ラスダンへ足を踏み入れもう10階層。
凄いスピードで爆進する彼らの前に現れたのはなんとなんとほとんどオリジナルのキャラクター!
作者の頭の中で某ツンデレロシアお嬢様を想像しながら書いているものの、何だかたまに脳裏を横切るネクロフィリアPADヤツメウナギ吸血鬼ほにょぺにょこ。
意図せずして異世界カルテットの影響をもろに受けている作者。
おかげで口調も安定していないばかりかキャラ設定も秒で考えた不安定さが露見している非常事態に今後どう向き合えばいいのだろうか!(絶望)
<カズマ>
13階層
「私の名前はアマリリス! ねえ、私とお話しし……ってそこにいるのはバニル様!」
「人違いである」
「まあまあ、後ろの携帯食料の皆さんもこんにちは……それともこんばんは? 今私ペットのステスキーを探しておりまして……もしよければバニル様の見通す目でどこに私のペットがいるかを探しては……」
「手頃な経験値だ。やるがいい爆裂卿」
「承りました。エクスプロージョンッッ!!」
「何か気に障りましたかバニル様ぁぁああっっ!?!?」
そんな感じで躊躇なく同胞をめぐみんの経験値に差し出した悪魔殿。
いくら自分の悪事を隠蔽するためだからといって同じ悪魔を瞬時に地獄へ帰還させるなんてやっぱ人間じゃねぇ。
せめて謝罪の一つくらいしてあげろよ。
「いやー、危ない危ない、危ないところであったな! このままやつを好き放題していたら貴様らに一生もののトラウマを植え付けていたところであった! 具体的には呪いの人形みたいに首を360度回転させたり、キメラのように擬態させた体を魔の子に焼けつけさせ……そうすればダンジョン探索などしている場合ではない!」
「本当か? 帰ったらあの嘘つくとチンチンなる魔道具の前で話してもらお……」
「何を勘違いしてるかわからないがそんな目で我が輩のことを見るでない……発光女がいなくなりよりハーレムに近づいたのを感じ内心うれしく、もういっそのままこのまま旅芸人に転職してくれないかなーと考えている鬼畜男よ」
「わーーっ! 何言い出すんだよこの悪魔! 流石の俺でもそんな仲間に対して非情なこと考えないからな! ……めぐみんさん、ダクネスさん。本当に考えてないんでそんな目で俺を見ないでください! 仲間の視線が痛い!」
15階層
「バニルさん、なんだか魔物の数が正常に戻ってきましたね? もしかしてお嬢様が今までストレス発散で魔物の皆さんに八つ当たりしてたせいでは?」
「そうであるな。というか少々多すぎやしないだろうか。いや、我が輩にとってはこの程度の雑魚、相手にするまでもないのだが如何せんレベル1の育成をしなくてはならないので手加減が難しくて難しくて仕方ない。リッチーである貴様もかなり魔力を消費しているように見えるぞ? ドレインタッチをしてさっさと回復するといい。それかその素敵な魔物と出会わせてくれるロザリオを捨てるが吉」
「捨てませんよ大事なお守りですから! それに……そんなこと言ったって、ここら辺の魔物は魔力が、こう、重いんですよ。油で揚げた料理を食べた後に胸焼け……はしたことないんですけど、そういう重さがあるんですよ。おかげでさっぱりした魔力がほしいなーなんて」
「我が輩の方を見て何恐ろしいことを言っているのだ。我が輩の魔力は確かにレモネードのようにすっきりとした味わいであるが、悪魔は魔力が根源、誰が好き好んで力の一部を分け与えようか! 自分の頭を千切り、子供に分け与えると言うヒーローとは違うのだぞ!」
「何ですかその子供にトラウマを植え付けるスプラッタなヒーロー!? もしかして子供に悪夢をプレゼントするために生まれてきたヒーローとは名ばかりの残虐な存在なのでは!?」
いや、ア○パ○マ○だろ。
愛と勇気だけが友達な子供も大人もみんな大好き国民的ヒーローを残虐なやつとか言うな!
「しかし悪を完璧に滅さず、悪が活動を再開したときに再び介入する一種のマッチポンプ的手法。顔を千切れば肉体欠損で力が出ないといい役立たずになる無能さ。マクスウェルでももう少し頭があると思う」
「いやいや、あれは自己犠牲の精神を説いたいい話だから! てか本当に前もいってたけどマクスウェルって誰だよ!」
「我が輩と同じ悪魔の公爵である。愛情深く、一途を貫き通すなかなかに整った顔立ちであるが……いかんせん後頭部がすっぽりと欠損していてな。我が輩は何千何万と挨拶をしたが未だに名前を覚えられない赤子のマクスウェルだ」
「頭がないって言ってたけど物理的かよ! まあそれでも頭部全部を与えて生首になったことがあるア○パ○マ○にはインパクトが劣るな」
「……カズマの国の子供向けの物語はなかなか刺激的ですね」
ちょっと待ってくれ!
一応弁明させてもらうとあれは大人も子供も楽しめる劇場版だから!
