あれから数日、ゴールデンウィークも終わり今日から学校が始まる。
学校に行く前、俺は朝食を食べながらこの間戦った謎の少女、〈トール〉に渡されたフルボトルを眺めていた。
戦兎「ふ~む、この模様……学校か? にしても対になるボトルが無いと意味無いって言ってたしなぁ……。ん? そう言えば……」
俺はあることを思い出した。こちらの世界に来た時、きな子さんと出会う少し前に拾った歌っている女の子が掘られたボトルを。
戦兎「そう言えば確かこの辺りに……」ガサゴソ
俺は食事を中断して机の上を漁る。するとすぐに見つけた。
戦兎「あった!」
俺は2つのボトルを見比べる。ボトルのキャップ部分には、共に〈I/S〉と書かれていた。
戦兎「ベストマッチボトル! まさかもう持ってたなんて! こんなことってあるのか……」
意図せずに戦力が増えたことを喜ぶ俺。すると外で身体を動かしていた万丈が戻って来た。
万丈「どうした戦兎?」
戦兎「いや、この間トールからボトルを渡されただろ? そのベストマッチボトルをもう持ってた事に気づいたんだよ!」
万丈は驚愕する。
万丈「はぁ!? どこで手に入れたんだよ?」
戦兎「この世界に来たばかりの頃に拾ったんだ。今まで忘れてたが……」
すると万丈は呆れた顔になり、
万丈「お前もバカなんだな」
ハァ?! お前に言われたくないわ!!
戦兎「バカのお前にバカって言われたくないわ!!」
万丈「だからバカってなんだ!! 筋肉ってつけろって言ってるだろ!!」
くだらない問答も終了し、俺たちは学校に向かう。俺はビルドフォンにライオンフルボトルを挿し込み投げる。
【ビルドチェンジ!】
ビルドフォンはマシンビルダーに変形し、俺はマシンビルダーのタッチパネルを操作してヘルメットを2つ取り出し1つを万丈に投げる。
万丈はヘルメットを被り、マシンビルダーの後ろに跨る。
俺もヘルメットを装着し、マシンビルダーに跨る。
戦兎「よし、行くぞ!!」
マシンビルダーのロックを外し、アクセルを入れて学校へと走り出す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
途中のスーパーで昼飯を買い学校に到着。まずは理事長室に向かうか。
戦兎「万丈、理事長に改めて挨拶するから大人しくしてろよ?」
万丈「おう!!」
そして扉をノックすると、中から理事長が「どうぞ」と声をかける。
戦兎「失礼します!」
万丈「失礼します!!」
理事長「あら、どうしました?」
理事長は手に持っていた書類を置いてこちらを見る。
戦兎「いえ、この間はありがとうございました。授業も真面目にやりながら、生徒たちや地域の方たちを守れるよう尽力しますのでこれからもよろしくお願いします!」
万丈「よろしくお願いします!!」
俺たちは頭を下げる。すると理事長はフッと微笑み、
理事長「こちらこそ、よろしくお願いしますね? 怪物に対抗するには、あなた達の力が必要ですから」
俺と万丈は顔を見合わせた後、頭を上げ……
戦兎・万丈「「はい(おう)!!」」
そう、返事をした。
その後職員室に行くと、理事長から話しを聞かされていたのか他の先生たちに話しかけられた。
変な感情を持ってる人はいなさそうで一安心だ。
教師「桐生先生は1時間目は授業あります?」
戦兎「俺は1時間目は普通科1年の授業ですね」
俺が答えると、その教師は「二足の草鞋は大変でしょうけど頑張ってくださいね?」と労ってくれた。
もちろん、仮面ライダーも物理講師も、どちらも手を抜くつもりは一切無い! 全力でやるつもりだ!
そして時間になったので普通科1年の教室に行く。
戦兎「ほら〜、席につけ? 授業始めるぞ?」
俺が教室に入ると、生徒たちは俺を心配そうな目で見てきた。
戦兎「ん? どうした?」
俺が聞くと、
メイ「どうした?じゃねぇよ!! 身体は大丈夫なのか!?」
その事か……
戦兎「ああ。問題なく完治したぞ」
四季「あの怪我がこんなに速く治るなんて……」
生徒「そんな酷い怪我だったの?」
きな子「ハイっす! 骨とかは折れて無いみたいだったっすけど、身体のあちこちから血を流して、色んなところ火傷してたっす!!」
生徒たちが俺を見る目、異質なものを見る目ではなく…心配そうな顔をしていた。無理をしているのでは…と思っているのだろうか?
