私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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今回のあらすじ(←???)

グリフォンやマンティコア、安楽女王を倒しアクセルへ凱旋した勇者カズマ一行。
各々が冒険した数日を振り返りながらこれからの人生に想いを馳せる中、中二病のナナーシャは感慨にふけることもなく、また塩漬けクエストを追い求め旅立っていく。

これは職業は勇者ではない、しかし本物の勇者が安楽女王を討伐したその後を描いた“後日譚”ファンタジー――


言葉を使う魔物がいたので葬送してみた

<主人公ちゃん>

 

「どういうことじゃ!?」

 

 

驚きのあまり私は年甲斐もなく声を荒らげた。

私の目の前には困惑顔の受付嬢ルナ殿。

周囲にはその声を歯牙にもかけないで酒盛りをしている荒くれ者。

……つまり冒険者ギルドで。

 

 

「何度も言っているじゃないですかナナシさん。あなたはレベル1なんですから塩漬けクエストを教えてくれと言いましてもギルド職員として自殺願望者を現地に赴かせることはできないと……」

「それは何か! 私が弱いと申すか!」

「い、いえ、我々はナナシさんのことをこの街一番の冒険者だと知っておりますが……」

「おりますが?」

「約5年前に退職した受付嬢の言いつけでナナシさんに高難易度クエストを紹介することは固く禁じられておりまして……。まあたまたま偶然その場に居合わせてしまった場合などはこちらから何も言わないようにしているのですが、その、申し訳ございませんが規則ですので」

 

 

あんの姉さん何ていうことを言い残して退職したのか!

幸せな家庭も築きおってからに今度抗議の意も込めて遊びに行ってやろうか……

ま、定期的に遊びに行ってるので何も問題ないでしょう。

しかし次回の訪問はマジで一度私のことをどう思っているのか問い詰めてやりたいので覚悟しておくことです!

 

 

「それはそれとしてよ、規則は破ってなんぼじゃろ? どうした、某に仕事を斡旋せい! このままでは妖怪シゴトクレィになって一生この地に居座るぞ?」

「なんですかその妖怪コワイ!? いや、でも無理なものは無理……。いえ、この際言っておきますが貴方は仕事が早すぎて他の冒険者の仕事を奪ってしまうので働かないでください! というか今も大仕事終えたばかりなのでそんな仕事はありませんからお引き取りください!」

「ニートに転職を勧めすると? つまりはそういうことなのか! そういうことなんだな!」

「いや貴女、冒険者であると同時にウィズ魔道具店の店員ですよね? 何馬鹿なことをいってるんですか……」

「し、しかしだな、このまま何も仕事をしないとこめっこにいいところを見せられないばかりか『ねーちゃんのシショーはニート』って言われたり……何かしら仕事してないと落ち着かないのじゃ!」

「本当に休んでください! 今のナナシさんは正気じゃないですから一度保護者の方に抱きしめてもらって精神を安定させてください!」

「シゴトクレィ……オシゴトヲクレィ……」

「ああっ!? なんかどす黒いオーラを放出しないでください今手元にある安楽女王の根を駆逐するクエストをあげますから!」

 

 

こうして私はクエストを入手した。

ちなみにどす黒いオーラはただのエフェクトなので体に無害、環境にクリーンでエコなオーラです。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

「ここが天国……オレオール(魂の眠る地)か」

「それは……言いて妙ね。私がいる土地は骸が積み重なってできているもの」

「そのくせ怨念がなしで安らかに成仏してる……誠に厄介よのう、安楽女王? いや、少女と呼ぶべきか」

 

 

安楽少女。

それは物理的な危害を加えてくる事はない植物の魔物。

しかし厄介かな。

成長すると『安楽王女』と言う美女へと姿を変える。

 

それは不自由な体になったり孤独な老後を過ごす冒険者や、生きる希望を無くした人々を相手に死ぬまで面倒を見たり相談に乗ったり、その孤独な生活に精神的な安らぎを与え、寿命を迎えた()()()()()()()()()()()()

つまり安楽女王がいるこの土地一体は一種の墓地と化していた。

 

 

