすか?」
戦兎「ああ。アイツも昔色々あって苦労した奴だからな。ためになる話を聞けると思うぞ?」
きな子「……分かりましたっす!!」
戦兎「よし、じゃあ授業再開するぞ〜?」
そして授業を再開し、しばらくして時間が来て終了。俺は教務室に戻る。
教務室に戻ると、万丈が朝コンビニで買ったサラダと焼鮭を食べていた。うん、前に言った通りバランスを気をつけてるな。
万丈「おっ、戦兎」
戦兎「…万丈、きな子さんが相談に来ると思うからお前の思う通りに答えてやってくれないか? どうしても話せないところは誤魔化すかんじで」
万丈「は? 桜小路が? なんだ?」
俺は万丈に話した。きな子さんがスクールアイドル部で頑張ってるけど先輩との差が大きいせいで周りから厳しい部活だと思われていることで悩んでいること、中々伸びない事で自分の事を気にしてる事を。
戦兎「俺よりはお前のほうが的確なアドバイスできるんじゃないかと思ってな。思う通りに答えるだけで良いと思う」
万丈「なるほどな……、俺の経験が活きるかもしれないわけか」
戦兎「ああ。俺は飯食うな?」
俺が弁当を広げると、
きな子「失礼しますっす……あの、万丈先生は……」
万丈「噂をすればだな。今行く!!」
そして万丈はきな子さんの所に歩いていく。
きな子「相談したいことがあって……屋上で良いっすか?」
万丈「おう、構わないぜ? んじゃ行ってくる」
そして万丈はきな子さんと屋上に向かった。
〜 万丈 side 〜
桜小路と一緒に屋上に来た俺。桜小路が端っこに座ったので、俺も少し距離を取って隣に座る。
きな子「えっ……えっと、あの……ですね……」
ごにょごにょ話されても分かんないな。こいつは多分だけど、上京して日が浅い今は仲よくなった奴としか普通に話せねえと思うしな。
万丈「ゆっくりでいいから、落ち着け……」
きな子「は、はい」
桜小路はゆっくりと深呼吸する。俺は桜小路が少し落ちついたと感じると、さっき聞いたことをもう一度言う。
万丈「でよ、どうしたんだ?」
きな子「……悩んでいたんす。きな子、小さい頃から何か取り柄があるわけじゃなくて、それでも……先輩たちのライブを見て、きな子もあんな風にキラキラしてみたいと思ったんす……」
万丈「そうなのか」
キラキラ輝けるチャンスがあるのに、それについて行けない自分は諦めた方が良いのか……か。
なんか昔の俺もそんな風に似たことを考えていた事あったな。
万丈「でもよ、諦めて良いのか? キラキラ輝いてみたいんだろ? どうしてそうなりたいと想ったんだよ?」
確かに諦めるのは簡単だけど、それでも諦めないで前に進んで行かなきゃならねえ。
俺も香澄を失い、自分の罪を晴らすことがどうでも良くなった。
でも、諦めかけた時に戦兎から立ち直らされた。
戦兎『何がだよ……、何がいいんだよ!! いい訳ねえだろ!! 今捕まったら、お前は殺人犯のままだ!! それでいいのか!? それで彼女が喜ぶと思ってんのか!』
戦兎から、死んだ香澄がそんな俺を見ても喜ぶのかってて言われた時に、俺は死んだ香澄が喜ぶ為にも、冤罪を晴らさなきゃならねえと思って前に進んだんだ。
だから俺も、戦兎みたいに桜小路を前に進ませるんだ。
きな子「こんな取り柄のないきな子でも、何か夢中になれるものを見つけて、頑張ってみたいって小さい頃から思ってたっす」
肩が震えながらも、桜小路はそれでもスクールアイドルをやってみたい思いを言う。
きな子「でも、全然ついて行けなくって……、やっぱりきな子には無理だったんじゃないかって……」
桜小路が涙を流す。相当悩んでたんだな。
万丈「先輩たちのように輝きたいなら、勇気を出して手を伸ばし続けるんだ。それに…まあ、俺も偉そうに言えた立場じゃないが、どこかのナルシストで自意識過剰なヒーローならそう言うぜ?」
きな子「ヒーロー……?」
桜小路が俺の言ったヒーローの意味が分からなくて混乱している。
それもそうだよな、戦兎のことを言っても分かるわけねえし。
万丈「ワリぃ、俺の知り合いの話をしても分からないよな」
気合いを入れすぎてよく考えていなかった俺がバカだっただけだし。
