ビルドNewWorld スーパースター!!   作:松兄

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第3話:結ヶ丘に来るベストマッチな2人

 

 

 万丈の使える変身アイテムのチェックを終えて倉庫に戻ってきた俺たち。するとビルドフォンに着信音が鳴り響いた。

 まあ電話の相手はかのんさんかきな子さんだろうと思いビルドフォンを取り通話する。

 

戦兎「はい、天才物理学者の桐生戦兎ですが」

 

 知ってる相手なので俺はちょっとふざけて電話に出た。

 

?「貴方が桐生戦兎さんですね?」

 

 しかし話し相手はかのんさんでもきな子さんでもなく、大人の女性の声だった。

 

戦兎「あの…どちら様ですか?」

 

謎の女性「申し遅れました。私は、結ヶ丘高校の理事長をしている者です」

 

 なんで高校の理事長が俺の名前と電話番号を知っているだ?

 この世界で俺の名前と電話番号を知っているのは、かのんさんときな子さんしかいないはずだぞ?

 

戦兎「何で結ヶ丘高校の理事長さんが俺の名前と電話番号を知っているんですか? それと俺になにか?」

 

 理事長という人に俺は聞く。

 

理事長「はい、順を追って説明を致します。まず貴方の名前と電話番号はある生徒から聞きました。そして私が電話した理由は、貴方の物理法則を見て一度お会いしたと思い電話した次第です」

 

 理事長の人が俺の物理法則を見たということは……、もしかするとかのんさんがこの人に俺が書いた物理法則を見せたという事か? それなら納得出来る。

 

 恐らくかのんさんは結ヶ丘の生徒なんだろうな。

 

 なら、この人に会って確かめてみるか。

 

戦兎「そうですか。なら良いですよ? 俺も理事長さんとお会いしたいですし」

 

 旧世界の時の万丈みたいに冤罪をかけらそうになったらやばいが、まあその辺は万丈でも連れていけば良いか。

 

理事長「そうですか。では、明日の午後に結ヶ丘高校に来てもらえないでしょうか?」

 

戦兎「大丈夫です。それと俺の助手の万丈っていうのがいるんですけど、ソイツも連れて行っても大丈夫でしょうか?」

 

 承諾して万丈を連れて行っても良いか聞くと、その内容を聞いていた万丈が眉間にシワをよせていた。

 

万丈「何で俺がお前の助手になってんだよ!!」

 

 大声で言う万丈を無視する。

 

理事長「連れて来ても問題ないです。では明日、結ヶ丘でお待ちしております」

 

 理事長の人に言葉を返す。

 

戦兎「分かりました。明日の午後に行きます」

 

理事長「それでは失礼します」

 

 通話が終わるとビルドフォンをしまう。

 

戦兎「そんな訳で明日、結ヶ丘高校に行くからな万丈!」

 

 万丈に言って俺はビルドドライバーとボトルを手に取った。

 

 

 

 そして翌日、俺と万丈は結ヶ丘高校に来ていた。

 

戦兎「なかなか良い学校じゃないか!!」

 

 俺はヘルメットを外してマシンビルダーから降りる。

 

万丈「そうか? 俺には普通の学校にしか見えねえけど……」

 

 万丈もヘルメットを外してマシンビルダーから降りる。

 俺はマシンビルダーをビルドフォンへと変形させた。

 

戦兎「見る目無いなお前……」

 

 ビルドフォンをコートのポケットにしまうと中へ入る所を探しに歩いた。

 

 そういえばこんな風に学校に来るのは学生の時以来だな。

 

 学生時代は父さんのような科学者になりたくて必死に勉強していたから思い出になることは少なかったし、学校での特別な記憶もあまり無い。

 まあその代わりに万丈達と過ごした日々が、俺にはかけがえのない記憶だ。

 そう胸の中で思いながら周囲を見て歩いていくと、職員用の入り口を見つけた。 

 

戦兎「どうやらあそこが入り口らしいから行くぞ」

 

 万丈を入り口の方に誘導する。

 

万丈「分かった」

 

 万丈も入り口に近づくとガラス扉があり、俺は扉を押して先に中へ入った。

 

戦兎「すみません……」

 

 俺が呼び鈴を鳴らすと、教師と思われる女性が走ってきた。

 

女性教師「はい、なんの御用でしょうか?」

 

戦兎「自分は桐生戦兎と言います。今日ここの理事長さんに呼ばれたんですけど、話を聞いてませんか?」

 

 俺が事情を説明すると、女性はすぐに案内してくれた。どうやら話は通っていたらしい。

 

