代々木スクールアイドルフェスティバルの翌日、今日は学校は休日で俺と万丈は理事長に呼び出されていた。
理事長「……なぜ呼び出されたかは分かりますね?」
戦兎「……はい」
万丈「…………」
俺と万丈は黙るしかなかった。
理事長「昨日現場にいた生徒たちの証言で、あなた達二人のお陰で観客や我が校、他校のスクールアイドル全てに被害が無かったのは非常に喜ばしいことです。1教師として、幾ら感謝してもしきれません。ですが……、」
その後一息つき、理事長は言葉を続ける。
理事長「葉月さんから、救急車がいると聞いた途端に逃げるように去っていったと聞きました。それにあの現場、怪物はあなた達のそばでやられており、あなた達は重症の傷を負っていた。どう見てもあなた達が倒してるんですよ。ですが、あんな化け物が人間に倒せるはずありません……」
理事長は真剣な表情で、どこか覚悟を決めた表情で問いかけてくる。
理事長「教えてください。あなた達は何者なのですか?」
………遅かれ早かれこうなることは分かってたけど、速すぎるな。まぁ、正直に言うしか無いか。
戦兎「分かりました。ではそれを明かす前に、人目につかない場所に連れて行ってもらって良いですか? 理事長に見てもらいたい物があるんです」
理事長は無言になりながら俺と万丈を連れて体育館にむかった。
理事長「今日は生徒は登校しない日なので目につく心配はありません」
そして体育館に入り、扉を閉める。
戦兎「見てもらう物はこれです。万丈……」
万丈「ああ……」
俺と万丈はビルドドライバーを腰に巻き、それぞれ変身する。
【ラビット!タンク! ベストマッチ!】
【ウェイクアップ! クローズドラゴン!】
万丈のドライバーの反応音が聞こえる中で、俺のドライバーはラビットタンクと反応し、レバーを回す。
すると、瞬時にスナップライドビルダー展開され、スナップライドからトラルジェルソリッドが流れ赤と青のハーフボディアーマーを形成する。
【Are You Ready?】
俺と万丈のドライバーの電子音が鳴り響くと俺はシュートボクシングのような構えをして答える。
戦兎「変身!」
万丈「変身ッ!」
俺と万丈が同じタイミングで叫ぶ。するとスナップライドビルダーが俺を挟み込むようにアーマーを装着させる。
【鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!】
【Wake Up Burning! Get CROSSーZ DRAGON!Yeah!】
俺と万丈は理事長の前で仮面ライダーに変身した。
ビルド「これが……俺たちの秘密です」
こりゃあクビかもな……。しかし、理事長はそんな俺達を優しげな顔で見ていた。
理事長「やはりあなた達だったんですね……」
!? やはりって…まさか、勘づいてたのか!?
クローズ「やはり?」
理事長「私はあなた達に助けられました。その後、怪物を仮面ライダーが倒したと報告したあなた達の声が同じでしたし、仮面ライダーが戦っている間、あなた達を見たものが探してもいなかったのでもしかしたら……と」
この人……それでも言わないでくれてたのか。俺たちは変身を解除すると、理事長は言葉を続ける。
理事長「私はあなた達に命を助けられ、その他にも救われた生徒の話は聞き及んでいます。代表して言わせて下さい。本当にありがとうございました!!」
理事長は、俺と万丈に頭を下げてくる。これを見てたら、俺たちのしてきた事はちゃんと届いていたんだと嬉しくて顔がくしゃっとなる。
戦兎「そう言ってもらえると助かります。でも、俺たちはクビですよね?」
理事長は驚いた顔をする。え? なに?
