私の中二心を『エクスプロージョン』ッッ!!   作:桃玉

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前回のあらすじ

おままごとしてたと思ったらいつの間にかキングクリムゾン……ッ!!


絶好のピクニック日和だったので爆裂してみた

<アクア>

 

「……アクア、今日はまたずいぶんと早起きですね。おはようございます」

「あらおはようめぐみん! 今朝はのじゃロリちゃんとダクネスのお子さんと一緒にゼル帝のお世話をしてたの。ドラゴンに餌をあげるのは初めてだったみたいで、緊張した様子が可愛らしかったわ」

「そ、そうですか」

「なによ、何か言いたいことでもある顔をしてるけれど?」

「いえ、別にか弱そうなヒヨコを扱うので緊張したんじゃないかとか、そんなことは思っていませんよ?」

 

 

そんなシルフィーナちゃんは今し方ダクネスと一緒にどっか行っちゃったわ。

何でも同年代の子たちがいる場所に行って遊んだり、この街に馴れてもらうとか言っていて……

ダクネスはあの子のことをいとこだって言い張ってるけれど、甲斐甲斐しく母親のように振る舞ってるのを見る度にダクネスがママネスにしか見えなくなっていくの。

 

 

「ところで二人はいつもより早起きな気がするのだけどどうしたのかs……あっ! わかったわ! 昨日の残りのジャイアントトードステーキを狙ってきたんでしょ? でも残念でした、それは今朝私が食べちゃったのでした」

「おまっ、ふざけんなよ! あれは俺が今日のためにサンドイッチ用に残しておいたやつだぞ! 何勝手に食べてくれちゃってんの!?」

「何よそんなに怒んなくてもいいじゃない! そもそも自分のものだって主張するんだったらちゃんとわかるように名前書いておいてよ!」

「前に『カズマ』ってラップに名前書いておいたのに無視して食ったのはどこのどいつだよ! この口か! この口の中に俺のカエルが隠れてんのか!」

「で、でも今日のは書いてなかったし、食べちゃったものはしょうがないでしょ! 私もカエルの仕込み手伝ってあげるから……ってアレ? どうしてサンドイッチなんて作るの? それにその手に持ってる『まさにピクニックにぴったりなカゴ』は?」

 

 

カズマが何か隠し事をしてるみたいに顔をそらして頬をかく。

そして何だかめぐみんも気まずそうに視線を泳がしてる。

……一体どういうことなのかしら?

いえ、これは考えなくても理由は分かりきってるわよね。

 

 

「なるほど、理解したわ。この頭脳明晰な女神推理によると下駄占いの結果今日の天気はよくなるってわかってた」

「俺は知らなかったが?」

「それでせっかく天気がいいならシルフィーナちゃんと一緒にピクニックに行こうって企画してたのね!」

「……」

「でも今日は残念だったわ、シルフィーナちゃんはダクネスと一緒に他の子供と一緒に遊んでるらしいし。ってことはつまり今日は私とカズマ、めぐみんとのじゃロリちゃんの四人しかいないし、私の分のサンドイッチが多く食べられるはずだった。そういうことでしょう? 違うかしら?」

「うん、違う」

「ふっふん、私の見事な名推理に驚くあまり声も出ないyって今なんて?」

「違うって。だって明らかにお前一人で食べられるようだったろ? 二人前くらいの。みんなでピクニック行くんだったらもっといっぱい作るわ」

 

 

な、なんて盲点!

この巧妙に隠された事の真相に私は陥れられた……ってこと!?

じゃ、じゃあ一体どういうことだって言うの!?

そんなこと思っているとゼル帝のお世話が全部終わったのか、玄関から入ってくるのじゃロリちゃんの姿が。

そして私たちの姿を見るなり「あっ、察し」なんて呟く。

も、もしかしてのじゃロリちゃん、私より早く事の真相にたどり着いたっていうの!?

恐ろしい……末恐ろしいわこの子!

私はこの子の推理に興味津々で、どんな内容かを聞こうとしてたんだけど。

 

 

「……とりあえず、この……えっと、どこにしまったか。……ああ、あったあった。昨日の我が家の残りをアレンジした詰め合わせが入っておる。この場を任せて先に行け」

「な、ナナシさん……!」

「決して後ろを振り返るな。足止めは得意だ」

「……恩に着るぜ。お前のことは忘れないッ! くっ、行くぞめぐみん!」

「は、はい!」

 

 

そう言って出て行くカズマとめぐみんを見て唖然としてしまったの。

正直これって、目的を達成しないといけないのに強大な敵がその行く手を遮ってて、それを助ける主人公の仲間って構図な気がしない?

そんなことを思っちゃったけれど本来の目的、カズマに関わることの真相について解き明かさないといけないことを思い出してのじゃロリちゃんの肩を揺らす。

 

 

「ねえねえあのやりとりってどういうこと? あとあとカズマさんがジャイアントトードステーキと『まさにピクニックにぴったりなカゴ』を用意してた理由って何かしら! わかったんでしょう? わかってるっていうんだったら私にもチラッと教えてくれないかしら?」

「くっくっく……知りたいか、世界の深淵を」

「せ、せかいのしんえん? っていうのはちょっとよくわからないけれどカズマとめぐみんの謎は解明したいわ!」

「謎は自分で解き明かしてこそ……二人の行く先に行けば自ずと答えは見えるもの。こっそりと先回りしようか」

「それいいわね、なんか探偵っぽいわ!」

 

 

なんだか楽しくなってきたわね!