「根から新たな分体が生まれたか。しかも女王になりかけとは、成長スピードが速いのう。……のう、汝は今までに食ろうてきおった人の数を覚えておるか?」

「……私、生まれてきたばかりでお母さんが残してくれた養分を使っただけだからわからないの。ごめんなさい……。でもあなたが私を退治してくださる冒険者さんってことなんですね?」

「ああ。その認識で間違っていない」

「あなたの瞳から強い意志の力を感じるわ。……ねえ、こんなことを頼むのは本当に心苦しくて申し訳ないのだけれど、私が愛してやまない人間のために……私を退治してくれませんか?」

「もちろんだ。……ではゆくぞ!」

「え、そこはもうちょっと葛藤してくれてもしr」

「『植物を殺す魔法(ソルトマーク)』」

「ぎゃあっ!? ほ、本当に情け容赦なさ過ぎやしないかしら!?」

「でもさっき退治してくれって頼まれたから……」

「こ、言葉の綾っていうのを知らないのかしらこの娘! は、話し合いましょう! 私たちは言葉を使う種族でしょう? なら暴力に訴えかけるなんて蛮族的な行為は忌むべきものだと思うの!」

 

 

一説には、このモンスターは高い知恵を持つのではともいわれているが定かではないらしい。

しかし私にはわかる。

奴らにとっての“言葉”は人類を欺く術だ。

魔族は人食いの化け物だ。

 

 

「あ、あなたには感情というものがないの!? 流石にこんなに痛がってるのに塩を撒く手を緩めないのは人としてどうなの!?」

「……魔族が人類と同じ言葉を使う理由を考えたことある?」

「えっ?」

「言葉の通じない猛獣との話し合いなど……無駄無駄無駄ァ!」

「本当にコイツ何なの脈絡なさ過ぎてコワっ! この頭おかしいボッチめ! 私のそばに近づくなぁっ!」

「何とでも言うがいい! 雑草は除草だぜヒャッハー!」

 

 

ふはははははっ!

その程度の罵倒で心が折れると思うてか。

中二病でドーピングしまくった私を止められるものなどないのです!

 

 

「く、クソォ! この私が敗北する、だと!? 否だァァアッ! ……昨日一昨日の鬼畜冒険者野郎のせいで除草剤耐性を身につけた雑草魂なめんなよ!」

「道理で、効き目が幾ばかりか弱いと思うた。だがしかし、貴様の体を滅ぼすには十分よ」

「くっ、確かにそうかもね! でも私の根はこの森一帯に広がっているわ! それを全て根絶やしにするには一体何十年掛かるのかねえ! あんたの寿命が残っている間に私を滅ぼせるのか? あんたへの報酬と労力は釣り合ってないだろうけどせいぜい頑張って掘り起こしてみろ!」

「君は……一体何を言っておるのだ?」

「な、何を……私は何も間違ったことを言ってないわ!」

 

 

私の攻撃魔法に追尾機能を追加した魔法……

どこまでも当たるまで追尾するその魔法は、たとえ火の中、水の中、森の中、土の中まで追尾する植物特攻魔法から逃れる術は、安楽女王にはない!

それに……

 

 

「一つ、勘違いを雑草でもわかるように訂正してやろう」

「ざ、雑草とか言うな! 私の方が心折れそうなのにさらに追い打ちかけるとか鬼畜野郎!」

「安楽女王……某は寿命の概念を超越した存在。何十年かかろうと我が人生の100分の1も占めない」

「なっ!?」

「大人しく首を差し出し、枯れ果てよ! 『植物を殺す魔法(ソルトマーク)』ッ!!」

 

 

こうして、私は除草作業は二日ぶっ通しで行い……

しばらく顔を見せずにいたのでギルドに帰ったときこめっこに「ねーちゃんのシショーは引きニート」と言われショックのあまり吐血したのはいい思い出です。

 

こめっこに除草作業をしてきたと説明したのですが、信じてもらえませんでした。

解せなくてまた吐血しましたが私は元気です。




次回

こめっこが実家に帰宅して一息つく暇もなくダクネスの親戚が遊びに来た。
ってわけでダクネスの子供(?)と作って遊ぼう!
(何を作るかは未定)
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