ビルドNewWorld スーパースター!!   作:松兄

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序章 新たな世界
第1話:新たな出会い


 

 

 しばらくの間、俺の運転で万丈を乗せて走るマシンビルダー。ビルドフォンでこの世界のマップを確認すると、旧世界でスカイウォールが出現する前のまだ日本という1つの国だった頃のマップと同じだった。

 

 今いるのは東京の原宿という場所らしい。

 

戦兎「意図せず新世界の地図が手に入ったのはありがたいな……」

 

万丈「そんなことよりもよ、エボルトと戦う前から何も食ってないから腹減ったぜ……」

 

 コイツ……、まぁ確かに腹も減ったな。近くにある店で何か食うか。

 

 マシンビルダーを走らせていると、右手に喫茶店が見えた。俺はバイクを停止させる。

 

万丈「うおっ、急にどうした戦兎?」

 

戦兎「お前が腹減ったって言うから、なにか食える店で止まったんだバカ。俺も腹減ったしな」

 

万丈「バカってなんだ! せめて筋肉つけろ!!」

 

 筋肉バカって言えば良いのか? それともバカ筋肉?

 

戦兎「良いから降りろ!」

 

 そしてバイクをビルドフォンの形態に戻し、喫茶店の中に入る。

 

中学生くらいの女の子「いらっしゃいませ~」

 

 店に入ると、接客をしている中学生くらいの女の子が。この店の子だろうか?

 

戦兎「2名です」

 

中学生くらいの女の子「はい、お好きな席にとうぞ?」

 

 そして俺と万丈は空いてる席に座る。万丈はメニューを開き何にしようかと吟味を始める。やれやれ……

 

 すると、

 

?「あっ、さっきの……」

 

 声がした隣の席を見ると、さっき街でぶつかった高校生くらいの女の子が、オレンジ色の髪をした女の子と座っていた。

 

戦兎「あっ……」

 

高校生くらいの女の子「先程はどうも」

 

 すると、俺はあることを思い出した。

 

戦兎「あっ、そうだ!! キミさっきぶつかった時財布落としてたよ?」

 

 俺が女の子に財布を差し出すと、女の子はびっくりしてキャリーバッグの中を確認すると青い顔をした。

 

高校生くらいの女の子「ああーーっ!! きな子の財布が無いっす!!」

 

 この子はきな子さんというらしい。

 

戦兎「ハイこれ。念のため中身確認しな?」

 

きな子「すまねぇっす…」

 

 きな子さんは財布を受け取ると中身を確認。何もなくなっていなかったようで安堵する。

 

きな子「無くなってるものはないっす。親切な人が拾ってくれて良かったっす……」

 

 嬉しそうな顔。小さなことかもしれないが思わず俺の顔もくしゃっとなる。

 

 すると、

 

オレンジ髪の女の子「良かったねきな子ちゃん!」

 

きな子「ハイっす! かのん先輩!!」

 

 この子はかのんというのか…。

 

 するとかのんと呼ばれた子が俺にお礼を言ってきた。

 

かのん「私は澁谷かのんと言います。あなたは……」

 

戦兎「俺は天才物理学者の桐生戦兎と言います!」

 

 俺が名乗ると、きな子さんもかのんさんも微妙な顔をして「「自分で天才って言うんだ……」」と、

 

万丈「相変わらずナルシストだな」

 

戦兎「うるさいよバカ!!」

 

 バカのコイツに言われるとなんか腹立つ!

 

万丈「バカってなんだよ! 筋肉つけろって言ってるだろ!!」

 

 ギャーギャー喚く万丈を無視して俺もメニューを見る。するとかのんさんが、

 

かのん「物理学者ってことは何か自分で作った物理法則とかあるんですか?」

 

 おっ、よくぞ聞いてくれました!!

 

 俺はメモを取り出すと、とある物理の公式とグラフを書いてかのんさんに手渡す。

 

戦兎「これを分かる人に見せてみな」

 

 受け取ったメモ用紙に目を移すかのんさんときな子さん。難しい目をするが、

 

かのん「何が書いてあるのかさっぱり分からない……」

 

きな子「きな子もっす……」

 

戦兎「まぁそうだろうな。「おい戦兎、決まったか?」おう」

 

 そして俺たちはサンドイッチを注文し食べる。万丈、もう少しお行儀よく食べなさいよ……。

 

 そして食べ終わり席を立とうとすると、

 

かのん「あっ、今度お礼をしたいので連絡先教えてもらえますか?」

 

戦兎「いいよ。お礼目当てだったわけじゃないし」

 

きな子「きな子もお願いしますっす!」

 

 2人から視線を向けられる俺。弱ったな……。

 

 すると―――、

 

万丈「教えてやればいいじゃねぇかよ。特に困ることはないだろ?」

 

 そうだけどさ……、

 

 2人からの視線が止まらず、俺は根負けして電話番号を書いて手渡す。その時の二人の嬉しそうな顔……。

 

 なぜ?

