ゆんゆんがカズマの家に来て、試練を手伝ってほしいとのこと。
ペットをバニルに預けるが、そこに主人公ちゃんの姿は見えない。
まあ、何とかなるでしょ。
<めぐみん>
「た、大変だー! めぐゆんのバカップルが外の人を連れて帰ってきたぞーっ!」
「これだからそけっとさんに微妙な顔されるんですよ! 捻り潰しますよ!」
「こわっ! そしてひどっ!? 最近口撃が即死魔法に変化してるんじゃ!?」
「いえ、もっといってやりなさいいゆんゆん! 誰がバカップルですかとね! ぶっ殺しますよブロッコリー!」
「ちょ、馬鹿なことをしでかす二人組のことをそう略したのは悪かったって! だから僕の名前をわざと緑黄色野菜にしないでほしいんだけど!」
「今言ってはいけないことをいいましたね! 私は馬鹿なことをしでかすなんてしてませんから!」
「毎回紅魔の里に帰ってくる度に巨大なクレーターを作るのは馬鹿なことじゃなイテっ!?」
ぶっころりーが変なことを口走りかけてたのでチョークスリーパーをかけに首へ襲いかかる。
そもそもこめっこに変なことを教え込むこのニートにはお灸を据えないとと思っていたところですよ!
「ちょ、めぐみんめぐみん、そろそろその引きニート第二号を放してあげなさいな? 顔色が紫になってるわよ?」
「これは緑黄色野菜に進化する前触れですね! もう少し負荷をかけてみましょう!」
「じぬ゛……だずげ…………」ガクッ
「ふー……よし! 緑黄色野菜の生成に成功したので家にお届けしましょうか」
「何がよしだよ! 悪しだわ! 俺はお前のことをそんな暴力娘に育てた覚えはありません!」
「育てられた覚えがありません。さて、そんなことより私の実家に行きましょう! 最近ロブスターの川茹でがおいしいと連絡をもらってるのです」
私は妹弟子のそけっとに「悪魔の召喚をするの? くんくん……結構じめっとしたかび臭さがあるわね。まあいいわ、この私が浄化してあげるんだから!」と言って絡んでいるアクアを引き剥がして、カズマとダクネスを家に招待するのだった。
自由気ままなのはアクアらしいですが、あまり予想外の行動をして同族を困惑させないでほしいのです……
おかげでそけっとは「私の悪魔ちゃんが滅せられる……!」とか言って泣き顔じゃないですか。
そうこうしているうちに家に到着しました。
……とても、魔王軍が攻めてきた後とは思えないほど新築みたいですね。
すると家の中からかなりお久しぶりの声が。
「帰還したか、我が弟子よ」
「おおっ、我が師よ! 長らくこの再会を望んでおりました! ……それで、最近はどうしてアクセルの街で顔を見せてくれなかったんです? ウィズの惚気話は終わりましたよ?」
「いや、その。……最近魔王城の結界維持をしてると話しただろ? それでな、その機構を紅魔の里にも導入しようかと思っておったら……その」
「あれですか。夢中になりすぎて時間を忘れてたということですか」
「いや、この家を最初に改造しておいた故、ウィズには……」
「ええ、心得ております」
つまり、ウィズに泣かれて怒られたくないと言うことなんでしょう。
頬を掻きながらバツが悪そうな様子は珍しいですが、私はできる弟子なので、魔道具店に帰った際に泣かれそうになったらいい感じにフォローするのです。
それはそれとして。
またしても紅魔族の文明レベルが進んだようですね。
今は何十年先のレベルに達したのか。
っと、そんなことよりですよ!
「師匠師匠!」
「なんじゃ?」
「実はですね、早速で申し訳ないのですが、私、川茹でをいただきたいと思ってまして」
「ああ、猛者どもがなれの果てか。腐らないうちに思う存分取って食べるといい。こめっこ、お客様の案内を。オーバー」
「りょうかーいっ! オーバー!」
「こ、こめっこ? 一体どこに隠れていたのですか!?」
「今家にいっぱい転移ポータルある。長女がいない間にぞうせつしたって」
「こ、こめっこ!? 長女とは私のことですか!? もしかして最近ほとんど顔を見せないから拗ねているのですか!?」
「エビもどき喰いに行くのに同行させてくれたら拗ねないかもわからない」
「いきましょう、いきましょうとも!」
私の実家のポータルとやらは置いておいて、こめっこのあとに続いて、私のことをまた姉ちゃん呼びしてくれるように……
そう考えていたのですが。
「4名様ごあんないー!」
「何を言ってるのですこめっこ? 早くその川茹でを食べにいっひひいぃぃいいいぃっ!?!?」
落ちた。
何があったのかと言われればそう答えるしかない。
そして次の瞬間、尻餅をつき、思わずお尻をさすりながら前を見ると、うちの前の川にいました。
こ、これがポータルとやらの効果なのでしょうか。
こめっこは慣れた様子ですたりと立っている一方、他の三人といえばダクネスが二人を受け止め下敷きになっていた。
……下敷きになったとしても、ダクネスは鎧姿なのでカズマとアクアは地面に尻餅をつくより相当痛い思いをしたに違いない。
かわいそうに。
「よしついた! ねえちゃん、あそこに浮いてるのが川茹でのエビもどき。昨日から浮いてるからそろそろ臭くなるかも」
「ちょちょ、ちょっと待ってください!? まさかとは思いますが川茹でとはその文字のごとく川を沸騰させて茹でたということですか!?」
「うん、そう! おかーちゃんがエビどもを裏切って、それでね、おいしく食べるためにヴォルケーノって言って料理してた。あ、私は寛容だから案内料はねーちゃんのが取ってきた分でいいよ」
もしかしたら見た目が変わっていないだけでこの家は変わり果ててしまったのかもしれません。
……まあ、ポータルやヴォルケーノがかっこいいのでよしとしましょう。
「って違います!」
「もぐもぐ……なにがひがふって?」
「私は別においしい料理を食べにこの地に赴いたわけではないのですよ! 新なる目的はゆんゆんを族長にするため! そしてあわよくば、その族長を裏から支配するポジの補佐を……」
「めぐみんったらそんなこと考えてたのね。私はてっきりのじゃロリちゃんの恋しくてホームシックみたいな感じになっちゃったのかと思ってったわ」
「私も実はそうではないのかと思っていた。ほとんどアクセルの街にいるときに、暇さえあればアクアとウィズの店へと遊びに行き、魔法の勉強をしてると聞くしな」
「俺は単純に食欲だって思ってた」
「よろしい、三人とも私のことを自律できない子供か何かだと思っているのならはっきりとそう言えばいいでしょう! でなければ我が爆裂魔法の糧となれ!」
そう言って私が杖を振り上げると同時に、どうしてだろうか。
抗いがたい眠気が再び襲いかかってきた。
私は見覚えのある母の影を見て「やってくれましたね」と思いつつ、食後の眠気も相まってぐっすり翌朝まで眠ってしまった。
他なりに上半身裸のカズマがいたので驚きのあまりエクスプロージョンしたのは秘密です。
大きな爆裂音以外、この家の魔法障壁のおかげもあり被害はなかったので。
次回こそ
モンスターパーク、紅魔の里
(時間がなくてそこまでたどり着けなかった悲しみ)