アマリリスとかいう変な悪魔が開幕出落ちして始まった前回。
いつの間にかア○パ○マ○の話題が入り、いつの間に最下層に。
そこでめぐみんがドアをぶち壊し、中で待ち構えていた吸血鬼の人がぽかーんとなっていた。
ナナシに敗北してわからされ、ウィズに対して萎縮していたかわいそうな人にまたしても災難が……
<めぐみん>
ダンジョンの最下層20階層へ到着したとき、私たちは運命的な出会いをしました。
重厚感あふれる禍々しい装飾の扉。
一目見てわかりました「ああ、この扉は師匠の力作なのですね」と。
よく見れば魔力が中に通っており、それでほとんどの攻撃は防ぐことができるようになっていますが、それ以上にデザインが最高なのです!
私はこの子を家へ連れ帰るために慎重に魔力回路をいじくり、そして、いよいよ取り外し完了し終えようとしていたそのとき!
爆発四散した。
「私のとびらがぁああッッ!? 何をするだぁっ!?」
「残留魔素、強大な魔力……間違いない、あなたね。私の友人のアマリリスちゃんを残酷に殺すだけでは飽き足らず、あのかわいらしいと聞いていたペットのステスキーを禍々しくも残酷な姿へ変えたのは。あなたに人の心はないのかしら!」
私の前に現れたのは10階層あたりで見かけた魔族の女。
私と同じ環境に配慮したフォルムを見て勝手ながら仲間意識を覚えていたのですが……
彼女が何のために怒っているのか、一体何のことを言っているかさっぱりです。
いえ、アマリリスとかいう蜘蛛の足をしたキメラに擬態した悪魔は最上位の悪魔バニルの許可とって討伐させていただきましたが、ステスキーとやらは私のせいじゃありません!
そもそも禍々しい感じは元々でしたから。
ほとんど仮面の悪魔のせいなのにどうして実行役の私が誹謗されているのか、まったく理解できません。
「残念ながら私は黒幕ではないですよ? せめるならどうぞ計画犯である貴方の知り合いらしいバニルに」
「いくらバニルが悪魔だからってそんな残酷なことするはずないでしょう! 人に罪を着せるとか最も忌むべき禁忌をするなんて恥を知りなさい!」
「だそうですよ?」
「……我が輩、悪魔故に同胞を故郷へ強制送還した以上の意識はないのである。そもそも我が輩の腕を噛んできた野良ネロイドがステスキーなわけないであろうに」
この悪魔……知らぬ存ぜぬで貫き通すつもりですね!?
貴方が蒔いた種なんですからしっかり収穫してくださいよ!
何ですかそのニヤニヤ顔は!
罪悪感の意識一つもなく悪感情を食べるのはやめてください、キレますよ!
そんなこと思っていると、強大な魔力がうねり出す。
「私のお友達の敵……!」
「なんですか、やるんですか? 紅魔族は売られたけんかは買いますよ。我が名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法使いにして爆裂魔法を操りし者!! 我が扉をよくも破壊してくれましたね! 私のものに手を出すとどうなるか、その身をもって味わうがいい!」
「…………めぐみん? そう……あなたがあの私たちの住処をヘンテコにしてくれた邪神の神子ね」
「邪神? ナナシ師匠の一番弟子とは私のことですが、神子とか貴女の住処のことはわかりかねますよ。……さて、私は名乗りましたよ? 汝も名乗るべし。その後に引導を渡してあげましょう」
「傲慢ね。私は……そうね、八坂とでも名乗っておきましょう。今から死にゆく人間にはそれで十分よ。とくと去ね!」
「……その口ぶりと怒気から察するに、どうせ師匠に反抗してお仕置きされた口でしょう? もう一度お仕置きは必要して差し上げましょう! エクスプロ」
「ドレインタッチ」
「ぅかぁああぁぁあああぁあっっ!? イッタイ頭ガ……」
「お前何ダンジョンで爆裂魔法放つことに味占めてるんだよ! ダンジョンマスターの吸血鬼さん困っちゃってるだろ! それと、バニルとウィズの知り合いに何爆裂しようとしてんの!? いい加減にしないと拳骨いくからな!」
くっ、まさか私としたことが一生の不覚……
一度敵対したやつに対しては徹底的にわからせて牙をへし折って、反抗の芽を摘み取っておこうとしたのにまさかそれを阻止されるとは。
カズマはまだまだ甘ちゃんですね。
そんなことでは足下をすくわれますよ?
