そしてその日の授業が終わり部室、俺と万丈と慈が部室に入ると、すみれがきな子の頬を抓っていた。
戦兎「よっす! ん?どうした?」
かのん「あっ、桐生先生、万丈先生、慈ちゃんもいらっしゃい」
慈「こ、こんにちは……」
万丈「で? どうしたんだ?」
皆に事情を聞くと、
すみれ「さっきの全校集会での微妙ってどういう意味?」
すみれはきな子の頬をつまんでお仕置きしている。
きな子「そ、それはぁ…人徳というか……」
夏美「確かにすみれ先輩の人徳のなさには呆れますの」
すみれ「あなたに言われたくないんだけど!! 私はあなたみたいにお金に意地汚く無いわ!!」
夏美「意地汚いとはなんですの!! グソクムシ先輩でも言っても良いことと悪いことが!!」
するとすみれは夏美の肩を掴み、
すみれ「誰に聞いたの!!」
すると夏美はスマホで動画を再生する。そこにはグソクムシのきぐるみを着て歌う幼いすみれが映っていた。
すみれ「やめてぇーーーっ!!」
夏美「もう結構有名ですの」
すみれがトドメを刺されて崩れ落ちる。大体状況は飲み込めた。
千砂都「ほっといて良いの? クゥクゥちゃん」
可可「ハイ! 遊び相手が見つかったみたいで、せいせいするデス」
夏美「遊び相手では無いんですのーーっ!!」
万丈「きな子? 先輩には敬意を持って話せよ?」
きな子「はいっす……」
きな子の頬は抓られて少し紅くなっていた。
千砂都「はい、お喋りはそこまで!!」
かのん「決勝に向けて、今日から練習だよ!!」
すると扉がノックされ、理事長が入ってきた。
戦兎「理事長?」
理事長「澁谷さん、ちょっと…」
かのん「?」
かのんが理事長室に連れて行かれて焦ったクゥクゥたちは理事長室の前でコッソリと聞き耳を立てていた。
可可「聞こえないデス〜……」
メイ「四季、中に集音マイク仕掛けてないのかよ?」
四季「流石に理事長室は無理。できたとしてもこの展開は想定外」
戦兎「いや、そんな物仕掛けんなよ?」
俺が呆れていると話が終わったのか、かのんがこっちに来る。
皆は急いで何もしてないみたいなポーズを取るが、全員揃って部屋の前にいた時点で丸分かりだ。
かのん「皆?」
きな子「かのん先輩…」
すみれ「偶然ねぇ」
かのん「バレバレなんですけど?」
かのんがジト目でみんなを見る。
万丈「何の話しだったんだ?」
メイ「まさか、私らに隠れて悪いことを……」
かのん「違うって……」
四季「ジーーッ」
四季はかのんが手に持っていたパンフレットを見ていた。
かのん「あっ、これは……マルガレーテちゃんのこと、ちょっと調べててさ……」
Liella!『マルガレーテちゃん?』
俺たちは中庭でそのパンフレットを見てみる。
かのん「あの子、この音楽学校に入ろうとしていたらしくて……」
メイ「なんて書いてあるんだ?」
可可「ウィーン国立音楽学校……」
すみれ「音楽系ではかなりのエリート校じゃない!!」
かのん「そうなんだよ。そしたら、理事長先生が資料を持ってるって言うから……」
ページをパラパラとめくると、1つのページの写真にウィーンさんとよく似た容姿の卒業生と書かれた写真が載っていた。
慈「あっ、この人……」
かのん「ウィーンちゃんのお姉さんらしいんだ……」
すみれ「お姉ちゃん?」
きな子「? かのん先輩、どうしたんすか?」
かのん「ううん、何でもない」
するとかのんは立ち上がり、
かのん「さぁ、今日も練習始めよう?」
そしてかのんは部室に戻っていく。皆はしばらく動けなかった。
すみれ「かのんがこんなこと調べてたの、千砂都知ってた?」
千砂都「うん。ずっと気にしてる感じだったけど……」
皆は、かのんの背中を眺めていた。
ー 続く ー
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