頑張って7徹して紅魔の里を改造したよ~。
でっけー羽根つきゴブリンみたいなの切った。
終
<めぐみん>
「災難だったな」
「せんせ~ぇ怖かったよぉ~!!」
「もう、無理かと思ったぁ……」
ふにふらたちが腰をへにゃりと崩し安堵からか、涙を流す。
よく周りを見渡すと他の生徒たちもこの場に集まっているようだ。
しかし、そんなに森の奥に入った記憶もないのにどうしてあんな強大なモンスター、ガーゴイル、が……
……あっ、とその時一つの言葉を思い出す。
ガーゴイル盆栽
紅魔族の大人たちの間で流行ったガーゴイルを石化魔法で飾るという変な趣味だ。
魔王城に飾るならそれなりの雰囲気でしょうが、流石に庭先に飾ってるのを見たときはビミョーな気持ちになりました。
そんなガーゴイル盆栽にかかっている魔法は制限時間がある。
つまり……
「またあの大人たちは余計なことをしてくれて……ッ!!」
「つい先日改造工事が終わったからそろそろ盆栽を中に入れて楽しむ頃だと思っていたが……その前に魔法が解けたようだね」
「くっ……! 某の予知を持ってしても間に合わなかったか……。 いや、想定より封印が解けるのが早い……? 邪神の目覚めを以て、歪に狂い始めたか……」
「そ、それってどういうことなんですか、先生!?」
「……すまない、今はまだ、汝らが知るべきではないことよ。忘れてくれたまえ。……それよりっ!!」
「ちょ、先生!?」
あっ、ごまかした!
師匠曰く、自分の言い回しは99%の真実と1%の誇張で構成されている……らしい。
私自身、実際にその1%は単に誇張脚色してるだけだと身をもって実感している。
つまり師匠は重要な真実を誰よりも口にしている。
だから邪神がという話は私たちにとって相当まずいように感じる……
と言ってもまだまだ師匠の顔は余裕そうなので何も心配はいらないのですが。
そんなことを知らないゆんゆんが何で質問に答えてくれないのかと騒ぐ前に本題に入る師匠。
「ここにあるボタン……見覚えないかな、めぐみん?」
「し、ししし、師匠!? まさかそのボタン! 色違いですが私の家を摩天楼に入れ替える物と同じ……」
「ああ……。そして、今現在、紅魔の里は家全体に私の強化魔法がかけられているためちょっとの攻撃は問題ないが、流石にガーゴイルの攻撃を受ければどうなるかわからない……」
「ど、どどんこ! 里が……里にガーゴイルたちが数え切れないほど……!!」
「……だが、紅魔の英知を集結させたミスリル合金なら魔力次第でどうとでもなる、ということですね、先生?」
「うむ、パーフェクトだ、あるえ! ならばやるべきことはわかるはずだ……このボタンを託そう」
「ふっふっふ……やぶさかではない、いやこの展開、最高じゃないかっ!!」
ああっ! ズルい! ズルいですッ!!
私のそんな思いは届かずあるえは指を高らかにあげ、
「さあ、復元せよ……私たちが生み出した、太古の奇跡を!!」
ボタンを押した。
****
ズズズズズ…………
けたたましい警鐘が鳴り響き続ける中、重々しい音が紅魔の里中に鳴り響く。
師匠が魔道具を取り出し声を張る。
『紅魔族全員に告ぐッ! 第一次神造兵器の出撃条件が満たされたッ! よって対魔王軍迎撃用要塞都市の起動準備を執り行う、全員所定位置に着けッッ! 汝らの魔力の奔流が地下に秘匿されし摩天楼が隆起させるッッ!! 汝らが故郷、紅魔の里が古代都市へと変貌する光景をいざ刮目せよッッ!!』
私たちの里に建ち並ぶ家が、一つは折りたたまれ、一つは絡繰りのように変形し、一つは地下に沈んでいく。
そんな統一性のない挙動ながらも、中央道沿いの家だけは異なる挙動を見せる。
道が真ん中で割れる。
現れた裂け目に目をやると黒だった。
黒より黒く、闇より暗い漆黒はすべての光が届かない、アビス、深淵を真に具象化した隙間が出現し、家を飲み込んでいった。
巨大な黒の道、その周囲を月光のように青白く照らする摩天楼の群れ、空を一面覆い尽くす雷黒雲。
そんな光に照らされ続ける、不夜城を彷彿とさせる砦のような建造物が三つ、巨大な砲台を携え出現していた。
『総員、準備を終了しろ! これより、神を超越すべく創造された神造兵器の第一号機、「レッド・クリムゾン=スカーレット」を深淵より引き上げるッッ!! カウントダウン、開始!! ……10……9……』
そんなアナウンスがされたとき、1/4のガーゴイルたちがアビスに魅入ったのか、はたまた自らの危機が迫っていることに気づいたのか、深淵に攻撃を仕掛け始める。
『構うな!! カウントダウン続行!! 第一砲台、標準及び砲撃準備ッ!! 人工神の降臨妨害をするとどうなるか身を以て思い知らせろっ!! ……てええぇぇぇぇえええええーーーーッッ!!!』
カウントダウンがまもなく3を言ったとき、赤き閃光がガーゴイルの群れをかき消した。
……数秒後、砲撃が終わり、しかしその跡には塵の一つも確認できなかった。
そして……
『1……ゼロッッ!! 第一号機、発射っ!!』
ガンッッ!!