普段のアニメだと全然そんなやばそうな描写ないから!
だから俺の国に変な偏見を持つのはやめてください!
海外版であんこの部分が血液判定されて白塗りか黒塗りで規制される耐えがたさは筆舌に尽くしがたいほどに度しがたい!
とりあえずウィズは魔物を呼び寄せるロザリオを捨てようか。
20階層
「ナナシさんと一緒にここまで来たことが何度かありますが、本当に変わりありませんね……。あっ、見てください! ここに昔使ってたテーブルとティーポットが!」
最深部。ここは二人の秘密のお茶会スポットだったらしい。
確かにほかの階層と違ってかなり派手でないにしろ高級感あふれ、厳かで、王都の城みたいな雰囲気がある。
その奥には重厚な扉。
まるでゲームのラスボスの部屋のように仰々しくも禍々しい装飾。
「カズマカズマ! この扉を持って帰りましょう! そして我らが屋敷の玄関に再利用しましょう!」
「やだよこんな玄関の家なんて。配達の人が近寄りがたくなったりするだろうし却下だ」
「ぶーぶー! ここまで誰のおかげで早く来れたと思っているのですか! 私のことをもう少し丁重に取り扱ってくれてもよいのですよ!」
「いや、今回の目的は俺のレベルアップだからな? ……だだを捏ねるなよ、実家の扉に採用すればいいだけの話だろ?」
俺の提案を聞いためぐみんが「流石カズマ、我が弟弟子は天才です!」とドアの解体を始めた。
ドアの奥に見えるのはティーカップを傾けすぎてこぼしているあんぐりとした口。
多分ここのダンジョンのラスボスなんだろう。
すみません。
うちの馬鹿が戦いの前に戦利品の確保に走ってしまってすみません……
そんなことを思っているとウィズがダンジョンのボスの方へ。
「あらあらボウフラさんじゃないですか! どうしたんですかそんなにげっそりとした顔をして! もしかしてマンドレイクの収穫に失敗して夜泣きに悩まされ……あっ、ヴァンパイアは夜に起きるので夜泣きならぬ朝泣きですかね!」
「いや、マンドレイクはうまくあやせてる。そうじゃなく、いつもナナシといるはずなのに、今日はいないし、何故か大所帯で来たことに非常に困っているだけだ。どうもてなすべきか……」
「私の友人ですので穏便かつ丁重にお願いします。でなければ……うふふ、ナナシさんと初めて遊びに来たあの日の再来を体験することになります」
「アッ、ハイ」
どうやらこの人……あんぐり開けた口から牙が見えたところから吸血鬼っぽいが、ウィズの知り合いらしい。
昔、ウィズとヴァンパイアの戦いを見たが、この種族はどうにも互いを毛嫌いしている。
今回はウィズの方が格上なのか、ヴァンパイア特有の傲慢さは欠片も見えない。
……いや、ナナシとウィズ、どちらか片方だけでも国を滅ぼせそうなのに、二人が組んでるところに鉢合わせてしまったのだろう。
一体どんな取引をして命があるのかはわからないが、俺と同じ相当な苦労人の香りを感じる。
「えっと、ようこそおいでくださいました? 魔道具の類いはほとんどそこのリッチーに強だts……ではなくてお譲りする形となったのでおいてありませんが、お好きなものを是非お持ち帰りください。手作りクッキーと紅茶もあるのでよければどうぞ」
「おう、ありがとな? その、頑張れよ?」
「ありがとう少年。私も1000年ほど真祖など名乗らせてもらってるが……はあ、本当に最近はプライドをズタボロにされる悲劇が多すぎてな。人間とは思えない、人間の皮を被った人外の襲撃に始まり」
「そりゃ災難だったな……」
「その人外がアンデッドの友達を連れてきてお茶会をして、人の家で何やってんだって怒っただけで氷漬けにされ」
「理不尽! 圧倒的理不尽!」
「挙げ句の果てに人外がしっかり皮を破り捨てて人外になってから『君、才能あるね! 一緒にダンジョン経営やってみないか?』と変な勧誘を受けて断ろうとしたら武力行使される未来が見えて断れず、今に至る。本当は詳細を語りたいのだが」
「語りたいのだが…?」
「…………魔女の呪いによって情報を暴露したら心臓を破壊されるのでここまでにしておこう」
「……本当にあの人は」
ヴァンパイアの人の目を見る限り非常に果てしない遠くを見ている。
本当に語るに語れない何かがあったことはわかった。
俺は心より被害者に同情した。
……そんなときだった。
誰かの手により扉が破壊され、めぐみんが爆裂魔法を詠唱し始めた。
俺は「ああ……我が安住の地はダンジョンにはなかったのだ……」とから笑いをするヴァンパイアさんの精神を守らねばと立ち上がり、めぐみんを止めにいくのだった。
次回予告
扉を壊した犯人は!?
1.ダクネス 2.ウィズの知り合いのファザコンお嬢 3.ナナシ
意外でもなかったかもしれなかった娘の正体がわかる!
かもしれない。