 

 そして1つの扉の前で止まる。

 

女性教師「こちらが理事長室になります」

 

 すると女性は扉をノックする。すると中から女性の声が聞こえてくる。

 

女性教師「理事長、お客様がお見えです」

 

理事長「お入り下さい」

 

 教師は扉を開けて俺たちを中に入れる。中には1人女性がおり、立ち上がってこちらに来る。

 

女性教師「では私はこれで……」

 

 そして案内してくれた女性は退室していった。

 

理事長「桐生戦兎さんと万丈さんですね?」

 

戦兎「はいそうです。貴方が理事長さんですね。」

 

 一応間違えたら失礼だと思い聞く。

 

理事長「はい、私がこの学校の理事長をしている者です」

 

戦兎「そうですか」

 

 間違えなくてよかったと心の中で安堵する。

 

理事長「貴方が物理法則を書いた桐生戦兎さんですか?」

 

 聞いてくる理事長さんに、俺は改めて名乗る。

 

戦兎「そうです。俺があの物理法則を書いた天才物理学者の桐生戦兎です!! それと隣にいるのが助手の……」

 

 助手と言われた事に万丈は眉間にシワを寄せて俺を睨んでくる。

 

万丈「お前の助手とかふざけんな!!」

 

 万丈が状況を考えずに突っかかてくる。仕方無い、この策を使うか。

 

戦兎「少し空気を読んで大人しくしなさいよ。後でバナナやるから!」

 

 これで少しは大人しくしてくれだろう。

 

万丈「俺は猿じゃねえぞ?!」

 

 バナナでも駄目ならプロテインも付けるしかないな。

 

戦兎「分かったよ。プロテインも付けてやるから大人しくしなさい!!」

 

万丈「分かった!」

 

 親指を立てる万丈に俺は少しゲンナリする。

 

戦兎「騒がしくしてすみません……」

 

 理事長さんに謝罪する。

 

理事長「大丈夫ですよ?」  

 

 ニコニコ笑いながら俺を許してくれた優しい理事長さんに感謝する。

 

戦兎「ありがとうございます。それで隣のうるさいのが万丈龍我って言います」

 

 理事長さんに万丈の名前を伝えた。

 

理事長「それでは一つお聞きしたいのですが、貴方の書いた物理法則はある角度からによる攻撃の最大威力を引き出す法則ですね?」

 

 理事長さんの答えは正解だ。

 

戦兎「はい。あの法則は昔俺が実験をして成功したのを書いたやつです」

 

 まあ実際はエボルトを倒した時なんだけどな。

 

理事長「そうだったんですね……」

 

 理事長さんは理解する。俺も昨日から気になっている事を聞くかと思い理事長さんに話しかける。

 

戦兎「電話の時から気になっていたんですけど俺の書いた物理法則を見せたのは澁谷かのんって生徒なんですけど、なんで理事長さんが知ってるんですか?」

 

理事長「私は澁谷さんから物理法則を見させてもらいました。彼女はここの生徒なんです」

 

 理事長さんの言葉は俺が考えた事と同じだった。

 

理事長「でも何故分かったんですか?」

 

 理事長さんの質問に答える。

 

戦兎「俺は昨日たまたまかのんさんの家の喫茶店で昼飯を食ってたんですけど、きな子さんっていう子が落とした財布を本人がその場にいたので届けたんです。その時にかのんさんから「自分が天才物理学者であるなら自分で作った物理法則は無いのか」と言われたので俺があの子にそれを渡したんです」

 

理事長「そうですか。きな子さんというのはひょっとして桜小路きな子さんですか?」

 

戦兎「確かにそう名乗ってました」

 

理事長「彼女は今年度のうちの新入生なんですよ」

 

 理事長さんと俺はお互いの知りたいことを説明し合う。

 

理事長「もう一つお聞きしたい事があります」

 

戦兎「はい?」 

 

 物理法則以外で他に何を聞いてくるんだ?