そんな音が聞こえた数秒後、ヒューーという風を切る音が深淵から聞こえ、徐々に音が近づいてきた。
深淵が世界の作用によってか、じわじわと不気味に狭まる。
そしていよいよ深淵が閉じようとした瞬間、その締まりきっていない部分がパリンッと音を立て割れ、中から何かが出現した。
『喝采せよ!! 紅魔族の英知の結晶に!! 鏖殺せよ!! 里に仇なす愚かどもを!!』
現れた何かは、四肢も体躯も細長く、しかし秘められた重厚感を隠しきれない粋な紅い影を持つ、巨神兵だった。
****
私の背後から激しい歓声が聞こえる。
かくいう私も……
「ふおおおおおおおおっ!! かっこよすぎです!! このめぐみん、感激の至りですっ!!」
一発だけであるが叫んだ。
いやぁ、最高でしたね……本当は私がボタンを押したいところですが……
残念でした。
「我が指一つで……もう、死んでもいい……」バタン
「ちょ、あるえ!? せ、先生、あるえが失神して……!!」
「ゆんゆん? それは放っておいても大丈夫ですよ? ただ幸福が強すぎて夢の世界に行っただけです。私もここまでではないですが似たような経験があります」
「め、めぐみん? それってなんか、怪しいお薬と同じことになってない?」
そんなことはない。
私は私の家一つでなりかけてるのだ。
こんな一斉に変形して、おまけにあんなかっこいいロボットなんて、気絶しない方がおかしいのです。
「次回からは里中の人からランダムで選ばれる予定だ。もし機会があればあるえのように悦に浸るといい」
師匠の発言にざわめきが止まりませんね……
それはそうだ。
この中の誰だって可能性があるということなのだから……
そんな時、魔道具から一人の声が聞こえてきた。
『……ぁ、ああ……聞こえてます?』
「問題なく、首尾は上々かな? パイロット君?」
『もちろん、今日という日をどれだけ待ち望んでいたか……!! 感謝するよ、ナニガシ!』
あれ?
このニートのような声……どこかで聞き覚えが……
『これが終わったらそけっとに告白するんだ……!!』
「ま、まさか!? そこにいるのはぶ、ぶっころりー!?!?」
『おっ、めぐみんもいるのかい? やっほー! 後で告白手伝ってねー!』
向こうのロボットがこちらに向かって手を振っている。
ぶっころりー……それ、死亡フラグですよ?
****
その後、腕でなぎ払ったり、口や目からビームを出したりして敵を殲滅したロボット。
あんなに暴れ回ったのに里の建物は大人たちが観戦中も摩天楼の壁に魔力を通していたため一切の損壊はなし。
興奮も最高潮ながら疲労度もマックスな大人たちを見かけるのはこのためだろう。
この反省も踏まえて次回はあらかじめマナタイトやミスリル合金に魔力を込めておき、空や暗闇、里を一望できるところなどでそれっぽいことを言い、楽しむことにしたようだ。
まあ、こんな大量のモンスターが来るなんてそうそうないことですが……
次回
ぶっころりー、ニートからパイロットになったものの機会も給料もなさ過ぎる=ほぼニート。
そんなニートもどきが告白しようとしているそけっと、師匠に遭遇。
戦い、剣術指南してもらうべく弟子入りか。
恋愛物語の鍵は主人公ちゃんか、それとも姉弟子めぐみんか!(そんな話にはならない)
どこまで続き見たい?
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