戦兎「大丈夫だって。じゃあ授業始めるぞ!!」
そして授業を始める俺。生徒たちは渋々だが切り替えて授業を受けてくれた。
戦兎(ゴメンな……。でもこの事を知ってる奴は少なければ少ないほど良いんだ……)
キーン コーン カーン コーン
戦兎「よし、今日はここまでだ。日直!」
生徒「起立、礼!」
そして俺が教室を出ようとすると米女さんに呼び止められた。
戦兎「ん? どうした?」
メイ「まだ、色々納得はしてないけど……これだけは言う。Liella!やスクールアイドル達と、皆を守ってくれてありがとな?」
恐らく、俺と万丈が囮になって、スマッシュを皆が逃げた方向とは逆方向に引き付けた事を言ってるのだろう。
こうして「ありがとう」と言われると、嬉しくて顔がくしゃっとなる。
戦兎「おう。皆が無事で良かったよ」ポンッ
俺は米女の頭を撫でる。すると米女は顔を赤くする。
ん? どした?
戦兎「どうした?」
メイ「先生って、そういうとこあるのか……」
? なんか物凄く失礼なことを言われた気がするんだが内容が抽象的過ぎて分からんな。
戦兎「じゃあな」
そして俺が職員室に戻ると、万丈は用務員さんの行う職員室のエアコンのメンテナンスを手伝っていた。
おいおい!!
万丈「おっ、戦兎!」
戦兎「おっ! じゃない!! お前にんなことできんのか!?」
用務員「ん? 必要な工具を渡してもらうだけだぞ? 自分で取るより早いからな」
万丈「工具の名前を覚えさせられたぜ……」
コイツが覚えられた事がビックリだよ……。
万丈「戦兎、次の授業は?」
戦兎「午後に普通科2年だよ」
万丈「そうか」
すると、
ピーーっ! ピーーっ!
戦兎・万丈「「っ!!」」
ビルドフォンとクローズライザーのスマッシュ探知システムがそれぞれ反応した。
用務員「ん? 出動かい?」
戦兎「はい。行ってきます!!」
万丈「絶対に無事に帰ってくるぜ!」
すると部屋にいた先生たちは立ち上がり、『気をつけて下さい』と1言。うん、スマッシュなんかに負けてたまるか!!
戦兎「行ってきます!!」
そして俺と万丈はマシンビルダーに乗って学校を飛び出し、スマッシュの出現場所に向かった。
ドライブ「はぁっ!!」ガンっ キンッ!
現場では、既に到着していた泊刑事がドライブに変身して、手にドライブの装備、"ハンドル剣"を持ち、スマッシュと戦っていた。
ドライブ「っ! このスマッシュ、手強いな……」
追田「進ノ介を援護しろ!!」ガチャっ!
警察官『ハイッ!!』ガチャガチャッ!
警察官たちが一斉に拳銃を構える。
追田「撃てぇっ!!」ダァンッ!