きな子「いえ……大丈夫っす。それより凄いっす……万丈先生。こんなことを話したら……、諦めろって……、言われると思ったのにそれを諦めずに頑張れみたいに言ってくれるなんて」
桜小路がそう言うと、確かにそういう風に言う奴はいるなと思ったが、それでも戦兎ように世界を
万丈「まあ、昔の俺ならそんなことを言わなかったと思うけど、戦兎達や色んな奴と出会って変わったんだ」
旧世界で戦兎や美空や紗羽さん、カズミン、幻さんと出会ってから、俺は北都や西都の戦争やエボルトとの戦いで、大勢の為に立ち上がり誰かの力になる仮面ライダーなったわけだからな。
きな子「そうだったんすか……」
桜小路は、俺の話に興味がありそうな表情していた。
万丈「ああ。あの日から、驚くほどに俺の見ていた世界が変わったんだよな……」
旧世界の時の記憶を頭に浮かべながら、エボルトの遺伝子や、冤罪をかけられて殺人犯にされたこと等を隠しながら、戦兎との出会いとかを話そうと決める。
万丈「なあ桜小路…、お前が憧れを持っているのと同じで、俺もヒーローに憧れているんだ」
きな子「ヒーロー…っすか?」
あんまりヒーローという言葉に実感がないのか、桜小路はヒーローという言葉を返す。
万丈「ああ。そいつは俺にとって、憧れのヒーローであり、相棒であり、目標なんだ!!」
誰かの力になるために戦い、何度でも立ち上がる
万丈「初めて出会ったのは、俺がある悪い奴らから追われていた時だった。俺はその時に、自分の話を誰も信じてくれなくて絶望していた。その時に、そいつは俺を助けてくれたんだ」
スマッシュを倒した後、東都政府にいた幻さんや内海は戦兎に俺を政府に渡してくれないかと要求してきた。俺は自分が殺人なんかしていないのに、誰も信じてくれない現実に絶望した時、戦兎は助けてくれた。
ビルド『最悪だ……俺は、今日という日を絶対に後悔する。さあ、乗れよ………乗れよ!』
突然のことで訳が分からないまま、マシンビルダーの後ろに乗って戦兎と一緒に逃げたんだよなあ。
きな子「それが、万丈先生が憧れている人との出会いだったんすか?」
桜小路は、俺と戦兎が出会った時の話を聞いて少し驚いていた。
万丈「まあな。そんで助けてもらった後に、「何で俺を助けたんだ?」と聞いたらよ、そいつは『俺はお前を信じた、だだそれだけのことだ』と答えたんだ」
俺は戦兎が逃げきった後に言った言葉を答える。
きな子「出会ったばかりなのに、万丈先生を信用して助けるなんて凄い人っすね……」
桜小路が戦兎を凄い人と言う。
万丈「ああ。そいつは、自分のことよりも他人を優先して助けに行くんだ。誰かの力になりたいという理由で、力になれた時、自分の顔がくしゃってなる為にやるんだ」
自分の失った記憶の手がかりがみつかるかもしれない時にスマッシュが現れ、戦兎は迷わずスマッシュの方へ行こうした。
その瞬間に、俺は戦兎に「"自分の記憶"と"人助けのビルド"どっちが大事なんだ?」と聞くと戦兎は真っ直ぐに俺を見て答えた。
戦兎『決まっているだろう? ビルドだよ!!』
迷わずにビルドと答えた戦兎に、俺は生まれて初めて嫉妬した。
それと同時に……こいつには敵わねえと思った。
きな子「自分の顔がくしゃってなるために人助けする……っすか」
戦兎が助ける理由に、桜小路は少し驚く。
万丈「まあ、そんなあいつが太陽ような眩しいやつに見えたんだよ」
鍋島の子供に父親が記憶を失ったことを教え、
失った記憶をまた自分達で作っていくように伝え、
葛城巧の発明は悪じゃないと言い、
葛城巧の罪を自分は背負うと言った。
あの姿は、本当にヒーローそのもので、俺もこいつみたいになりたいという気持ちが生まれた。
きな子「太陽のような人……。きな子の憧れに似てるっすね……」
万丈「そうか。それでな? 俺もそいつみたいになれる時が来たんだよ」
だが変身出来ず、戦兎がキードラゴンに変身して傷を負ってしまった。
万丈「でも、失敗しちまってな。そいつから何のためにやるんだ? と言われた時に、俺は「
冤罪をはらす為、仮面ライダーになろうとした俺に戦兎は言った。
戦兎『力を手に入れるってのはな、それ相応の覚悟が必要なんだよ!! 半端な気持ちでなろうと思うな!』