 

理事長「今回、我が校を代表して頼み事があります。桐生戦兎さん…、貴方に結ヶ丘高校の物理講師として働いてもらえないでしょうか?」

 

戦兎「え!? 俺が…、物理講師ですか?」

 

 あまりにも予想外の展開に驚いてしまう。

 

理事長「はいそうです。」

 

 理事長さんの言葉は冗談じゃないみたいだ。でも何で俺なのか理由を知りたい。

 

戦兎「俺に何で物理講師を頼むんですか? 物理の先生とかはいないんでしょうか?」

 

 俺の言葉に理事長さんは少し間を開けてから口を開く。

 

理事長「理由としましては、我が校で物理を教えていた教師のご親族が倒れられてしまって、辞めて故郷に帰ってしまったんですよ……」

 

 理事長さんの話しを聞いて理解できる。そりゃあ確かに心配で帰るか……。

 

万丈「でも何で戦兎なんですか? 大学とか色々な所から呼べないんすか?」

 

 バカの万丈がまともな事を言うのに内心驚く。

 

理事長「私も出来る限り動いたのですが、結果は駄目でした。断られた理由はこの時期では遅いということで……」

 

 確かにこの時期では無理なのは分かるな。

 

 

戦兎「そういう理由だったんですね。」

 

理事長「はい、ですが生徒達の将来の為にも、あの物理法則を書いた桐生戦兎さんの力を借りたいんです」

 

 理事長さんは俺に頭を下げて頼み込んでくる。生徒達の為に動く理事長さんを見た俺は協力しようと決意する。

 

戦兎「分かりました。結ヶ丘高校での物理講師を引き受けましょう!」

 

万丈「え!?」

 

理事長「よろしいんですか?」

 

 万丈と理事長さんは驚いていた。

 

 まあ科学者の仕事がなくなって仕事を探していたのもあるのと生徒達の為に俺が協力した方が良いに決まってる。

 

戦兎「はい、引き受けます。それに生徒達の力になれた時に俺は心の底から嬉しくて顔がくしゃっとなるからやるんです!!」 

 

 俺がそうしたいからやる。ただそれだけの事だ。

 

万丈「やっぱりそれが理由なんだな。だったら俺も手伝ってやるぜ!」

 

 万丈も言うがこいつが出来るのは雑用しかない。だがまあ良いかと思うと少し口元が緩るむ。

 

理事長「ありがとうございます。では1週間後から我が校で働いてもらいますのでよろしくお願いします……」

 

 理事長さんは俺と万丈に感謝の言葉と、初仕事を言った。

 

万丈「まあ男子生徒とかに仲良くしてやりますよ」

 

 のんきな事を言う万丈にさっきの万丈に期待した自分が馬鹿だったと思った。

 

理事長「万丈さん、ここは女子高なので男子生徒はいないですよ?」

 

戦兎「え!? うそ……」

 

万丈「なぁっ!?」

 

 理事長さんの言葉に、俺も驚いて言葉をだしてしまった。

 

 理事長さんと話しが終わり、俺と万丈は結ヶ丘高校から出てマシンビルダーで走らせていた。

 色んな契約書類を書いたりと色々やり、俺は物理講師として働く事になり万丈は俺の助手として働く事に決まった。

 

 まあ万丈がやらかさないければ良いが……。

 

 女子高の講師っていうのがなあ、一海や幻さんがいたら大笑いしていたかもしれない。

 

万丈「なあ戦兎?」

 

 万丈が話しかけてくる。

 

戦兎「何だよ?」

 

万丈「スマッシュの現れた場所が分かるシステムがまだ出来てねえのに女子高で働くなんて大丈夫なのかよ?」

 

 万丈が発明を心配してくる。確かにスマッシュの現れた場所を特定するシステムはスマッシュの手がかりが無いため未完成になっているが、今後の生活を考えると働かないと結構やばい事になるのは目に見えてる。

 それに旧世界の時も働きながら発明品を作っていたからな。案外平気だ。

 

戦兎「安心しろ! 俺は天才物理学者であり科学者としても才能があるからな。働きながら発明をするのは出来ない事じゃねえよ」

 

 俺は万丈に伝える。

 

万丈「そうか。それなら良いけどよ、お前と理事長が難しい話してるから全然理解できなかったぜ」

 

 万丈が理解できない事は最初から分かっている。

 

戦兎「まあそんな事は気にしないで気分転換に色々と見て行こうじゃねえか!」

 

 まあ今日は万丈を連れまわした訳でもあるし、気分転換に何処かに行かないと万丈に悪いしな。

 

万丈「マジか!」 

 

 嬉しそうな声を出す万丈。俺はマシンビルダーを走らせた。

 

 俺たちは今海に来ていた。俺は近くの自販機で缶コーヒーを買って万丈の隣に座る。

 

 万丈はというと……、

 

万丈「やっぱりプロテインとバナナはベストマッチだな!!」

 

 さっき買ってやった約束の物を笑顔で食っていた。ホントに猿にしか見えねぇ……。

 

 すると、

 

ザパァアアッ!!