警察官たちが一斉にスマッシュに発砲。スマッシュの注意を引いて、その側面からドライブが斬りかかる。
そこへ、
【ラビット!タンク! ベストマッチ!】
ラビットタンクの音声と共に、俺はビルドドライバーのレバーを回す。ビルドドライバーからスナップライドビルダーが伸びてトランジェルソリッドが流れ赤と青のハーフボディアーマーを形成する。
【Are You Ready?】
万丈はスクラッシュドライバーにドラゴンスクラッシュゼリーを挿し込む。
【ドラゴンゼリー!】
戦兎「変身っ!」
万丈「変身!!」
声とともに挟み込むように俺の身体にアーマーが装着される。
スクラッシュドライバーのレンチを下げる万丈。万丈をケミカライドビルダーが包み、頭上から流れ出るヴァリアブルゼリーがクロスアーマーを構成する。
【鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!】
【潰れる! 流れる! 溢れ出る! ドラゴンインクローズチャージ! ブラァ!】
ビルド「勝利の法則は決まった!」
クローズ「今の俺は、負ける気がしねぇ!!」
そしてドライブに加勢する俺と万丈。万丈が前で攻撃を受け止めてタンクの役割をし、ドライブがハンドル剣で隙をついて斬りかかり、俺も二人の合間を塗ってパンチを叩き込んでいく。
だが、
スマッシュ「グルぁああっ!!」
クローズ「なんだコイツ、効いてないのか!?」
ドライブ「ああ。さっきから中々ダメージが通らないんだ……」
ビルド「なら!!」
俺はドライバーのレバーを回してドリルクラッシャーを形成する。
【ドリルクラッシャー!】
ビルド「2人共行くぞ!!」
ドライブ・クローズ「「おう!!」」
クローズが攻撃を受け止め、その隙にドライブがハンドル剣、ビルドがドリルクラッシャーで連携して斬撃を加えていく。
しかしあまりダメージが通っていないようだ。
ビルド「なら新しいベストマッチを試してみるか……」
そして俺はラビットフルボトルとタンクフルボトルを抜き取り、アイドルフルボトルとスクールフルボトルを振って成分を活性化。ベルトに挿し込む。
【アイドル!学校! ベストマッチ!】
俺がレバーを回すと、オレンジとブルーのハーフボディアーマーが形成される。
【Are You Ready?】
戦兎「ビルドアップ!!」
俺が叫ぶとアーマーが挟み込むように装着され換装する。
【
俺はこの世界で見つけたベストマッチフォーム、仮面ライダービルド〈スクールアイドルフォーム〉に姿を変えた。
万丈「なんだよそのフォームは?! 今朝のボトルか!!」
戦兎「正解。行くぜ!!」
ビルドとスマッシュが戦い始める。スマッシュの攻撃をガード、躱し、隙をついて一撃を入れる。
すると、
ドゴォオォオオォオオッ!!
スマッシュ「ぐがあっ!!」
目に見えて通っているダメージ。コレなら行ける!!
後、変身して体感したが、このフルボトル2本は合わせることでパンドラボックスと同じ成分を発揮する。
これを使えばスパークリングを復活できるかもしれない。
そして今まで新世界でスマッシュと戦ったときの違和感。前は新世界のスマッシュは耐久性が高いのだとと思っていたが、逆だ。こちらの攻撃力が低下していたんだ。
旧世界のボトルの変身はこの新世界とは世界が違う影響かパワーが下がってしまうらしい。だが、このベストマッチはこの新世界の物。
このベストマッチを使えば旧世界のボトルを新世界の環境に合わせて改良できる。
言い換えれば本来の力が出せるようになる。
ビルド「おりゃあぁああっ!!」ズガンっ!!
ビルドの強烈な一撃がスマッシュに入る。スマッシュは吹き飛ばされてビルの壁に叩きつけられた。
ビルド「勝利の法則は決まった!!」
俺がレバーを回して必殺技のエネルギーを溜めるとスマッシュの周りがステージになり、楽譜の譜面が流れてきてスマッシュを拘束する。
【Ready Go!】
そして譜面に乗って跳躍する俺。スマッシュに纏わり付く複数の譜面に乗り、蹴っては乗り換え蹴っては乗り換えを繰り返す。
【ボルテックフィニッシュ!!】
トドメのライダーキックがスマッシュに直撃。スマッシュは大爆発を起こし、そこには残骸だけが残されていた。
ビルド「残骸……ということは今回はスマッシュにされた人間はいないな」
俺はエンプティボトルを残骸に向けて成分を回収する。
ドライブ「そうか、被害者がいないのなら何よりだ……」
万丈「にしてもそのベストマッチ強すぎないか?」
俺は万丈と泊刑事に体感した事を説明した。
戦兎「だから一度泊刑事はベルトを貸して下さい。このボトルの成分をベルトに追加すればドライブの攻撃も通用するはずです」
ドライブ「そうか。戦えても攻撃が通らなくちゃ話にならないからな。どのくらいで終わる?」
ビルド「たぶん30分もかからないと思います」
そして俺たちは変身を解除する。
進ノ介「じゃあベルトに成分を追加し終わったらここに来てくれ」
泊刑事は俺に住所が書かれたメモを渡してくる。
戦兎「分かりました! 万丈、午後の授業あるから学校戻るぞ!」
万丈「おう!!」
そして俺と万丈は泊刑事からドライバーを預かり、マシンビルダーに乗り学校に戻った。
ー 続く ー
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