半端な気持ちでなろうと思うなという言葉に、その時はすっぱりさっぱり分からなかったし、美空が誰かを守ろうとする想いが強くならないと変身出来ないと言う言葉も分からなかった。
きな子「そうだったんすか……」
桜小路は俺の話しを聞いて、自分に諦めるなと言った奴が自分みたいに昔は迷っていたんだという理解する。
万丈「そんな俺は大切だった人の墓に墓参りに行ったらよ、墓石に一つの手紙を見つけたんだ」
戦兎が言っていた場所に墓があって驚いたが、それよりも何で手紙があるかが気になった俺は、手紙を手に取って読んでみた。手紙は確かに香澄が書いた字で、宛先は俺だった。
『この手紙を読んでいるということは、おそらく私はこの世にいないでしょう。本当なら、私のために格闘技界から追放されたことをちゃんと謝るべきなのに、本当にごめんなさい。私には一つだけ望んでいることがあります。それは、あなたが私のことを忘れていつものように「負ける気がしねえ」って、前を向いて歩いてくれること。あなたのその拳で、多くの人の力になってあげてください。遠くから見てるよ、龍我。』
その手紙を見たら、俺はまぶたが熱くなり、感じるままに走った。
大切な人だった香澄が、俺が格闘家時代によく言っていた言葉を言い、俺が前を向いて歩くのと、俺の拳で多くの人の力になることを望んでいた。
その時、俺は冤罪を晴らすことしか考えてないかった自分がバカだったと悟り走り続けた。
万丈「その手紙を読んで俺は、大切だった人が望んだ姿を見せて喜んでもらうのと、憧れたヒーローのようになりたいという本当の気持ちが強くなって、俺は憧れたそいつのように人を助けることが出来たんだよ」
戦兎が戦っている場所に行き、倒れた戦兎からビルドドライバーを借り、誰かの力になりたいという強い想いで変身し、仮面ライダークローズになることが出来た。
きな子「大切だった人や、憧れたヒーローのようになりたいという気持ちを力にして、そのヒーローみたいになるなんて凄いっす……。きな子だったら多分諦めてなれないっすね……」
桜小路は、俺が戦兎と出会って変わった話しを聞き、自分だったら諦めていたと言う。
俺はそれに対して桜小路に大切なことを教えようと思った。
万丈「私だったらじゃねえ。誰だって色々と、本当の気持ちに迷って諦めそうになるんだ。俺が憧れたヒーローも、色々と迷って諦めそうになった。それでも進んだ。大事なのは、「負ける気がしねえ!」って想いながら、自分の気持ちを強く持ち続けることなんだよ!」
"自分の気持ちを強く持ち続けることが大事なんだ"と桜小路に伝えると、桜小路は真っ直ぐ俺の顔を見ていた。
きな子「"負ける気がしねえ"って思いながら、自分の気持ちを強く持ち続ける……」
桜小路は、俺が言った言葉を小さい声で言う。
万丈「ああそうだ。だから、お前も気持ちを強く持ち続けながら、そのチャンスに手を伸ばしてみろよ」
バカな俺なりに、戦兎ようにアドバイスする。
きな子「分かったっす……! 諦めずに頑張ってみるッス!!」
桜小路は俺のアドバイスを分かってくれた。
万丈「もし諦めそうになったら、"負ける気がしねえ"って自分の心に強く思うんだぜ? まあ、"負ける気がしねえ"ってのは俺が格闘技をやっていた頃から言っている言葉だから、他に良いのがあったらそっちでも良いけどよ?」
俺がそう言うと、桜小路は笑顔になり……
きな子「万丈先生、ありがとうございましたっす!!」
そして、屋上から出ていった。
翌日……
俺と戦兎が廊下を歩いていると、スクールアイドル部のポスターが目に止まった。
万丈「へぇ?」
ポスターは、少し前に"ラブライブ出場"というキャッチコピーに変わっていたのが、"目指せラブライブ優勝!!"に戻っていた。
俺は思わず笑顔になる。
戦兎「やっぱりお前に任せて正解だったみたいだな?」
万丈「ああ。サンキューな!!」
万丈(頑張れよ、桜小路!!)
ー 続く ー
これ、下手すりゃきな子ちゃん…万丈に惚れても何もおかしくなくね?
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