 

 海の中から突然何かが飛び出してきた。はぁ!?

 

万丈「スマッシュ!? ホントにいやがった!!」

 

戦兎「万丈、変身だ!!」

 

 俺はビルドドライバーを取り出し腰に巻く。

 

万丈「よっしゃ久々の変身……ってヤベェ!! ベルト倉庫に忘れて来た!」

 

戦兎「何やってんだバカタレ!!」

 

 万丈に呆れつつも仕方無いと俺はラビットフルボトルとタンクフルボトルを振って成分を活性化。それをドライバーに挿し込む。

 

【ラビット!タンク! ベストマッチ!!】

 

 そして俺はがレバーを回すと、スナップライドビルダーからトランジェルソリッドが流れ、赤と青のアーマーを形成する。

 

《Are You Ready?》

 

戦兎「変身っ!!」

 

 俺がボクシングのような構えを取り叫ぶとアーマーが挟み込むように装着される。

 

【鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!!】

 

ビルド「勝利の法則は決まった!!」

 

 ビルドと魚型のスマッシュの戦いが始まる。スマッシュが右腕を叩きつけて来るが、ビルドはそれを躱してカウンターでスマッシュの腹にパンチを叩き込んだ。

 スマッシュはよろけたが倒れるには至らなかったが、明らかにダメージが通っていた。

 

ビルド「この間のスマッシュよりかは防御力が低いみたいだな……」

 

 それを見ていた万丈は……

 

万丈「この感じ……間違いねぇ!! 戦兎! そのスマッシュからネビュラガスの気配がする!!」

 

ビルド「なんだと!?」

 

 なんで万丈には分かるんだ? もしかしてエボルトの遺伝子が反応しているのか? だが、なら話は速い!!

 

ビルド「絶対に倒して成分を回収させてもらうぞ!!」

 

 ビルドは向かってくるスマッシュに蹴りを叩き込み、怯んだところに何発も連続でパンチを叩き込む。

 

戦兎「ハァアァアァアアアアァアアアッ!!」ドカドカドカドカドカァッ!!

 

 最後の一発をくらい倒れたスマッシュ。その隙に俺はビルドドライバーのレバーを掴みビルドの武器を形成する。

 

【ドリルクラッシャー!!】

 

 刀身がドリルになった武器、ドリルクラッシャーにライオンフルボトルを装填する。

 

【ライオン!】

 

 刀身に黄色のエネルギーを纏いドリルクラッシャーを構えた。

 

【Ready Go!】

 

ビルド「勝利の法則は決まった!!」

 

 刀身のエネルギーが最大に高まり、俺は猛スピードでスマッシュに一気に接近。ドリルクラッシャーの斬撃がスマッシュに炸裂する。

 

【ボルテックブレイク!】

 

 エネルギーがライオンの牙のようにスマッシュを襲い大爆発を起こした。

 

 俺はスマッシュの成分を回収しようとエンプティボトルを向けようとしたが、そこには以前と同じ残骸だけだった。

 

ビルド「おい万丈! どういう事だ!」

 

万丈「いや、確かにまだ気配を感じる! 残骸にボトルを向けてみろ!」

 

 万丈に言われスマッシュの残骸にボトルを向けた俺。すると残骸からスマッシュの成分が抜き取られてボトルに収まった。

 

ビルド「はぁ!? ただの残骸じゃなかったのか!? ッ、まさかこの間のも!?」

 

 最悪だ!! 万丈を連れて行かなかったことが裏目に出るなんて!!

 

万丈「スマッシュから成分取れたのか?」

 

 俺は変身を解いた。ボトルを見ると確かに成分が取れていた。

 

戦兎「ああ。取れたみたいだ……」

 

 すると、遠くからサイレンのような音が聞こえてきた。

 

戦兎「ヤバいな……万丈ずらかるぞ!」

 

 俺は万丈にヘルメットを渡す。

 

万丈「ああ……」

 

 万丈はヘルメットを被り、マシンビルダーの俺の後ろに乗り、俺は拠点の倉庫に向かってバイクを走らせた。

 

 

 

 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 

 

 その頃街のとある喫茶店で、

 

?「なぁ四季? この間アタシたちを助けてくれたお兄さん大丈夫かな?」

 

四季「メイもやっぱり心配?」

 

 メイと呼ばれた少女は「そりゃあな……」と返す。

 

四季「じゃあ明日探しに行ってみる?」

 

メイ「そうだな。会えたら礼も言いたいし」

 

 

 

ー 続く ー




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