 

 そして会計を済ませてビルドフォンにライオンフルボトルを差し込んでマシンビルダーに変形させ、再び万丈と共に走る。

 

万丈「これからどうすんだ?」

 

戦兎「まずは家と仕事を探すとこからだな。けど家は借りられないんだよな……」

 

万丈「は!? なんでだよ!!」

 

 やはり分かってなかったか。まぁコイツの頭じゃ無理もないか。

 

戦兎「良いかよく聞け? 俺たちはこの世界に元々いた人間じゃない。つまり役所に行っても戸籍が存在しない。だから家を借りられないし履歴書書くにも書けないんだ。OK?」

 

万丈「?」

 

 だ〜もう!!

 

戦兎「戸籍、つまり俺達がどこの誰かという証明が存在しないから家借りることも仕事を探すことも難しいの!!」

 

万丈「なんで証明が無きゃダメなんだよ?」

 

戦兎「お前だったらどこの誰ともわからないやつに家貸したり雇いたいと思うか? もしかしたら凶悪犯かもしれないのに!!」

 

万丈「そういう事か……って、大問題じゃねぇか!!」

 

戦兎「気づけよバカ!!」

 

万丈「だからせめて筋肉ってつけろって!!」

 

 万丈が俺の肩を掴み揺らす。バイクはユラユラと蛇行運転になる。

 

戦兎「危ないだろバカ!!」

 

万丈「でもどうすんだよじゃあ!!」

 

 しばらく走っていると、倉庫の並ぶ港の埠頭に出た。

 

万丈「おい、こんなとこになんの用があんだよ?」

 

戦兎「おっ、ここなんか使って無さそうだな」

 

万丈「聞けよ!!」

 

 俺は万丈を無視してビルドドライバーを腰に巻く。そしてラビットフルボトルとタンクフルボトルを振って成分を活性化してベルトに差し込む。

 

【ラビット!タンク! ベストマッチ!!】

 

 俺がボルテックレバーを回すと、アーマーが構築される。

 

《Are You Ready?》

 

戦兎「変身!!」

 

 赤と青のアーマーが前後から挟み込むように装着される。

 

【鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!!】

 

 俺は変身することで上昇したパワーを使い、倉庫の錆びついた扉をこじ開けた。

 

ビルド「中は…うん。だいぶいい感じじゃないの」

 

 俺は変身を解除し、倉庫の中に入る。万丈も続いて入ってくる。

 

万丈「ここになにかあるのか?」

 

戦兎「決まってるだろ? ここに住むんだよ」

 

万丈「はぁ!? ここに住む!?」

 

戦兎「家を借りられないんじゃ仕方ないだろ? ここなら雨風も(しの)げるし、家賃もかからないし。後は仕事を見つけるだけだ」

 

万丈「それもそうか……」

 

戦兎「よし、今日はとりあえず休もう。明日から仕事を探すぞ!!」

 

万丈「分かった!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、戦兎と万丈が新世界に来て数日が過ぎた。戦兎と万丈は交代で日用品や食料を買いに出掛けたり、ソファやデスクチェアを買って2人で持ち帰ったりと、まぁまぁ楽しい日々を過ごしていた。そんなある日、

 

戦兎「万丈! 俺はこれから工具とか買いに秋葉原行ってくるから留守番よろしくな!」

 

万丈「じゃあついでにプロテインラーメン買ってきてくれ」

 

戦兎「なんで俺がプロテインラーメンなんか買わなきゃならないんだよ! 自分で買ってきなさいよバカ!!」

 

万丈「プロテインラーメンバカにすんな!! 美味いんだぞ!?」

 

 

 プロテイン×ラーメンが美味いはずないだろバカタレ!! ミスマッチだ!!