「すいません、えっと、八坂さんでしたっけ? 八坂?」
「……何よ。私の名字に文句あるかしら。紅魔族みたいに珍妙だとは思うけど、嫌いじゃないの。もし貶したら……」
「いや、別にそういうわけじゃないんですけど……もしかして転生者だったりします?」
「テンセイシャ……?」
「あっ、何でもないです! それよりバニルやウィズとどういうご関係で? 俺は友人兼職場の関係者みたいなもんだが……」
「何? あなたもセレスディナと同じ類いなのかしら?」
「え、ええまあ。アイツとはダンジョンを経営した仲ですが……彼奴ともお知り合いで?」
「ま、まあね。人間のくせに有用だったから目をかけていたけれど、まさか私をおいてそんな面白そうな遊びをしてるなんて。組織のトップたる自覚はないのk……ないのよね。だってあの子、ナナシに解雇されて落ち込んでたものね」
どういうことでしょうか。
私の名前を知ってるだけではなく、師匠、ウィズ、バニル、それからカズマと同期のセレナのことまで知ってるとなると……
まさかこの魔族の女……
「あなた! もしかしなくても!」
「! ようやく気づいて恐れ戦いたかしら? そう私こそは!」
「ウィズ魔道具店の関係者でしょう! ……え?」
「魔王軍幹部の関係者ですわ! ……えっ?」
どうしましょう、結構自信満々に言ってみたのに外してしまいました。
というかこの娘は魔王軍幹部の関係者……
今生存している幹部はウィズ、お姉さん、バニル、師匠、それから……魔王の娘。
……ああ、なるほど。
ただならぬ魔力を放っていましたが、まさかまさか私たちの里を滅ぼそうとした張本人とは!
これはみんなの代わりに私が落とし前をつけなくては……
そんなことを考えていると。
「つまり、元・魔王軍幹部ってことだよな?」
「は? 現在進行形で幹部ですが?」
「でもこの前セレナから聞いたぞ? なんかナナシがめちゃくちゃ組織改革して魔王城がホワイト企業まっしぐらだとか、古い秩序をぶっ壊すために魔王軍幹部の制度を取りやめにしたとか」
「それはあいつが勝手にやったことよ! 冗談じゃない、私は断固認めないわ! お父様が『こいつ、やってることはハチャメチャだが、どういうわけか必ず結果を持ち帰ってくるからな……全部任せて俺は引退しようか』とか言っていたけれど、お父様の許可なく魔王軍幹部を解体するなんて絶対認めないわ」
なるほど、またここに新たな師匠が生み出した被害者が一名というわけですか。
まあ、あふれ出る魔力量、精密な魔力操作技術、それによって練られた魔力密度を見るに親の七光りという訳でもなさそうです。
そう思っていたときにウィズが。
「……えっと、私、もう魔王さんの部下じゃないとナナシさんから聞いたのですが、今も私は魔王軍幹部なのでしょうか?」
「……それは、一応書面上は幹部脱退となってるはずだけど。私は認めてないわ、あなたほどの優秀な人材、辺境の街で腐らせておくにはもったいないわ。とそんないうわけで一緒に魔王城にカチコミへ行きませんこと?」
「か、カチコミですか!? あわわわわ、どどどうしましょう!? あの私の癒やしの一つだった可愛らしいお嬢様がぐれました!? わ、私いけないと思うんです、魔王さんに拳で殴りかかるなんて淑女としてですね……」
「そんなことしないわよ。私が襲撃するのはナナシの方だから、誰がお父様のことを傷つけるものですか、そんな輩がいたら殺しますよ?」
すごく……すごんでますね。
……何というか魔王軍のお嬢様は過激派らしい。
昔の私もこんなツンツンしていた時期があったかもしれませんが、さすがに客観的に見るとただのヤンキーに見えて仕方ありません。
今度から街のチンピラに絡まれたときにはもう少しかっこよく、チンピラのペースに飲まれずに華麗にステゴロしたいものです。
しかし、まさか師匠に襲撃ですか。
もしかしたら師匠が内部から魔王軍を崩壊させるなんてやって……はいなそうですね。
あの人なら真っ向正面から魔王と魔王軍の精鋭たちと戦い、華麗に勝利を収めることでしょう。
なんかそう考えると、そんなアンチェインなモンスターを手元で管理して……いや、管理させている魔王軍は……
「その、魔王軍幹部も大変なのですね……」
「そうなのよ。今週なんて『汝、有給を消費するべし。実に勤勉なことはよいが、休みを取り英気を養うのもまた仕事の一環だ。来週は若者らしく遊んでくるがいい』と言われ、仕方なくダンジョン籠りよ。いい出会いこそあったけど……あなたのせいで台無しじゃない。私の正体を暴いてしまったからには生かしてはおけないわね」
「……自白じゃなかったですか?」
「そんなことはどうでもいいのよ。今の私はただ機嫌が悪いの……お友達を惨殺され、憎きヤツの関係者と対面して」
そ、それは確かに悪いことをしたなとは思っているのです。
とくにぼっちと一緒に長年過ごした身からすると、唯一の友人がいなくなってしまったときの悲惨さは身にしみてわかります。
そんなことを思っているとカズマが。
「一応言っておくが、あいつ悪魔だし、死んでも地獄に帰るだけだろ?」
「そうであるな。今頃は我が輩に会えたことを地獄で自慢しまくっている頃合いだ。もはやステスキーの行方に一切目もくれず他の悪魔どもに我が輩がいかにかっこよかったかを説いているな」
「え、えぇー……」
非常になんともいえない表情ですね。
友人の死を悼んでいたのに、当の死人は地獄で元気にやっておりますと言われればそんな顔にもなるだろう。
次回予告でもなんでもない書き流し
全然進まない物語ですが、なんやかんやあって魔王の娘と一戦交えると思います。
めぐみんのお眼鏡にかなうのか?
なんて書いてみますが、普通、魔王軍幹部に挑む冒険者という構図とは真逆ですね。
そして、なんやかんやで深まる絆。
というわけで、最終巻近いのに物語のプロットなどは何にも考えていませんが次回をお待ちください。