日常に潜む難事件、この私がくるっとまん丸解決してあげるわ!

 

 

 

 

<主人公ちゃん>

 

というわけで私は後方にアックアを連れて湖に。

何というか元々はアクアちゃんが二人のデートを邪魔しないようにしたかっただけなんだけど、その場のノリでアクアちゃんのことを連れてきちゃいました。

けれど、まあデートの邪魔にならなきゃそれでいっか!

 

 

「エクスプロージョンッ!!」

「うーん、いい爆裂だ。肌に伝わる爆風、振動がなんとも言いがたい。96点!」

「うん、なかなかに高得点ですね。今日の私は何故か絶好調のようです! ……ですが、やはり魔物に向かって撃てなかった実用性の観点から100点には届かない感じですか?」

「そうだな、何故か普段散歩してるときにでも見えるカエルも何もいないのが幸いというか、災いというか」

 

 

私の仕事の成果がひしひしと滲み出ていますね。

実は今回、デートがあるとのことでしたので私が周囲の魔物を追いやってみたり、アクアちゃんとフォルスファイアの重ね掛けをマシマシにして敵を引きつけたり。

後はデートの邪魔にならないように静かにスッといってドス(クレマ○ティーヌ作戦)して、四次元収納ボックス(仮)にしまったりして。

さらには食べ物の中に一服盛りまして、爆裂魔法特化型強化ポーション(練乳味)をデザートのイチゴにかけていましたので。

……まあポーションの効果についてはめぐみんの爆裂魔法の威力がインフレしすぎたせいでカズマの爆裂魔法に対する感覚もバグり始め、ほとんど誤差のような威力増強になっていますが、気にしないでおきましょう。

 

 

「……っていや待て! 湖に大量の魚が浮いて、爆裂の衝撃で失神してやがる! これ爆風の水しぶきも涼やかで気持ちいいし魚も捕れて実用性の面から見ても一石二鳥! 98……99点だ!」

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

「残り1点は未来のお前への投資だ。期待してるぞ?」

「ええ、我が代名詞、爆裂魔法の名にかけてさらなる極みへと飛翔して見せましょうとも!」

 

 

イイハナシダナー。

魔王が一撃で葬られる威力なのに一体どこまで強化するつもりなんでしょう。

向上意識の塊ですね、私も彼女を見習い、引き締めて参りたいものです。

今日は帰ったらサキュバスの運営するダンジョンへいって大悪魔サキュバスクイーン育成計画を実行しようかななんて思っているとアクアちゃんが口をモグモグさせながら。

 

 

「ねえのじゃロリちゃん」モッモッ

「何か」

「あの二人、何バカなことやってるのかしら。爆裂魔法に点数をつけて何をしたいのかしら」モッモッ

「口の中にものを頬張ったまま話すでない。こぼれておるぞ」

「でも今の私は探偵よ! 調査にあんパンと牛乳は必須でしょ……キューッ、プハーっ!」

「どちらかというと探偵というより張り込みの警察官だなそれは」

「そんな細かいことはどうでもいいの。二人がカエルステーキの代わりにのじゃロリちゃん家の余り物を持って行ってまでどこに行くのかと思えば、まさかの目的地は何の変哲もない湖……よ? これはデートと言っても過言じゃないんじゃないかしら?」

 

 

強いていえばアクアちゃんが檻にぶち込まれてピュリフィケーション連打して浄化したトラウマの地……というより池。

元々ブルータルアリゲーターが巣くっていたその場所だったはずなんだけれど、どうやらアクアちゃんの記憶からは抹消されたみたい。

 

 

「デート。それは恋人の契りを交わした者どもが二人でイチャイチャする特別な時間のこと」

「じゃああれはデート……なのかしら?」

「イチャイチャしてるように見えるか」

「……なんかいつも通りね。爆裂魔法を撃ち終わっためぐみんのことをおんぶして帰路につくカズマさん。……おんぶしてるのを見ると、なんというか、仲のいい兄弟みたいだわ」

「つまりただのピクニックってわけだ。しかし良いものを覚えられたろう?」

「良いこと?」

「爆裂魔法で漁業ができること。それがあの二人が秘匿してきた事実だ」

「……ああ~なるほど~!」

 

 

アクアちゃんがぽんっと手を叩き「良いことを知ったわ」とルンルンになる。

これからめぐみんはアクアちゃんにお魚のために毎日湖に向かって爆裂させられることでしょうが、まあ他のパラレルでもきっと結局この展開になっていたはずです。

バタフライエフェクトが起こらないのは運命の強制力が働いているのか、それとも……

 

なんて適当なことを考えているうちにアクアちゃんがカズマ君の方に走って「毎日こんな方法で漁業してるだなんて、どうして教えてくれなかったの! 今日から私がめぐみんの爆裂魔法の採点してあげるから一緒に湖にいらっさいな」とかいう声が聞こえます。

私はそれを無視してク-ルに去るぜ……

だってデートをのぞき見してるだなんて思われたら気まずいから!




次回

ベルゼルグ国民の三大義務……
日本国と同様に憲法に定められた国民の義務「教育」「勤労」そして「納税」

これは冒険者どもが納税から逃れるための逃走劇である……
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