理事長「まさか! クビになんかしませんよ!!」
万丈「えっ!?」
驚いた……正直意外だ。
理事長「桐生先生たちは生徒たちからも好かれてますし、何より何度も生徒たちを身を挺して守ってくれた。そんな人達を何故クビにするんですか?」
……なんて優しい人なんだ。
戦兎「ありがとうございます……」
万丈「ありがとうございますっ!」
この人にならあのことを言っても大丈夫かもしれない。
戦兎「後、もう一つ伝えることが。実は俺たち、分かりやすく言うと"異世界人"なんです」
理事長「!?」
今日1番の驚愕の顔をしていた。
理事長「異世界人……?」
戦兎「まぁ、気づいたらこの世界に流されてたって言えば分かりやすいと思います。だから俺と万丈はこの世界に戸籍が無いんですよね……」
唖然とする理事長。やっぱりそうだよな……。
理事長「戸籍が無い……。で、ではどこに住んでるんですか?」
戦兎「埠頭の使われてない廃倉庫を使ってます」
黙っている理事長さん。しかし流石にそれは不味いと思ったのか、あることを提案してくる。
理事長「それは流石に不味いですね。では、これを期に戸籍を取得しましょう」
万丈「いや、そんな事できるんすか?」
理事長「普通なら無理ですね。でも、こう見えて私は警察に良い人脈があるんですよ? 今から連絡してみます。勿論通報ではないので安心して下さい」
一瞬身構えてしまったが……理事長さんを信じよう。
そして理事長さんが電話して数十分後、かなりの年配の男性と三十代くらいの男性が入ってきた。
年配の男性「春乃ちゃ〜ん! 久しぶりだね〜!」
理事長「ええ、お久しぶりです。本願寺さん!!」
本願寺と呼ばれた年配の男性は「うんうん」と頷くと、こちらに目を向けた。
本願寺「で、こちらが連絡にあった人達かな?」
理事長「はい。そうです」
本願寺「ほ〜」
本願寺と呼ばれた男性は俺達を値踏みするようにみるが、ニヤッと笑い、
本願寺「うん。中々良い面構えしてるじゃない!!特状課時代を思い出すね」
若い男性「そうですね課長。あなた達が最近現れた怪物を倒してた仮面ライダー?」
戦兎「はい。仮面ライダービルド、桐生戦兎といいます」
万丈「仮面ライダークローズ。万丈龍我だ」
若い男性「仮面ライダー、懐かしいな……」
何かを思い出すような男性。
戦兎「失礼ですがアナタは?」
若い男性「失礼、現警視庁捜査一課所属、元特状課刑事、
その言葉に、俺と万丈は驚愕する。
戦兎「仮面ライダー!? この世界も、過去に怪物が現れたことがあったんですか?」
進ノ介「ああ。俺たちの時は、ロイミュードと呼ばれる機械生命体がな。君たちは今回の怪物に詳しいらしい。情報を教えてくれないか?」
ここは、質問に正直に答えよう。
戦兎「今回の怪物は、俺達が前の世界で戦ってた怪物。スマッシュと呼ばれる怪物です。この怪物は、人間にネビュラガスと呼ばれるガスを注入することで、人間の身体を変異させて怪物に変えてしまうんです」
進ノ介「人間を怪物に?」
本願寺「強化ロイミュードのときと似てるね……」
進ノ介「もとに戻す方法はあるのか?」
戦兎「簡単です一度倒して動けなくしてから、この、エンプティボトルを向ければネビュラガスの成分を回収できます。ガスが無くなれば、人間に戻れます」
そして俺は皆さんにエンプティボトルを見せる。
進ノ介「一度倒さないとだめなのか……」
戦兎「でも、こっちの世界のスマッシュは変わってて、人間が材料にされていないパターンが多いんです。たまに人間が変異させられてる場合もあるんですけど……見分けがつかなくて」
俺の言葉に、泊刑事と本願寺さんは難しい顔をする。
戦兎「どっちにしても倒してたガスを回収すれば解決なのは変わらないんですけど……」
進ノ介「なるほど……。実は、警察の方でもどうしようか行き詰まってたんだ。戸籍の方は俺たちで何とかするから、協力してくれると助かる」
それは……当然のことだ。
戦兎「勿論です!! 仮面ライダーは、人々の笑顔を守るのが仕事ですから!!」
万丈「俺も戦うぜ!!」
進ノ介「桐生さん、万丈さん……じゃあ、理事長さんは学校でこの二人のどちらか片方を開けておいてくれますか? 空いてる方に応援を頼みますから」
理事長「分かりました」
戦兎「あっ、それとスマッシュの出現を探知するシステムがもうあるんですよ。後でデータを送りますね?」
進ノ介「本当に!?」
戦兎「ええ!! 天才物理学者ですから!!」
万丈「でたよナルシスト……」
理事長さんや警察の2人も苦い顔をしてたが、俺は一安心していた。
戦兎「あっ、因みに泊刑事の変身してた仮面ライダーって特殊な力を使って変身するタイプでした? それとも純粋な科学で?」
進ノ介「ベルトさんは純粋な科学って言ってたな」
ほう?
戦兎「なら俺、えっとドライブって言ったっけ。の、戦闘データがあればドライバー復活できるかも……」
進ノ介「っ!! 本当に!?」
戦兎「やってみないことには分かりませんがもしかしたら…」
進ノ介「実はそのベルトとある人間の人格や記憶のデータが入ってたんだ」
戦兎「そのデータまではムリだと思いますけど、ライダーシステムだけなら」
進ノ介「そうか……課長」
本願寺「そうだね泊ちゃん。桐生戦兎くん、万丈龍我くん、正式にドライブのライダーシステムの復活とスマッシュ撲滅の協力依頼をしたい。お願いできるかな?」
俺と万丈は顔を見合わせ、
戦兎・万丈「「はい(おう)!!」」
そう、返事をした。
ー 続く ー
戦兎「因みに理事長は警察のお二人とはどういう知り合いで?」
理事長「ああ、アタシはね、ロイミュード事件のあった年まで警察官だったの。でも、解決した時期に辞めてね。そしたら高校時代に友達だった葉月さんのお母さんが学校を再建するって言って、そこで理事長やってくれって言うからまぁ昔のよしみだしアタシも子供たちは嫌いじゃないからオーケーしたの」
万丈「元警察官だったんすね…」
勿論オリジナル設定です。
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