 

 

戦兎「とにかく行ってくるから。大人しく待ってろ!!」

 

 そしてビルドフォンをマシンビルダーに変形させて秋葉原へと向かった戦兎。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

戦兎「よし、買いたい物は買えたな。帰るか」

 

 そしてバイクに乗ろうとすると、

 

 

?&?「「うわぁあぁああぁあああっ!?!!?」」

 

 

 突如として悲鳴が聞こえてきた。俺は急いで声がした方へと向かった。

 

 すると、

 

「グォオォおおおっ!!」

 

?「ば、化け物!!」

 

?「メイ! 速くこっちに!!」

 

 な、なんで!?

 

 赤髪と青髪の女の子が、なんとスマッシュに襲われていた。青髪の子が速く逃げようと声をかけるが、赤髪の子が腰を抜かして上手く立てない。

 

 なんで新世界にスマッシュがいるんだ!?

 

 俺が混乱している間にも、スマッシュは2人との距離を詰め続ける。やばい!!

 

戦兎「うぉおぉおおぉおおおっ!!」

 

 考えるのは後回しにして俺はバイクのアクセルを全開にし、スマッシュに突っ込んだ。

 

ドゴォオォオオォオオオンッ!!

 

赤髪の女の子「えっ!?」

 

青髪の女の子「っ!!」

 

戦兎「速く逃げろ!!」

 

 ふっ飛ばしたスマッシュが起き上がろうとしている。

 

 

 ―――このままではまずい。

 

青髪の女の子「メイ、逃げよう……誰だか分からないけどありがとう!!」

 

赤髪の女の子「お、おい四季!!」

 

 逃げていった女の子2人。それを見届けると、スマッシュが向かってくる所だった。

 

戦兎「っ! ほらっ!!」ドガアッ!!

 

 俺はフルボトルを両手で振って成分で強化された拳でスマッシュを殴る。スマッシュはひるんだが、ダメージはあまり受けてないようだ。

 

戦兎「こりゃ使うしか無いな。まさか新世界で戦闘で使うとは思わなかったぞ……」

 

 俺はビルドドライバーを腰に巻き、ラビットフルボトルとタンクフルボトルを振って成分を活性化。ベルトに挿し込む。

 

【ラビット!タンク! ベストマッチ!】

 

 音声が鳴り、俺がレバーを回すと赤と青のアーマーが構築される。

 

《Are You Ready?》

 

戦兎「変身!!」

 

 アーマーが前後から挟み込むように換装する。

 

【鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!!】

 

戦兎「勝利の法則は決まった!!」

 

 そしてビルドとスマッシュの戦闘が始まる。ビルドは相手の動きを見て攻撃を捌きながらカウンターで一撃を入れていくがあまりダメージが通ってないようだ。

 

ビルド「旧世界のスマッシュよりも防御力が高いのか? なら!!」

 

 俺はドライバーからボトルを抜きゴリラフルボトルとダイヤフルボトルを活性化して挿し込む。

 

【ゴリラ!ダイヤモンド! ベストマッチ!】

 

 俺がレバーを回すとスナップライドビルダーが展開されてトランジェルソリッドが流れ水色と茶色のハーフボディアーマーを形成する。

 

《Are You Ready?》

 

ビルド「ビルドアップ!!」

 

【輝きのデストロイヤー! ゴリラモンド! イェーイ!!】

 

 俺はベストマッチフォームのゴリラモンドに姿を変え攻撃する。すると今度は目に見えてダメージが通っている。

 

ビルド「よし。このまま行く!!」

 

 ビルドの攻撃をくらい続け弱ってきたスマッシュ。そろそろだな。

 

 俺はボトルを再びラビットフルボトルとタンクフルボトルに差し替えてフォームををラビットタンクに戻す。

 そしてレバーを回して必殺技の構えに入る。すると数式と共にグラフが現れてスマッシュを拘束。俺はグラフに向けてジャンプし、グラフの線に沿って蹴りを加える。

 

【ボルテックフィニッシュ!!】

 

 ビルドの必殺ライダーキックをくらい爆発するスマッシュ。恐らく人がスマッシュにされたはずだとエンプティボトルを構えるが、爆発したあとには残骸が転がるだけだった。

 

ビルド「どういう事だ? 旧世界のスマッシュとは違うのか?」

 

 すると辺りに人の気配を感じた俺は変身を解き、バイクで急いで万丈の待つ倉庫に戻った。

 

その頃、

 

?「スマッシュがやられたか……どこの誰か知らないけどやるね……」

 

 

 

 バイクで走りながら、戦兎は考えていた。

 

戦兎「新世界にスマッシュ? いったい何が起こってるんだ?」

 

 

ー 続く ー




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